キャンピングカー
前向きセカンドシート+コの字型ソファで、走っているときも車中泊時も◎キャンピングカー長野のスペースキャンパー B

キャンピングカー長野のスペースキャンパーは元々あったモデル。
そこに、レイアウト違いのスペースキャンパー Bが登場した。
今年の4月にキャンピングカーの構造要件改正(=法改正)があったため、室内レイアウトの自由度が増したことで追加されたモデルだが、そんな難しい話はさておき、従来のスペースキャンパーの特長だった後部のコの字型広々ソファ(ダイネット)はそのまま。
前向きセカンドシートを追加して、キッチンのレイアウトを大幅に変更している。
それで使い勝手はどう変わったのか?
詳しく見てみよう。
従来のスペースキャンパーシリーズ
従来の構造要件ではキッチン前の天井高さが160cm必要だったため、床の掘り下げができない中央部にキッチンを持ってくることは、まずなかったのだ(あとはポップアップルーフを取り付けるしかない)。

さらに、エアコン搭載と省スペースを両立させた、ウィンドエアコンを横倒し装着の「クールバージョン」など、オリジナリティ溢れた車両なのである。
スペースキャンパーにレイアウト違いのBタイプが登場

このスペースキャンパーにレイアウト違いのタイプが登場した。
これまでの、車体中央部にキッチン+後部ラウンジダイネットというレイアウトは、広くて使い易いダイネットが魅力。
だが、後部座席は全て横向き乗車ということになる。
8ナンバー(=キャンピング車)なので横向き乗車でも法的に問題はないのだがが「移動中は前向きに座りたい」という声もあり、それに応えたのが今回登場した『Bタイプ』と称されるモデルだ。
『Bタイプ』では、リアのラウンジダイネットはそのままに、キッチン部のレイアウトを変更。
2名分の前向き座席が追加されているのだ。
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キッチンはコンパクトに
この2席を追加したため、従来モデルよりキッチンの面積はかなり減少。
また、キッチン位置も従来とは反対側になったため、スライドドアの開口部にあたる。
そのため、乗り降りのためのスペースも必要となる。
構造要件にはキッチンの面積についての規定もあるため、ただ小さくすれば良いという訳にはいかないのだ。

その解決策が「折畳式シンク」。

電子レンジや給排水タンクを収めたキャビネットにバタフライ式の板を取り付け、蛇腹式のシンクを設置。
使わないときは畳んでコンパクトになるうえ、ベースの板ごと折り畳んでしまえば、乗り降りの邪魔にもならない。

コンパクトさと構造要件への対応を両立した見事なアイデアだ。
座席までも有効活用

追加された前向き座席についても、背もたれを有効活用。
後席右側(運転席側)の背もたれ裏には、FFヒーターやインバーター、照明などのスイッチがまとめて収められている。

左側(助手席側)の背もたれは、前に倒せば小さなテーブルとして使えるようにドリンクホルダーなども取り付けてある。

この前向き座席、ハイエースのものを加工して使っているため、ISOFIXバーも装備済。
チャイルドシートも装着しやすいので、ファミリーユースにはうれしいメリットだろう。
用途に合わせて選択しよう
スペースキャンパーの特徴だった、旧来の構造要件(キッチン部の天井高が160cm必要)に対応するためのミニポップアップルーフは、法改正以降も健在。
とはいえ、無しでも8ナンバーが取得できるようになったので、同社ではレスオプションを用意した。
ミニポップアップルーフをキャンセルした場合は、22万円マイナスになる。
小さくても中で立てるスペースがあるのは、着替えなどでも重宝する。
悪天候などで、車内の滞在時間が長くなればなおさらだ。
構造要件改正で自由度が上がった分、利便性をとるか・価格をとるか、悩ましいところである。
レイアウトのバリエーションは2種に増え、さらにミニポップアップルーフの有無も選べるようになったスペースキャンパーシリーズ。
まずは使い勝手に合わせて選択肢が増えるのは、歓迎すべきトピックスといえるだろう。