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キャブコン

キャンピングカーに3年暮らして分かった、キャブコンのメリット・デメリット



キャンピングカーには、たくさんの種類があります。

最近では、軽自動車をベースにした「軽キャンピングカー (軽キャンパー)」や、バンの車内をキャンピングカー仕様にカスタムした「バンコン」など、日本の道路事情にフィットしたキャンピングカーの人気が高まっているようです。

しかし「キャンピングカー」と言って、一番に思い浮かぶのは「キャブコン」と呼ばれるリーゼント頭のようなルックスのキャンピングカーではないでしょうか?

私は、家を断捨離して「キャブコン」で生活するようになって3年になりますが、まさに”動く家”として、快適な旅を続けられています。しかし、全てがパーフェクトというわけではありません。

今回は3年間のキャンピングカーライフで感じた、キャブコンのメリット・デメリットをご紹介します。

キャブコンキャンピングカーのメリットはサイズ


キャブコン と荷物

「キャブコン」とは「キャブコンバージョン」の略で、運転席や助手席のキャブ部を残して、その後ろに居住スペースとなるシェル(荷室)を架装したキャンピングカーのことです。

ベースとなるトラックの荷台にシェルを架装したものや、ハイエースなどのバンベースの車両の荷台にシェルを搭載したキャブコンもあります。

キャンピングカーと言われて多くの方がまず想像する、王道のルックスです。

メリット①広い空間


キャンピングカー内でパソコン作業をする夫婦

キャブコンのメリットは、なんといっても居住空間の広さです。

天井が高いキャブコンの室内では、腰をかがめたり首を曲げずに生活できるため、ストレスを感じることなく過ごすことができます。

特に車内で過ごす時間が長くなる長期の車旅では、車内で直立できるかは快適性に直結し、とても重要です。

また、それぞれのスペースをしっかり確保されているので、苦なく車内で調理ができたり、常設ベッドですぐに横になれたりと、自宅と同じように過ごせています。

車内で快適に過ごせるのは、キャブコンの居住空間の広さがあってこそなのです。

メリット②すぐれた断熱性


キャンピングカービルダー(キャンピングカー製造会社)によって断熱材の種類や入れる量などは異なりますが、FRPで作られたシェルのキャブコンは断熱性が非常に高いと感じています。

これは断熱材だけでなく、鉄板で造られた普通車と比べて、強化プラスチック(特にガラス繊維とポリエステル樹脂の複合素材)であるFRPが熱を吸収しにくい特性があるからでしょう。

元々軽ワゴンで車中泊をしていた経験があり、鉄板で造られた車体の真夏の暑さ・真冬の寒さを知っているからというのもあるかも知れませんが、過去3度経験した夏も、キャンピングカーで快適に過ごすことができました。

外部コンセントをつなげてエアコンを稼働させなくても、ベンチレーター(換気扇)を稼働して、居住部分の窓を少し開けておくだけで空気の流れができるので、冷をとることができます。

雨の日など窓が開けられない時はこの限りではありませんが、私はこの方法で乗り切っています。

メリット③ハイスペックな装備


キャンピングカーのギャレー

「キャンピングカー」を名乗るためには、定められた構造要件を満たしていないといけません。

例えば、『乗車定員の3分の1以上の大人用就寝設備が必要』『水道設備及び炊事設備が必要』など。サイズや設置場所、設置方法に至るまで、かなり細かく定められています。

「キャンピングカー」は、そもそもの構造から、車内で快適に過ごせるように作られているのです。

そして、キャンピングカーの快適性をさらに高めるのが装備です。

ここからは、車種等にもより標準装備の場合やオプション装備として追加しなければならない場合もありますが、私が経験した最高の装備をいくつかご紹介します。

・ベンチレーター(換気扇)

キャンピングカー必要装備 マックスファン

ベンチレーターは、車内に風の流れを作ることができ、季節を問わずに大活躍している装備です。

上でもお伝えした通りのとおり、窓を少し開けてベンチレーターを稼働させれば、外の涼しい空気を車内に取り込めるので、暑い季節の停泊中はかなりの確率で使っています。

また、車中飯で煙が出たり油を使う時にも換気ができるため、車内に臭いがこもりません。汗の臭い、車内干しの洗濯物の生乾き対策にも有効です。

・マルチルーム

キャンピングカーのマルチルーム

我が家のマルチルームは防水仕様となっていて、トイレ、シャワー室として使用しています。

車内で自活することができるので、コロナ禍に入浴施設やトイレが閉鎖された時も、困らずいつも通りの生活ができました。

・収納の多さ

オルビスユーロ 収納

我が家のキャンピングカー「オルビスユーロ」の場合は、床下収納からベッド下収納まで、全部で20箇所の収納スペースがあります。

トラックベースのキャブコンは、ある程度の積載が見込めるということもあり、コロナ禍で買い物の回数も減っている中で、月1回の買い物で生活ができました。

災害時を想定してある程度の食料・水の備蓄に加え、1年分の着替え・寝具等の荷物の搭載をしてもスペースには余裕があります。

メリット④ザ・キャンピングカーのアレ


キャンピングカーのバンクベッド

いかにもキャンピングカーに見える特長の運転席上部分の「バンクベッド」

我が家のオルビスユーロのバンクベッドは、175cmの夫と158cmの私が横並びに寝られるダブルベッドサイズが常設されています。

バンクベッド

面倒なベッド展開をせずとも、すぐに寝起きできるのが本当に楽で重宝しています。

このように、キャブコンに3年住んで思うのは、家と同じ空間を実現することがストレスフリーに繋がっているのだという事です。


キャブコンのデメリットも、サイズ


キャブコン

さて、キャブコンのメリットであげた『サイズ』。実はこのサイズはデメリットにもなります。

デメリット①車高が高い


キャブコンは運転席上部分にバンクベッドが設置されており、車高が高く、室内で立つことができます。

オルビスユーロは国内生産のキャブコンの中でも高身長な部類で、車高3.1mです。この高身長がアダとなり、通れない道、駐車できない(そもそも駐車場に入れない)場所が多々ありました。

デメリット②風の影響を受けやすい


また、シェル部分の側面積が大きいので、走行時に風の影響を受けやすいのもデメリットといえるでしょう。

特に海上の橋の上や高速道路の山間部では、減速してハンドルをしっかり握らないと恐怖を感じることも多いです。

デメリット③車の運転ではなく、家を運ぶ


装備や家具などを積載したキャブコンは車重が重くなります。

そのため、普通車の運転をしているという感覚ではなく、家を運んでいるイメージで、常に車間距離を意識した丁寧な運転をする必要があります。

急ブレーキ、急発進をしなくて良いように、普通車運転時の3倍の車間を空けて走行しています。

常にこれを意識して走行しているので、今はもう癖ついていますが、最初の頃は意識して運転していました。

デメリット④ザ・キャンピングカーだからこそ


キャンピングカーでキャンプ

メリットでもあげましたが、運転席上部分のバンクベッドが「ザ・キャンピングカー」を連想させ、目立ちます。

駐車場に停めた時も、車中泊仕様車の軽バンやバンコンと異なり、いかにも見た目がキャンピングカーのキャブコンは、目立って良い時と悪い時があります。

特にこのコロナ禍では“キャンピングカー=遊び車”と見られ、非難の的になりやすくなっていると感じます。

キャブコンは楽しすぎる


これはキャブコンに限らないかもしれませんが、最大のデメリットは、車内が楽しすぎて、ついつい時間を忘れてしまいがちな点です。

車内は完全なプライベート空間で、車内で全ての生活が完結できます。

収納には限界があるので、ある程度ミニマムな生活になりますが、余計なものがないことが、ストレスフリーへとつながることも。本当に必要な物、大切な物が分かります。

そしてついつい、キャブコンに住み込んでしまう。

雨の日、旅ができない日、なにもしたくない日。駐車場の車内でなにをする訳でもなく、ただバンクベッドでゴロゴロするだけでも、ただコーヒーを飲むだけでも、それだけで楽しい。

それが最大のメリットと同時にデメリットでもあり、最大の魅力である、キャブコンの真相です。