【ダイレクトカーズ】TRIP(トリップ)
目次
ダイレクトカーズ「TRIP(トリップ)」
今回は、ダイレクトカーズからキャンピングカーショー2020で発表された『TRIP(トリップ)』を紹介する。
ダイレクトカーズは長年、ハイエースをベースとしたバンコンをメインに製造してきたが、ハイエースよりもサイズの大きいトヨタのカムロードをベース車に採用した『TRIP(トリップ)』は、昨年発表された『モビリティホーム』に続き、同社のキャブコン第二弾となっている。
車での長旅を快適かつスタイリッシュに楽しめる、工夫がたくさん詰まった新世代のキャブコンだ。
TRIP(トリップ)
ビルダー:ダイレクトカーズ
タイプ:キャブコン
ベース車両:トヨタ カムロード
価格:¥8,690,000~
乗車人数:7名
就寝人数:4名
全長:5,050mm
全幅:2,100mm
全高:3,100mm
内装
白を基調に、ブルーのキルティングがアクセントとなった車内は清潔感があり、サイド家具のシルバーラインが、さらにスタイリッシュさをプラスしている。
また、天井やサイド家具の下など、車内のいたるところに間接照明やLEDスポットライトが装備され、立体感のあるラグジュアリーな空間に仕上がっている。
ダイネット
ダイネットは、セカンドシートとサードシートによって構成される対座式になっている。
センターテーブルは、天板中央にハンドルを差し込み回転させるだけで、簡単に高さ調整が可能だ。無段階に昇降するので、好みの高さぴったり合わせることができる。
また、テーブルを最下部まで下げ、シートの背もたれになっているベッドマットを上にセットすれば、長さ1,400mm×幅1,050mmのベッドとして使用することも可能。
シート下にはFFヒーターの吹き出し口があり、足元から車内を温めてくれる。FFヒーターは標準装備なので冬でも安心してクルマ旅に出られるだろう。
さらに、トリップにはDC12V電源のインバータークーラーも標準装備されている。家庭用エアコンのように、インバーターでDC12VからAC100Vに変換する必要がないため、電力ロスのない稼働が可能だ。
家庭用エアコンと比較すると、6畳用に匹敵し、使用電流は10〜15Aと省エネ。
コンパクトなので、ダイネット上の収納棚の中に格納され、使用していない時は隠せてしまうのも嬉しい。
バンクベッド
運転席上部にあるバンクベッドのサイズは長さ1,320mm×幅2,000mmと大人二人が就寝するのに十分なスペース。両側には窓も付いているので閉塞感もない。
さらにLEDスポットライトに加え、100Vの家庭用コンセントやUSBポートまで備え付けられ、実際の利用を徹底的に考えられた作りになっている。
そしてトリップのバンクベッドにはある秘密が……。
なんとベッドマットを跳ね上げれば32インチの大型モニターが現れる。この大型モニターも標準装備。
モニターがこの位置にビルドされることによって、リアの常設ベッドからもテレビを見ることが可能だ。
モニターが標準装備で付いてるキャンピングカーはたくさんあるが、バンクベッドの裏にモニターがビルドされているのはトリップぐらいではないだろうか。
ギャレー
ギャレーには丸型のシンクと、IHコンロがビルトインされている。IHコンロはモニターで温度設定ができる贅沢仕様だ。
ギャレー上、ギャレー下にはしっかりと収納スペースが確保され、収納棚、引き出しともに、高級感があり手を挟んだりする心配のない、ソフトクローズ機構が備わったいる。
さらに、壁面には調味料を入れるのにぴったりなサイドキャビネットが据え付けられており、実用的な作りで、車内でも不自由なく料理を楽しむことができそうだ。
またトリップでは、長旅での利用にも対応できるように、DC12V電源の148L・大容量冷凍冷蔵庫が標準装備されている。
これだけの容量があれば、旅先で購入したお土産の保管する場所にも困ることはないだろう。
リアベッド
リアには長さ1,800mm×幅1,170mmのセミダブルサイズのベッドが常設されている。
ミニテーブルやマガジンラックも付いているので、飲み物をテーブルに置いて、寝転びながら読書やテレビを楽しむことが可能だ。
右側と後方には窓も付いているので、体感的には実際のサイズ以上に開放的なベッドスペースとなっている。
ベッドの下には、上からも横からもアクセスできる収納スペースになっている。横からアクセスした場合、中に仕切りがあるので、下駄箱として使うのがいいだろう。
マルチルーム
そして、トリップの最大の特徴とも言えるのがキャンピングカーとしては非常に大容量の135Lの給水タンクを装備している点だ。
さらに、瞬間温水ボイラーを標準装備し、カセットガス3本で約2時間の使用が可能。湯量を気にすることなくシャワーを使うことができる。
マルチルームは完全防水仕様になっており、温水シャワーやトイレが完備されている。
コントロールユニット
エントランス上部のコントロールユニットには車内の電源類がまとめられているほか、Bluetooth接続可能なオーディオセット、さらに水回りが強いトリップの良さを最大限引き出すために給水や排水量が一目で分かるデジタルモニターが標準装備。
電装系・その他
標準装備のツインバッテリーには、外部電源からの充電、走行充電に加えて、屋根の上に設置された最大出力215Wのソーラーパネルからも充電が可能。また、1500Wのインバーターも標準装備されている。
また、インターネット接続サービスに対応したカーナビを標準装備で搭載しており、別途通信会社との契約は必要だが、動画の視聴などをデータ容量を気にせず利用可能だ。
また、カーナビ自体がWifiスポットとなり、車内でスマートフォンやタブレットをWifi接続して楽しむこともできる。
これだけの環境があれば長期間の旅でも快適に過ごすことができそうだ。災害時のことを想定してもとても心強いのではないだろうか。
外装
エントランスには収納式のステップや足元を照らすウェルカムライトがあるので、夜間の乗り降りも安全に行うことが可能。
網戸も標準装備されているので、夏に風を取り込むためにドアを開けても虫が車内に入ることなく快適に過ごすこともできる。
車体左側には温水も出る外部シャワーが設置されており、アウトドアレジャーやペットとのお散歩を楽しんだ後に車内に入る前に汚れを落とすことができる。
また、車体右側と後部の車外ラゲッジボックスは、キャンプ道具など外で使うための道具を収納するのに重宝するだろう。
そして、135Lと大容量の固定式の清水タンクを装備している。給水方法はリアハッチにある給水口からホースで直接給水する。
必然的に、排水タンクについても大容量となるので排水時にも重いタンクを取り出す必要はなく、レバーをひねるだけで簡単に75Lの水を排水することが可能だ。排水用の太いホースであれば繋ぐことも可能なので、直接ダンプステーションに排水することもできる。
まとめ
標準装備の充実具合もさることながら、バンクベッドの裏にビルドされたモニターや、135Lの巨大な給水タンクなどオリジナリティ溢れる架装も施されており、まさに「新時代のキャブコン」といった印象を受ける。
車名にもなっているTRIPという言葉通り、長旅を楽しみたい方にとっては、理想の一台になりうるキャンピングカーだ。
また、標準装備で最大出力215Wのソーラーパネルや大容量の給水タンクが備わっているので、防災的な観点から見ても非常に心強い。
「ダイレクトカーズと言えばバンコン」というイメージを覆す、2020年要注目のキャブコンに仕上がっているので、気になる方はぜひキャンピングカーショーなどに足を運び実物をチェックしてみて欲しい。