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キャンピングカー 窓

【キャンピングカーDIY】窓を塞ぐには何が最適か?5つの方法を試してみた



車中泊をするなら窓を塞ぐのは必須

車の中で快適で安全に就寝するためには何かしらの方法で窓を塞ぐことが必須だ。

それは眩しいからというだけではなく、外から車内が見える状態は安全上にも問題があるからだ。

電車やバスの中で当たり前のように寝てしまう日本人だが、他国の人からは「なんと無用心!」と思われているようだ。平和と言えば平和な話だが、寝ている姿を見せてしまうというのは、そもそも動物として非常に油断している状態だ。

また、ガラス窓は熱を通しやすいため、窓を塞ぐことは防寒対策、遮熱対策にもなる。

案外見落としたり後回しに考えてしまう人もいるのではないかと思うが、「窓を塞ぐこと」は第一に考えるべき重要な要件だ。

窓を塞ぐ方法

カーテン

キャンピングカー カーテン

キャンピングカーには窓を塞ぐ装備が付いているのが普通であり、「カーテン」が最も一般的だ。

自分でVANなどを車中泊仕様にしたりキャンピングカーに改造する場合もカーテンレールを取り付けたり紐を張ってカーテンを取り付けている人が少なくないと思う。

しかし、既製品でサイズの合うカーテンがあれば良いが、なかった場合、自分でサイズを合わせてカーテンを作ったりするのは簡単なことではない。裁縫の得意な人や協力してくれる人がいないと難しいだろう。

車の内張りにネジ穴を開けたりしたくない人もいるだろうから、カーテンレールの取り付けにも工夫が必要だ。

そして、遮光性の高い生地を使用する必要がある。

生地が薄いと暗くならないだけでなく、走行してきた他車のヘッドライトで安眠できなかったり、車内で明かりを灯していると外側から影画のように中の様子が分かってしまう。布選びも重要ということだ。

フォルクスワーゲン T5 カリフォルニア カーテン

これまで見てきたキャンピングカーで私が良いなと思ったのは「フォルクスワーゲン T5 カリフォルニア」のカーテンだ。

ロールスクリーン式だけど、開けているときはカーテンがあることもわからないように内張りの中に全て収まってしまう。そして、カーテンを下げればピシッと窓を塞ぎ、生地の遮光性も高く光の漏れもない。

吊り目ヘッドライトやオラオラ顔デザインとか、妙に無機質感の漂うデザインの車がハッキリ言ってしまうと大嫌い(T5はそんなデザインでもないけど)な私だけど、懐古主義なわけではない。このようにオーナーが快適に過ごせるための進化は素直に素晴らしいと思う。

そして、このカーテンを作るためにはコストも相当かかっていることが想像できる。

たかだかカーテンに、こんなに拘りコストをかけてしまうのは、キャンピングカーの歴史が長く、長期間のバカンスなどで使い続けてきたヨーロッパ人だからこそ成せることであろう。

一朝一夕でない、ヨーロッパキャンピングカーの歴史の奥深さや風格のようなものが、こんな些細なところに表れている気がする。

サンシェード

サンシェード

出典:amazon

 

車中泊に真剣に取り組んでいる人によく使用されているのが、キルティングのような素材で作られた、窓に吸盤などで貼り付けるタイプのシェードだ。

車種によって専用のものが作られていることもあるし、サイズオーダーを受けているメーカーもある。

中綿が入っていたり、アルミ蒸着シートのような素材が使われていたりしていて、布一枚のカーテンよりずっと遮光性も断熱性も高い

AmazonやYahooなどのショッピングサイトで「車中泊 シェード」のようなキーワードを入れれば色々と出てくる。ミニバンクラスまでなら1万円もしないで入手できるものも多い。

簡単に付け外しができることもあり、色々な意味でこれが最も手軽で確実な方法なのではないかと思う。また、簡単に付け外しができるから、普段はなるべくノーマルな状態に保ちたい人にも大変都合が良い。

しかし逆に考えれば、もっと雰囲気的にもキャンピングカーとか家らしくしたい人や、工夫を凝らして自作したい人にとっては物足りなく感じられるものでもある。

プラダンシェード

プラダンシェード

キルティングのサンシェードももちろん悪くはないが、自作派の私としてはこれでOKというわけにはいかない。

自作派の人達にシェードの材料としてよく利用されているものに「プラダン」という素材がある。

段ボールと同じような構造のプラスチック素材だからプラダンと呼ばれているのだが、軽くて安価、強度はそんなに高くはないけれど、普通の段ボールよりは張りがあって曲がりにくく、濡れにも強い

色も何色かあるが、黒とか暗い色なら遮光性も結構高い。大きさは畳一枚サイズが標準(もっと小さいものもあるが)だ。そして加工が楽なのも大きな利点だ、カッターナイフや少しゴツい鋏でも切ることができる。

これを窓枠にピッタリと言うか、高さをほんの僅か微妙に大きい程度に切り抜けば、接着したりせずに窓枠にはめ込むタイプのシェードを作ることができる。

バモス 窓

 

上の写真は私のバモスのリアサイドウィンドウ。

ピッタリはまるから逆に外しにくくなってしまうため、外すときに引っ張るウェビングを付けてある。

ただ、軽バンの小さい窓用なら比較的簡単に作ることができるが、窓の面積が大きくなりシェードの重さが増すと窓から外れやすくなってしまう。それゆえ、ハイエース・キャラバンクラスの窓にピッタリのものを作るのは簡単とは言いにくい。

また、窓の上辺と下辺が平行であれば良いが、そうでないとさらに難しくなってしまうし、テールゲートの窓にはこの方法ではめ込むのは難しいだろう。

そこで、裏面が粘着テープになっている「面ファスナー(ベルクロ、マジックテープ)」を、窓とプラダンシェードに接着するように貼り付けておいて着脱できるようにする、という方法もある。

だがこの方法は、そもそも面ファスナーを窓に貼ることに抵抗を感じる人はダメだし、窓に陽が当たり続けていたりすると粘着テープが剥がれしまう、というデメリットもある。

パンチングボード

パンチングボード

 

「パンチングボード」とか「有孔ボード」と呼ばれる一定間隔で穴の開けられたボードがあるのだが、これを窓に貼るというのはどうだろうか。

パンチングボードには専用のフック類も用意されており、車内にこれが貼ってあると壁収納ができたりと何かと便利でもある。

吸盤

これを窓に貼り付ける方法として思いついたのが、車体にタープなどを取り付ける際に使う吸盤の利用だ。

ネジを強く閉めることで吸着力を高める仕組みの吸盤なのだが、ネジをボードの穴に通して締め付ければボードを窓にしっかりと固定することができる。

私も暫く前から、キャラバンの左リアサイドの長い窓をこの方法で塞いでいた。

フックだけでなくタオルかけなどもあって便利だし、穴を利用してフォトフレームなんかもかけていた。見た目の雰囲気も悪くない。市販のキャンピングカーでも同じ方法を採用している車を見かけたことがある。

しかし、この方法には大きな欠点がある。吸盤は強力で走行中の揺れで剥がれてしまうようなことは通常ないのだが、先程説明したベルクロの裏の粘着テープと同じで、窓に陽が当たり続けていたりすると緩んできてしまうようなことがある。

時折確認したり、長時間陽に当たった後は走り出す前に増し締めするなどの注意が必要になるだろう。油断してつい忘れたまま走り出すと、帰りの道でゴソッ。ベッドの上にボードと物が散乱することになる。

この方法もプラダン同様バモスの窓くらいの大きさなら問題ないのかもしれない(キャラバン スーパーロングのこの窓の横幅は1m45cm以上、バモスは70cmくらい)が、度々外れるといい加減嫌になってくる。

外れはしなくてもパンチングボードがだんだん下にずれてきたりして、それも気分が良くない。この際潔く諦めることにした。外したパンチングボードは、バモスの片側の窓に再利用してみようと思う。

新たな方法を探し、実際にDIYしてみた

「パンチングボード+吸盤」は一応外せること前提といった意味合いもあったのだが、要するに私が優柔不断だったということでもある。どうせ塞いでしまうなら、ガラスにベタッと何か貼ってしまえば良いのだ。

商用車のリアのサイドウィンドウを塞いでも別に違法改造ではないので車検も問題ない。

しかし、こういうことをしてしまうとディーラーでは車検を受け付けてくれなくなる可能性がある。また、売ろうと思った場合に元に戻すのが大変だったり査定が低くなってしまう可能性も十分にある。

私の場合は元々中古で買った車でディーラーとは繋がりもないし、使えなくなるまで乗るつもりの車(売る気がない)だから、何をしようと問題はないが、車検が心配な方や今後売りに出そうと考えている方はこの様なことを念頭におく必要がある。その点ご注意いただきたい。

ということで、窓に貼るものを探しにホームセンターと百均へ散策に出掛けた。

壁紙とかでは今一つだし、ダイソーで見つけたちょっと厚みと立体感のあるレンガや木の板を模したものも、厚みがあるから断熱性も少しは期待できそうと思ったけど、見た目がいかにも「模したやつ」で残念だった。

コルクシート

 

カインズとダイソーでは収穫がなく、Seriaで「コルクシート」を発見。一辺が30cmの正方形で厚みが2mmくらいの粘着付コルクシートだ。

貼るのも切り抜くのも簡単で、本物のコルクだからフェイク的残念感もない。壁紙より断熱性も遮光性も高い。そして、木工用ボンドでこの上に何か貼り付けたりすることもできる。

計算すると6~7枚あれば足りることになるのだが、先ずは試しに2枚買って帰り、後日また必要な枚数を買いに行くことにした。しかし、その間に「コルクシートを全面貼ってしまうのではなく、この中に小さな窓を作ってしまおう!」というアイディアが閃く。

シートと窓

 

ということで、まずはこんな感じでコルクシートをガラス面に貼っていく。

新たな小窓を作る部分は貼らずに残してあるのだが、写真でガラスの部分にボカシを入れてあるのは、散らかった車内の様子の映り込みがあまりに激しかったからで、大した意味はない。

窓の角のR(コーナー部分)に合わせてコルクシートをカットするのはちょっと大変だったけど、これは薄い紙をRの部分に押し付けて型を取り、それに合わせてコルクシートを切り抜くことで解決。

これがベニアとかだとジクソー(電動ノコギリの様なもの)で切り抜かなければならないので、微調整もかなり面倒な作業となってしまう。だが、コルクシートは鋏で切り抜くことができるので、微調整も意外と面倒ではなかった。

それより意外と厄介だったのが、粘着力の強さだ。粘着力が強くて剥がれる心配はないのだが、曲がって貼り始めてしまったりすると修正はかなり困難で、結局一枚分を無駄にしてしまった・・・。

次にこの中に窓を作るのだが、木枠をコルクに木工用ボンドで貼り付け、そこにカーテンを付けることをまずは考えた。

コルクシートを買いに行ったついでにSeriaで探すと、カフェカーテンとか言うちょうど良いサイズのものがあり、柄も豊富だったのだが、どれも遮光性が高いとは言えない。

コルクボード

 

それでもう少し物色していたら、大きさが23cm x 32cmくらいの枠付のコルクボードが目に入った。

これを二枚合わせれば窓として良い感じの大きさになる。大きさも手頃だが重さも大変軽く、それも都合が良い。

蝶番

 

ついでに小さいサイズの蝶番と枠の縦の部分の材料となる檜の角材も買う。Seriaだからもちろんどの材料も100円。

この縦の枠は、ガラスの曲面に合わせた形に切り抜かなければならないので、軽くて加工のしやすい檜は好都合なのだ。

それにしても100均は本当に素晴らしい。100円で抑えようすると、一つ一つの材料のサイズが小さかったり少量であったりして、それが逆に好都合だったりするのだ。

妥協ではなくて適した材料を入手できるのに、ここまでの出費は消費税含めても大きな硬貨3つ分に達していない。

窓の扉1

さて、上の写真はガラスの局面に合わせた形に切り抜いた縦枠とコルクボード2枚を蝶番で繋いだところ。

普通に考えるとコルクボード2枚を観音開きになるように付けそうなものだが、そうはしていない。理由は後ほど。

掛け金

ジャジャーン!できたものを取り付けるとこんな感じ。

外側ではないから雨戸と呼ぶのも変なので「コルクボードの窓の扉」とでも呼んでおこう。

窓の扉を支える枠は直線だから少し固い材質でも大丈夫。今回は100均ではなくて家に余っていた端材を利用した。

上下の枠は両面テープで窓のフチの黒いゴムの部分に取り付け、縦枠は窓に貼られたコルクシートに木工用ボンドで接着。しっかり付いていて外れることもなさそうだ。

また、蓋が開いてしまわないように掛け金も付けた。これは100均にはなくて、コメリで100円とちょっとで入手。

窓の扉2

「コルクボードの窓の扉」を開けるとこうなる。

元々かなり濃いスモークのフィルムが貼ってあった窓だから光が沢山入ってくるわけではないが、一応ここから外の様子を見ることができるし、何だか楽しい気分にもなる。

窓の扉3

観音開きにしなかった理由は、扉を中折れにしておけば、開けたときに片側に寄せることができるから。

しかし、開けただけでは扉が垂れ下がってしまい、上の写真のように「折れて片側の壁面に収まる」とは行かなかった。

そこで、裏面が粘着テープになっている面ファスナーを使って、中折れ状態と壁に付いた状態を保てるようにしてある。

 

窓の扉4

「コルクボードの窓の扉」を付けた後に、コルクシートの継ぎ目の隙間が気になり、最終的にコルクシートを二重に重ね貼りした。

よって、コルクの厚みは4mm近くになっている。これでさらに断熱性は向上するであろうし、見た目もきれいになった。それでもここまでの費用は税込みで2,000円くらい。

窓の扉5

完成したばかりでまだ何も装飾していないが、厚みが4mmあれば画鋲も挿せそうだし、コルクだから木工用ボンドで色々接着できる。これから便利で楽しげな内装に仕上げるのが楽しみだ。

皆さんも今回の記事を参考に、自分の車や使い方に合わせ、様々な方法に挑戦してみてほしい。

窓を制すれば、さらに快適で楽しいキャンピングカー生活が待っているだろう。

DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。