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【実体験】クロアチアの車中泊事情|キャンピングカー旅は意外と不自由だった
アドリア海の向こう側、イタリアの対岸に位置するクロアチア。
日本ではまだあまり馴染みがありませんが、近年ヨーロッパの中でも「穴場スポット」として人気が高まり続けている旅先のひとつです。
エメラルドブルーに輝くアドリア海。
海沿いに続く絶景ロード。
そして、石畳が美しい中世の街並み。
そんな風景の中を、「キャンピングカーで海岸線を自由に旅してみたい」と憧れる人も多くいます。
私たち夫婦は、車中泊をしながらヨーロッパを周遊し、バルカン半島旅の最後にクロアチアを訪れました。
しかし、実際にキャンピングカーで旅してみると、そこには想像とは少し違う現実もありました。
海沿いの道路事情、厳しい車中泊規制、高額な宿泊料金。
思っていたほど”自由”はあまりなく、想像以上に難しい車中泊旅だったのです。
今回は、私たちが実際にキャンピングカーでクロアチアを旅して感じた魅力や、行ってよかった絶景スポット、リアルな車中泊事情、そして気をつけたいポイントまで、体験ベースで紹介していきます。
ヨーロッパを3年以上旅し続ける夫婦

私たちは、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅している夫婦です。
「人生最大の冒険をしよう!」と決意し、2023年にイタリアから旅をスタート。
それ以来、北欧のフィンランドからユーラシア大陸最西端のポルトガルまで、ヨーロッパ中を駆け巡り、これまでに32カ国を訪れてきました。
旅のスタイルは、有名観光地を巡るというよりも、その土地の日常を感じながら“暮らすような旅”。
小さな田舎町に立ち寄ったり、湖畔や山の中で静かな時間を過ごしたり。
ときには地元のマーケットに通いながら、数日滞在することもあります。
キャンピングカーには、ベッドやキッチン、トイレ、シャワーを完備。

コンパクトながらも生活できる環境が整っており、旅をしながら夫婦でリモートワークもしています。
私たちにとってキャンピングカーは、移動手段であると同時に、“家”であり“職場”でもある存在です。
そんな暮らしにもすっかり慣れてきた旅3年目。
「次は、もっと未知のエリアを走ってみたい」と思うようになり、ヨーロッパ南東部に位置する「バルカン半島」を訪れることにしました。
これまで旅してきた西ヨーロッパや中央ヨーロッパは、キャンピングカー文化が根付いていて、車中泊スポットや設備も充実している地域。
一方で、バルカン半島は情報も少なく、国によって道路事情や旅のスタイルも大きく異なります。
私たちは、北マケドニア、アルバニア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナなど、これまであまり馴染みのなかった国々を巡り、その旅の最後にクロアチアを訪れました。
クロアチアってどんな国?

クロアチアは、ヨーロッパ南東部・バルカン半島に位置する国です。
アドリア海を挟んでイタリアの対岸にあり、美しい海岸線と歴史ある街並みで知られています。
公用語はクロアチア語ですが、観光地では英語も通じる場所が多いです。
通貨は2023年からユーロが導入されています。
EU加盟国でもあり、近年ヨーロッパの中でも人気が急上昇しているリゾート地。
夏になると、ヨーロッパ各国から多くの旅行者がバカンスに訪れ、海辺の街は一気に華やかな雰囲気に。
マリンアクティビティやビーチリゾートを楽しむ人たちで賑わい、まさに“ヨーロッパの夏休み”を感じられる国です。
さらに、カラフルな屋根が並ぶ旧市街や、中世の雰囲気を残す石畳の街並みも大きな魅力。
中でも、「アドリア海の真珠」と呼ばれる城壁都市ドゥブロヴニクは特に有名で、まるで映画の世界に入り込んだような美しさ。
その街並みは映画やドラマのロケ地としても人気があり、ファンタジーの世界のような景色が広がっています。
また、ジブリ映画「魔女の宅急便」のモデルのひとつとも言われています。
私たちも、そんな景色に惹かれてクロアチアを訪れました。
しかし実際に旅してみると、“憧れのキャンピングカー旅”には、想像していなかった難しさもあったのです。
実際に走って感じた、クロアチアの絶景3選
アドリア海を横目に走る、海岸線ドライブ

クロアチアのキャンピングカー旅で外せないのが、アドリア海沿いのドライブです。
特に印象的だったのが、Karlobag(カルロバグ)からRijeka(リエカ)方面へ続く海岸線ルート。
約140km、所要時間はおよそ2時間半ほどのコースです。
山と海に挟まれた道をひたすら走り続けるルートは、まさに「これぞクロアチア!」と言いたくなるような絶景の連続。

片側にはどこまでも広がるエメラルドブルーの海。
そして反対側には、荒々しい岩山。
このコントラストが本当に素敵で、ただ移動しているだけなのに何度も車を停めたくなりました。

道中には車を停められる展望スポットもいくつかあり、景色を楽しみながらゆっくりドライブを楽しめます。
クロアチアを旅するなら、この海岸線ドライブは間違いなくハイライトのひとつになるはずです。
神秘的すぎる湧水スポット「Source de la Cetina」

クロアチアで見た景色の中でも、特に衝撃的だったのが「Source de la Cetina(セティナ川の源流)」です。
別名「ブルーアイ(Blue Eye)」とも呼ばれ、上空から見るとまるで青い瞳のように見える神秘的な湧水スポット。
場所はクロアチア南部の内陸エリア、ディナラ山脈の近くにあります。
実際に訪れてみると、その水の透明度に思わず言葉を失いました。
吸い込まれそうなほど深い青色で、自然が作り出したとは思えない幻想的な景色が広がっていました。

私たちが訪れたのは午後遅めの時間帯。
すでに日差しが傾き始めていて、水面の一部には影が落ちていました。
訪れるなら、太陽が高く昇る正午前後の時間帯がおすすめ。
光がしっかり差し込むことで、水の青さがより一層際立ち、キラキラと輝く景色を楽しめるはずです。
アクセスも比較的しやすく、キャンピングカーでも問題なく訪れることができました。
こうした“大自然の中に突然現れる絶景”に出会えるのは、この旅ならではの醍醐味です。
クロアチアに行くなら、海だけではなく内陸にも足を運んでみてください。
クロアチア最高峰「Dinara(ディナラ山)」

海沿いのイメージが強いクロアチアですが、内陸へ足を延ばすと景色は一変。
荒々しい山岳風景が広がり、まったく違う表情を見せてくれます。
そんなクロアチアのてっぺんにそびえているのが、標高1,831mの最高峰「Dinara(ディナラ山)」です。
ディナラ周辺は観光地化されすぎておらず、どこか“秘境”のような雰囲気。
観光客で賑わう海沿いを離れ、静かで落ち着いた時間が流れています。

道中は広大な草原や岩山が広がり、中央ヨーロッパやアルプスとはまた違った、独特の景色が魅力です。
また、ハイキングコースも整備されていて、往復約7時間の初心者でも日帰りで挑戦しやすいルートになっています。
観光客が多い海沿いとはまた違った、“自然そのままのクロアチア”を感じられる場所です。
でも、クロアチアは“自由な車中泊天国”ではなかった

クロアチアは美しい景色で溢れていますが、実際にキャンピングカーで旅してみると、その“自由度”はかなり制限されている印象でした。
まず大きなポイントが、車中泊のルールです。
クロアチアでは基本的に、指定されたキャンプ場やRVパーク以外での車中泊は認められていません。
イタリアやドイツ、フランスのように、無料で使えるRVパークが整備されているわけではなく、基本的にはキャンプ場や有料施設を利用する必要があります。
そして、これが想像以上に高額でした。
場所やシーズンにもよりますが、1泊あたり40〜60ユーロ(約7,000〜10,000円)ほど。
感覚としてはスイスに近い価格帯で、長期のキャンピングカー旅ではじわじわと負担になってきます。
さらに、海岸線エリアでは駐車規制も意外と厳しめです。
特に夏の観光シーズンは混雑も重なり、駐車スペースの確保自体がひとつのハードルになります。
景色の良いビューポイントやビーチ付近でも、キャンピングカーの長時間駐車が制限されている場所が多く、「少し景色を見ながら休憩したい」と思っても気軽には停められませんでした。
また、数時間だけの駐車でもしっかり料金がかかり、場所によっては1時間で20ユーロ(約3,500円)と、高額な場合も。
気軽に立ち寄るという感覚では使いにくい印象です。
その結果、「行ってみたい」と思っていた場所でも、駐車の難しさから断念したこともありました。
美しい景色が広がっているのに、思うように立ち止まれない。
そんなもどかしさを感じることも少なくありません。
もちろん、整備されたキャンプ場は清潔で設備も充実しており、安心して滞在できるというメリットもあります。
ただ、「どこでも自由に泊まりながら、低コストで旅する」というイメージで行くと、そのギャップに少し驚くかもしれません。
実際に利用した車中泊スポットや注意点

クロアチアは想像以上に車中泊のルールが厳しく、私たちの滞在はわずか3日間と短いものになりました。
海沿いは車中泊規制が厳しく、さらにキャンプ場の料金も高額なため、無理に宿泊せず「ドライブ中心で通過する」スタイルに切り替えました。
その分、海岸線は移動しながら景色を楽しみ、気になる場所だけ短時間立ち寄るという形にしています。
実際に車中泊をしたのは、内陸部のディナラ山周辺エリア。
海沿いと比べて観光地化が進んでいないこともあり、比較的落ち着いて車中泊ができる場所が見つかりやすかった印象です。
スポット探しには「Park4night」アプリを活用。
レビューを細かくチェックしながら、「1泊だけなら問題なさそう」「地元の人も歓迎してくれた」といったリアルなコメントを参考に、できるだけリスクの低い場所を探しました。
「Park4night」アプリを紹介した記事はこちら

実際に利用したのは、小さな町の公園の駐車場や、教会の駐車場など。
また、地元の人や近くの施設の方に「ここで車中泊しても問題ないですか?」と一声かけるようにもしていました。
必ずしも公式に許可された場所ではなくても、事前に確認することで安心して滞在できるケースもあります。
クロアチアでキャンピングカー旅をする場合は、「どこでも泊まれる国」ではなく、「泊まれる場所をしっかり選ぶ国」という意識を持っておくことが大切だと感じました。
まとめ・クロアチアは“低コスト旅”より“景色重視旅”向き
クロアチアは、アドリア海の美しい海岸線や歴史ある旧市街など、旅先としての魅力が非常に詰まった国でした。
実際に走ってみても、「ここは一度は訪れる価値がある」と感じるほど、景色の完成度は高く、ドライブするだけでも十分に楽しめる場所が多くあります。
一方で、近年は観光人気の高まりとともに物価も年々上昇しており、特にキャンプ場料金や駐車料金は決して安くありません。
ヨーロッパの中でも“低コストで気軽に車中泊できる国”というイメージとは、少しギャップがあります。
そのため、クロアチアは低予算で自由に車中泊を楽しむスタイルというよりも、ある程度の予算を前提に、計画的に旅をする国だと感じました。
オフシーズンを狙ったり、宿泊費や駐車料金を想定してルートを組むことで、キャンピングカー旅でも十分に楽しむことは可能です。
「自由に安く旅する国」というより、「コストはかかるけれど、その分しっかりと絶景が返ってくる国」。
それが、実際に旅して感じたクロアチアのリアルな印象です。