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【社長就任会見取材】酒井新社長になったVANTECHってどんなキャンピングカービルダー?

【社長就任会見取材】酒井新社長になったVANTECHってどんなキャンピングカービルダー?

国内大手キャンピングカービルダー(メーカー)・VANTECH(バンテック)の新代表取締役社長として酒井裕二郎氏が今年(2025年)9月1日に就任。

それに伴い、10月15日にVANTECH神奈川で新社長就任会見が行われたので取材してきました。

新社長の酒井氏とはどんな人物なのか、新体制になってVANTECHはどう変わるのか、そして、あらためてVANTECHとはどんなキャンピングカービルダーなのか。

最新情報を伝えます。

新社長の酒井氏はキャンピングカー業界23年の大ベテラン


バンテック社長就任式

9月1日にVANTECH(本社/埼玉県所沢市日比田95-1)の代表取締役社長に就任した酒井裕二郎氏(52歳)は、名古屋造形芸術大学(現・名古屋造形大学)プロダクトデザイン専攻を1995年に卒業。

キャンピングカービルダーの株式会社アムクラフトに入社。

その後同じくキャンピングカービルダーのホワイトハウスに入社し、キャンパー事業部にて23年間勤務。

製品開発担当から事業部長まで務め、当初4名だったキャンパー事業部を45名、売上高約20億円にまで拡大した実績があります。

ホワイトハウスのキャンパー事業部と言えば今ではVANTECHと共に国内大手ビルダーの一つですが、その成長の裏には酒井氏の活躍があったということです。

「長年キャンピングカー業界にいて、会社組織の中でできることはある程度やりきれたという実感があったため、次はゼロから起業して自分ですべてをコントロールしてみたいという想いでデザイン事務所・株式会社マスターピースを設立しました」(酒井氏)

しかし、酒井氏のそれまでの製品開発力や実績を知っているキャンピングカー業界各社から「ぜひ当社でその手腕を発揮してもらいたい」という依頼が多数あったとのこと。

その度、自分で立ち上げた会社でやっていきたいという意志を伝えて「ありがたいお話であり、もったいないことだとは重々承知していました」(酒井氏)が、断り続けてきたといいます。

それでもそこから3年間あきらめなかったのがVANTECH。

現会長の佐藤徹氏をはじめとした経営陣と納得いくまで話し合った結果、社長就任を受諾したというのが今回の経緯です。

酒井新体制VANTECHのテーマは継承と進化


新社長酒井氏

新社長就任会見で酒井氏が打ち出した事業テーマは「継承と進化」。

1986年創業、90年からキャンピングカーの製造販売を始めているバンテック。

30年以上の歴史があり、大型キャブコンのZiLシリーズという超ロングセラーモデルもあり、国内キャンピングカー業界では大きなポジションを確立しています。

こうしたこれまでの実績は大切にしつつ、さらなる販売拡大、新モデルの企画開発、そのための社内体制のブラッシュアップを図るということでしょう。

「自分が司令塔となればVANTECHはもっと成長できる。製造工場をはじめ、社内の各部署を回ってみて(技術的にも規模的にもマンパワー的にも)余力はまだまだあると感じている」(酒井氏)と意気込みを語ってくれました。

ZiLやCORDEシリーズで人気のVANTECH


バンテック車両展示

さて、ここであらためてVANTECHとはどんな会社なのか、紹介したいと思います。

前述しましたが、VANTECHの創業は1986年。

97年に発売したZiLが人気を博したことで、事業基盤を築きました。

ZiLシリーズは発売以来25年以上モデルチェンジを繰り返しながら、現在も国産キャブコンの最上級モデルとして超ロング&ベストセラーモデルとなっています。

国産のキャブコンタイプのキャンピングカーに興味がある、購入したいという人なら一度は知っている人も多いと思います。

もう一つ。

ZiLと並んでVANTECHの代名詞と言えるのがCORDE(コルド)シリーズ。

快適装備全部載せのフラッグシップモデルがZiLシリーズなら、こちらはユーザーそれぞれが必要だと思う装備を選べる比較的リーズナブルな価格帯のレギュラーモデルと言えるでしょう。

ZiLシリーズもCORDEシリーズもベースはトヨタのカムロード。

だれが見ても「これぞキャンピングカー」という出で立ちの本格的なキャブコンタイプのキャンピングカーです。

ASTRARE

さらに2025年から展開している新ブランドがASTRARE。

ハイエースやキャラバン、HILUXをベース車にしたキャブコンで、製造はVANTECHと秋田県のキャンピングカービルダー・ファーストカスタム株式会社(秋田県大仙市)が協力して行っています。

ちょいCam

また、今回の取材で初めて知ったのですが、以前から手軽な軽キャンピングカーとして知られている株式会社ルートのちょいCamもVANTECHグループのブランドとして仲間入りしています。

国内外に製造工場。正規販売店は全国に20カ所


キャンピングカー車内

最後にVANTECHの事業規模も紹介しておきます。

バンテックの正規販売店は北海道、山形、埼玉、神奈川、京都に直営店が6店舗。

販売店が14店舗で計20店舗。

正規メンテナンス店(10カ所)まで含めると、北海道から沖縄まで網羅しています。

日本のどこにいてもメンテナンスが受けられるので、購入者としては安心ですね。

製造部門は山形に計5つの工場を持つ上に、海外工場としてタイにも2つ工場を運営しています。

グループ全体の年間売上高は86.5億円。

グループ従業員数は300名。

年間製造台数は約600台。

日本有数の規模を誇るキャンピングカービルダーと言って差し支えないでしょう。

DRIMO編集部

DRIMO編集部です。 キャンピングカーや車中泊の情報を中心に、バンライフなど車旅に関する情報をお届けします。