車載用エアコン『COOL STAR(クールスター)』気になる性能は?費用は?個人での取り付けは可能?
これからの夏本番に向けて、キャンプや車旅の計画を立て始めている人もいるのではないだろうか。
旅先や宿泊先を検討することも大切であるが、ぜひ考えていただきたいのが車内の暑さ対策だ。
夏は車内温度は50度を超えることもあり、短時間であっても熱中症の危険性がある。
就寝中、車内温度が上がっていることに気が付かず、目が覚めたらめまいや吐き気が……なんてことになってしまったら、せっかくの車旅が楽しめないのはもちろん、重症度によっては命の危険まである。
車中泊を安全に快適に過ごすには暑さ対策が必須なのだ。
キャンピングカーの冷房装備といえば、家庭用エアコンを装着しているものも多いが、自分の車にも実装しようと思うと、重量の問題や、その大きさゆえ設置場所に困るケースもある。
また、あくまでも住宅用に設計されているので、振動や過酷な温度変化にさらされる自動車への取り付けは耐久性の面でやや心配が残る。
そんな悩みを解消できるのが、ホワイトハウスキャンパーが販売しているDC12V駆動の車載専用エアコン「COOL STAR(以下クールスター)」だ。
開発段階から車載用に設計されているため振動や温度変化に強く、コンパクトで車内への設置もしやすい。夏を乗り切るための注目の製品だ。
冷却性能がどれほどのものなのか?どのくらいの時間稼働できるのか?後からでも取り付けができるか?
クールスターの特徴や取り付けについて、販売元であるホワイトハウスキャンパー横浜店の深澤さんに直撃してみた。
目次
コンパクトだけど冷却性能が高い車載専用クーラー
クールスターは車載専用に開発されたクーラーだ。運転時の振動や温度変化にも強く、耐久性が高い。
重さは約6kgと軽量。家庭用エアコンに比べてふたまわりほど小さく、幅65cm、高さ28cm、奥行きわずか16cmの超薄型だ。
小型化したことによって設置しやすくなったのは魅力だが、肝心の冷却性能は十分なのだろうか。
「家庭用エアコンの電圧が100Vであるのに対し、クールスターは12Vなんですね。普通、電圧が下がると冷却能力も下がってしまうのですが、クールスターは冷却性能が下がらないというのが画期的です」
電圧が12Vでありながら冷房機能は2.2kw。家庭用なら6畳用に匹敵するパワーを兼ね備えている。小型でありながら冷却性能は高いので、キャンピングカーの暑さ対策にぴったりだろう。
さらに省エネ性能にも優れている。コンプレッサーやファンモーターの制御システムが内蔵されているため、最大出力時は60Aだが、いったん室内が冷えてしまえば10~30A程度で稼働するのだ。
静音設計で稼働時でも静かなため、睡眠時も眠りを妨げない。
車の温度を一定に保ち、夏の車中泊やキャンプをより快適なものにしてくれそうだ。
インバーター不要で稼働時間も長時間
クールスターの大きな特徴の一つとして、インバーターが不要でダイレクトにサブバッテリーに接続できることがあげられる。
インバーターとは、サブバッテリーから送られてくる電気(DC12V)を一般家庭用の電気(AC100V)に変換してくれる機器のこと。
サブバッテリーと家庭用コンセントは電気の種類が違うので、サブバッテリーを使って家庭用の電化製品を動かす場合にはインバーターを介して電気の種類を変換する必要がある。
しかし、クールスターはサブバッテリーと同じ種類の電気を使用するため、インバーターなしで直接サブバッテリーに繋ぐことができる。
インバーターを介すと電気の変換時に電力のロスが生じるが、ダイレクトにサブバッテリーに接続できるのであれば電力の無駄がなく、設置スペース的にも有利だ。
ちなみに、クールスターは流れる電流値が大きいことから、ポータブルバッテリーでは使うことができない。必ずサブバッテリーで稼働させるようにしよう。
では、クールスターは最大何時間稼働するのだろうか。
「外気温や他の機器の使用状況などといった条件で異なりますが、リチウムのサブバッテリー(容量200Ah)を搭載している場合には最大で10時間程度ですね(※ホワイトハウスキャンパー社のハイエースでの検証結果)。
ただし、サブバッテリーをすべてクールスターに使うと他の機器が使えなくなってしまいますから、使用時間は考えたほうがよいと思います」
長時間稼働できるとはいえ、付けっぱなしには注意が必要なようだ。
実際には「寝る前に1〜2時間だけ車を冷やす」「設定温度を高めにする」というように、他の機器の使用状況を考慮しながら使い方を決めるとよいだろう。
様々なタイプのキャンピングカーにも後付け可能
気になる費用は?
クールスターの本体価格は室内機・室外機がセットなって、税込み 264,000円 。
ホワイトハウスキャンパーに取り付けを依頼した場合、工賃を含めて税込み 429,000円となっている。(※ホワイトハウスキャンパーで製造販売しているハイエース系キャンパーに取り付けた場合)
またホワイトハウスキャンパーのハイエース系キャンパー(一部除く)なら、新車時だけでなく後付けも可能だ。
「弊社では、ドルク以外のすべてのハイエースベースのモデルに取り付けが可能です。他社さんではハイエース以外のバンコンやキャブコンに取り付けているケースもございますよ」
今年のキャンピングカーショーでも、多くのビルダーがクールスターを採用していた。そしてキャンピングカーのタイプも、ミニバンベースのコンパクトなバンコンから、大型のキャブコンまで、様々である。
他社製のキャンピングカーに乗っている人も、まず一度、クールスターを取り付け可能か購入店に相談してみるといいだろう。
クールスターの取り付け方法
クールスターの取り付け方法はキャンピングカーや施工店によっても変わってくるが、ホワイトハウスキャンパーでは、専用ブラケットも販売している。
ハイエースはもちろん、キャブコンやハイルーフ車にも装着でき、軽量に作られているため車体への負担は最小限だという。
車体に合わせて室外機は3タイプ
室外機については車両の天井に付ける「トップタイプ」、側面に付けられる「バックタイプ」、取り付ける場所を選ばない「マルチタイプ」の3種類。
さび対策の塗装が施されているため融雪剤にも強く、雪が降る地域の運転も安心である。
オプションの室外機ブラケットを使えば、本来なら天井に付けるトップタイプの室外機を車体の下に取り付けることも可能だ。
室外機が隠れない作りになっているため、もしも融雪剤などをあびてしまったとしても簡単に水で洗い流せるようになっている。
ブラケットなどのオプション器具にも細やかな工夫が施されているのだ。
個人でも取り付けられる?
可能であれば、工賃は節約したい……。クールスター本体やオプションなどを購入すれば、個人でも取り付けられるのだろうか。
「個人での取り付けはおすすめできませんね。物理的にできなくはないのですが、真空引きといってガスを注入してエアコンの内部を真空にする作業が必要になるので、電装屋さんの範疇だと思います」
エアコンの取り付けは個人では難しい作業のようだ。取り付けする際は、無理せず購入店に相談してみよう。
また、クールスターのメンテナンスについても聞いてみた。
「クーラー自体にメンテナンスは必要ないですね。家庭用と同じようにフィルター掃除を行わないと効きが悪くなってしまうので、一般的なお手入れは必要です。」
メンテナンスもラクそうで言うことなしである。
動かなくなったなどのトラブルがあった場合でも1年間は保証がついている。もし故障かなと思ったら遠慮なく相談してみよう。
まとめ
今回の記事では、神奈川県横浜市にあるホワイトハウスキャンパー横浜店の深澤さんにお話を伺い、DC12V車載クーラー「COOL STAR(クールスター)」の特徴や取り付け方についてレポートをした。
クールスターは車載用に開発されたクーラーで、コンパクトでありながら冷却能力が高く、インバーターが不要で電力ロスが少ない。快適な車中泊をする上で頼りになる存在になりそうだ。
後付けも可能。ハイエース以外のバンコンやキャブコンにも設置できるとのことなので、今持っているキャンピングカーの暑さ対策が不十分だと感じている人は、ぜひ設置を検討してみてほしい。
【製品スペック】
室内機+室外機セット 販売価格 264,000円 (税込)
*ホワイトキャンパーの場合 取付工賃含めて429,000円(税込)
■室内機
・配管横出しタイプ
幅680・高さ290・奥行き165(mm)
・配管下出しタイプ
幅660・高さ300・奥行き165(mm)
■室外機
・トップタイプ(室外機を車両の天井に取り付けるタイプ)
幅690・高さ265・奥行き445(mm) 重量19.5kg
・マルチタイプ(室外機を色々な場所に取り付けられるタイプ)
幅510・高さ325・奥行き320(mm) 重量20.0kg
・バックタイプ(室外機を車両の側面に取り付けるタイプ)
幅480・高さ625・奥行き210(mm) 重量18.5kg
※車のタイプによって選択
■オプションパーツ
・室内機ブラケット(ハイエース用)
・トップタイプ室外機ブラケット(ハイエース用)
・冷媒ホース(4m・4.5m・5m)
ホワイトハウスキャンパー横浜
住所:神奈川県横浜市瀬谷区五貫目町2-8
TEL:045-924-0878
定休日:水曜日
営業時間:10:00~19:00
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