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車中泊

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荷物満載の軽自動車で1年車上生活。燃費や走行性能はどうだった?

荷物満載の軽自動車で1年車上生活。燃費や走行性能はどうだった?

私は、約1年ほど車中泊生活をしながら、サラリーマンをしています。

車は、一般的に車中泊には向かないとされるムーヴです。

しかし、私はこの車で1年間車中泊生活をしていて、生活必需品は車内に積んだままにしています。

「車中泊の道具で、車の重量が増えて燃費が悪くならない?」と思われる方がいるかもしれません。

そこで今回は、タイヤへの負担や運転の安定性、さらには運転の仕方が変わったかなど、車中泊での運転にかかわる疑問について、お答えしていきます。

愛車『ムーヴ』と車中泊生活の紹介


ムーヴの外観

私のムーヴは、2016年登録のもので、3年ほどの定額リースを利用しています。

つまり、リースのため改造ができません。

本当のところは、車中泊仕様に改造したいのですが、今は無改造の範囲で車中泊仕様にしています。

走行距離は、現在14万kmとなりました。

車中泊アイテムをムーヴに載せている状態

私の車中泊用の道具としては、寝具、衣類、調理器具、パソコン、お風呂セットくらいで、時折断捨離してミニマルライフに近い状態にしています。

主な車中泊スポットは、氷見のひみ番屋街、比美之江公園などの車中泊可能な場所です。

車中で料理や就寝をしており、1日100kmくらい(元々長距離通勤者です)走っています。

このところの1年の総走行距離は、3万kmを超えています。

車中泊アイテムを満載に積んで走ってみた感想


車中泊アイテムをムーヴから全部下ろした状態

まず、車中泊を始める際には、なるべく重いものを積まないようにしました。

そのため、荷物は体積の割には軽いです。

とはいえ正直なところ、視界が悪くなりました。

そのため、運転には慎重にならざるを得なくて、ノロノロと運転して迷惑かけているのではと、少し気になっています。

もちろん、急発進・急ブレーキは、中の荷物が吹っ飛びますので、厳禁。

何かの拍子に荷物が吹っ飛ばないように、置き方や固定の仕方は工夫しています。

車中泊中の運転での失敗談!


リアドアから見た車中泊アイテム

車中泊を始めたばかりの時に、それこそ「ひやっ」とした体験をしています。

それは、荷物を無造作に積んだ状態で走行して、ブレーキを強く踏んだ時です。

後ろの荷物が一斉に前に飛んできました。

飛んでくると危険なもの(重たくて固いもの)を必死に手で抑えて、軽いものは止む無しにしていたのですが、食材が散らかり走行不能で危うく対向車にぶつけかりそうになりました。

そして、路肩に停車して、とりあえず安全に走れるようにしてから、駐車場で車の大掃除。

このような事があったため、荷物の置き方と固定の仕方については、かなり気を配っています。

荷物満載の車中泊は運転にどう影響?視界と走行安定性


一般道での走行安定性は?注意することはある?


曲がり道

一般道の走行では、急発進や急ブレーキをかけないようにすることと、コーナーに入るときは速度を落とすことを意識しています。

荷物については、極力重いものは乗せないようにしていますが、唯一ポータブル電源は例外です。

車中泊で使っているポータブル電源

ポータブル電源は、固定するように助手席足元に置くなどして、万が一急ブレーキを踏んでも吹っ飛ばないようにしました。

ゆっくり発進して、ブレーキも最小限に抑えています。

今ではスピードの出しすぎは、ほとんど皆無となりました。

運転席からの視界

問題といえば、先ほどもお伝えしたとおり荷物が多いため、後方の視界がかなり悪くなったことです。

できるだけ荷物は低く積むようにしていますが、それでも視界を遮られます。

今欲しい装備は、バックモニターカメラです。

これさえあればかなり高く荷物を積んでも、視界が遮られずに運転が楽になるでしょう。

高速道路の注意点は?横風の抵抗はある?


私が主に走行しているのは、能越自動車道の無料区間です。

ちなみに、無料区間は、高岡ICから七尾IC間で、国土交通省が管理しています。

ここは、制限速度70kmなので、ほぼ制限速度で走っています。

合流時の走行については、荷物を積んでいるからといって特段差を感じていません。

理由としては、まず荷物自体が軽いこと、能越道がほとんど混まないこと、ムーヴの加速が「PWD(パワーボタン)」ボタンもあり力強いことが挙げられます。

高速道路でも、気をつけることはやはり「急ブレーキ」です。

そのため、車間距離を十分にあける事や、100km走行可能でも80kmで抑えて走るように(長距離トラックの後ろをついていくように)しています。

ムーブのリア側。背が他の車より低い

軽バン・ハイトワゴンと比べて、ムーヴの良い点は横風に強いことです。

ムーヴは車高がそれほど高くなく、重心が低く、さらに私が重い荷物は下に、軽い荷物は上に配置しているため、高速運転での横風にもさらに強くなっています。

雪道走行に備えてのポイント!


雪の中のムーブ

雪国なので雪道も走る。



「雪道を走って怖さはないか」、「チェーンやスタッドレスはどうしているか」など気になっているかもしれませんね。

そのあたりをお伝えしていきます。

今回の冬は、大雪に見舞われました。

除雪が間に合わない時もあり、道路に轍ができて、ガタガタと揺れながら走りましたが、今年スタッドレスを新品に替えたせいか、スリップすることはあまりありませんでした。

チェーンは持っていませんでしたが、時にはあった方が良いだろうと感じることも。

車中泊とは関係は無いのですが、雪道走行の際はスタックしたときのために、スコップと古毛布があると安心です。

今回はスコップが大活躍しました。

雪道で怖いのは、「ホワイトアウト」という現象です。

雪で視界が悪くなる状態になり、車中泊時でなくても走行はかなり危険になります。

雪道走行について結論から言いますと、「車中泊車だからと言って、危険度はあまり変わらない」というのが私の感想です。

車中泊道具を搭載した「ダイハツ ムーヴ」の燃費とタイヤへの負担


タイヤの摩耗ですが、これは車中泊前に比べ、逆に減りが遅い感じを受けます。

推測ですが、通常私の運転の癖で、コーナーでもスピードを落とさず曲がるので、タイヤが片減りするのですが、車中泊車にしてから慎重に運転する(コーナー前でしっかり減速する)ため、片減りも無くなったようです。

タイヤとブレーキパッドの減り具合は?


タイヤ

最近車検を受けたのですが、ブレーキパッドはほとんど摩耗していませんでした。

これは走行のほとんどが高速道路なので、信号が無くブレーキをかける機会が少ないからでしょう。

タイヤもあまり摩耗はありませんでした。

私の車中泊生活が、一般的な方と比べてもかなり異質で、

①ほとんどブレーキをかけなくても良い走行条件(ほぼ高速道路を走行)
②車中泊道具で重いものはほとんど無い。


という状況だからかもしれませんが、車中泊生活だからと言ってタイヤやブレーキパッドの減りが早いという事はありませんでした。

結論:1年間の燃費は?


新しくした後ろタイヤ

リッターどのくらい走るのか気になりますよね。

車中泊の道具を乗せてからのムーヴの燃費を発表しましょう。

昨年の冬にスタッドレスタイヤを装着してから、1年間そのまま履き続けて走行した通年の燃費は19km/Lです。

車中泊を行う前の燃費とさほど変わりません。

ちなみに最近になって、ノーマルタイヤに履き替えましたが燃費はおおよそ21km/Lでした。

私の場合、車中泊の道具のほとんどが軽いものですので、大人2人乗るより軽量だと考えています。

なお、ブレーキをあまり使わず時速80kmをキープする走行が、最も燃費が良いという結論に至りました。

なお参考までに、ムーヴのカタログ燃費(JC08モード)は31.0km/Lとなっています。

実際の使用環境や走行条件を踏まえると、燃費21km/L前後は十分優秀な結果だと感じています。

道具が飛ぶのを恐れて運転が丁寧になったことで、「燃費が向上し、タイヤの摩耗も抑えられた」という結果でした。

まとめ


私がムーヴを選んだ理由は、燃費の良さでした。

当時は本格的な車中泊を行うつもりはなかったので、もし今選ぶのであれば軽バンかハイトワゴンを選んでいます。

しかし、車中泊を行う旅車と考えるなら、やはり燃費の良いものがいいですね。

バンライフで定番の『エブリィ』や『ハイゼット』の燃費を見るたびにそう思います。

ムーヴが車中泊に向いている点としては、フルフラットシートになる以外は実はそんなに特にありません。

車中泊専用として選ばれる車ではなさそうです。

おそらくムーヴで車中泊をしている多くの方は、たまたま持っていた車がムーヴで、車中泊を始めたのではないでしょうか。

ムーヴが車中泊に向いていない理由は、やはり車内が狭いことです。

しかし、ムーヴの車高がハイトワゴンより低いおかげで、燃費や走行性がよく、車中泊でも悪影響を受けません。

よって、走行面からだけ見るなら、車中泊を行う車の中でもムーヴは優秀な部類に入るのでは無いかと思っています。

もちろんこれからもムーヴで車中泊を続けていきますよ。

能登の車中泊サラリーマン

能登地方を拠点として活動している50代男性。 普段はサラリーマンとしてとある能登地方の企業に籍を置いています。 自宅はあるものの、6カ月以上車中泊で生活していております。 私が車中泊を続ける目的は、度重なる災害で車中泊を余儀なくされた場合に備え、出来るだけ快適に過ごせるノウハウを蓄積することです。