【アルポットレシピ】松茸風味の炊き込みご飯を作る
突然ですが皆さん、車中泊時の食事はどのようにしていますか?
キャンプをするという事であれば、それなりの調理器具や食材を持ち込めるのでBBQ等を楽しむという方がほとんどでしょう。
ですが、車中泊となると使える調理器具が制限されることもあり、カップ麺やレトルト食品で簡単に済ませる、なんてことになりがちなんてことはないでしょうか・・。
でも、考えてみるとそれって、ちょっと勿体ないなと私は思うのです。
例えば、キレイな景色が見たい、日帰り温泉に入りたい、季節の草花を見に行く…等々で、クルマを運転して景勝地や温泉地まで来ているのであれば、その土地の地場産品を使った食事を車中泊でも食べたいと思うのです。
そこで今回から「アルポットで車中泊ごはん」シリーズとして、「ご飯と味噌汁」というシンプルな構成で、地場産品や季節の野菜などを楽しめる「炊き込みご飯」メニューをご紹介していきたいと思います。
目次
炊き込みご飯をアルポットで炊く理由とは
別記事「アルポットは車内での湯沸かし・調理におすすめ!様々な熱源と比較実験してみた!」において、キャンピングカー車内での熱源としてアルポットをおすすめする旨を書きましたが、本シリーズでも、炊き込みご飯はアルポットを使って作ってゆこうと考えています。
筆者が車内の熱源としてアルポットを推すには理由があります。
- アルコールバーナーが本体内で燃焼するため炎が露出しないこと
- 燃焼中に本体外装が熱くならず、熱気があまり放出されない(本体上部に手をかざしてもあまり熱くない)こと
- 大柄に見えるが実は携帯性がよいこと
人それぞれに感じ方は違うかもしれませんが、炎が露出するガスバーナーやアルコールバーナーと違い、アルポットは車内で利用する際に安心感がある事が第1点ですね。
使用中・使用後に本体が熱くならず、アルコールバーナー周辺も熱くならないので、火傷の心配がなく撤収も楽です。
また、ガスバーナーやアルコールバーナーは、個々に見れば非常にコンパクトで携帯性に優れていますが、本体とは別に鍋・やかん等の調理器具が必要ですし、ガスバーナーの場合にはガスボンベが必要なため、一式で考えるとそれなりに場所をとります。
それに比べて、必要なもの全てを本体内に収納できるアルポットは最も携帯性に優れていると言えるでしょう。
使い方も簡単で、アルコールバーナーに燃料を補充し、事前に洗った米や具材等をアルミカップに入れてゆけば、後は水を注ぐだけ!
そんな訳で筆者は、外部電源のない場所での車内調理や湯沸かしには、アルポットをファーストチョイスにしています。
アルポットで車中泊ごはんを作る!
記念すべき「アルポットで車中泊ごはん」の第1回目のメニューは「松茸風味の舞茸炊き込みご飯」です。
舞茸は特に季節という訳ではありませんが、コロナ禍の外出自粛の最中では各地の地場産品を求めてドライブもできませんので、今回は手近な食材で作れるものを紹介したいと思います。
用意するのは以下のものだけ。
レシピ名にある「松茸風味」は、「松茸の味お吸いもの」を味付けに使うから…でした。
な~んだと落胆するなかれ、元々風味豊かな舞茸だけでも美味しいのですが、そこに松茸風味が加わる事でさらに豊かな香りを楽しめる炊き込みご飯になります。
それに車中泊ごはんという設定ですので、あまり手をかけずに美味しいご飯を作る…という事をテーマとしているため、使えるものは何でも使ってゆこうと考えています。
舞茸からも美味しい出汁が出ますし、昆布は細切りに刻んで(調理バサミが便利!)入れれば出汁もでて栄養も余さず取り込めます。
早速作り方を紹介していこうと思うのですが、作り方の基本は、洗った米に所定の水を加えて加熱…というアルポットでの炊飯のままです。
米以外に具材を加える事と、水を出汁やスープに変更する事以外は基本手順としてはだいたい同じです。
1つコツがあるとすれば、車中泊に出かける際に米は事前に洗っておきたいですね。
洗った米さえ持参していれば、水も具材も調味料も出先で調達する事は容易ですし、キャンプ場ではない場所では水を使える場所が限られています。
道の駅やSAなどのトイレで米を洗うのは控えるべきですし、必要な分の米は事前に洗って、1〜2合ずつ小分けにして持っていく事をおすすめします。
松茸風味の舞茸の炊き込みご飯のレシピ
では、「松茸風味の舞茸ごはん」の作り方を説明してゆきます。
(1)米をアルミカップに入れる
最初に、炊きたい分の米をアルミカップに入れます。
アルポットで炊く事ができる最大量は米2合分ですが、炊き込みご飯で具材を入れる場合には、米の量は通常より少し少なめにしてください。
(2)出汁、またはスープを注ぎ、具材を入れる
白飯を炊く際と同量の出汁またはスープを注ぎます。
本格的な出汁でなくても、液体出汁や、出汁の素と水で十分ですが、今回は「松茸の味お吸いもの」を出汁代わりに使います。
アルミカップの軽量目盛りに従えば間違いありませんが、先に具材を入れてしまうと水分量が変わってしまいますので、必ず米だけの状態で出汁・スープを加えてくださいね。
固めに炊きたい場合には水分を気持ち少なめにしますが、出汁炊きである上に分量を少なくすると焦げやすくなるので注意が必要です(焦げると撤収に手間がかかります)。
所定量の水または出汁を入れたら具材もいれます。
今回のレシピでは、「松茸の味お吸いもの」と「舞茸」を入れます。舞茸は小さめにしてください。刻んだ昆布もここで入れてください。
具材を入れる際、あまり欲張って多くすると、沸騰時に溢れてしまいますので具材の量は控えめにすることがポイントです。
(3)蓋をして加熱~蓋を取って沸騰
本体底部のアルコールバーナーのキャップを外し点火、本体を戻してアルミカップに蓋をして加熱します。
分量にもよりますが数分~10数分で沸騰します(このときは約9分で沸騰しました)。
沸騰したら蓋を外してさらに過熱します。この時にする「ある事」が、アルポットでの炊飯のコツとも言えますが、詳細は後述します。
(5)水分が減ってきたら消火して蒸らす
目視、あるいは香りなどで判断し、水分量が減ってきたらアルコールバーナーを消して、アルミカップに蓋をして蒸らします。
蒸らす時間は10~15分程度です。忘れずに蓋をしてくださいね。
(6)ご飯と具材を混ぜてできあがり
蒸らし終えたら、米と具材を混ぜます。
このとき、可能であれば大きめの皿や鍋、ボールなどに一旦取り出して混ぜた方が、米粒が潰れずに美味しくいただけます。
混ぜ終えたら、茶碗やシェラカップなどによそって炊き込みご飯の完成です!
刻み葱や薬味などを加えれば、彩りも鮮やかになり目でも舌でも楽しめるご飯になります。
今回は、ご飯の炊き上りまでにトータル30分ほどかかりました。
自宅の炊飯器でも30〜40分くらいかかりますので、意外に早いと言えるかもしれませんね。
アルポット炊飯を焦がさないコツとは?
アルポットの評判を見てみると、筆者が挙げた「炎が露出しない」や「安定している」等の評価と共に意外と多いのが、「炊飯時に焦げる」「焦げが落としにくく面倒」といった意見です。
確かに、アルポットの取説に記載された「ご飯の炊き方」通りに炊飯すると、ほぼ間違いなく焦げ付きます。
メーカーが推奨する方法で焦がさずに炊き上げると、おかゆに近い、水分多めの柔らか~いご飯になってしまいます。
しかし、ある「コツ」を実行するだけで、焦げつく確率は飛躍的に軽減されます。
それは「かき混ぜ」です。
工程的には、蓋を取って沸騰させているタイミングになりますが、ヘラなどで下の方のご飯をアルミカップの壁面から剥がすようなイメージでかき混ぜます。
具材とお米を混ぜる事が目的ではなく、アルミカップの壁面から米を剥がす事が目的です。
道具は、ご飯用のしゃもじや柔らかいゴムベラよりは、少々固めのプラスティックのヘラのようなものが適しています。
上の写真は筆者が使っている「アルポット焦げ付き防止専用ヘラ」と、筆者が勝手に命名したかなり固めのプラスティックヘラで、長さもあり、ヘラ部分が固いので、アルポット壁面や底面から米を剥がすのに重宝しています。
炊き込みご飯にはみそ汁が必需品
筆者は、炊き込みご飯が大好きで、これにみそ汁があれば他におかずは要らない…という人です。
最近はみそ汁を作るのはとても簡単で手軽になりました。
写真のみそ汁は、筆者お気に入りのフリーズドライの茄子の味噌汁です。
フリーズドライのみそ汁の具材の進化には驚くばかりですし、出汁入りの味噌を使えば出先で調達した野菜や具材で簡単に美味しいみそ汁が作れますので、ぜひ活用してみてください。
アルミカップ2個使いでみそ汁をプラス
実は、アルポット炊飯にも弱点があります。それは、ご飯を蒸らしている間は他に何も作れないことです。
もちろん、バーナーやケトルなどの他の熱源を使ってみそ汁を作る事も可能ですが、せっかく、炎が露出しない・熱くならない等のメリットでアルポットを選んだので、できればアルポットだけで調理を完結したいですよね?
そんな時におすすめなのが、予備のアルミカップです。
炊飯をした際のアルポットが使えないのは、アルミカップが蒸らしのために空いていないからであって、それならもう1つ別にアルミカップがあれば、お湯も沸かせるし、みそ汁も作る事ができるという訳です。
アルミカップ単体は、大抵の通販サイトで2,000円前後の価格で売られています。「アルポット アルミカップ」と検索すれば見つかりますよ。
まとめ
今回はコロナの影響もあり、自宅での試作という事になりましたが、ほんのり香る松茸の香りと、昆布や舞茸などの出汁がしっかり効いた美味しいご飯が炊けました。
茄子のみそ汁との相性も抜群で、良い車中泊ごはんができたのではないかと思います。
こうした炊き込みご飯とみそ汁の組合せはシンプルではあるものの、季節や地場の食材をしっかりと味わえるので、車中泊の楽しみの1つになるのではないでしょうか。
「○○地方の△△を使った炊き込みごはんが食べたいから、○○地方へでかけてみよう」
いつかコロナが終息したら、そんなドライブ&車中泊があっても良いのではないかと思います。
今はその時のために、道具をメンテナンスしたり、レシピ開発をしたりと、楽しいキャンプや車中泊を夢見てステイホームで楽しみましょう。
アルポットを使った炊き込みご飯は特に難しい事はないので皆さんもぜひ試してみてください。
レシピは自由に変更・追加をして頂いて結構ですし、もし「こうしたらもっと美味しくなったよ」などの良いアイデアがあればコメント欄で教えて頂ければと思います。