厳罰化でも減ってない?あおり運転の予防方法や対策について考えてみた
あおり運転は厳罰化されても減ってない?
2024年6月28日、チューリッヒ保険会社が「2024年あおり運転実態調査」の結果をプレスリリースで発表しました。
これによると、あおり運転をされたことのあるドライバーは昨年の調査より19ポイント増えて、回答者の72.5%を占めたとのことです。
あおり運転実態調査の実施は今回で7回目。
あおり運転をされた経験のあるドライバーが70%を超えたのは、初回調査が行われた2018年以来のようです。
続いてもう2つ、プレスリリースに掲載されたグラフを見てみましょう。
制限速度かそれ以下で走っていて、「もっと速く走るように挑発してきた」と感じているドライバーが多いようですね。
遅すぎる速度で走っていたならまだしも、制限速度で走ってあおられるのは理不尽なように思えます。
ところで、あおり運転って道路交通法の改正で厳罰化されましたよね?あの法改正って、あまり効果なかったのでしょうか?
2020年6月交付・施行の道交法改正
2020年(令和2年)の6月30日に施行された改正道路交通法では、あおり運転(妨害運転)に対する次の罰則(刑事罰)が定められました。
・【A】通行妨害目的で車間距離不保持や急ブレーキ禁止違反などをすると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処される
・【B】高速自動車国道などで【A】の妨害運転により他車を停止させ、かつ交通に重大な危険を生じさせると、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される
上記の違反行為に対する行政処分は免許取り消しで、【A】の場合は欠格期間2年(違反点数25点)、【B】の場合は欠格期間3年(違反点数35点)となります。
ちなみに、【A】は0.25mg以上の酒気帯び運転と同等、【B】は酒酔い運転と同等の刑事罰・行政処分にあたります。
まさに厳罰といえますが、その割には効果が現れていないような……。
厳罰化の効果は一時的だった?
ここでもう1つ、チューリッヒ保険会社の調査グラフを見てみましょう。こちらは「2021年あおり運転実態調査」の実施を知らせるプレスリリースからの引用になります。
この年の調査で「あおり運転をされた経験がある」と答えたドライバーは50%。
あおり運転が厳罰化された2020年の調査から、7.9ポイントの減少となっています。
この結果だけを見ると、厳罰化の効果は多少出ているように思えます。
ただ、2022年の調査からは、あおり運転された経験があるドライバーの割合は増加し続けているんですよね。
ということで、チューリッヒ保険会社の調査結果を見るかぎりでは、厳罰化であおり運転を大きく抑制することはできなかったように感じます。
では、私たちドライバーはあおり運転にどう対処すればいいのでしょうか?
あおり運転された経験を教えてください
ここからは、あおり運転の実態と対処法について見ていくことにしましょう。
まずは、知恵袋サイトで「あおり運転の被害に遭ったことはありますか?また、そのときどう対処しましたか?」と質問した結果をご覧ください。
質問へのご回答
「軽自動車に乗っていると頻繁にあおられますね。そういうときは警察署に向かいます。相手もついてくる場合がありますが、途中で行き先に気付いていなくなります(Eさん)」
「後ろからあおられたことが何度かあります。そういうときは左に寄って道を譲りますね。追い越していった車が先の道で事故していた、なんてこともありました(Aさん)」
「高速道路や山道であおられたことがあります。どちらも道を譲れば抜き去っていきましたね。こういう場面では、安全な場所や状況が来るのを待って左に寄ることが重要です。焦って事故を起こしたらバカらしいですから(Iさん)」
ご回答いただいた3人が経験したあおり運転は、いずれも後ろからきた車に車間距離を詰められるタイプのものでした。
で、Eさん以外は道を譲ることで対処できたとのこと。
なるほど、後ろからあおられて道を譲って対処というのは、あおり運転の典型なのかもしれません。
チューリッヒの調査回答者にも「もっと速く走るように挑発」された人が多かったようですしね。
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