車中泊
【体験談】ホンダ・ステップワゴンを車中泊DIY。車内の様子と費用を公開
軽自動車で釣りしながら車中泊旅を続けてきた私ですが、狭い車内では調理もできず、「寝るだけ」の環境でした。
もっと快適に車中泊旅をしたいと思い、中古のステップワゴンに乗り換え。
DIYで車中泊仕様へカスタムし、釣り+車中泊を楽しんでいます。
この記事では、数ある国産ミニバンの中からステップワゴンを選んだ理由、DIYで工夫したポイント、実際に車中泊して感じた良かった点と課題を、私の体験をもとに紹介します。
車中泊にミニバンを選んだ理由

車中泊といえば、ハイエースのような貨物車が人気です。
私も憧れていたのですが、様々な理由から断念。
そこで改めて候補に上がったのが「国産ミニバン」でした。
なぜミニバンを選んだのか理由をお伝えしていきます。
竿を置いても運転の邪魔にならない
軽自動車でもロッドホルダーを付けてリアゲートから竿を積んでいましたが、全長が2,200mmほどしかないため、竿先が運転席付近まで届いてしまい、走行中に頭へ触れることがありました。
その点、ミニバンは軽自動車より全長が約1,000mm長く、竿を積んでも竿先が運転席に干渉しません。
普段使いしやすい(走行性、安全性、機能)
私は「日常で使いやすく、車中泊しやすい車」を探していました。
最初はハイエースも候補に入っていたのですが、車体が大きいため場所によっては運転や駐車が大変そう、また、席への乗り込みが高く、日常使いとしてはやや扱いにくい点も気になり、候補から外すことに。
次にバネットのような小型貨物車も考えましたが、運転に強い自信があるわけではない私にとっては、より安全装備が豊富で加速性能の高いミニバンを選びました。
乗り心地(リアシートも快適)

釣り場まで長時間運転することも多いため、「運転するだけで疲れてしまう事」は避けたいと思っていました。
そこで重視したのが、座り心地と乗り心地です。
ファミリーカーであるミニバンは、シートの座り心地がよく、走行中の振動や衝撃もあまり気になりません。
また、後部座席の乗り心地も良いので、家族や友人を乗せる際も安心して快適に移動できます。
ハイエースにも乗り心地をよくするカスタムメニューはありましたが、予算オーバーだったため諦めました。
ミニバンの中でステップワゴンを選んだ理由

私が中古で購入したのは、R2年式のステップワゴン・スパーダ(7人乗り)。
ファミリー向けのミニバンで、広さも十分あります。
室内寸法は以下の通りです。
・室内長:3,220mm
・室内幅:1,500mm
・室内高:1,425mm
ミニバンの中でもなぜステップワゴンを選んだのか、その理由をお伝えしていきます。
3列目シートが床下に収納できる
ミニバンの多くは3列目シートを左右に跳ね上げて収納するタイプが多く、どうしても荷室の幅が狭くなりがちです。
その点、ステップワゴンは3列目シートを床下に収納できる構造。
荷室の空間が広く使えると思い、購入の決め手のひとつになりました。
わくわくゲートの装備

「わくわくゲート」とは、左半分が横にも開くリアゲートのことです。
もちろん、リアゲート全体を縦に開くこともできます。
現在販売されている最新モデルには搭載されていないため、中古車で探しました。
ミニバンのような大きな車は、リアゲートを縦に開け閉めするのは重い上に、スペースも必要で、混雑した駐車場では開閉が少し面倒。
その点わくわくゲートなら、狭いスペースでもサッと開けられ、気軽に荷物の出し入れができます。
また、内側からロック解除して開けることも可能なため、車中泊時にはこのゲートから出入りできる点も魅力に感じました。
DIYしたミニバンの内装
DIYした箇所をご紹介します。
ロッドホルダー(約9,800円)

ホームセンターで購入したイレクターパイプを使って自作しました。
釣り竿を収納できるのはもちろん、ライトをぶら下げたり、タオルを掛けたりできるので車中泊でも役立ちます。
DIYの詳細はこちら▷【DIY体験談】1万円でできた“車中泊仕様”ロッドホルダー。穴あけ不要!
ベッド(約37,000円)

枠組みはイレクターパイプで組み、ホームセンターで木材をカットし、クッション材を入れてレザーカバーで仕上げました。
走行中は多少ギシギシ音がするものの、寝心地はとても良いです。
カーテン設置(約8,000円)

サイド2カ所と、運転席後ろの仕切りカーテンを自作して取り付けました。
遮光カーテンを使っているためか、何も付けていない運転席と比べて寒さが和らいだので、防寒対策にも効果的だと感じています。
また、カーテンを束ねるタッセルクリップはダイソーで購入。
わずか100円でオシャレ度が増すので、おすすめです。
プラダン目隠し(約800円)

後ろの窓には、黒いプラダンを使った目隠しを取り付けています。
車内が少し暗くなりますが、外へ光が漏れずプライバシーも確保できます。
有孔ボード(約7,500円)

3列目シートの左右の窓には、有孔ボードを設置しました。
もともと黒いプラダンで目隠しをしていましたが、「もっとオシャレにしたい」と思い、YouTubeを参考にして作りました。
木目のデザインがかわいく気に入っています。
まだ使いこなせていないものの、今後はシェラカップやコップを置きたいと思っています。
天井テープライト(約1,300円)

ダイソーのテープライトを天井に取り付けています。
この明かりだけでも十分な明るさです。
取り付けはマジックテープで貼るだけなので、とても簡単でした。
DIYで工夫した点
今回が初めてのDIYだったこともあり、あまりこだわらずに、できるだけ簡単に扱いやすい仕様を意識しました。
ここでは、実際にDIYする中で工夫したところを紹介します。
できるだけ天井に近づけて作ったロッドホルダー

ハイエースやキャラバンに比べると、ミニバンは室内高が低め。
そのため、少しでも頭上の空間を確保したくて、ロッドホルダーはできるだけ天井に近づけて作りました。
釣り竿を通すため、パイプと天井の空間は必要ですが、最小限にとどめることができました。
その結果、車内での圧迫感を軽減しつつ、使い勝手の良いロッドホルダーに仕上げることができました。
DIYの詳細はこちら▷【DIY体験談】1万円でできた“車中泊仕様”ロッドホルダー。穴あけ不要!
寝心地重視のベッド

寝るときにマットレスを敷くことも考えましたが、2人分のマットレスを置くとスペースが狭くなるうえ、毎回畳む手間も気になりました。
そこで、最初からクッションを入れたベッドを作りました。
厚さ3cmのクッションを2枚重ねて作っているため、マットを追加で敷かなくてもそのまま横になって快適に眠れます。
わくわくゲートから出入りしやすくした
既製品のベッドキットは、リアゲートギリギリまで長さがあり、リアゲートからの出入りがしづらいです。

そこで私は、わくわくゲートを使ってラクに出入りできるよう、あえてベッドの長さを少し短く制作しました。

足を乗せるスペースを残したことで、ステップ代わりになり、出入りの動作がスムーズです。
2列目シートを戻しやすくした
家族や友人を乗せる機会もあるため、2列目シートを外さずにDIYしました。
さらに、2列目シートを起こすときにベッドフレームをすべて外さなくても済むように、前側半分のベッドフレームの接合部分にはあえて接着剤を使わず、簡単に取り外しできる構造にしています。
実際に車中泊仕様にしてみてイマイチだったところ
DIYで車中泊仕様に仕上げたあと、実際に女性2人で釣り車中泊をしてみて、いくつか改善したい点が見えてきました。
床下収納は取り出すのが大変

収納スペースが床下のみだったため、ベッドの上にも荷物を置いていました。
しかし、車内でご飯を作るとき、床下から荷物を取り出そうとすると、まずベッド上の荷物をどかし、さらにベッド自体を持ち上げる必要があり、想像以上に面倒でした。
今後は、棚の設置や天井収納の作成を考えています。
想像以上に狭い

私たちは2人分の車中泊用品に加えて釣り具もあるので、思っていた以上に車内が荷物でいっぱいになってしまいました。
さらに、荷物の置き場を細かく想定せずにベッドを作ってしまったため、冷蔵庫やポータブル電源など、床下収納できないものがあることに気付きました。
寝るだけなら問題ありませんが、車内調理などをするには、少し窮屈かもしれません。
磁石がくっつかない、ネジ穴がない
バンと違い、ステップワゴンの内壁には磁石がくっつかず、ネジ穴もありません。
DIYには不向きであることを承知で選んだとはいえ、YouTubeで紹介されている方法はバン向けが多く、自分でアレンジする必要がありました。
また、カーテンは突っ張り棒とダブルクリップで取り付けましたが、開け閉めする際に外れてしまうことが多々あります。
ネジ穴がないので、今後作成予定の棚作りも難航しそうです。
あとがき/ミニバンは車中泊に向いているか
ミニバンは、普段使いしやすいのが魅力です。
フルフラットにできる車種も多く、DIYしなくても気軽に車中泊を楽しめると思います。
しかし、DIYの自由度が低く、ガッツリ車中泊仕様にしたい方には向いていないかもしれません。
私自身は、普段使いと車中泊の両方を大切にしたいので、多少の不便さがあってもミニバンを選んで良かったと思っています。
軽自動車の頃より寝心地は良く、少し狭いけれど車内調理もできるようになったので、今後も釣り車中泊を楽しみたいと思います。
まだまだDIYを始めたばかりなので、これから使いながらバージョンアップしていくつもりです。