知識
“追越車線居座りドライバー”より前に行きたい…左から行っちゃってもいい?

追い越し車線の使い方にはルールがある

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高速道路のいちばん右側に設けられている「追い越し車線」は、その名の通り追い越し時に使用することを目的に設置された車線です。
追い越し車線が設けられた道路では片側2車線以上となっていますが、道交法において車は原則いちばん左側の車線を通行しなければならず、3車線以上の場合はいちばん右側を除いた車線の通行が原則となります。
また、同じ車線にいる前を走る車を追い越したい場合に、その車を左側から追い越すことは違法です。
したがって、いちばん右側に設置されている追い越し車線を走る車をさらに追い越すことは不可能。
追い越し車線のスムーズな利用と安全のため、追い越し車線を利用して追い越しを終えたら速やかに走行車線へ戻らなければなりません。
追い越し車線への居座りは違法

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しかし、実際にはこれらのルールを知ってか知らずか、高速道路上ではとても追い越しを目的としているとは思えない速度で追い越し車線を通行する車などが見られます。
追い越す車がいないにも関わらず追い越し車線の走行を継続していたり、追い越し車線に移ったにも関わらず追い越しに適切ではない速度で走行したりといった、誤った追い越し車線の利用はスムーズな高速道路の利用を阻害する迷惑な運転です。
追い越しは原則として右からでなければならず、追い越し車線はもっとも右側の車線であるため、追い越し車線に居座る車を追い越すには道交法に背かなければなりません。
安全、かつ合法に、追い越し車線に居座る車よりも前に出るには、どうすればよいのでしょうか。
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追い越し車線居座り車を走行車線で左から“追い抜く”のはセーフ

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道交法において左からの追い越しは禁止されていますが、右側を走る車を左から追い抜くのは禁止されていません。
追い越しは道交法において「車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。」と定義されています。
「前を走る車に追い付く」「前を走る車と異なる車線に移る」「前を走っていた車を横から抜く」「前を走っていた車と同じ車線に戻る」という一連の運転が追い越しです。
追い抜きに関しては定義がありませんが、直進を続けて前方を進行中の車の前に出ることを指します。
「前を走る車に追い付く」よりも前に「前を走る車と異なる車線に移る」が済んでおり、そのまま直進を続けて「前を走っていた車を横から抜く」のは、追い越しにあたりません。
そのため、追い越し車線に居座る車に追い付く前に走行車線へ移っておき、直進を続けて追い越し車線に居座る車を追い抜く、がルールを守ったうえで追い越し車線に居座る車の前に出る運転となります。
ただし、ここで示すルールはあくまでも追い越しに限った話ですので、運転中は最高速度などその他のルールも遵守しなければなりません。
また、ルール違反とならないことがすなわち安全とも限らないため、以上のような追い越し車線に居座る車の前に出る運転を実践する場合は、十分に注意しなければなりません。
追い越す車がいないのに追い越し車線を使うのはアウト

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前述の「追い抜き」によって追い越し車線に居座る車よりも前に出る場合、あらかじめ走行車線を移っておく必要がありますが、走行車線にその他の車がなく、追い越しをしたい車がない場合に追い越し車線を走行することは、ルール違反となる場合があります。
追い越し車線に居座る車に追い付く前に走行車線へ移るのではなく、安全に走行車線へ戻ることができ、追い越しを完了させることが可能になった時点で、走行車線へ戻らなければなりません。
また、追い越し車線に居座る車を追い抜いたあとも、追い越しをしたい車がないにも関わらず追い越し車線を利用するのもルール違反となる場合があります。
ライター:MOBY編集部
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