ギア・アイテム
【実体験】氷点下12℃のヨーロッパ車中泊。4度目の冬で本当に使えた防寒アイテム
ヨーロッパをキャンピングカーで旅しながら暮らし始めて、気づけば3年。
迎えたのは、私たちにとって4度目の冬。
北極圏からアルプスの山岳地帯各地を巡り、氷点下12℃の車中泊も体験してきました。
「冬にキャンピングカーで旅なんて大変そう…」とよく言われますが、実はきちんとした装備を整え、少し工夫するだけで驚くほど快適に過ごせます。
そこで今回は、私たちが実際に使っている“冬でも温かく暮らすためのアイテム”をご紹介します。
日本の冬の車中泊、北海道・東北・長野などでも応用できるはずです。
これから冬の車中泊に挑戦してみたい人も、「冬のキャンピングカーってこんなに楽しいんだ」と、思ってもらえたら嬉しいです。
氷点下12℃での車中泊も体験。キャンピングカー生活で迎える4度目の冬

私たち夫婦はキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを旅しており、気づけばもう3年。
イタリアで中古のキャンピングカーを購入し、“家ごと移動する生活”をスタートさせてから、これまでに訪れたのは32カ国。
仕事はどこでもできるリモートワーク。
“まるでその土地に暮らすように”ゆっくりと旅を続けています。
そして今年迎えたのは、キャンピングカー生活4度目の冬。
ヨーロッパは日本よりも緯度が高い国が多く、冬の寒さは想像以上に厳しいものがあります。

これまでの冬の体験もさまざま。
イタリアやフランス、スイスのアルプス山脈周辺では、雪の降る中、氷点下10℃以下の車中泊を経験したこともあれば、ベルギーやルクセンブルク、ドイツといった日本より寒さが厳しい地域で冬を過ごした年もあります。
その一方で、スペインやポルトガルなど温暖な地域へ移動し、寒さを避けながら過ごした冬もありました。
「えっ!氷点下の車中泊って大丈夫なの?」
そう思うかもしれませんが、実はしっかりと寒さ対策をすれば、冬のキャンピングカー生活は驚くほど快適です。
外が−12℃でも、車内は20℃前後をキープ。
温かい紅茶を飲みながら窓の外に広がる静かな雪景色を眺める時間は、私たちにとって冬ならではの楽しみのひとつになっています。

雪をまとったアルプスの山々、凍った湖、街に灯るクリスマスの光、冬限定のマーケットの賑わいも、この季節ならではの旅の魅力です。

とはいえ、毎年ずっと寒い地域に滞在しているわけではありません。
キャンピングカーの醍醐味はなんといっても”自由に移動できること”!
時には寒さから逃げて、暖かい南の地域へ行くのも車中泊旅ならではの選択肢です。
“冬をどう快適に乗り切るか” は自分たちの工夫次第。
ここからは、実際に私たちが氷点下の車中泊で使い続けてきた、本当に信頼できる防寒アイテムをご紹介していきます。
氷点下12℃でも“快適に過ごせた”冬の必須アイテム
ガスヒーター

冬の車中泊に欠かせないのが「ガスヒーター(ボイラー)」です。
ヨーロッパのキャンピングカーには、ガス式のヒーター(ボイラー)が標準装備されていることが多く、車内暖房だけでなく、シャワー用のお湯をつくる役割も担っています。
ヨーロッパの冬は、氷点下が当たり前。
そんな環境でも安心して過ごせるよう、ヒーターの熱は車内の空間だけでなく、水道管やタンクまわりなど“凍結すると困る部分”にもしっかり巡る構造になっています。
このおかげで、外が氷点下の日でも車内はしっかり暖かく、凍結トラブルもなく過ごすことができました。

日本では同じガス式ボイラーは一般的ではありませんが、代わりにFFヒーター(燃料式暖房)が同様の役割を果たします。
キャンピングカーはもちろん、バンや軽バン、DIYで車中泊仕様にした車にも取り付けられるものが多く、冬の車中泊ではとても頼りになる暖房設備です。
※取り付けは専門知識が必要です。必ず専門業者に相談することをおすすめします。
参考商品▽
断熱シェードやサンシェード

一年を通して車中泊に欠かせないアイテムが「断熱シェード」です。
一見ただの窓カバーに見えますが、これがあるかないかで車内の暖かさがまったく違います。
車の窓は外気温の影響を受けやすく、とくに冬は冷気がじわじわと入り込んできます。
そこで活躍するのが断熱シェード。
窓から伝わる冷気をしっかり遮断し、車内の暖かさを外に逃がさない大切な役割を果たしてくれます。
また、断熱効果だけでなく、プライバシー保護にも優秀。
外から車内の光が漏れにくくなり、夜でも安心して過ごせます。
キャンピングカーはもちろん、バンライフの車やDIYで車中泊仕様にした車にも取り入れやすく、一年中使う車中泊の必需品です。
参考商品▽
¥12,980
(2025/12/19 07:20:05時点 楽天市場調べ-詳細)
外側カバー(エンジン部分のカバー)

車の中で最も冷気が入りやすいのが、前方のフロント部分。
ガラス面が大きく、エンジンルームもすぐ近くにあるため、ここの対策をするかどうかで車内の快適さは大きく変わります。
雪が積もる極寒地域で私たちが実践しているのは、
・車内側から断熱シェード
・フロントガラス専用カバー
・エンジン部分カバー
という“二重・三重の断熱対策”。
ヨーロッパの極寒地域では、この外側エンジンカバーを付けているキャンピングカーをよく見かけます。
というのも、氷点下になるとまず影響を受けやすいのは、人間よりも「車」のほう。
とくにエンジンまわりは冷気が直接当たりやすく、バッテリーの性能低下やエンジン始動性の悪化など、寒冷地ならではのトラブルが起こりやすくなります。
外側カバーをつけることで、冷たい外気の侵入を防ぐ断熱効果だけでなく、エンジンルームの凍結防止にもつながります。
私たちだけでなく、”車そのものを寒さから守る”重要なアイテムです。
参考商品▽
¥2,680
(2025/12/19 07:20:05時点 楽天市場調べ-詳細)
セラミックファンヒーター

冬場は日照時間が短くなるため、ソーラーパネルによる発電量がどうしても落ちてしまいます。
そのため私たちは、バッテリー不足を防ぐためにも、外部AC電源のあるRVパークをこまめに利用しています。
そんな時に活躍するのが、電気式のセラミックファンヒーターです。
ガスヒーターはとても暖かい反面、ガスの消費量が大きいのが難点。
そこで、外部電源を利用している時は、ガスの節約も兼ねて、このファンヒーターを使うようにしています。
小型ですがとってもパワフルで、外が氷点下10℃の環境でも車内は20℃前後をキープ。
キャンピングカーでも快適に過ごせます。
私たちが愛用しているのは、デロンギのセラミックファンヒーター。
コンパクトで持ち運びもしやすく、スイッチを入れるとすぐに暖気が出る“即暖性“の高さが魅力です。
消費電力は強で1,150Wと比較的控えめですが、それでも車内全体をしっかり温めてくれます。
転倒時自動電源遮断装置も付いているので、AC電源付きのキャンプ場で過ごすテント泊や車中泊におすすめ。
冬の車中泊では、ガス暖房(もしくはFFヒーター)+電気暖房の“使い分け”が快適さと燃料節約の大きなカギになります。
参考商品▽
冬用寝具・衣類

車内暖房に加えて、寝具や衣類を“冬仕様”に切り替えることもとても大切です。
夜は外気温がぐっと下がるため、体を温めるアイテムを整えておくことで、眠りの質も快適さも大きく変わります。
私たちが冬に欠かせないのは、羽毛布団、もしくは冬用寝袋。
とくに冷え込む夜は、さらに上から毛布を2枚重ねて保温力を高め、温かい状態で眠れるようにしています。

また、床からじんわり伝わる冷気を防ぐために、モコモコの靴下や厚手のスリッパも必須。

衣類も“冬用レイヤー”にチェンジです。
下着にはヒートテックなどの保温インナーを着込み、その上にフリース、ウール、ダウンといった暖かい素材の服を重ねて調整しています。
湯たんぽ

「え?湯たんぽ?」と思うかもしれませんが、実はこの昔ながらのアイテムが、冬の車中泊では驚くほど頼りになります。
寒さが厳しい季節は、ほぼ毎晩のように寝る前に湯たんぽを作ってベッドへ投入。
冷え切ったシーツがふんわり温まり、心地よく眠りにつくことができます。
また、お湯を沸かすだけなので電気を使わず、エネルギー消費ゼロというのも車中泊では大きなメリット。
ローテクだけど体の芯までじんわり温めてくれるので、私たち夫婦の間では“取り合い”になるほどでした。
あまりの使い心地の良さに、2年目にはもう1つ追加購入したほど欠かせないアイテムです。
冬の車中泊では、暖房設備だけでなく“自分の身を温めるアイテム”をそろえることが大事。
しっかり備えておくことで、氷点下の夜でも自宅と変わらない心地よさで眠ることができます。
参考商品▽
【まとめ】正しいアイテムさえ揃えれば、冬の車中泊も最高すぎる!
冬の車中泊は、他の季節よりアイテムが多く、少し手間はありますが、その分得られる快適さや楽しさは格別です。
夏や秋とはまた違った景色や体験を味わうことができ、一度体験したらやめられなくなります。
「冬の車中泊って大変そう…」と思っている人こそ、しっかり準備を整えて、ぜひ一度体験してみてください。