日除け効果が抜群な車の日傘?!Lanmodo Plusをリアルレビュー!
車中泊の暑さ対策が話題に上がることの多いこの季節、クラウドファンディングのMakuakeに興味深いプロジェクトが上がっていた。
「自動展開式カーテントLanmodo Plus」だ。
車を日陰になる屋根の下に入れるのではなく、車の屋根の上に折りたたみ式の屋根を作ってしまうといったようなユニークな発想だ。
これのサンプルをお借りすることができたので、当記事では実際に実験した結果などをレポートしたいと思う。
どんな物なのか?
Makuakeでの商品名(プロジェクト名)は「自動展開式カーテントLanmodo Plus」となっている。
しかし、サンプルに付属の英文のユーザーマニュアルには「Automatic Car Umbrella」と書かれていた。
仕組みや構造から考えると、確かにテントと言うより、「自動で開く車用の巨大な傘」の方がしっくりくるイメージだ。
仕組みをざっと説明すると、「普通の傘だったら持ち手のある辺りにモーターやバッテリーなどが内蔵された本体基幹部分があり、その底面にある吸盤で車の屋根に固定し、リモコンを介して電動で傘を広げる。」といったような感じだ。
上の画像は閉じた状態、下の画像は途中まで開いた状態だ。
吸盤は、車の屋根に載せてから本体のレバーを引くと屋根に張り付く仕組みだ。
Makuakeの紹介文には「70kgの重量を支えることができる」と記されている。
傘の生地は遮光率95%で、このLanmodo Plusを展開しておくと、それだけで表面温度を半分以下に抑えることができるそうだ。
上の画像はMakuakeからの引用だが、センサーで測ると、通常の何もない状態では車体の表面温度が77.3ºCになっているの対し、Lanmodo Plusの下なら40.9ºCになっていることを表している。
バッテリーは取り外しが可能で、容量は6,600mAh。
これで何回開閉ができるなどの記載は見当たらないが、スマホを2~3回フル充電できる容量とある。そして実際USBポートもあるので、スマホの充電などにも使用できる。
バッテリーは、交流100Vからも車のシガーソケットからも充電可能で、各々アダプターも付属している。
しかし、このバッテリーは左右が同じ形で、反対向きでもバッテリースロットに入ってしまうのだが、入れる向きの目印などは見当たらない。
そして、スロットは中を覗き込めない向きに向いているため、電極がどっちにあるのか中を覗いて確認することもできない。
どっち向きに入れたら良いのか毎度戸惑うことになるので、シールやマジックなどで印をつけたらいいかもしれない。
傘が開ききったら6本のストラップをドアハンドルなどにかけて傘が風で煽られたりしないように固定する。上の画像が最も標準的な使い方のようだ。
しかし、煽り止めのストラップはバックルで留めて輪になるようになっている。
上の画像のようにドアハンドルがグリップタイプの車ならそのまま簡単にドアハンドルに付けられるが、フラップタイプのドアハンドルには付けられない。
何か工夫が必要だ(その話はまた後で)。
サイズ
広げた時の大きさは、480cm x 210cmとなっている。幅は大抵の車はすっぽり収まり、なおかつ普通の駐車場の一台分の枠に収まるサイズだ。
地面で広げるとこのようなる。これが後々ちょっと問題ともなるのだが、地面との隙間はほとんどない状態であることがわかる。
収納サイズは91cm x 21cm、重量6.25kgとなっている。下の画像は軽自動車の荷室に積んだ様子だ。
この写真ではなんとなく大きそうに見えてしまうが、たたんだ折り畳みチェアの1.5倍程度のイメージで、チェア2つ分はない。
早速キャラバンで試そうと思ったのだが…
まずはキャラバンの屋根に載せてみることにした。
本体基幹部分を車の屋根の左右の中心に置かなければならないので、背の高い車の場合は十分な高さの踏み台やハシゴなどが必要だ。
脚立に乗って屋根の上に吸盤で固定し、リモコンのスイッチをONにするもキャリアバーに傘の骨が当たってすぐに止まってしまった(何かに当たったり引っかかったりすると破損を防ぐために自動的に止まる仕組みになっているようだ)。
このままではこれ以上は開かない。
吸盤の固定を解除して本体基幹部分を浮かせたり斜めに向けたりしながら引っ掛かりを外し、何度もリモンコンの操作を繰り返し、結構な手間はかかったがどうにかこうに開けることはできた。
しかし、傘が開き切っても傘の骨がキャリアバーの上に乗った形になってしまい、本体基幹部分が車の屋根に着地しない。
これは致命的で、さすがにこれでは使用不能だ。
結果的にキャリアバーを付けている車にはそのままでは使用できないことが判明。
車中泊をするような人はキャリアを付けている人は多いと思うので、これは非常に残念な結果だった。
解決策としては、吸盤の付く台座となるツルツルの板を用意し、その台座をキャリアの上に固定し、そこに本体基幹部分を載せれば使えそうだ。
借り物のサンプルのためにその台座を作るまでのことはしなかったが、ともかく「キャリアの付いている車にはそのままでは付けられない。」といった結果で終了。
次にバモスで試みる
先にキャラバンで試した理由は、バモスには自作のスノコの床を設えたルーフラックが付いているため、吸盤が使えないからだ。
しかし、吸盤で固定はできないが、この上に載せることはできる。
キャラバンでは正常に傘を開くこともできなかったため、とにかく車の上で傘を開いてみようと思い、バモスでも試してみることにした。
ところがである。この平らで固い床(ラックの上に設えたスノコ)が案外良いのだ。
車の屋根は固そうでいて案外柔く、もちろん車によっても固さは違うが、結構フニャフニャしていている。
その上に重さ6.25kg、直径12cm(本体底面の吸盤の大きさ)の物を載せたらフラつくことも多いと思うのだが、この平らで固い床の上なら、真っ平らではない薄い鉄板(車の屋根)の上よりずっと安定するのだ。
この方が安定感があるとは、少し皮肉な結果だった。そう考えると、キャリアバーの上に台座を付けて使うのも良いかもしれない。
早速リモコンのスイッチをONにしてみるとキャリアバーの時と同様、やはり傘が開いている途中でサイドの柵の部分に骨が当たって自動的に止まってしまう。
キャリアバーの時よりは厄介ではなかったが、途中で引っかかりを外してから再開すれば完全に開くことができた。
しかし、この柵は普通のルーフレールよりは少し高さがあるが、少し高めのルーフレールでも干渉してしまう可能性がありそうなことも判明。
吸盤で固定されてはいないから風が吹いたらアウトだが、本体基幹部分がどっしりしているため、これだけでも結構安定している。
そして、ドアノブがグリップ式ではないから、ストラップはルーフラックとミラーのステイに固定。
吸盤で固定されていないが、余程風が強くなければこれでも全く問題はなさそうだ。
しかし、やはり少し風が強く吹いた時のことを考えると不安が残るから、基幹部分は固定したい。
この場合、ラックの床(スノコ)の本体を載せる部分にのみ、吸盤の付くツルツルの板などを貼っておくだけで解決する。
これだけなら至って簡単なことだから、そうやって使うのは良さそうだ。
また、ルーフラックの上に乗っているため、リアゲートと間に十分なクリアランスが生まれ、傘を開いたままでもリアゲートを開けることができた(これについては後述あり)。
窓の上にも傘がかかって二重になり、リアゲートの下はより涼しく快適な空間になり、快適度が大幅にアップ。
そして、軽自動車なら2.1m(Lanmodo Plusの傘の幅)- 1.48m(車の幅)で、車の両側にも30cm程度の庇(ひさし)ができることになる。
車の横にもちょっとした日陰ができ、サイドドアを開けておいても車内に雨や雪が入り込みににくくなる。
もちろんルーフラックを外せば普通に設置できるが、ルーフラックの付いた軽ワンボックスとの組み合わせはなかなかに良いかもしれない。
吸盤を付けるための台座の設置の必要はあるが、色々意味で相性が良いように感じた。
旧型ワゴンRで試してみた
バモスでの結果はなかなかに良好だったが、本体基幹部分を吸盤で固定していないので、本来の正しい使い方をしたインプレッションにはなっていない。
屋根に吸盤で固定できる車で試してみる必要がある。
しかし、近所の友人知人の車を見回しても、思い当たるのは皆キャリア・ルーフレール・ルーフラックのいずれかが付いた車ばかりだ。
また、色々と安全策は施されているが、絶対に車に傷を付けたり屋根を変形させずに済むとは言い切れない実験でもあるから、やたらには頼みにくい。
そこで、知り合いの車屋さんの代車用のワゴンR(正確にはマツダ AZ-ワゴン)を借りて試してみることにした。
失礼だが程よくヤレていて気兼ねなく使える車だ。
訳を説明したら「屋根なんてを凹ませても全然大丈夫だから、どんどん試してみて。」とのことだったので、これで試させてもらうことにした。
しかし、この車を選んだ理由はそれだけではない。