キャンピングカーのトイレは種類が豊富!?万が一に備えて自分にあったトイレを見つけよう!!
トイレ。生活上、欠くべからざるものの筆頭と言えるだろう。
なのに、キャンピングカーの設備の中でもこれほど要・不要の議論が白熱するものはない。
今回はその「トイレ」について考察してみよう。
アメリカやヨーロッパのキャンピングカーには、ほぼ100%、トイレは装備されている。
が、日本ではキャンピングカーの構造要件にも含まれていないのが現状である。
それはなぜか。
・日本は欧米に比べて治安がよい(公衆トイレなども比較的安心である)
・SA/PA、道の駅、公園などの公衆トイレがよく整備されている(きれい・数が多い)
・コンビニで買い物ついでに拝借するのも簡単である
という背景があるのは間違いない。
その結果「車につけなくても大丈夫」という判断になる。
これは日本独特の背景といえるだろう。
中には、車両にトイレを装備しているにもかかわらず「絶対使わない」なんていうオーナーさんもいるようだ
ともあれ、まずはキャンピングカーのトイレについて解説しよう。
タイプはざまざま・使い勝手も色々
キャンピングカーに装備されるトイレには、車に固定されているか/持ち出せるか の違い、あるいは処理方法によって様々な種類がある。
車体から持ち出せるタイプ
・ポータブル式
誤解を恐れずに言えば「ハイテク・おまる」である。
老人介護用にも使われるので見たことがある人もいるだろう。
ちょっと大きめの段ボール箱ほどのサイズで、便座の下にタンクがあり、汚水をそこに溜める方式。
溜まってきたら汚水タンクだけを外して中身を廃棄する。
タンクにはシャッターが付いているので、持ち運ぶ際に中の汚水がこぼれる心配はない。
不要な時にはトイレまるごと取り外して降ろしておけばよい、というメリットがある。
タンク容量が少ない(12L前後)のと、汚水処理の際に汚物と「ご対面」してしまうのが欠点といえるだろう。
・ラップ式
同じくトイレ丸ごと外せるタイプだが、こちらは専用のプラスチック袋に汚水を溜め、毎回密封してしまう、という方式だ。
匂いも気にならず、処理の際も「燃えるゴミ」として出すだけ、という扱いやすさは魅力的だ。
その一方で
・機器がやや高価である
・袋など専用の消耗品が必要になる
という点にも留意したい。
特に袋を切らしてしまうと、トイレはあるのに使えない、という事態に陥る可能性がある。
とはいえ、この後処理が楽さ加減は相当のハイレベル。
防災グッズとしても人気があるのもうなづける。
・組立式
段ボール製などで、畳んでおけば場所を取らないタイプがこれだ。
ビニール袋に紙おむつなどとにも使われる「高分子吸収剤」を入れて箱にセットして使う。
元々は災害用に考案されたもので常用するものではない。
その分安価だし場所もとらないので「緊急時用にトイレも備えておきたい」という人にはおすすめである。
車体に固定されているタイプ
自宅のトイレ同様、動かすことができないのが以下のタイプだ。
・カセット式
構造としてはポータブルトイレとほぼ同じ。
だがトイレ本体は車体に固定されている。
汚水タンクだけが車体から外せるようになっており、処理方法も可動式と同じ。
欧州車や日本車で「トイレ付き」という場合は、ほぼこの方式。
ポータブル式よりタンク容量は大きい(20L程度)場合が多い。
・ブラックタンク式
汚水タンクも車体に固定されているタイプで、アメリカ車に多い装備だ(国産車・欧州車にはほぼない)。
排水口に専用ホースをつなぎ、下水升などに直接排出して処理する。
タンク容量は数十Lと大容量で、処理もレバーを操作するだけと非常に簡単である。
この方式は同時にグレータンク(生活排水タンク)も処理するので、先にブラック(トイレの汚水)→グレー(生活排水)の順に流す(自動的にそうなっている)ことで汚水ホースの内部も簡単にすすげるようになっている。
用意だけはしておこう
先にも書いた通り、日本の公衆トイレは大変よく整備されている。
とはいえ、いつ・どこで・どんな状況で必要になるかわからないのがトイレである。
悪天候に見舞われてトイレまで行くのが大変、と言うケースもあろう。
スキー旅行で、温かい布団を出て吹雪の中出て行くのは辛いものだ。
そのほか、思っていた場所にトイレがなかった・あてにしていた店が閉まっていた…など、トイレ問題に直面するケースは少なくない。
そんな「あったらよかったのに」に備えるためにも、用意しておきたい装備だと、私は思っている。
トイレを装備することに消極的な人に理由を聞くと、ほぼ全員が「後処理がイヤ」という理由を挙げる。
それは誰だってそうだろう。
その点は洋の東西も問わないようだ。
事実、トイレ専用の薬品を使えば、においはかなり抑えられる。
カセットトイレの構造も、処理するときの『安全性』はかなり考えられている。
まったく何の匂いもしない、とはさすがに言わないが、「家族のもの」と思えば、心配するほど気にならないはずだ。
防災シェルターとしても注目されているキャンピングカー。
その機能をも求めようと考えるなら、なんらかの準備はしておくべきだろう。