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【実体験】キャンピングカーごと電車に?!スイスの「カーシャトルトレイン」が想像以上に便利だった

スイスの「カーシャトルトレイン」が想像以上に便利だった

キャンピングカーで暮らしながら、ヨーロッパ各地を旅している私たち夫婦。

旅していると、「この山はどう越えるのが正解なのか?」と悩む場面があります。
特に、標高4,000m級の山々が連なるスイスのアルプスは、その代表格です。

そこで今回試してみたのが、ちょっとユニークな移動手段。

キャンピングカーごと列車に乗る「カーシャトルトレイン」です。
実際に体験してみると、非常に合理的で、旅の選択肢を一気に広げてくれる移動方法でした。

今回は実際に利用した、カーシャトルトレインの仕組みやルート、乗り方、そしてキャンピングカー旅ならではの視点で感じたメリット・注意点まで詳しく紹介します。

ヨーロッパ各地で旅すること3年×32カ国の私たち夫婦


ヨーロッパの景色

私たち夫婦は、2023年からキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅しています。
気づけばこの旅も3年以上。

これまでに訪れた国は32カ国になりました。
北欧の大自然から、東ヨーロッパのローカルな街並みまで、ヨーロッパ各地を巡ってきました。

そんな私たちの旅のスタイルは、まるでその土地に“暮らすように旅する”こと。

時間やルートに縛られず、自由気ままに旅をし、観光ではなかなか味わえない景色や人との出会い、旅の面白さを体験してきました。

一方で、キャンピングカー旅には「自由だからこその難しさ」もあります。
それが、「山岳エリア」の移動です。

ヨーロッパには、アルプスをはじめとする標高の高い山々が数多くあり、標高2,000m近くまで車で登ったり、急勾配やカーブが続く山道を何時間も走ることも珍しくありません。

ヨーロッパの景色

キャンピングカーは車体が大きく重量もあるため、普通車以上に慎重な運転が求められます。

「この狭い山道本当に大丈夫なの?」「雪や天候は問題ない?」「長い下り坂でブレーキに負担がかからないかな…」
そんな不安を感じながら、ルート選びに悩むことも多くありました。

そんな中で出会ったのが、“車ごと列車に乗せて山を越える”という、「カーシャトルトレイン」です。

これまでにも、キャンピングカーごと船に乗せる、「フェリー旅」は経験してきました。
しかし、キャンピングカーごと列車に乗るのは今回が初めて。

実際に利用してみた様子を、詳しくご紹介していきます。

カーシャトルトレインとは?


カーシャトルトレインの景色

カーシャトルトレインとは、その名の通り“車ごと乗れる列車”のことです。
ドライバーは車ごと列車に積み込み、自分も車内に乗ったまま移動します。

今回私たちが利用したのは、スイスの鉄道会社「BLS」が運行するカーシャトルトレイン。

BLSは、鉄道や船舶などを運営する大手交通会社で、アルプス地域の移動を支える存在として知られています。
カーシャトルトレインはスイス以外の国にもありますが、スイスでは特に“アルプス越えの実用的な交通手段”として定着しています。

単なる観光アトラクションではなく、現地の人たちにとっても日常的な移動手段なのです。

イメージとしては「フェリーの鉄道版」。
ただし、海を渡るわけではなく、巨大な山を“トンネルで一気にショートカットする”のが最大の特徴です。

ヨーロッパの景色

通常なら、何時間もかかる山道もカーシャトルトレインならわずか十数分で通過できることもあります。
しかも、運転や車への負担はゼロ。

大型キャンピングカーで神経を使いながら山道を走る必要がないので、これは本当にありがたい移動手段です。

BLSのオフィシャルサイトはこちら

スイスの主なルート紹介


カーシャトルトレイン

スイス国内には、カーシャトルトレインのルートがいくつか存在しています。
どれも単なる“観光アトラクション”ではなく、アルプスを効率よく越えるための重要な交通インフラ。

特に冬季は、天候によって道が閉鎖されることも多く、現地の人たちにとっても欠かせない存在になっています。

代表的なルート① Lotschberg(ロッチュベルク)【Kandersteg ⇄ Goppenstein】


ベルナーオーバーラント地方とヴァレー州を結ぶルートで、アルプスを貫く「レッチュベルクトンネル」を通過します。
通常であれば、山道を大きく迂回する必要があり、車で約3時間かかるルート。

しかし、カーシャトルトレインを使えば約20分で反対側へ。
「移動をラクにする」という意味では、スイスのカーシャトルトレインの中でも最も実用性が高いルートかもしれません。

ルートマップはこちら

代表的なルート② Furka(フルカ)【Realp ⇄ Oberwald】


続いては、標高約2,500mまで上がるフルカ峠を超えるルートです。
運行しているのは Matterhorn Gotthard Bahn。

オフィシャルサイトはこちら

フルカ峠は、景色が素晴らしいことで有名ですが、その一方で標高が高く、冬は通行止めになることも。
この区間を迂回すると、車で約5時間かかる道のり。

しかし、カーシャトルトレインを使えば、約40分に短縮できます。

ルートのマップはこちら

代表的なルート③ Simplon(シンプロン)【Brig ⇄ Iselle/イタリア方面】


こちらは、BLSが運行するスイスのブリークから、イタリアのイゼッレを結ぶ国際ルートです。

最大の特徴は、車ごと列車に乗って国境越えができちゃうこと。

乗車時間はわずか20分。
手軽にマイカーで両国を行き来でき、旅の自由度がかなり上がります。

ルートのマップはこちら

スイスとイタリアをつなぐシンプロンルートを利用してみた


カーシャトルトレイン

今回私たちが利用したのは、スイスのブリーク(Brig)からイタリア方面へ抜ける「シンプロンルート」です。
山越えルートもありますが、標高が高く車への負担も大きいため、今回は長い山道を走らずに移動できるカーシャトルトレインを選びました。


乗車までの流れ


オンライン予約も可能ですが、キャンピングカーの場合は高さや車幅などの入力があり、サイズ区分も少し複雑そうだったので、今回は現地で直接購入することにしました。

列車はおおよそ2時間に1本の間隔で運行。

私たちは出発の約45分前くらいに到着しました。
到着後は、まずはチケット売り場へ。

スタッフがキャンピングカーの高さや幅をチェックし、その場でチケットを購入できます。

カーシャトルトレインのチケット

料金は、1台あたりCHF24.00(約4,800円)
※2026年6月時点

「スイスだからもっと高いかも…」と思っていたので、意外と安く感じました。

いよいよ乗車へ


購入後は注意事項の紙を受け取り、乗り場へ移動します。

すでに多くの車が並んでいて、キャンピングカーはもちろん、バンコンや普通乗用車、バイクまでさまざまな車両が待機していました。

カーシャトルトレイン乗車待ち

列車が到着すると、スタッフの誘導に従って前から順番に乗車開始します。

列車は、旅客列車とはかなり違い、側面が開いた細長い貨物列車のような構造です。

ゆっくりと乗り込んでいくのですが、キャンピングカーだとこれが意外とスリリング。
左右の幅が想像以上にギリギリで、「ぶつけないように…!」と少し緊張しながら進みます。

カーシャトルトレイン乗車中

車同士の間隔もかなり近く、正直「思っていた以上にぎっしり!」という印象。

スタッフの合図で停車したあとは、サイドブレーキをかけてエンジンを停止します。

カーシャトルトレインの景色

基本的には、車から降りずにそのまま車内で待機。
そしていよいよ出発です。

視界は真っ暗?暗闇の不思議な列車移動体験!


カーシャトルトレインからの景色

乗車中は窓を開けることはできますが、車の外へ出るのは禁止されています。

最初の2〜3分ほどは外の景色が見えていたのですが、すぐに列車はトンネルの中へ。
すると、列車が一気に加速。

トンネル内は想像以上に真っ暗で、窓の外はほぼ何も見えません。

カーシャトルトレインからの景色

さらに風の音と列車の走行音がかなり迫力があり、まるでお化け屋敷とジェットコースターを足したような不思議な感覚。
速度もどんどん上がっていき、「本当に車ごと運ばれてるんだ…!」という非日常感に包まれます。

最初は窓を開けて楽しんでいたのですが、途中から風が強すぎて断念。
結局、窓を閉めて車内で過ごすことにしました。

乗車中はほとんどトンネル内なので、景色を楽しむ感じではありません。

そしてイタリア側の駅へ近づくと、ようやく外の景色が見えてきます。

カーシャトルトレイン

所要時間は約20分。
気づけばあっという間にイタリア側へ到着です。

真っ暗なトンネル移動なので景色は楽しめませんが、「車ごと列車に乗る」という体験自体がとてもユニーク。

まるで、ちょっとしたアトラクションに乗っているような感覚でした。

キャンピングカーでも乗れる?乗車の際の注意点


実際に利用してみて感じたのは、「キャンピングカーでも意外とスムーズに乗れる」ということ。

ただし、いくつかの注意点もあります。

サイズ制限は事前確認が必須


カーシャトルトレインには、車両サイズの制限があります。

高さ、幅、車両重量などのチェックが必要です。
ルートによって条件が異なるため、事前に公式サイトで確認しておくのがおすすめ。

今回利用したシンプロンルートでは、

・高さ:3.1m
・幅:2.5m
・重量:5tまで

私たちのキャンピングカーは(高さ2.7m・重量3.5t)は問題ありませんでしたが、高さ3.2m以上の大型車は要注意です。

料金は車1台ごと


料金は人数ではなく、車1台ごとに設定されています。
そのため、人数が多くても追加料金はなし。

キャンピングカー旅との相性はかなり良いと感じました。

※料金はルートやシーズンによって変動します

混雑する時期に注意


今回は5月の利用だったためスムーズでしたが、時期によっては混雑することもあるようです。

特に夏のハイシーズンや週末は利用者が増えるため、早めに到着しておくと安心。

車間距離は想像以上に近い


実際に乗ってみて感じたのが、思っていた以上に車間距離が近いという点。

列車内はコンパクトに車を並べるため、乗車時はゆっくり慎重に進む必要があります。

車内・車外の荷物はしっかり固定


トンネル内は風圧や走行音がかなり強めです。

そのため、
・車外の荷物はしっかり固定
・小物類は事前に片付ける
・窓・天窓・出窓も閉める
このあたりを意識しておくと安心です。

キャンピングカーは「家ごと移動」。

その分、普段より少しだけ走行前の準備を意識しておくと、安心して楽しめます。

日本にもカートレインはあるのか?


日本でもかつて、車ごと列車で運ぶ「カートレイン」が存在していました。
1980年代〜1990年代にかけて、東京(上野)〜福岡・北九州方面を結ぶ長距離ルートとして人気を集めていました。

ただし、ドライバーは車に乗るのではなく、寝台車などで移動。
目的地に到着してから、自分の車を受け取る形だったようです。

現在はすでに廃止されており、ヨーロッパのように気軽に利用できる仕組みは残っていません。

とはいえ、当時は長距離移動の新しい手段として活用されていました。

【まとめ】カーシャトルトレインを利用してみえたメリット


実際にカーシャトルトレインを利用してみて感じたのは、「移動そのものが一気にラクになる」ということでした。

本来、アルプス越えは時間も体力もかかるルートです。
しかしカーシャトルトレインを使えば、移動時間を大幅に短縮でき、山道を走る負担もほとんどありません。

雪や悪天候によって通行止めになるリスクを回避できるのも大きなメリット。
さらに、急勾配の山道を走り続けなくて済むので、車への負担も軽減できるのもキャンピングカー旅ではうれしいところです。

「絶景を楽しむ列車」ではなく、実用性に優れた移動手段。

それでいて、車旅の選択肢を大きく広げてくれる存在だと感じました。
スイスでキャンピングカー旅をするなら、一度は体験してみる価値のある移動手段です。

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!