1年間のヨーロッパキャンピングカー旅で実際にしたルートと感想

ヨーロッパを1年間キャンピングカーで旅したルートと感想【4ヵ国訪問、総移動距離11,000km!】




4月・5月・6月 【イタリア北部・中部・サンマリノ】2カ国目訪問でキャンピングカー旅を満喫し始める


ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

ルートはミラノ→ヴァッレ・ダオスタ→サンマリノ→マルケ州→ウンブリア州→トスカーナ州です。

一度ベースにしているミラノに戻り、最初の3ヶ月間で感じた車中泊暮らしに必要だなと思ったものをいくつか買い足しました。

ミラノ近辺にはヨーロッパで最大級のキャンピングカー専門店のひとつ「Camping Sport Magenta(キャンピング・スポーツ・マジェンタ)」 があり、そこでキャンピングカー用品がなんでも揃います。

この大型店舗はこちらの記事で紹介しているので、最新のキャンピングカーなど興味ある方はぜひ読んでください。▷キャンピングカーの本場イタリアを現地取材!!海外の最新トレンドを大調査!

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

4月にミラノを再出発してからはイタリアの最高峰のアルプス山脈が集まるヴァッレ・ダオスタ州へ向かいました。

4月頭でしたがまだ雪の残る美しい景色です。

ずっと憧れていた標高4478mのマッターホルンも間近で見ることがすることができ、アルプスの山々に囲まれた絶景の中で車中泊ができました。

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

その後はイタリアを南下し、イタリアの中にある世界で5番目に小さい国「サンマリノ共和国」を訪れました。面積が61.2 km²と小さい国で、イタリアから車で簡単に国境を越えることができます。

入国審査ゲートもなく、県を超える感覚で気づいたら違う国に入っているという何とも不思議な感覚です!

サンマリノの旧市街は山岳地帯の山の上にあり、まるで中世の世界にタイムスリップしたかのような要塞の塔や城壁が残され魅力たっぷりなスポットでした。

さらに、トイレ、水補給、下水処理付きの無料のキャンピングカー専用駐車場もあるのでキャンピングカー旅で訪問するにはおすすめです。

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

5月からはさらに南下し、ガイドブックにもあまり載っていないイタリアの中心部にあるマルケ州とウンブリア州の大自然を堪能しました。

ゆっくりと進みながらイタリアの中心部まで着いたら今度は違うルートからまた北に向かって戻り出し、6月はワインの産地で有名なトスカーナ州を訪れました。

小高い丘の上に小さな街があり、ブドウ畑やオリーブ農園が続く雄大な自然が広がりイタリアのゆったりした時間が流れる田舎の雰囲気を味わえます。

そして、有名観光地のシエナやフィレンツェなども訪問しました。

大きな都市は歴史中心街もあり、路地は狭くキャンピングカーで入るには少し難しい場所だったり、一般車進入禁止だったりするので、中心地から少し離れた場所に車を停め、バスや電車などの公共交通機関を利用するのがおすすめです。

7月・8月・9月【ドロミテ・スロベニア】夏はヨーロッパアルプスで登山三昧


ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

キャンピングカー生活も半年以上が経過し車中泊にも慣れて、旅と仕事の両立もできるようになり、遠出をする余裕が出てきました。

アウトドアには最適なシーズンの夏が訪れ、暑さから逃れるように標高の高いイタリアのヨーロッパアルプスがある北東部のドロミテへ向かいました。

ドロミテはハイキングの聖地と呼ばれるほどの山脈地帯で、ユネスコ世界遺産にまで登録されている大絶景の自然が広がっています。

夏のシーズンいっぱいはこの山の地域に滞在し、ハイキングやキャンプなどを楽しみました。

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

各国から車中泊でこの地域を訪れる人が多く、8月中旬はキャンピングカーやバンコンで大混雑し、絶景の車中泊スポットの争奪戦です。

自然の中で車中泊する「ワイルドキャンプ」スポットは沢山ありますが、無料のキャンピングカー施設がなく、水補給や下水処理などをするのに毎回7ユーロ〜15ユーロ(約1,160円〜2,500円)ほど払うことになります

しかし、今まで訪れた自然の中で、一番で美しい地域だと感じました。

私たちは約2ヶ月間滞在でき、とても良い経験になりました。

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

9月は3カ国目となるスロベニアを訪れました。スロベニアはイタリアと隣接しており、車ですぐの距離です。

手付かずの自然が残る魅力いっぱいの国で、登山やハイキング、有名なブレッド湖などを楽しみました。

スロベニアは全体的に指定地以外での車中泊は禁止されているので少しキャンピングカー旅には不便ですが、いくつかキャンピングカー専用施設や駐車場などを利用して1週間ほど滞在しました。

10月・11月・12月【イタリア雪山スキーリゾート・フランス】極寒の中での車中泊


ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

スロベニアを訪問した後はイタリアに戻り、ベネチア、ベローナを数日観光し、ミラノへ向かいました。

旅を開始して1年が経つので、オイル交換や点検の時期です。

点検ではブレーキ部分の破損が発見され、思いがけない大きな出費が出てしまいました。

原因は夏にアルプス山脈のドロミテ地域で過ごした時に、標高2000m地点を車で登ったり降りたりを何度も繰り返していた為だと考えられます。

幸い、大きな事故などになる前に発見されたので部品を交換するだけで済みました。

定期的な点検やメンテナンスは大切ですね。

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

ミラノで車のメンテナンスや私用を済ませた後は、イタリアとフランスの国境付近の雪山スキーリゾートでクリスマス、年末のホリデーシーズンを過ごすことにしました。

キャンピングカー旅でフランスは4カ国目です。

車での国境越えは特にゲートなどなく、スムーズに入国できました。

フランスのブリアンソンの街は海抜1,326mに位置し、フランスで一番標高の高い街です。

周囲は2,000m級の山々に囲まれた谷にある街で、雪山登山などが楽しめます。

ですが朝方に車内は−2℃にもなります。

キャンピングカーの水が凍りそうだったので3日ほど滞在して、外部電源のあるイタリア側のキャンピングカー施設へ行くことにしました。

イタリアの雪山スキーリゾートにあるキャンピングカー専用の駐車場は無料の外部電源もあり、このおかげで車内ではファンヒーターを使うことができます。

外は−12℃の雪の世界でも車内はポカポカで過ごすことができました。

この時の体験レポートをこちらの記事にまとめたので気になった方は読んでください。▷【ヨーロッパ車中泊旅行記】イタリアの雪山リゾートは格安で過ごせる?!クリスマスとお正月を過ごしてみた!

ヨーロッパ キャンピングカー旅 1年間のルート

クリスマス&年越しを白銀の世界の雪山リゾートでのんびりと過ごすことができました。

約10日間滞在し最後の2日間は猛吹雪に。

氷点下が続いたせいでキャンピングカーのボディは凍り、排水タンクも凍結。

シンクの水が流れない状態になってしまいました。

常温で少しづつ溶かし、完全に融解するには丸1日かかりました。

外部電源があっても極寒の中では凍結トラブルを起こしてしまうので注意が必要ということを学びました。

1年間ヨーロッパを巡ってみての感想


この1年間キャンピングカーで巡ったルートを紹介しましたがいかがでしたか?

やっぱり最初の数ヶ月はキャンピングカーのシステムに戸惑い、慣れないことも多かったです。

家では当たり前のように蛇口をひねれば水が出て、電気も気にすることなく使用できていましたが、キャンピングカーでは水も電気も限りがあるので常に節電、節水を気にしながらの生活です。

最初は不便にも感じましたが、今ではそれにも慣れてしまい、人間は少ない資源でも充分に生活できるんだと実感させられました。

ハプニングや辛いことももちろんありましたが、日を重ねるごとに失敗やトラブルなども学びとなり旅の経験値へと変わっていきます。

ヨーロッパはキャンピングカー文化が根強くあり、専用施設も充実していて多く車中泊仲間に出会うことができます。

さらに、ほとんどの国が陸続きなため、キャンピングカーで自由に旅をするには最高な環境で各国の文化を間近で感じられるのも車中泊旅の醍醐味です。

私たちは特に終了期限などを決めておらず、最初の1年はゆっくりと慣れながら旅をする計画だったので4カ国しか訪問できませんでしたが、2年目はもう少し遠出して新しい国をどんどん訪問してヨーロッパの美しいな街並みや雄大な自然を満喫し、自分たちの目で世界を見ていきたいと思います。