キャンピングカー
5人乗りで居住性アップ!3ナンバー・ハイエースワゴンのキャンピングカー「雅 Quint」で身軽な車中泊

ダイレクトカーズの「雅 Quint」

東海地方を代表するキャンピングカー&車中泊専門店として、ハイエースベースのキャンピングカーを中心に扱うダイレクトカーズ。
もとからベース車両として人気のハイエースですが、東日本大震災で被災者の生活再建に役立ったという経験から、同社ではその無限の可能性を再認識したといいます。
今回ご紹介するのは、「雅」をベースにさまざまな改良が施された「雅 Quint」です。
ラテン語で「5番目」を意味するquint(クイント)。
ハイエースワゴンの乗車定員を5名にまで絞り、シンプルなキャンパーシステムを搭載した「雅 Quint」を見ていきましょう。
雅 Quint(ミヤビ クイント)
ビルダー:株式会社ダイレクトカーズ
タイプ:バンコン
ベース車両:ハイエースワゴンGL
乗車定員:5名
全長:4840mm
全幅:1880mm
全高:2105mm
参考価格:2WD 465万円(税込)、4WD 495万円(税込)
公式サイト:ダイレクトカーズHP
乗車定員を減らして居住性アップ!ベース車両はハイエースワゴンGLグレード

乗用車として開発されているワゴンは、車両後方に人が乗ることが考慮されていないバンに比べて乗り心地がよく、ノイズが少ないのが特徴です。
乗員定員は5名になっていますが、ベース車両と同じく乗用車として3ナンバー登録が可能。
もともと10人乗りのハイエースワゴンですが、フル乗車する機会は意外に少なく、乗車定員を減らしてキャンピング設備を充実させることは理にかなっています。
しかし実は、ナンバーをそのまま維持するには乗用規格の厳しい安全基準をクリアしなくてはならず、大変な困難が伴うといいます。
ここに長年、ハイエース専門店として培ってきたダイレクトカーズのノウハウが活かされています。

セカンドシートには全席3点式シートベルト付きハイバックタイプを採用。
大型でゆったりしたセカンドシートながら、走行時には前向き、停車時にはリア向きへと簡単にアレンジできます。
シートベルトを使わず、チャイルドシートと車の固定金具を直接連結できるISOFIX(アイソフィックス)にも対応。
簡易的な座席で代用されることもあるキャンピングカーの座席ですが、「雅 Quint」は乗用車としてしっかり乗れるのが嬉しいところです。
次のページ▷▷▷【必要な機能を絞ったシンプルで使いやすい内装をご紹介します!】
必要な機能に絞ったシンプルレイアウト
室内にはテーブル、ベッド、照明など本当に必要なものだけをシンプルにレイアウト。
昼は車両中央でテーブルを囲み、夜はシートを倒してベッドとします。
ベッドの支えと収納を兼ねる家具として、両サイドに薄型キャビネットが設置されています。
ギャレーはなく、シンクやコンロなど人によっては無用の長物となってしまう装備は搭載していません。
インテリアは明るく爽やかなナチュラルテイスト。
もともと充実したインテリア設備が自慢のハイエースワゴンGLグレードですが、それを活かした形でダウンライトを設置しています。
天井には純正装備のリアクーラーの吹き出しがそのまま利用されています。
家族でテーブルを囲めるダイネット

目的地に着いたらセカンドシートをリア向きへアレンジ。
取り外しできるセンターテーブルを囲んで、対面で座れる構造になっています。
シンプルなレイアウトのためスペースに余裕があり、足元も広々。
リア部分のベッドマットは枚数を変えてアレンジできます。
ベンチのように使えば、リビングレイアウトでもリア空間に広がりが生まれ、ラゲッジスペースを確保できます。
さらにベッドマットをすべて取り外して、セカンドシートを前方に移動すると、広大なラゲッジスペースが現れます。
その状態なら自転車など大型の荷物の搭載も可能。
キャンピングカーとしての居住性だけでなく、もともとハイエースがもつ汎用性や実用性もしっかり保たれています。
2段ベッドにもアレンジできるベッドスペース

夜にはセカンドシートを展開し、ベッドマットを敷くだけで、広々としたフルフラットベッドが登場します。
ベッドモード時にはマット下を収納スペースとして利用できるため、着替えなどを入れた旅行バッグはここに収めておけます。
乗車人数によっては2段ベッドのレイアウトも可能。
リアのキャビネット上部にベッドマットを渡せば、子ども用の小さなベッドスペースが誕生します。
スリムな収納家具

カウンターを兼ねた車両後部のキャビネットは奇をてらわないシンプル設計。
スリムなサイズのため室内を圧迫しません。
扉のサイズから一見、小物入れのように思いますが、キャビネット内部は広々とした収納スペースとなっており、寝袋なども収納できる余裕の空間を確保しています。

逆サイドのキャビネット内部には、邪魔になりがちなテーブルの支柱をぴったり収納できるようになっています。
電装システムはオプション

電源システムはオプションとなりますが、容量100Ahのサブバッテリーと出力700Wのインバーターを用意。
スマートフォンの充電や室内照明などを十分まかなえる容量で、後部キャビネットにすっきり収納されます。
オプションでFFヒーターなども取り付け可能です。
電化製品をたくさん使う場合は、高性能化&低価格化が進むポータブルバッテリーと併用するのも一案です。
自宅内やテントに簡単に持ち運べるポータブルバッテリーは、使う場所を選ばないというメリットがあります。
まとめ
水道設備や加熱調理器具は8ナンバー登録に欠かせませんが、人によってはまったく使わない無駄な設備となるほか、室内レイアウトに制約を受けるなどのデメリットがあります。
最近では8ナンバーにこだわらず、必要な機能だけを搭載したシンプルな車中泊仕様車も人気です。
「雅 Quint」は、ハイエースとしての貨物の搭載力や機動性をしっかり保ったまま、足を伸ばして寝られる快適な一台。
いつもの外出のついでにちょっと車中泊、そんな自由で身軽なレジャーが実現しそうな車です。