エアストリーム 購入

エアストリームに一目惚れ。キャンピングトレーラー購入までの道のり



前回は、アメリカ車とヨーロッパ車を比較して、その特徴の違いについて、そして、キャンピングトレーラーを保有することによって得られる魅力的なライフスタイルについて、お伝えしました。

今回は、いよいよ、キャンピングトレーラーの購入から、実車を迎え入れるための準備について、私の実体験に基づいてお伝えします。

エアストリームが欲しい!

何かで読んだのです。エアストリームは一生ものだと。さらには、孫子の代まで受け継いで行くものと。こういう響きに弱くないですか?私はすっかり感化されてしまいました。

確かにUS本国では、古いものですと1950年代から探すことができますし、1960年代ものになると特に人気があるようです。50年も60年も昔のエアストリームが、綺麗に手入れされて大事に乗りつがれているという話は、非常に感慨深いものです。

それで、私の心は決まりました。やっぱりエアストリームだな、と。「私もまだ見ぬ孫に継いで行くのだ!」と。

キャンプ

先日、うちの娘に、孫子の代まで受け継ぐハナシを持ち掛けましたが、「いらないよ。」って言われました。就職活動で大変な時に不適切な話題でした・・・。

しかし、キャンピングトレーラーは購入すればすぐにけん引できる訳ではありません。

トレーラーの重量によってはけん引免許が必要ですし、ヘッド車(トレーラーを引っ張る車)にヒッチメンバー(けん引用接続器具)、また車両登録手続きなどの様々な手順があります。

トレーラー購入に向けて、準備することは盛沢山です。

次では購入までにどういったことを考え準備してきたのか、順を追ってご紹介していきます。

ヘッド車はポルシェ カイエンに決定

ポルシェ カイエン

私の場合、ヘッド車(引っ張る側のクルマ)選びは、これまで長い間、車中泊で使ってきた相棒「ポルシェ カイエン958 ハイブリッド」に決めました。

ただ、この決定に至るまでには葛藤がありました。

当初、私はできるだけ大きいトレーラーがカッコよくて理想と考えていました。

しかし、けん引時には、それ相当の負荷がヘッド車にかかります。不適合な車両でけん引を続けていれば、ボディは早い段階で悲鳴を上げて、本来の剛性を失ってしまうことも考えられます。

『大きなトレーラーを購入するなら、カイエンも買い替える。』『カイエンに乗り続けるなら小さめのトレーラーにする。』

どちらにしようか迷いましたが、カイエンには愛着があるので、カイエンの許容レベルを踏まえ、重量は2t以下になるようにトレーラー選びをすることにしました。

ヒッチメンバー選び

トレーラーをけん引するために必要な象徴的な部品といえるヒッチメンバー

カイエン958に取り付け可能で、車重のあるトレーラーでもけん引できる、けん引能力の大きいヒッチメンバーを探す必要があります。

仮に、ボートほどの重量をけん引するレベルであれば選択肢はあるのですが、今回のように、2tという重量級となってきますと選択肢は限られます。

私は、アメリカのヒッチメンバー製造大手の「CURT」製を購入しました。

curt

アメリカ規格の2インチ仕様。灯火類配線は、スモール、ブレーキ、リバース、左右ウインカーなどの信号が接続される。CURT製を取り付けるためには、バンパーの一部をカットする必要がある。

これならばけん引能力は3400㎏、垂直荷重は340㎏までOKとなり、条件は楽々クリアします。

ただ、重量が21.8㎏とかなり重く、取り付け位置もクルマの重心から最も遠くなる位置であることから、運動性能面でネガティブな影響を懸念しました。

ですが、実際に運転してみると一般道レベルでのハンドリングでは大きな違和感はなく、心配する必要はありませんでした。

950登録とは

公道でトレーラーをけん引する場合には、けん引登録をする必要があります。このけん引登録には二つの取得方法があります。

まず一つは、引っ張る側のクルマを登録する方法で通称「950登録」という方法。もう一つは、トレーラー側を登録する方法です。

私の場合は、950登録を選択しました。

この登録の利点は、取得すると不特定多数のトレーラーをなんでもけん引することができるということです。ただし、取得時に算出されたトレーラーの総重量の範囲である必要があります。

ちなみにカイエン958ハイブリッドは、主ブレーキありの場合で1990㎏までけん引可能と算定されました。

950登録

取得までのプロセスは、至ってシンプルです。経費節約のために自力で申請しましたが、問題なく即日取得できました。

私は横浜エリアでしたが、当該地域によって手続き方法に差異があるかもしれません。あらかじめ、不明点や必要書類を陸運局に電話確認することで、よりスムーズに取得できるとも思います。ぜひチャレンジしてみてください。

そもそもエアストリームは、どこで買う?

やはり王道は、正規ディーラーだと思います。アフターフォローの充実は最高のエアストリームライフを送るためには代えがたいものです。

私も最初に訪問したのは正規ディーラーでした。

まず、ディーラーに伺って驚きましたのが、新車は一年以上のウェイティングになるのだと。コロナ禍で需要は増えているのに、感染拡大防止のため生産(US本国)が抑えられて供給が減っているのだそうです。

そうなりますと、USEDの可能性も必然的に選択肢として視野に入ってきます。

ほかの選択肢としてアメリカから直接輸入する方法もあります。自力で個人輸入するツワモノもいらっしゃるようですが、ここは長年の経験を有するプロの輸入代行会社にお願いするのが最も安全でリーズナブルでしょう。

私も最初は輸入代行の会社に探してもらっていました。

そのような中、偶然、タイミングが良く国内所有のユーザーの方が、私の希望車種を手放すというお話を聞き、早速、次の日には実車を拝見させていただき、翌日には購入希望の申し出をしました。

AIRSTREAM Gallery

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エアストリーム市場では、在庫がほとんど流通していません。ですので、購入を前提に探されるということであれば、車両の情報が出た瞬間に即断できるような準備が必要だと思います。

そのためには、希望の車両のスペック(年式、タイプ、サイズ)を具体的にして、許容できる予算であるか否かで即決できるくらいにしておくといいようです。

かく言う私も、やはりお高いものですし判断は慎重になるわけですが、結果として、数日も検討する猶予はない印象です。

魅力的な車両は、市場にすら出てこないようです。仮に出たら、すぐに買われてしまうのが現状ですので、できるだけ早い判断が必要になります。

けん引免許の取得は侮れない

エアストリーム 牽引

基本的に牽引免許が必要かどうかはトレーラーの重量によって下記の様に異なります。

・車両重量750kg以下:普通自動車運転免許があればけん引免許は不要
・車両重量750kg〜2000kg:限定けん引免許証で牽引可能
・車両重量750kg〜:けん引免許証で牽引可能

私が購入を決めたエアストリームもけん引免許が必要になる訳ですが、今さら自動車学校に通うなんて想像もしていませんでした。取得費用も馬鹿にならないのですね。基本的に14万~15万円はかかります。

けん引免許なんて、余程大きなトレーラーの場合に必要になるのであって、エアストリームには関係ないだろうと思っていたのでかなり誤算でした。

若い時には、ちょっとモータースポーツで腕を鳴らしたこともあり(笑)けん引免許取得は教習規定に従いさえすれば自動的にゲットできるだろうと思っていました。

当初は、法令で許されている上限、1日に2時間の教習を受けて、最短6日間でけん引免許をパスしようと意気込んでいました。しかしながら、私のそんな目論見は脆くも崩れて、結局は1か月半を費やしました。

けん引車両の運転というものは、なんと難しいのでしょう!正直に言って、私はけん引免許の取得を侮っていたと言わざるを得ません。

1日2時間の予定を諦めて、1日1時間の教習に切り替えました。試して解ったのですが、そもそも、2時間も集中していられません。

大きなトラックに長いトレーラー。教習所内は、一般の公道よりも狭いですし、当たり前ですが運転ビギナーの方がひしめいていますから、細心の注意が必要です。

緊張で喉がカラカラになるし、五十肩が痛くてバックの時に振り向けないし、トレーラーのハンドル操作は普通のクルマの運転の逆になるから脳ミソがパニックになるし。

1時間教習を受けると、中二日か、三日は空けて元気になってからでないとダメ、っていうくらいの衝撃を受けました。結果としては、ストレートで試験をパスすることができましたが、たいへん大きな気づきを得た経験となりました。

もし、エアストリームでいきなり公道デビューしたとしたらどうなるか…….。これは想像を絶します。

例えばですが、暗くてタイトな山道に迷い込んだとします。そして、道を間違えたと悟ったとき、私は、冷静に方向転換をできるのでしょうか。

さらに、雨でも降って後ろが見えないとしたら……。これも考えただけでもゾッとします。

やはり、ここはまず練習あるのみ、常に先読みをして、広い道を選択して運行していくこと。たくさんのケースを経験して、方向転換のバリエーションをマスターすること。

サイドミラー

同乗者が撮影。 ミラーを見たとき、「真後ろにクルマが!」と勘違いする時がある(苦笑)

私は、これからエアストリームと共に日本中を旅して生きていきたいと考えています。それには、トレーラー乗りとしての鍛錬が必要なのだと痛切に感じたのでした。

さて、次回は

次回はいよいよ、エアストリームの納車です!私が、エアストリームを引っ張って地元の横浜に連れて帰ります。

連結のやり方が難しそうですし、車幅が2.5mもあるので運転もコツを掴むまで大変そう。名義変更のために、陸運局までけん引していく必要もありますし、車両のコンディションや装備、設備なんかも紹介したいと思っています。

それでは、みなさま、最後までお読みいただき、ありがとうございました。