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【実体験】大型キャンピングカーで3年暮らしてわかった、冬のヨーロッパで本当に良かった絶景&温泉スポット5選
冬のヨーロッパ旅といえば、雪に包まれたアルプスの景色や、屋根に雪をまとった石造りの建物が並ぶ街並み。
まるで絵本の世界に入り込んだような雰囲気があり、夏とはまったく違う魅力に出会えるのが、冬旅の面白さです。
私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながら、3年にわたってヨーロッパ各地を旅してきました。
その中で、さまざまな冬景色を体験しています。
今回はその中から、実際に冬に訪れて「とくに印象に残った」ヨーロッパのスポットを5つご紹介します。
どの場所も、冬ならではの景色や雰囲気を楽しめて、キャンピングカー旅でも忘れられない思い出になった場所ばかり。
これから冬のヨーロッパ旅を考えている方の参考になれば嬉しいです。
ヨーロッパ各地で旅すること3年×32カ国の私たち夫婦
私たちは、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅している夫婦です。
イタリアで中古のキャンピングカーを購入し、旅をスタートしてから気づけばもう3年。
これまでに走り抜けた国は、32カ国にのぼります。
スイスやオーストリアのアルプス山脈を越え、北はノルウェーやフィンランドといった北欧の大自然へ。
西はポルトガルの海沿いまで足を伸ばし、キャンピングカー文化があまり根付いていないバルカン半島や、東欧の国々も巡ってきました。
旅のスタイルは、有名な観光地を巡るというよりも、あまり知られていない小さな町や、自然豊かな山岳地帯、静かな湖畔や海辺が中心です。
車内でリモートワークをしながら、ゆっくりしたペースで「まるで暮らしながら」旅を続けています。
冬のヨーロッパ旅の魅力&車中泊旅の注意点

冬のヨーロッパ旅には、夏とはまったく違う魅力があります。
観光客が一気に減り、街全体が静かになるため、混雑を避けてゆったりと観光を楽しめるのが特徴です。
雪に覆われた山々や、白く染まった石畳の街並みは、まるで映画や絵本のワンシーンのよう。
ただ歩いているだけでも、特別な気分を味わえます。
一方で、キャンピングカーでの冬旅には、夏とは違った注意点もあります。
氷点下になるエリアや雪が積もる地域では、凍結のリスクが一気に高まります。
私たち自身もこれまでに、排水タンクが凍ってしまったり、水が思うように使えなくなったりと、冬ならではのトラブルをいくつも経験してきました。
【冬ならではの失敗談の記事はこちら】
とくに重要なのが、「場所選び」です。
フィンランドやノルウェーなど、雪に覆われた北欧の景色はとても魅力的ですが、真冬には氷点下20度以下になることも珍しくありません。
正直なところ、装備が整っているキャンピングカーでも、かなり厳しい環境です。

冬に車中泊旅をするなら、無理に極寒エリアを目指すのではなく、寒さが比較的穏やかな地域を選ぶことが大切。
ヨーロッパの場合、ポルトガルやスペイン、フランスやイタリアの南部などは、冬でも比較的気温が安定しており、キャンピングカー旅がしやすいエリアです。
さらに、外部電源が使えるRVパークやキャンプ場を利用することで、暖房を安定して使えたり、バッテリー切れの不安を減らすこともできます。
寒い季節ほど、「無料で泊まれるか」よりも「安全に快適に過ごせるか」を優先するのがおすすめです。
そんな条件を踏まえたうえで、実際に「冬でも行ってよかった」と心から思えた場所をご紹介します。
【車中泊の防寒アイテムの記事はこちら】
冬のヨーロッパおすすめスポット5選
イタリア|Sestriere(セストリエーレ)
セストリエーレは、イタリア北部・ピエモンテ州に位置する山岳リゾートです。
フランスとの国境にも近く、トリノから車で約2時間ほどでアクセスできます。
途中の道路も整備されているため行きやすく、数時間走るだけで標高約2,000mの山間に広がる本格的なスキーリゾートの景色を堪能できます。

ここは、2006年のトリノ五輪の会場にもなった場所で、冬のアルプスらしい雄大な景色が楽しめるスポットです。
冬になると一面が真っ白な雪景色に包まれ、周囲をぐるりとアルプスの山々が囲む圧巻のロケーションに。
スキーやスノーボードはもちろん、スケートや雪の中でのハイキングなど、さまざまなアクティビティを楽しめます。
晴れた日には青空と雪のコントラストが本当に美しく、思わず何度も足を止めて写真を撮りたくなる場所でした。

街はコンパクトですが、ホテルやレストラン、スーパーなどが充実していて、滞在にも便利です。
とくに魅力なのが、キャンピングカー専用の駐車場が整備されていること。
冬でもしっかり除雪されているので利用しやすく、大型キャンピングカーで雪道に慣れていない私たちでも、比較的安心して滞在することができました。

冬の平均気温はおおよそ−5℃〜0℃前後。
標高が高いため冷え込みますが、空気が乾燥していることもあり、体感としては「想像していたより耐えられる寒さ」という印象でした。
しっかり防寒をすれば、外に出て過ごす時間も十分楽しめます。
「冬のアルプスに行ってみたいけれど、いきなり過酷な場所は不安…」という方にとって、セストリエーレは冬のヨーロッパ旅の入り口としても、とてもおすすめできるスポットです。
フランス|Briançon(ブリアンソン)
ブリアンソンは、フランス南東部・アルプス山脈の麓に位置する、フランスでも有数の高地にある街です。
先ほど紹介したイタリアのセストリエーレからもアクセスしやすく、山を越えて車で移動すれば、一気に「イタリアからフランスへ」国境越えの旅が楽しめます。
冬でも道路状況が比較的安定しており、2カ国セットで巡るルートとしてとてもおすすめのエリアでした。

この街の最大の特徴は、山の斜面に広がる要塞群です。
ブリアンソンは、世界遺産にも登録されているヴォーバンの城塞都市のひとつで、周囲には山々に築かれた5〜6カ所ほどの城塞が点在しています。
冬になると、石造りの街並みと雪景色が合わさり、まるで中世の物語の中に入り込んだような雰囲気に。
私たちは、街を見下ろす高台にあるFort de la Croix de Bretagne(クロワ・ド・ブルターニュ要塞)まで、雪道をハイキングして訪れました。
しんと静まり返った冬の山道を歩き、振り返ると、雪に覆われたブリアンソンの街とアルプスの山々が一望できる絶景が広がります。
観光客も少なく、足音と風の音だけが響く時間は、冬旅ならではの贅沢な体験でした。

冬の平均気温は0℃〜−5℃前後で、セストリエーレと同じくらい。
ただし街が谷間に位置しているため陽が当たりにくく、体感的には少し冷え込む印象でした。

街中のスーパーやベーカリーも充実していて、滞在中の買い物にも困りません。
また、キャンピングカーで利用できる駐車スペースやキャンプ場があり、冬季でも除雪が行き届いている場所を選べば、安心して滞在できます。
歴史ある街並みと、静かな冬景色を楽しめるブリアンソン。
冬のヨーロッパ旅にぜひ組み込んでほしいスポットです。
イタリア|Cervinia(チェルビニア)
マッターホルンは、世界的に有名なアルプスの名峰で、スイスとイタリアの国境にまたがる標高4,478mの壮大な山です。
両国からアクセスできますが、イタリア側のチェルビニアから訪れる場合、スイス側に比べて料金がお得で、アクセスもしやすく訪れやすいのが大きな魅力です。

チェルビニアは、標高約2,050mに位置する山岳リゾートです。
ここには、Cervino Ski Paradise(チェルビノ・スキー・パラダイス)というスキーリゾートがあり、スキーやスノーボードを楽しみながら、目の前にそびえるマッターホルンの堂々とした姿を間近で望むことができます。
ゲレンデも充実しており、冬のシーズンにはヨーロッパ各国から多くの観光客が訪れ、賑わいを見せます。

そして何よりの魅力が、キャンピングカー専用の大型RVパークが併設されていること。
マッターホルンを目の前に望む絶景の中で車中泊ができ、1泊8.5ユーロという良心的な価格も、長旅をする私たちにとっては本当にありがたいポイントでした。

世界的に有名な山を間近に楽しみつつ、イタリア側ならではのアクセスの良さとコストパフォーマンスを実感できるチェルビニア。
冬のヨーロッパ旅で、アルプスの絶景を安全かつ快適に満喫したい方に、ぜひおすすめしたいスポットです。
スイス|Bernina Express (ベルニナ鉄道)
ベルニナ鉄道は、スイス・サンモリッツとイタリア・ティラーノを結ぶ山岳鉄道で、アルプスの絶景を車窓から楽しめることで知られています。
氷河や湖、雪に覆われた山々を縫うように走る路線は、世界遺産にも登録されており、「世界一美しい鉄道」と称されているほど。

ベルニナ鉄道は一年を通して利用できますが、冬になるとその美しさはいっそう際立ちます。
沿線一帯は真っ白な雪景色に包まれ、白銀の世界を進む赤い車体の列車は、まるで絵本のワンシーンのよう。
天井まである大きな窓のパノラマ車両からは、山岳や氷河の景色を存分に楽しめます。
ただ座って窓の外を眺めるだけでなく、途中下車して周囲を散策したり、軽いハイキングを楽しんだりすることも可能です。

キャンピングカーで訪れる場合に、ぜひ知っておきたいのが拠点選び。
スイス側のサンモリッツは有名な高級リゾートですが、キャンピングカー向けの設備はほとんどなく、車中泊には不向き。
そのため、イタリア側のティラーノにキャンピングカーを停めるのがおすすめです。
ティラーノ駅のすぐ近くには、大きなキャンピングカーにも対応したRVパークがあり、キャンピングカーを置いたままベルニナ鉄道に乗車できるのも大きなメリット。
「雪道の運転は少し不安だけれど、冬のアルプスの絶景は見てみたい」そんな方にとって、ベルニナ鉄道はまさに理想的なスポットです。
イタリア|Saturnia(サトゥルニア温泉)
ヨーロッパには、天然温泉が数多く点在しており、寒い冬の旅にこそ訪れたいスポットがたくさんあります。
中でもイタリアは、映画『テルマエ・ロマエ』でもおなじみの“温泉大国”。
歴史ある温泉から大自然の中で楽しめる秘湯まで、絶景とともにリラックスできる場所が豊富です。

そんな中でも、秘境感と美しさでとくに人気なのが、トスカーナ地方にあるサトゥルニア温泉。
ブドウ畑が広がる穏やかな丘陵地帯に位置し、自然の中から湧き出した温泉がそのまま流れ込む天然の温泉プールになっています。
最大の見どころは、階段状に連なる石灰棚に温泉水が流れ落ちる独特の景観。
コバルトブルーの温泉が滝のように広がる光景はとても幻想的で、冬の澄んだ空気の中では、より一層その美しさが際立ちます。

サトゥルニア温泉は年中無休・24時間利用可能な無料の混浴温泉。
水着着用なので、カップルやファミリーでも気軽に楽しめます。
大自然に囲まれた開放的な空間で、ゆっくりと体を温める時間は、冬旅の締めくくりにぴったりです。
徒歩圏内にはキャンピングカー対応のオートキャンプ場もあり、車中泊にも便利。
水補給や電源、トイレなどの設備も整っているため、温泉を満喫したあとも安心して滞在できます。
冬の平均気温も10℃前後と過ごしやすく、雪景色とはまた違う、「温まる冬のヨーロッパ旅」を楽しみたい方に、サトゥルニア温泉はぜひ訪れてほしいスポットです。
【まとめ】冬のヨーロッパは、静けさと絶景の宝庫だった
冬のヨーロッパには、まだまだ魅力的な場所がたくさんあります。
雪に包まれたアルプスの絶景、静けさに満ちた歴史ある街並み、そして冷えた体を芯から温めてくれる天然温泉。
夏とはまったく違う表情を見せてくれるのが、冬旅のいちばんの魅力です。
キャンピングカーでの冬旅は、確かに注意点もありますが、行き先選びや設備を工夫すれば、安心して快適に楽しむことができます。
ぜひ、自分だけの冬のヨーロッパを見つけに出かけてみてください。