キャンピングカー
コンパクトボディに最強クラスの電源!VANTECHのASTRAREキャブコン「TRIAS480」

非日常の特別な旅を演出するメインラインとはひと味違う、車としての走行性や実用性が意識されたVANTECH(バンテック)のASTRARE(アストラーレ)ブランド。
力強いクロスカントリーモデルや、バンベースの個性派キャブコンが並びますが、「ASTRARE TRIAS480(アストラーレ トリアス480)」は本格装備と日常の取り回しのよさを兼ね備えた新世代のキャブコンです。
去るジャパンキャンピングカーショー2025でお披露目された今年のニューモデル。
街乗りにも対応するコンパクトなボディでありながら、キャブコンの魅力である居住性や収納力は犠牲にしない。
一見両立しないと思えるようなコンセプトが、どんな工夫で実現されているのかご紹介します。
コンパクトな「ASTRARE TRIAS480」

ベースとなっているのはVANTECHではお馴染み、トヨタのカムロード。
しかし全長480cmのボディは、ZiL(ジル)はもちろん、CORDE(コルド)よりもさらに小さいサイズです。
高さがあるため街路樹などへの注意は必要ですが、車庫証明の問題からキャブコンをあきらめていた人や、モータープールを利用していた人も検討の価値があります。
居住部分は流れるようなFRP一体成形。
各所のノッチや、車体に埋め込むように取り付けられた装備品、リヤの整流板など、細部のデザインにはひとつひとつ意味があるといいます。

溝に沿って雨水を流すことで、バーコード汚れがつきにくくなる工夫も。
オプションでリヤスポイラーの装備も可能で、さらなる走行性能の向上が期待されます。
コンパクトボディながら、リヤの大型スライド収納など、車外からアクセスできる外部収納庫が複数あるのはキャブコンならでは。
水洗いできるよう排水穴がついたリヤ収納は、旅行中に出る生活ゴミを一時保管するのにも適しています。
オプションでサイドオーニングや、車外照明の追加も可能です。
ASTRARE TRIAS480(アストラーレ トリアス480)
ビルダー:VANTECH株式会社
タイプ:キャブコン
ベース車両:トヨタ・カムロード ワイドトレット
乗車定員:7名(2WD)/6名(4WD)
就寝定員:4名
全長:4,800mm
全幅:1,960mm
全高:2,700mm
ナンバー:8ナンバー
参考価格:税込10,868,000円~(2WD、ILiS搭載の場合)
詳細はこちら▷:VANTECH
マルチスペースが個性的なレイアウト

TRIAS480のレイアウトの特徴は、空間をさまざまな形で使える「多用途性」にあると言えるでしょう。
車両のほぼ中央にあるエントランスから乗車すると、左方向にダイネットがあります。
車両後方には大人ひとりが立って調理するのにちょうどいい機能的なギャレー。
さらに奥には戸で仕切ることができるマルチスペースがあります。
このスペースがユニークで、ベッドにすることも、休憩用の個室にすることも、トイレルームにすることも可能なマルチな空間。
開閉のための余分なスペースがいらない引き戸で、開けたままでも邪魔にならないのがポイントです。
空間を効率的に使ったダイネット

ダイネットは、電車のロングシートのように車両左右にシートがある「ニの字」の対座式。
運転席に向かって視界が抜けるので広く感じられます。
センターエントランスの長所も相まって、複数人でも乗降・着席・調理の動線がスムーズなのはさすが。

ダイニングテーブルには飲み物の転倒を防ぐカップホルダーがついています。
頭上には上開き式の吊り戸棚が並び、生活用品を収納できます。
VANTECHらしい、上質感のある洗練された家具デザインも好印象です。
気分で選べる3か所のベッド
ベッドは前方からバンクベッド、フロアベッド、リヤベッドの3カ所。

運転席の上部にあたるバンクベッドには、大人1名または子ども2名が就寝可能です。
枕元には読書灯やUSBポートを完備。
天井にオプションでスカイビューウィンドウをつけることも可能です。
ソーラーパネルとの兼ね合いになりますが、バンクベッドの閉塞感が苦手な人にはおすすめのオプションです。
車両中央の空間は、昇降式ダイニングテーブルを押し下げ、ベッドマットを敷くことでフロアベッドが登場します。
テーブルを戻すのも、ロックを外して引き上げるだけなので簡単です。
後述するリヤベッドと合わせ、就寝定員は4名です。
キャブコンらしい本格ギャレー
高い天井をフルに使ったキッチンキャビネットや、本格的な調理設備は、形だけではないしっかりした自炊を可能にします。
フタ付きシンクには各20Lの給排水タンクが接続。

タンクには車外からアクセスできるので、水の処理が簡単です。

加熱調理はシンクに隣接する作業カウンターで行うことになるでしょう。
ひと工夫されているのは、壁面に設けられたマグネットボード。
市販のマグネット小物で、スパイスラックやペーパーホルダーなど自由に追加できます。

シンクの対面には60L冷蔵庫と電子レンジが標準装備され、くるりと振り向くだけで使えます。
機能的な動線で、慣れれば家庭のキッチンのようにスムーズに作業できそうです。
家電キャビネットの隣は吊り戸棚タイプのクローゼットになっています。
最大の特徴であるマルチスペース

TRIAS480の最大の特徴とも呼べるのが、リヤのマルチスペースです。
マットを敷けば、第一の用途であるベッドルームに。
読書灯なども備えられ、プライベート感のあるシングルベッドになります。
オプションの上段用ベッドを追加すれば、二段ベッド仕様にも。
上段は窓からの景色も楽しめる明るい空間、下段は秘密基地感のある“おこもり空間”になります。

続いて、中央のマットを外せば、足を下ろして着席できる小さな書斎のような空間に変身。
ここにもマグネットボードがあるので、小物や装飾品を自由にレイアウトできます。
文房具を配して作業スペースにしてもよさそうです。

第三の用途として、引き戸を閉めてオプションのポータブルトイレ「ラップル」を置けば、トイレルームとしても利用可能。
アイディア次第でマルチに使えるユニークなスペースとなっています。
十分すぎるほどの大容量電源システム
電源は鉛バッテリー、もしくはEcoFlow × VANTECHのオリジナル電源システム「ILiS(イリス)」から選択できます。
予算が許すなら、TRIAS480のポテンシャルを活かすためにも、ぜひ後者を選択したいです。
合計6,000Whにもなる大容量リチウムイオンバッテリーのセットで、しかもオプションで設置できるソーラーパネルの枚数はZiLやCORDEをしのぐほど。
電力不足を気にすることは、ほぼなくなるでしょう。

寒暖対策の家庭用エアコンとFFヒーターは標準装備。
ボディそのものが断熱性能を高めたFRP一体成形であることから、外気の影響を抑えて効率的に室温をコントロールできます。
前述の冷蔵庫や電子レンジ、室内照明といったたくさんの標準装備品も、パワフルな電源システムが支えます。
まとめ
都市部の道路や駐車場にも対応する実用性がありつつ、キャンピングカーとしての快適性も損なわない。
ボディサイズが小さくなるほど置ける家具が減ったり、収納スペースが犠牲になったり、さまざまな制約があるはずですが、TRIAS480にはそれを感じさせない工夫が詰まっていました。
さらに、歴代シリーズをしのぐほどの強力な電源システムは特筆に値します。
空気抵抗などが考え抜かれた走行性能は、「キャブコンは走らない」というイメージを覆し、安定した長距離運転を可能にしてくれるでしょう。
日常の暮らしと、旅先での冒険が無理なく融合するTRIAS480、コンパクトキャブコンの新機軸です。