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【ポータブル電源走行充電器】Jackery Drive Charger 600Wの配線方法と注意点(後編)

走行充電器の取り付けの実際 -配線作業編-

「近頃見かけるポータブル電源用の走行充電器ってどうなの?の記事で、ポータブル電源用の走行充電器の概要について説明し、前回記事では走行充電器の導入を検討中の時点で考えておいた方が良いことや、機器を購入する前にしておいた方が良いことをまとめた。

そしてJackery Drive Charger 600Wを車両に設置し、ポータブル電源(Jackery 1500 NEW)の車内での定位置を設定したところまでの様子を紹介した。

前回の記事の作業内容は、どちらかというと日曜大工的な工程で、直接電気とは関わることがなかった。

しかし今回の記事では、電気系統に関わる配線工程について解説していく。

ポータブル電源用の走行充電器の概要はこちら

前回の記事▷【配線作業の前にやるべき準備はこちら

作業に入る前に(注意喚起:安全について)


脅すわけではないが、配線作業は注意を怠ったり間違えたりすると、感電や車両・機器を損傷させてしまう可能性がある危険な作業だ。

メーカーが専門業者に依頼することを推奨するのは、主にここから先の作業のことだと思う。

こういった作業は、手順だけ人から教わって進めるのではなく、電気に関しての基礎的な知識程度は身につけて、危険な理由なども理解した上で行うべきだと思う。

そういった理由で、この記事の中には不親切や意地悪だと誤解されそうな表現もあるかもしれないが、事故を防ぐための注意喚起としてなので、悪い意味にとらないでいただきたい。

この記事を読んで不安に感じたら、メーカーが推奨しているように取り付けは専門業者に依頼するのが安心だ。

また前回の記事でも書いたが、Drive Chargerの設置(ポータブル電源を置く定位置の確保も含め)までは自分で行い、配線作業は業者に依頼するという手もあると思う。

ともかく安全が第一だ。

配線作業①入力ケーブルの接続


メーカーの説明書では、

1、製品の取り付け(Drive Charger本体の設置)
2、製品とポータブル電源の接続
3、配線手順(入力ケーブルとACCケーブルの配線)

という流れになっている。

しかし、先にケーブル類をDrive Charger本体やポータブル電源に接続しておく必要性はない。

というより、むしろ後にした方が良いと思う。

そのため今回は、「入力ケーブルを車両のバッテリーに接続する作業」から開始した。

配線作業に入る前の大変重要な注意点


入力ケーブルは車両のバッテリーのプラス・マイナス両方の端子に接続するわけだが、バッテリーに関連する作業をする際には、最初にしておかなければならないことがある。

メーカーの説明書には「車両の電源をオフにしてから」のような記載しかないが、バッテリーのマイナス端子からケーブルを外し、マイナス端子がどこにも繋がっていない状態にしておくことだ。

これをすると、時計(オーディオやナビに内蔵のものなども)などの設定をし直さなければならなくなる。

トリップメーターは0になる(これは大したことではないが)だけでなく、車両によってはコンピューターのメモリーがリセットされ、一時的にアイドリングが不安定になってしまうなどのことが起こる場合もあるので、正直面倒ではある。

作業に慣れていて注意深く作業するプロが、ちょっとした作業を行う場合なら、このマイナス側の切断を省くこともあるかもしれないが、こういったことは作業に不慣れな素人こそ面倒臭がらず、慣れたふりなどせず、セオリー通りに慎重に行うことが鉄則だと私は思う。

それと一応、その際には絶縁性のあるグローブも着用しておこう。

車のバッテリー

ただし、ジャンプスタートの際のケーブルを繋ぐ順序などもそうだが、理屈を理解しないで順序だけ覚えると、間違える可能性がある。

マイナス端子からケーブルを外しておく理由は、敢えてここでは書かないでおく。

理由がわからない人は、自分で調べてもらいたいと思う。

短い文章で安易に理由を説明してしまわないのは、意味を本当に理解していないと危険だと思うからだ。

その点は、悪い意味に捉えないでいただきたい。

入力ケーブルをバッテリーのあるところへ通す


前回の記事の「入力ケーブルの通路の確保」で述べたとおり、車両のバッテリーとDrive Chargerの設置場所との間には、何かしら壁があるのが普通だ。

キャラバンはキャブオーバーなのでエンジンルームは前席の下で、バッテリーは助手席の下辺りにある。

前回の記事でエンジンルームと車室内とを隔てる壁には必ずではないが、サービスホールという穴が存在することがあると書いた。

エンジンルームがボンネットの中ではなく、前席の下がエンジンルームとなっているキャブオーバー車にも果たしてそれがあるかと、あまり期待はしていなかった。

車内の穴

しかし、エンジンルーム周りの普段捲ることない部分までカーペットを捲ってみたところ、ゴム栓のようなものが見つかった。

これがサービスホールなのかはわからないが、ゴム栓を外してみたら幸い太い入力ケーブルを通すのに十分な直径の穴が現れたので、ここを利用することにした。

ドリルで硬い鉄板に大きな穴を開けることも半ば覚悟していたので、大変ラッキーだった。

そして、ポンチを使ってゴム栓に入力ケーブルが通る穴を開けた。

ゴム栓にケーブルを通す

ゴム栓の穴に入力ケーブルを通し、ゴム栓をはめればケーブルの先端はエンジンルーム内に入ることになる。

ここまでは思っていた以上に順調に進み、ケーブルの先端は無事エンジンルームに入った。

しかし、このキャラバン(E25系のガソリン車)はエンジンルームとバッテリーのあるところにも隔壁があるため、ケーブルはそこも通過させる必要がある。

その隔壁には大動脈のような自動車にとってかなり肝心なケーブルを通す穴があるのだが、その穴はあまり余裕がなく、入力ケーブルの先端は穴に入ったものの、それより先までなかなか進まなかった。

その狭い穴をどうやって通過させたのか、あまり詳しく説明しても同じ型のキャラバンオーナーの役にしか立たないので省略するが、下の写真がヒントだ。

ケーブルをエンジンルームに通す

とにかく思わぬところで四苦八苦したのは確かだが、私の場合はサービスホールらしき穴がすんなり見つかったため、比較的容易に事が進んだ方だと思う。

また、前席の下にバッテリーがあることも、実は結構都合が良いことだった。

どんな車種であろうと、Drive Chargerは通常前席より後ろに設置することになるが、ボンネット内にバッテリーがあると運転席周りに太い入力ケーブルを通過させなければならない。

そのため、ケーブルの取り回しが簡単ではない(非常に重要なケーブルなので傷めてしまうことのないように注意が必要)。

しかし、このキャラバンのサービスホールらしき穴は前席の後方にあり、Drive Chargerを設置したチェストとこの穴との間にはそのチェストしかない。

ドアのある部分はどう対処するかなどに悩むこともなく、内張を剥がして中を通す必要などもなく、チェストの裏にケーブルを隠すだけのような感じで済んでしまった。

思わぬところで「改めてキャブオーバー万歳」などとも思ってしまった。

私は室内での入力ケーブルの取り回しがこのように非常に楽に済んでしまったが、結構難儀なこともあると思う。

話が戻ってしまうが、Drive Chargerの設置場所は入力ケーブルの取り回しについてもよくよく考えてから決定した方が良いと思う。

プラス側のケーブルの取り付け


入力ケーブルがバッテリーのあるところまで通ったら、必ずプラス側のケーブルからバッテリー端子に接続する。

マイナス側を先に接続してしまったら、マイナス側のケーブルを端子から外しておいた意味がなくなってしまう。

これも、マイナス側のケーブルを外しておく理由を理解しておいてもらいたいと思う理由の一つだ。

ヒューズを取り付ける

プラス側の入力ケーブルは直接バッテリーのプラス端子に取り付けるのではなく、付属のヒューズを間に挟んで取り付けるようになっている。

この作業自体はまったく難しいことはないが、説明書にはケーブルを固定するナットの締め付けトルクまで指示があった。

ここでトルクレンチまで使用しなくても良さそうな気もするが、ネジは緩んでしまうような状態ではもちろんダメだが、強く締めれば良いということでもない。

念を入れるなら、本当にトルクレンチを使用した方が良いと思う。

たまに動画サイトなどで、レンチの上に乗って思い切り体重をかけてホイールナットを締めている様子などを見てゾッとする。

こんなことをしたらボルトを折る原因になってしまうことがあるし、ボルトが折れて走行中にホイールが外れたら重大な事故を巻き起こす可能性がある。

動画サイトは便利だが誰でも投稿できてしまうため、こういったトンデモ情報も氾濫しているので見極めが肝心だ。

話を作業内容に戻すが、適正なトルクでナットを締めたら、バッテリーのプラス端子を覆うカバーをはめてから次の作業に進む。

このキャラバンの端子カバーは、入力ケーブル(ヒューズの付いたケーブル)を付けるとそのままでは浮いてしまうようになってしまった。

ヒューズのカバー

そのため外れなくなるように一部に切り込みを入れて、しっかり閉じるようにした。

細かな事だが、こんなところでも臨機応変な工夫が必要だ。

マイナス側のケーブルの接続


プラス側端子にカバーを被せたら、マイナス側のケーブルと元々付いていたマイナスケーブルも端子に接続する。

マイナス端子を接続

これで入力ケーブルのバッテリーへの接続作業は完了だ。

これもまったく難しいことではない。

繰り返すが、配線作業はとにかく順序が重要だ。

配線作業②ACCケーブルの取り付け


前回の記事で書いた通り、メーカーの説明書のACCケーブルの接続に関しての説明文は非常に簡素で、この説明だけでは不十分なことが多いと思う。

そして大抵の場合は、ACCのヒューズソケットを利用して電流を取り出すパーツを別途用意して使用することになることも前回の記事に書いた。

このパーツについて簡単に説明しておこう。

ACCのヒューズソケットからヒューズを外し、代わりにこれを差し込むのだが、このパーツには2個のヒューズを差し込むスロットがある。

ヒューズソケット

片方のスロットには元々付いていたヒューズ(15A)を差し込めば元と同じ状態になり、もう片方のスロットに任意のヒューズを差し込めば赤いケーブルに電流が流れるという仕組みだ。

赤いケーブルと繋がっている側に差し込むヒューズは何Aが良いのかわからなかった(そういったガイドはどこにもない)ので、差し当たり無難なところで10Aのヒューズを差しておいた。

そして、この赤いケーブルをDrive ChargerのACCケーブルと接続すれば、メーカーの説明書の説明文と同じことをしたことになる。

と言いたいところだが、私はプロではないため断言などできないので、「同じことをしたことになると理解して良いのではないかと思う」に留めておくことにする。

また、大抵の場合この方法を採ることになると思うのだが、メーカーの説明書にないことをやっているのだから自己責任となることも自覚しておかなければならないと思う。

そして、このパーツ自体にも説明書の類は付属していない。

そもそもヒューズソケットのどちら側が上流(バッテリー側)なのかわからなければ、このパーツを差し込む方向をどちら向きにしたら良いのかもわからない。

理屈の上では反対向きに差し込んでも元のヒューズの方は機能するが、赤いケーブル側は反対に刺すとヒューズを介さず直結状態となってしまうと思われる。

プロであればこのどちらが上流下流かなどは常識としてわかるのかもしれないが、私は知らないのでテスターを使ってヒューズソケットの上流下流も自分で調べた。

その方法もプロではないため無責なことは言えないので、ここに記載はしないでおく。

基礎知識が必須なのはもちろん、人の意見を訊くことや先人の知識を吸収することももちろん大切だが、何事も自分でやろうとするなら安易に他人に訊くだけで済まそうとするのではなく、自分で考えることはとても大切だと思う。

話を作業内容に戻すと、この電流取り出しパーツをACCラインに接続し、2本のヒューズを差し、元々差してあったソケットにこれを差し込めば配線は終了だ。

先ほど「ACCのヒューズソケットからヒューズを外し、代わりにこれを差し込む」とだけ書いたが、ヒューズボックスのカバーの裏などに大抵どれが何のヒューズか記載してある。

ヒューズボックスのカバーの裏

私は「ACCの電源ソケット」を利用したが、ACCの電流を取り出すのならこれは妥当だと思う。

そして、このキャラバンは2箇所にヒューズボックスがあり、ACCのヒューズがあるボックスはエンジンルーム内ではなく、ステアリングシャフトの脇辺りの低い位置にある。

そのため、ACCケーブルは入力ケーブルとは違って、運転席と助手席の間と前席の床を通すことになる。

床を通したくなければ、内張の中に隠すようにでもして運転席か助手席のドアの上をぐるっと回して後ろへ持って行くことになる。

ただ、このケーブルは太さもそんなに太くないし、運転席と助手席の間の床であればケーブルを踏むこともない(カーペットで覆われてもいる)ので、敷物の一部を捲ってその下を通すだけのような形にした。

エンジン始動後の動作確認


メインの入力ケーブルもACCケーブルも出力ケーブル(ポータブル電源に繋ぐケーブル)もDrive Chargerに繋ぐ側はすべてアンダーソン・コネクターとなっているので、差し込むだけだ。

そして、コネクターのプラグのサイズは各々違うので、間違ったポートに繋いでしまう心配もない。

アンダーソン・コネクター

すべてのケーブルを繋ぎ、すべての接続箇所を再確認したら、いよいよエンジンを始動する。

エンジン始動後、とりあえず変な音などはせず、どこかでショートしているような兆候などもなかったので、ひとまず安堵する。

入力の状態はポータブル電源のディスプレーで確認することができるのだが、ディスプレーは運転席からは確認できない向きを向いている。

そのため、エンジンを始動した後に恐る恐る後部座席へ回る。

緊張の一瞬だ。

ポータブル電源のディスプレーを見ると、394Wから397W程度の入力を確認できた。

ポータブル電源へ充電中

正常に稼働していることが確認できたので、二度目の安堵をする。

そのまま暫く眺めていたのだが、400W近くの入力があると、数分の間にも容量1,500Whもあるポータブル電源の残量計の数値(%表示)が上がって行くことが見て取れる。

たとえば100Wの高性能なソーラーパネルを5枚繋いだとしても、400Wの電力を得られるのは相当に良い条件が整った時だけに限られる。

近頃見かけるポータブル電源用の走行充電器ってどうなの?」の記事でも書いた通り、シガーライターソケットからの充電ではせいぜい100Wだ。

運転席には誰もいないので当然アイドリング状態(1,000rpmに満たない)なわけだが、天候にも季節にも左右されず、昼夜問わずエンジンさえ回っていれば常に最低でも400W近い電力を得られるのだから、やはり走行充電器というのは頼もしいと実感した。

しかし実際のところ、より不安に思っていたのはエンジンを停止した後にポータブル電源への入力が切れるか、要するにACCケーブルの接続方法などが間違っていなかったかどうかだった。

エンジンを停止したらポータブル電源の入力は0になったので、三度目の安堵をする。

しかし、ポータブル電源への入力が止まっていることは確認できたものの、エンジン停止後しばらく経ってもDrive Chargerのパイロットランプが緑の点滅(稼働中は緑点灯)をし続けたままとなっていた。

説明書を読むと、緑点滅は「充電待ち」を表しているとのことなので、ポータブル電源へ通電してはいないと思われる。

スイッチを長押ししたら点滅が停止したのだが、エンジン停止後に毎回これをしなくてはならないのはちょっと問題がある(面倒というより絶対に忘れる)し、何か気になってしまう。

やはり何か間違えていたのかと不安が過ったので調べたところ、24時間後にはこの点滅は自動的に消灯するようになっているということだった。

その後試しに実際にそのまま一日放置してみた(仮に消えなかったとしてもごく小さなLEDライトが点滅しているだけなら車両のバッテリーに大きな影響が出るほどのことでもない)ところ、点滅は消えていた。

四度目の安堵をし、これで取り付け作業完了とした。

走行充電器は必要か?


実際に走行して充電した結果は、最初の「近頃見かけるポータブル電源用の走行充電器ってどうなの?」の記事で書いてしまった。

まだ実際に長旅で使用したわけではないが、その結果から長旅で画期的に大活躍をしてくれることは想像がついている。

しかし、私は主に仕事絡みで長旅をする機会があるものの、ポータブル電源が非常に高性能になっている昨今では、1・2泊程度なら追加充電などしなくても十分なポータブル電源(私は全くそういうことをしないので、車内で長時間ゲームやビデオ鑑賞を楽しむような場合はどうなのかは想像がつかないが)も多い。

実際私も、1〜2泊程度ならJackery 1500 NEWが1台あればまったく十分だと思っている。

なので「これからは走行充電器が車中泊でポータブル電源を使う人の必需品!」などとは正直に言ってまったく思わない。

そして、今回と前回の記事で説明した通り、取り付けは誰にでも簡単にできると言えるものではなく、リスクもある。

業者に取り付けを依頼した場合の費用がどのくらいなのか私には全く見当がつかないが、安くはないと思う。

しかし、長旅だけではなく、災害時などで停電が続いた場合も非常に頼りになる機器であるとも思う。

私は取り付けて本当に良かったと思っているし、これからの活躍にワクワクもしている。

しかし走行充電器の導入を検討しているのなら、こういったことを総合的に考えて決めた方が良いと思う。

そして、JackeryやEcoFlowはポータブル電源の一流メーカーだが、両社ともセールを頻繁に開催しているので、そういったタイミングを利用すればリーズナブルな価格で入手することができる。

「検討しているなら、そういった機会も見逃さないように。」も付け加えておこう。

ポータブル電源用の走行充電器の概要はこちら

前回の記事▷【配線作業の前にやるべき準備はこちら

笠原 サタン

スポーツカーやピックアップトラックも好きだけど、車を見ると快適に寝られるかどうかを先ずは考えてしまう。 VANと旅と波乗りとネコをこよなく愛するPaddler。