キャラバン室内大改装 ー後編ー
前回棚を外したところで終わってしまったキャランバンの改装。
今回はその続きで、新しい棚の設置をするところから。
まずは仮具組み仮設置を繰り返す
前回書いた通り、ベッドの反対側にある棚の幅を450mmから300mmに縮めることが今回の改装のメイン。
部材を買いに行く際は、もちろんおおよその設計はして、必要な部材の量を算出してから買いに行くのだけど、完璧な設計図があるわけでもない。
現物合わせをしていると考えが変わってきたり、新たなアイディアが浮かぶこともあるから、むしろ完全にこうと決めてしまうのではなく、仮組みしたり仮置きを何度か繰り返しながらどうするか決めて行く。
なので、なるべく無駄がでないようにするため、買い物も一回で済ませないようにしている。
仮組み状態で実際にボードを載せてみたりもする。便器を置いてみたりもした。
何事も計算通りには上手く行かないこともあれば、計算上は良さそうでも、実際に試してみると案外良くないこともあったり、思わぬ落とし穴に遭遇することもある。
逆に例えば思っていたより寸法に余裕があったりして、取り越し苦労だったなんてこともある。
しょせん経験値の少ない素人なのだから、やはり試行錯誤や現物合わせは重要だ。
棚板は、300mm x 800mmサイズのこのアングル用の棚板が売っていたので、今回はそれを利用することにした。
アングル+木の板より軽くのなるのも利点。
もし300mm x 900mmの棚板があればそれを使ったかもしれないが、そういうサイズはないようで、タイヤハウスの大きさを測ったら、800mmの棚板がちょうど収まりそうだからこれを採択した。
しかし、車の中というのは意外な程に四角四面にできていないため、思った通りに行かないこともある。
例えばこのタイヤハウスが曲者だった。
手前の方で寸法を測るとちょうどピッタリ収まる寸法のはずだった。しかし、組み上がった棚を設置してみるとぴっちり奥まで収まらない。
実は微妙にタイヤハウスの奥の方が出っ張っていて、ほんのわずかに棚の柱と柱の間隔より広くなっていたのだ。
現物合わせで臨機応変に対応することができないと、こういうときに困ってしまう。
結局アングルの柱の足元部分をグラインダーで少し削ることにして解決した。
棚の完成形がこれ。
これを見ると棚板が2段(床面を除いて2段)あって、その上に900mm幅の棚板のない3段目がある。柱6本で微妙な隙間もあって、ちょっと変と思われるかもしれない。
300mm x 900mmのサイズの棚板がないからこうなったとも言えるけど、それは覚悟の上で、逆に持っている部材を無駄なく活かしながら、頑丈で使いやすい形になるようにあれやこれや考え、現物合わせしながら仮組みを繰り返していたら思いついたのがこの形。
変な隙間ができてしまったのではなく、ちゃんと意味がある。その意味についての説明は後ほど。
私が外で作業をしているとネコは周りで遊んだり、作業状態をチェックしにきたりしている。
後ろでガサッと大きな音がしたのでそっちを見ると、なんとネコがヘビを捕まえて草むらから出てきた音だった。
私はヘビが大の苦手であまり近寄ることができないため、残念ながら写真のピントが合っていないけど、かわいい顔して結構ワイルドな奴だ。
モグラとかネズミを家に持ち帰ることもあるけど、ヘビは勘弁してもらいたい。
話を戻して、完成した棚を設置するとこうなる。
この写真ではわからないけど、アングルの柱は後ろ壁側のみ足元を10mmほどディスクグラインダーで削り落としている。
先程300mm x 900mmのサイズの棚板がなかったと書いたが、800mmという長さのアングルもない。
棚板の800mmに合わせてカットすることも考えたが、逆にこの妙な隙間を利用することを考えてみた結果、アングルをカットするのはやめて、この形に落ち着いた。
理由は以下の画像の通り。
2Lのペットボトルが3本ピッタリ収まり、カトラリー類を入れてあるバスケットのフックとフックの間隔は、2本のアングルの穴と穴との間隔にピッタリ。
グリーンに隠れてしまってよく見えないが、裏側に調味料などを入れてあるバスケットがかけてある。
そのバスケットの奥行きも棚の上のブリキの箱との隙間に丁度良く収まり、ブリキの箱の支えともなっている。
こうしてみると全て測ったようで、わざわざこういう風に設計したようにさえ思える。
いや、そうだったことにしておこう。
便器の設置
前回とうとう入手してしまったと書いた、この水洗のポータブルトイレだが、これの設置場所は改装の企画段階でしっかり決めていた。
常に表に出ているのはさすがにちょっと嫌でもあるし、使用頻度はそんなに高くないから、普段は板を被せて、上に物を置いたりできるようにすることにした。
ベッドの土台も棚と同じアングル材でできているから、このようにベッド側と棚側をアングルで繋いで、便器をコの時型に囲むようにアングルを組み、その上に塞ぐための板を置くようにした。
設置場所を企画段階でしっかり決めていたと書いたが、それでも実際に何度も座ってみて本当に使えそうか試してみたのは言うまでもない。
そして後日実際に使ってみたのだが、何度も試した甲斐あり、使い心地はバッチリだった。
蓋をした状態で前から見るとこんな感じ。
人が見るわけでもないけど、板を被せてしまえば全く気にならない。トイレを使う時は板を外すだけ。
便器は置いてあるだけだけど、アングルで囲われているから前後左右に動いたりひっくり返ってしまう心配はなく、上部のフレームはコの時型に後ろに開いているから積み下ろしも至って簡単。完璧だ。
後ろから見るとこうなっているけど、むしろ車内側からより、テールゲートを開けているときに後ろから見られる機会の方が多い。
ということで、後日下の画像のようにカーテンを付けた。
インバーターとサブバッテリー
インバーターの位置が今ひとつなのも懸念材料の一つだった。
当初は良いと思って決めた位置だったけど、使っているうちに気付いてくることもある。
そうしたことを比較的簡単に改善できるのも自作キャンピングカーの魅力だ。
新たな位置に設置したのはソーラパネルのコントローラーの近く。
電気ポットでお湯を沸かして使う時(主にカップ麺とかを食べる時)も結局リアゲートの下であることが多いし、車内で使う時にも問題のない位置ということでここに決定。
黒いのがインバーターで、その下のグレーの箱はソーラパネルのコントローラー。
別に問題はないけど、インバーターは取り付ける向きの都合で字が上下逆さになってしまった。
一番下の黒い大きな箱の中にサブバッテリーが入っていて、上の2つには鍋釜や調理器具などが入っている。
一番上にカセットコンロを置いたら奥行きが丁度よくボックスの蓋に足がピッタリはまった。
一応ベルトでボックスに縛り付けたら完璧。全体が見事な収まり具合で非常に気持ち良い。
パドル置き場
これまでもボードラックはあったけど、なぜかパドルの定位置がなく、これもなんとかしなければと思っていたことの一つだ。
棚の最上段は一応板が貼ってあって物を置くこともできるが、ここが基本的にパドル置き場となっている。
ボードのラックとなる部分と、棚の最上段の間に後ろからシャフトを差し込む仕組みだから、横に落ちてしまうことはない。
床
この車の床は厚めのカーペットが敷いてあり、断熱や遮音には良いと思うのだが、掃除が少し厄介なのが難点だ。
特に問題となるのが海とは切っても切れない関係の砂だ。
棚を変更したところで、主要な部分にタイル状のマット敷いてみることにした。材質は軽くて厚みのあるウレタン。
一つが31cm四方くらいの大きさで、ブロックのように組めるようになっている。
そして軽いウレタンだからカットも簡単で、厚みは10mmくらいあるのでクッション性も良く、断熱性や遮音性も高まりそうだ。
そしてやはり何より掃除が楽になった。
カーペットに砂が入り込むと掃除機でも吸い出しにくいのだが、これを敷いたおかげでホウキで簡単に掃き出せるようになって、効果は絶大。
電気調理設備
少し前に車内に設置しようと思って通販で買って、まだそのままになっているものがあった。それがこれ。
オーブントースターとコーヒーメーカーが組み合わさっていて、オーブントースターの上には小さなホットプレートも付いている。
手でドリップするより楽なだけでなく、冬に外でドリップしていると、淹れながら冷めてしまうことがあるが、その問題が解消される。
電子レンジではない(電子レンジを使うには現在の設備ではパワー不足でもある)けど、冷たいパンや揚げ物やおにぎりとかを温められたら非常に嬉しい。
また車内で火は使いたくない(火事もだけど一酸化炭素中毒が危険)けど、これならあまり心配も無用だ。
そして、実際どの程度使うかわからないけど、実用性もさることながら、何だかこの小さなサイズと「一台三役」的な雰囲気が何より面白いのが魅力だ。
グリーン
今回の改装はこういった実用性の向上だけが目的ではない。
車は車なんだから仕方がないけど、何かもう少し部屋っぽい雰囲気にしたいとも思っていた。
あれやこれや考えていたところ、車内っぽさからもう一つ抜け出せない一番の理由は内張りなんじゃないかと思い至った。
既存のプラスチック感漂う内張りを剥がして板張りにしてしまえば、かなり部屋っぽくなる。北米やヨーロッパのVan Lifeな人たちには基本の常套手段だ。
しかし、これは結構作業が大掛かりになって面倒なだけでなく、日本の場合は車検にも絡んできそうで、そういった意味でも何かと面倒くさい。
もっと簡単な解決策はないものかと思っていた時にテレビのワイドショーを観ていて良いアイディアを思いついてしまった。
ふと、あのスタジオ内の装飾に使われている植物類は本物かフェイクグリーンかどっちなのだろうと思ったのだけど、どっちか判明できないなら車内をフェイクグリーンで装飾して、色々隠してしまえば良いのだとひらめいたのだ。
最初は少し買ってきて試してみたのだけど、車内が薄暗いせいもあって、案外フェイクっぽさを感じない。フェイクでも植物の色や形状は味わえて思いの外良い感じだった。
それでも写真に撮って見るとちょっと貧弱な感じがしたので、当初はもっと控えめだったのだけど、100均で買い足して行き、現在はこんな感じになっている。
やり過ぎて不便になってしまっては本末転倒だけど、今後まだまだ発展させて行こうと思っている。
夜はこんな感じ。
なかなか良い雰囲気になったのではないかと悦に入っている。まだ完成ではないけどおおむね終了。
しかし、さて旅に出ようと思っても、不要不急の外出を控えなければならない今日この頃だ。
しかし、とうとうトイレも設置したし、電気湯沸かしポットもオーブントースターあるから、給油する時以外一切外に出ることなく一週間くらいは旅ができそう(それでは旅の目的が何だかわからないけど)な車になったことも確かだ。
DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。