高速道路で起きる事故原因の8割を占める「3つの“不”」とは?
よく聞く事故原因は「速度を出し過ぎて…」だが実際は?
大型連休などで交通量が増えると、発生しやすくなる交通事故。
特に高速道路上では、一般道よりもスピードを出して走行しているため、悲惨な事故につながりやすくなります。
高速道路で事故が発生した際、ニュースで『速度を出し過ぎたことによって、ハンドル操作を誤ったことが原因とみられています』といったようなフレーズを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
たしかに高速道路は一般道よりも交通の流れが良く、ついスピードを出しすぎてしまうこともあるかもしれません。
しかし、実際に交通事故の発生状況を見てみると、この「スピードの出し過ぎ」は、高速道路上での事故原因としてさほど多いものではないのです。
高速道路での事故原因は「不注意」「不注視」「不確認」が上位占める
警察庁が発表している『高速道路における交通事故発生状況等(2022年)』によれば、事故原因ランキングは以下のとおり。
1位:前方不注意(2,444件)
2位:動静不注視(1,314件)
3位:安全不確認(844件)
4位:運転操作不適(498件)
5位:進路変更(80件)
高速道路上での事故原因として最も多いのは「前方不注意」です。
『車内で探し物をしていた』『車外の景色に気を取られた』『考え事をしてぼーっとしていた』などの状況が該当します。
次いで多いのが、前方不注意とやや似ている「動静不注視」。
こちらは、相手の車の存在は確認していたものの、相手の動きを自分で勝手に判断し、危険回避行動を怠る違反行為です。
『まさか前の車がブレーキをかけるとは思わなかった』『信号が青になったのですぐに発進すると思った』といった状況を指し、”だろう運転”や”思い込み運転”とも呼ばれます。
そして、「安全不確認」は右左折時や一時停止の場所で安全確認を怠る行為。
高速道路では、車線変更時あるいは合流時などに事故を起こすと、安全不確認に当てはめられることが多くなります。
高速道路での事故原因は、これらの3つが「不」が全体の80%以上を占めているのです。
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