車に積まれている工具箱

車に積んでおく工具の収納方法や場所 、DIYで使用している道具などについて



車で旅をする際には車載工具だけでは十分でなく、他にも何かと工具類が必要だと以前書いたが、快適な車中生活を送るためには、その積載場所についても考えなければならない。



また、車内をDIYで車中泊仕様に改装するには、車に積んでおくのとは別に大工仕事の工具も必要だ。今回はそんな2つの話題をまとめて。

車内での工具の収納場所について


大抵の車には車載工具用に所定の収納場所が設けられているが、その収納場所はあまり取り出しやすい場所ではないことが多い。

そもそもスペースにあまり余裕がなく、他の工具類は別の場所に収納しておかなければならないケースもある。

キャンピングカーの収納庫

上の写真のように立派な収納庫のある大型キャンピングカーであれば、大きな工具箱でも問題ないのはもちろん、工具や材料などをまとめて収納したコンテナボックスだって積んでおくこともできる。

それに、居住スペースと収納スペースが完全に分かれているから、エンジンチェーンソーとかをそのまま入れておいても部屋の中が油臭くなってしまうようなこともない。

家の外の物置と同じような感覚で使うことができる。羨ましい限りだ。

しかし、こちらが圧倒的に多いと思うのだが、あまり大きくないバンやステーションワゴンをキャンパーとして使用する場合、居住スペースと荷室を明確に区分けするのが難しい。

油断していると荷物が部屋の中に散乱し、まるで物置の中で暮らしているような状態にも陥りやすい。

車の床下収納

私のキャラバンには、ベッド下に床下収納庫もあるのだが、車外から取り出しやすい位置はテールゲート側の一部分などに限られてしまうため、工具箱よりももっと頻繁に出し入れしたい物がある場合は、その位置は他に譲ることになる。

それに、ベッドの床下は支柱やタイヤハウスやらがあって、好みのサイズの工具箱が収まるとも限らない。

また、車内の床下収納は、他の荷物が積んであったりすると出し入れがしにくかったり、一旦ベッドの上を片付けないと中の物を取り出せない仕組みになっている場合もあり、これが案外厄介だ。

使い方や用途にもよるけれど、私の場合は頻繁に使いたい工具類があるため、車外から取り出すのが面倒な場所や他の荷物を積んだら取り出しにくくなってしまうような所に工具箱を仕舞い込んでしまいたくはない。

このように置き場所に悩む工具箱だが、結局のところ私はどうしているかという話の前に、先に工具を入れる器(工具箱やツールバッグなど)について話しておきたい。

ツールボックスまたはツールバッグ(工具箱または工具袋)


工具箱とバッグ

常時、私のキャラバンに積んである工具入れは上の2つ。

箱の方には車用と言うより、主に仕事用の工具とパーツが収めてある。

工具箱1

58cm x 26cm x 23cm位の割と大きめの箱だけど、中身はトレーが一段入っているだけの非常にシンプルな構造で、細かな仕切りなどはついていない。

しかし、シンプルであるが故に大きめのパーツボックスとかもこの中に入れておけるので、凝った構造の物よりこの方が使いやすい。

この工具箱は基本的に仕事道具入れだから、そのままバモスに積み替えて出かけることもある。

一般的にはあまり関係ないことだけど、私にとって意外に、と言うより非常に便利なのが、蓋にある溝のような部分だ。

工具箱2

仕事柄、SUPのパドルをお客さんに渡す際に、カーボンやグラスのシャフトの長さを調節してその場で切断しなければならない(体格などに合わせて長さを調整し、切断してから使うようになっている)ことや、カヤックのフレームのアルミのパイプを切断したり、リベットを打ち込まなければならないことがある。

その際にこの溝が大変役に立ち、工作台になるということで、これがないと便利と言うよりも、なければかなり不便を感じてしまう。私にとっては必需品の工具箱だ。

また、工具箱はプラスチック製が多いけど、プラスチックは加水分解などで突然崩壊することがある。しかしこの箱はもう確実に15年以上、20年位使っていると思うけど、頑丈でまだ何も問題ない。

バッグの方は基本的に車のための工具入れで、なんでバッグかと言えば、ブースターケーブルを入れることを前提としているからだ。

工具用バッグ

太めのしっかりしたケーブルの場合、箱には入れにくく、結構かさばってしまう。しかし、このバッグならケーブルとその他の工具類が効率良く収まり、ケーブルに変なクセをつけてしまうようなこともないから安全(劣化したケーブルは十分な性能が発揮できず危険だから保管方法も意外と重要)でもある。

ジャッキ(元々の定位置に収まっている)とトルクレンチ以外の主だった車用の工具と予備のヒューズなどはこの中に収まっている。

それで、これらは結局どこに置いてあるのか

車内に積まれた工具箱

箱の置き場所は何度か変更して試行錯誤の上、ここが定位置となっている。

ここなら開けたサイドドアから箱を動かさずにすぐに中身を取り出すことができ、車外に持ち出す際も面倒でない。そして、こうして写真にしてみるとデーンと鎮座しているように見える(これを中心に撮ってしまったからそう見える)が、実際にはもっと控えめな感じで、邪魔にならず余ったスペースを活用する良い策でもある。

また、すぐに取り出せる位置にあるから、年寄りを後部座席に乗せるような時には踏み台(非常にしっかりした作りだから、踏み台にしても全く問題なし)として使うこともできる。

バッグの方は厚みがないからどこに置いても邪魔にならず、なんとなくどこかに置いてあったり、後部座席を出している時は、座席の下に収まっている。

トルクレンチは後部座席を出している時は、同様に座席の下で、座席をたたんであるときは、細長いから隙間に収まってしまう。

また、どっちももちろん使いやすさや機能を重視して選んでいるのだが、見た目も重要だと思う。

見えないところに仕舞っておくならまだしも、こうして見えるところに置いてあると、見栄を張るわけではなくて、見た目が残念な物が置いてあっては自分の気持ちも下がってしまう。

バカバカしいほどに高額でなければ、ケチらずに見た目的にも自分のセンスに適う入れ物を選ぶことは重要だと思う。

DIYで使う電動工具について


電動工具

私もそうだが、自分の車をDIYで住める車に改装したり、これからそうしたいと考えている人は多いと思う。

そして、DIYにはもちろん工具が必要だが、少し本格的に工作や大工仕事をしたいなら、幾つか電動工具も欲しくなる。

電動工具以外にも色々と工具は必要だが、今回は電動工具の、それもごく一部について絞った内容で話を進めていきたい。

日本人は器用で技術力が高いなど、とかく自画自賛しがちだ。しかし、平均的な日本のDIYのレベルは、なんでも自分でやろうとする人の多い欧米人と比べたら遥かに低いのが現実だと思う。

何もしない(できない)人は欧米より日本の方が多いのではないだろうか。またアメリカ人には素人でも相当のレベルのことまでやってしまう人が数多くいて、実際には案外器用な人が多い。

日本には一部のことに突出したレベルの技術があるかもしれないが、それを持った人は少なく、実は大方は何もしない(できない)人が占めていて、自分自身は大して器用でもなければ想像力にも富んでいないこと、また素人だからと手も出さずにいることが多いことを自覚した方が良いのではないかと思う。

また、所詮素人なんだから電動工具まで揃える必要などないといった考え方もある。

しかし、技もなければ時間も多くとれない素人だからこそ、効率的な電動工具に頼って足りない部分を補ってしまった方が合理的という考え方もできる。アメリカに大袈裟な専用工具が多い理由はこんなところにあるのだろう。

私も自分で好きなようにやりたいだけで、決して自分が器用ではないことを自覚しているから、作業を楽にしてくれて作業時間を短縮してくれ、比較的簡単にそこそこのレベルの結果が得られる電動工具を、素人こそ導入すべきだと考えている。

そして、使用頻度の高くない素人なのだから、プロ用の高級品である必要などないのだ。

最初に欲しいもの


ドリルドライバーとインパクトドライバー


ドリルドライバー

電動工具にも色々あるが、何はともあれ充電式のドリルドライバーは必要だ。

ACのドリルより大抵パワーは弱いけど、少なくとも加工のしやすい木材相手なら十分ドリルとして機能し、何より電動のドライバーがあるのとないのとでは作業効率が全然違ってくる。先ずは何をおいても充電式のドリルドライバーだ。

そして次に、木工が多いなら丸ノコやジグソー。ではなくてインパクトドライバーだ。

電動のノコギリももちろん欲しいけど、私はインパクトドライバーがあって、次に丸ノコやジグソー、或いは少し奮発してインパクトドライバーと丸ノコまたはスライド丸ノコの同時導入じゃないかと思う。

職人の真似事をした凝った工法に拘るより実質をとるなら、コーススレッドをバシバシ打ってしまうのが一番確実な工法で、その際に大いに役立つのがインパクトドライバーだ。

いずれにしてもインパクトドライバーは、使ってみれば有り難さの解る、頼もしい工具であることは間違いない。

現在ほどリチウムイオンバッテリーが普及していなかった頃は、ドリルドライバーもインパクトドライバーもとにかくバッテリーがネックだった。

リチウムイオンバッテリーでないとパワーが弱かったり、継ぎ足し充電ができなくて不便だったり、リチウムイオンバッテリーも安価な物だと長持ちしなくて、換えのバッテリーが高価で本体ごと買い換えてしまった方が無難だったりして、私もこれまで何台も買い替えている。

現在もリチウムイオンバッテリー単体の価格は高価(特に有名メーカーの純正品は高価で、工具本体とセットの方が断然割安感を感じることが多い)だが、性能は上がり価格は下がっているから購入しやすくなっている。

現在の愛用品


マルチエボ1

このブラックアンドデッカーの「マルチツールエボ」というシリーズは、頭の部分を変えることで色々な工具に変身してしまう便利グッズだ。

何だかこうした物はプロ用と言うよりいかにも素人向けな感じがするし、ブラックアンドデッカー自体が、なんとなくプロ用と言うより日曜大工用なイメージがある。

しかし、プロ用っぽいマキタやリョービやBOSHにもアマチュア用はあり、プロ用は非常にと言うよりとんでもなく高価だ。

名の通ったブランドの製品であれば、一般人向けの機種に性能や耐久性に大きな差はないのではないかと思う。

そしてこの頭の部分を付け替えられるというギミックも、先に書いた通りいかにも素人向けっぽい感じがするし、耐久性は大丈夫なのかとか、欲張るとマルチプライヤーのような中途半端な使い心地のものになってしまうのではないかという懸念もあった。

しかし、バッテリーはリチウムイオンの18Vだから、子ども騙しのような物ではない。

マルチエボ2

それまで使っていたリョービのドリルドライバーのバッテリーが昇天したところで、店頭でデモ機とかを確認したわけでもなく、少し不安はありながらも南米のジャングルからこれを取り寄せてみることにした。

買ったのはドリルドライバーとサンダーとジクソーのセット。

現物を手にしてみたら案外しっかりしていて、ドリルドライバー状態にしてみると全く何の違和感もない。全然普通にしっかりしている。

また、ドリルのようなグリップのサンダーもジクソーも使ったことなどなかったが、これがまた案外使いやすくて、コードを気にせず使えてすこぶる便利だった。

暫く使ってみても何も問題ないどころか、お値段以上の使い心地と性能なので、インパクトドライバーヘッドも欲しくなり調べたところ、頭部分を共有できるACモーターのボディー本体側もあり、インパクトドライバーのヘッド部分だけ買うより、ACモーターのボディー本体付きセットの方がずっとお買い得感が高かったため、そっちのセットも購入することにした。

ACモーターのボディー本体付きセット

18Vリチウムイオンバッテリーでも十分なパワーがあり、オマケで買ったようなACモーターのボディー本体だったが、ドリルとして使うとバッテリーより頼もしいパワーを感じる。

振動ドリルにもなるパワフルなACモーターのドリルも持っているけど、そっちの出番をかなり減らしてしまうような代物だった。

私はブラックアンドデッカーの回し者でもなんでもない(魂を売っても良い感じもするが)が、このシリーズは本当に便利だ。

頭の部分を付け替えるのも思っていたより煩わしくなく気にならない。むしろドリルとインパクトドライバーの2本を傍に置いておくより邪魔じゃなくて良い。

木材の割れやすい箇所にビスを打つ時に、一旦ドリルで軽く下穴を掘ってからインパクトドライバーを使いたいことがあるが、そうした時に大変便利で、特に車内の工事をしている時には、狭い空間に工具を沢山持ち込みたくないから、インパクトドライバーもドリルもドライバーも頭を変えるだけで済むので、大変重宝する。

リフォームしたキッチン

また、私は人に頼まれてちょっとした工事に出向くこともあるが、持って行く工具が少なくて済むのは大変ありがたいことだ。

ちなみに上の写真のキッチンは、元々あった普通のシステムキッチンが古くなって傷んできたため、全部取っ払い、中古の業務用の作業台とシンクや水栓をIKEAで買ってきて組み合わせ、私がリフォームしたものだ。

以前、IKEAで買い揃えた材料でミニマムなキッチンやタンスなどを作り、キャンピングカーを自作した人(アメリカかヨーロッパの人)の話を何かで読んだが、そのキッチンを店頭で見たときに、私も同じようなことを考えていたことを思い出した。大きなベース車があったら是非やってみたい。

そしてこのマルチツールエボは、どれだけの期間使ったか忘れてしまったが、結構長いこと使えていて、十分に元は取れたと思う期間使用しているが何も問題はない。

本当に便利でお買い得でおすすめの工具だ。