キャンピングカー
【新モデル取材】家族向け、広々室内!6mデュカトのキャンピングカー/トイファクトリー Brugge
日本を代表するキャンピングカービルダー・トイファクトリー。
2022年9⽉にステランティスグループからFIATデュカト正規ディーラーとなり、2023年からはデュカトベースのオリジナルキャンピングカーを次々と発売。
DA VINCIシリーズ、Euro BADEN、Origin、VANLIFE、gioiaをラインナップしています。
そして、今年(2025年)夏に新しく仲間入りしたのが本記事で紹介するBrugge(ブルージュ)。
正規輸入されているデュカトの中で最長の6mの車両をベースにすることで、トイレ付マルチルームがある上、常設ベッドで大人4名が就寝可能となったファミリー向けの一台です。
2025年7月に開催された東京キャンピングカーショー2025でお披露目されたばかりのブルージュを見ながら、トイファクトリー広報担当の和田長さん(以下、和田さん)からお話を聞きました。
DUCATOの中でいちばん大きなL3H2がベース

今年7月に開催された東京キャンピングカーショー2025で実車のお披露目となったトイファクトリーの最新作がブルージュです。
モデル名は世界遺産にもなっているベルギーの水の都・Bruggeが由来。
中世の街並みが今も息づき、“屋根のない美術館”とも称されるこの街のように、静かで美しく、心満たされる旅のひとときを、という想いが込められているとのことです。
ベース車はフィアット・デュカト。
正規輸入デュカトベースのキャンピングカーは、基本的に外装は改造しないバンコン(バンコンバージョン)タイプに限られるので、ブルージュも外観はベースのデュカトとほぼ同じです。
日本国内に正規輸入されているデュカトは、
・L2H2(標準ボディ):全長5,410mm×全幅2,100mm×全高2,525mm
・L3H2(ロングボディ):全長5,995mm×全幅2,100mm×全高2,525mm
・L3H3:全長5,995mm×全幅2,100mm×全高2,765mm
の3サイズ。
この中でブルージュは、全長ほぼ6mのL3H2(ロングボディ)がベース車です。
「これまで家族向けのデュカトのキャンピングカーは、Euro BADEN(ユーロバーデン)とgioia(ジョイア)を発売していますが、この2モデルはどちらもL2H2がベースでした。ただ、ファミリーユースでキャンピングカー購入を考えている方から、もっと広いモデルがあったらという声がけっこう多いので、全長6mのブルージュを製作することになりました」(和田さん)

最大の特徴は、ボディサイズの大きさを活かして、常設2段ベッドを設置した点。
先に発売していた家族向けモデルのユーロバーデンやジョイアは、就寝時にリビング(ダイネット)のソファをフラットにして、ベッドを作りますが、ブルージュはベッド展開の手間がありません。
寝ようと思ったらすぐに大人4人が常設ベッドで寝られます。
ベッドサイズも大きいので、より余裕を持って車中泊したい家族にピッタリのモデルとなっています。
Brugge(ブルージュ)
ベース車両:FIAT DUCATO(L3H2 日本仕様車 右ハンドル)
全長:5,995mm
全幅:2,100mm
最大高:2,525mm
乗車定員:5名
就寝人数:4名
ナンバー:8ナンバー
エンジン:直列4気筒 MultiJet3ディーゼルインタークーラー付 ターボ (2,184cc)
最高出力/トルク:180hp(132kw)3,500rpm / 450Nm 1,500rpm
トランスミッション:トルクコンバーター式8速AT /2WD(前輪駆動)
価格:14,740,000円(消費税込/諸費用別)~
4月にマイナーチェンジした新デュカトがベース

ベース車のデュカト自体も進化しています。
ヨーロッパ各国でモーターホームやキャンピングカーのベース車両として圧倒的なシェアを誇るデュカトですが、今年4月にマイナーチェンジしたばかり。
フロントマスクのデザインを刷新。
あらたに8速オートマチックトランスミッション(8AT)の採用。
ADAS(先進運転支援システム)では、これまで搭載されてきたアダプティブクルーズコントロールやレーンセンタリング、トラフィックジャムアシストなどに加え、フロント、リアバンパーおよびサイドモールディングに配置された360°センサーを新たに搭載するなどの改良が加えられています。
キッチン、トイレ、常設ベッド……。すべてそろっている室内

正規輸入デュカトは日本の道路事情に合わせて右ハンドルで、居室には進行方向左側から乗車するようになっています。
エントランスドア右側にキッチン。
ダイネット(リビング)はデュカトの定番である回転式の運転席・助手席とセカンドシートが対面するタイプ。
セカンドシートの後ろにトイレ(クレサナ)付きのマルチルーム。
後部には常設二段ベッドというレイアウトです。
「室内は全体的にホワイトと木目を基調にした明るい雰囲気で、家具類はカドに丸みを付けています。これは、車内移動時に頭などカドにぶつかってケガをしないようにという配慮です。」(和田さん)
回転式の運転席・助手席を活用したリビング

室内前方には食事したりくつろいだりできるダイネット(リビング)。
運転席と助手席を真後ろに回転させられるので、セカンドシート(3人掛け)と合わせて5人が対面で座れます。
センターのテーブルは着脱式。
テーブルを外せば「大型犬のワンちゃんもこちらで寝られると思います!」(和田さん)
キッチンには冷蔵庫と電子レンジ

エントランスドア右横のキッチン(ギャレー)。
シンクはガラスの上蓋付きで、閉じた状態ではフラットな面になるので調理台としても使えます。
シンク下の引き出しの左側には両開きドア式冷蔵庫(容量70リットル)をビルトイン。
左右どちらからも扉を開けられるので、ベッドに居ながら飲み物などを取り出したいというときにも便利な仕様です。
給排水タンクは各13リットル。
エントランスドアのすぐそばに設置されていて、タンクの出し入れがラクに行えます。

シンクの上部には収納棚。下には収納用の引き出し。
食器や調理器具を入れておけます。
上部収納棚の下には電子レンジ。
コンロはありませんが、必要だという人は家庭用のカセットコンロを積んでおけばいいでしょう。
最新式のトイレ付マルチルーム

セカンドシートの後ろ、キッチンの対面にはマルチルーム。
ここにはclesana(クレサナ)という、水を使わない注目のトイレが標準装備されています。
クレサナはトイファクトリーが日本正規販売店となっているスイス製の密封式(圧着式)ウオーターレストイレ。

丈夫で透けない、防臭効果のあるフィルムで排泄物を密封するので、
・汚水処理しなくていい
・便器内の掃除不要
・可燃ごみとして処理できる
といったメリットがあり、大きさと形状が自宅用トイレと同様なので、自然な姿勢で用を足せます。
※クレサナの紹介記事はこちら
大人4人がラクに寝られる常設二段ベッド

全長6mのフィアット・デュカトをベース車としているブルージュ最大の特徴がベッドルームの広さ。
ベッド展開する手間がない常設ベッドなので、横になりたいときに気軽に寝転がれるのも魅力です。
上段ベッド(上の写真)は長さ1,930mm。 幅が広いところで1,600mm、いちばん狭いところでも1,300mm。

下段ベッドは長さ1,790mm。幅は広いところで1,600mm、いちばん狭いところでも1,390mm。
大人が2名ずつゆったりと就寝できます。
リビングとベッドルームにも収納スペース

ブルージュの収納は前述したキッチンの上下の棚と引き出しのほか、リビングの右上と

ベッドルームの左右上部にも設置されています。
また、普段トイレは使わないというのであれば、マルチルームも大きな収納スペースとなります。
エアコンなど空調装備も充実

トイファクトリーの他のデュカトベースのキャンピングカーと同様に、ブルージュも快適装備が充実しています。
キャンピングカーの暖房機器の定番であるFFヒーターが標準装備のほか、家庭用エアコン(クールコンプシステム)もオプションで選択可。
エアコンが本モデルから運転席と助手席の頭上に設置(上の写真)されるようになったことで、居室内全体をより偏りなく冷やしたり暖めたりできるようになりました。

このほか空調設備として、ベッドルームの天井換気扇(MAXFAN)とマルチルームの換気扇(MAXXFANドーム)もオプションで用意されています。
価格は1,474万円(税込)~

ブルージュの価格は消費税込み・諸費用別で1,474万円から。
取材時の展示車はエアコンや天井換気×2、アラウンドビューモニター、ドライブレコーダーなどのオプションが装着されていて1,708万8,500円(消費税込み・諸費用別)となっていました。
納期は「おおよそ1年半と考えていただきたいです」(和田さん)とのことです。