800日キャンピングカーで生活した夫婦。取り憑かれたその魅力とは!?
家を断捨離して、中古キャンピングカーで日本一周している、ガタガタGOGOむっちゃんです。現在はコロナの影響で、自粛しながらのキャンピングカーライフを堪能しています。
さて、キャンピングカーライフも830日を超え、「購入した当初のワクワクやドキドキはもうなくなった?」と聞かれることが増えてきました。
しかし、意外にもそんなことはありません。まだまだ毎日ワクワクすることばかりで、キャンピングカーライフが肌に合っていると感じる今日この頃です。
ということで、今回はキャンピングカーの「キャ」の字も知らなかった私が、いざキャンピングカーの購入を決めて乗り始め、今に至るまでの様子を振り返ってみようと思います。
目次
急きょ会津へラーメンを食べに行ったのを機に、車旅に夢中に
私たち夫婦は会社員時代、すれ違いの生活を送っていました。特に役職者の夫は、休日でも緊急対応にあたったり会議があったりと、多忙そのもの。合わない生活スタイルにモダモダしているうちに私も役職につき、やる気がみなぎって仕事にのめり込んだので、夫婦の時間は瞬く間になくなりました。
そんなある日。たまたま早く帰宅した夫に、私が「ラーメン食べたい……」と呟いたところ、ラーメン大好きな夫は「じゃあ、会津にラーメンを食べに行こうか!」とすぐさま提案。そこまでラーメンが好きではない私の「ラーメン食べたい」発言に、夫は目を輝かせていました。
出掛けると決まってからは、とても早かったです。家から会津は遠く、途中で仮眠を取る必要があるため、車内でなるべく快適に眠れるようにパーカーと毛布、そして飲み物を少し多めに積み込んで、家を飛び出しました。
それが初めての車中泊体験です。
ただし、当時は「車中泊」という単語さえ知りませんでした。
それからというもの、事前に予定を立てるのが難しい私たちは、たまたまお互いの休みが合った時に、フラッと夜中に家を飛び出すことが増えました。
そのうち、「明日は完全に休みだけど、どこか行く?」「疲れてるでしょ?たまには家でゆっくりする?」「車で自分たちのペースで過ごせるから、疲れないよ」といった会話が増えるように。
次は栃木へ、その次は静岡へ……と、最長4日間、当時乗っていたN-BOXで、居住区の関東を中心に、突発的な車旅をするようになりました。
日本一周を決意して、キャンピングカーを購入
多忙ながら車旅を楽しむ、やりがいのある生活を過ごしていた私たちですが、ある日、急きょ脱サラをして、日本一周する決心をしました。日本一周が終わる日は未定です。
しかし、できるだけ長い間旅人として生きたいという思いは固まっていたので、長期間にわたって車内で生活してもストレスを感じにくい環境を整えよう、ということになりました。
最初はN-BOXの車内に棚を作って車内空間を最大限に活かすことを考えたのですが、必要最低限の1年分の洋服でさえ、とても載せきれません。
どこかに荷物を預けるにしても実家は頼れず、トランクルームなどもあてはなく……。
そもそも、これから関東から遠く離れた場所にも行くというのに、荷物が必要になるたびに、いちいち関東に戻るというのは非効率です。
そんな時、近所でキャンピングカーの展示会があることをネットで知った夫が、「いっそのこと、キャンピングカーも考えてみる?」と提案してくれました。
まだキャンピングカーについて何も知らなかった私は、大雨が降っていたこともあり、この段階では正直、「屋外の展示会なんて面倒くさいなぁ」としか思っていませんでした。
一応、人生初となるキャンピングカーの展示会には行きましたが、車両を見ても車内を見ても心躍ることはなく……ただただ「キャンピングカーって大きいなぁ。高いなぁ。でも、荷物とトイレのことを考えたら便利かも?」と思うくらいでした。
また、こんな大きな車を運転できるのか、ということも疑問でした。私はペーパーゴールド免許なので、はなから私がキャンピングカーの運転をするという選択肢はありません。
そこで、夫に万が一キャンピングカーで日本一周する場合、運転はできるのかどうかを尋ねてみました。すると、夫から返ってきたのは、「問題ない」という答え。
夫は以前、仕事でトラックの運転をした経験があるため、「多分、少し練習すれば感覚を思い出すだろうから、トラックサイズのキャンピングカーでも大丈夫」とのことでした。
その答えを聞いて、私の中で「キャンピングカーもありかも?」と、一気に気持ちが傾いてきました。
それから、新車・中古車合わせて100台以上、さまざまなタイプのキャンピングカーの実車を見学することに。
しかし、まだまだ不安な気持ちがあり、キャンピングカーを見学しに行くたびに「本当にトラックタイプのキャブコンで大丈夫?」と、夫に再三確認したのを覚えています。
そうしているうちに運命的な出会いがあり、現愛車のオルビスユーロをお迎え。
晴れてキャンピングカーオーナーとなったのです。
キャンピングカーが家の駐車場に来た時のことは、いまだに鮮明に覚えています。「私、キャンピングカーオーナーですよっ!」と胸を張るよりも、周りの車に比べると明らかに大きくて、“ザ・キャンピングカー”という見た目に対する恥ずかしさでいっぱいでした。
キャンピングカーがあれば何気ない日常にもワクワクできる
キャンピングカーが納車されてから日本一周を開始するまでの間、仕事が終わって帰宅する先は家ではなく、駐車場のキャンピングカーになりました。
夫が仕事を終えて帰ってくるまで、キャンピングカーで束の間のまったりとした時間を過ごし、夕食の準備をするのが日課となったのです。
驚いたのは、キャンピングカーで過ごすと、何気ない日常生活が特別なものに感じるということ。
いつも通りの映えない食事が、なぜかキャンピングカーの中で食べると特別に美味しく感じられます。調理中もずっとワクワクしていることに気づきました。
家の中の荷物が減っていくにつれて、1日、また1日と、車内に必要なものが増えていくのもうれしく思いました。
現在、キャンピングカーに住んでもう830日が経ちましたが、今でも旅先からキャンピングカーに戻ってきた時は、なぜだか心躍ります。そして「戻ってきた」という安心感に包まれるのです。
正直、当初は830日以上もキャンピングカーライフを送れるとは全く想像していませんでした。変わり映えしない車内で生活していたら、そのうち飽きるのではと感じていたのです。
水や電気の確保、メンテナンス(シャワー後にマルチルームを拭いたり、トイレの処理をしたりすることなど)が手間になって、キャンピングカーライフそのものが面倒になる日が来ると思っていました。
しかし、そんなことはなく、本当に毎日キャンピングカーライフが楽しくて、自分でも驚いてしまうほどです。出会ってから830日、ずっと片思いが続いて心がときめく、そんな感覚が続いています。
焦らずマイペースに、キャンピングカーの知識を深めたい
最初はキャンピングカーの「キャ」の字も知らなかった私ですが、おかげさまで今では、キャンピングカーの種類や設備、性能などの知識が増えました。
このキャンピングカーが今では家なので、異音・異臭といった異変にいち早く気づくためのセンサーが研ぎ澄まされています。
しかし、まだまだキャンピングカーの知識は蓄積中で、知らないことがたくさんあります。
今でも電気関係は苦手で、正直「アンペア」とか「ワット数」とか言われても、チンプンカンプン。「電子レンジとドライヤー、電気ケトルの3台は同時には使えない」程度しかわかりません(笑)。
ただ、それでも今は良いと思っています。
これまで住んでいた「動かない家」では感じることのなかったストレスが無意識にかかっている今、苦手なことを無理して覚えようとすると、とたんにキャンピングカーライフが面倒で、つまらないものになってしまうかもしれないからです。それは一番もったいないことだと思います。
だから今は、少しずつ自分のペースで、キャンピングカーについての知識を深めている最中です。
でもいずれは、キャンピングカーが欲しい旦那さまの奥さまに対して、女性目線でのわかりやすい説明ができるようになったら良いなぁと、漠然と考えています。
こんな意識が芽生えたのも、やはり長期にわたってキャンピングカーに住みながら、大勢の方と出会ってきたからです。
キャンピングカーほど面白い乗り物はない!
キャンピングカーは、とても面白いものです。
しかし、必要な設備は人それぞれなので、ある人にとっては最高の1台でも、またある人にとってはイマイチな1台になってしまう場合も。
自分に合わない車を買ってしまうと「キャンピングカーってこんなもの?思っていたのと違うんだけど……」と残念な結果になってしまいます。
実際、私たち夫婦のように最高の1台に出会えているオーナー様は、なかなか少ないように感じています。
たとえば身長ひとつ取っても、キャンピングカーの過ごしやすさや使い勝手は変わってくるので、はやりすたりではなく、ご自身に合っているかどうかでキャンピングカーを決めていただければと思います。
そうすれば人も車も幸せだろうなぁと、830日、毎日キャンピングカーで暮らしている私は感じています。
まだまだキャンピングカーの魅力に取り憑かれ中の私は、キャンピングカーほど面白い乗り物はそうそうないと思っていて、キャンピングカーを買った後にがっかりされるのはとても悲しいことだと感じています。
そのため、これからも“何を重視するのかは人それぞれ”ということを念頭に置いて、キャンピングカーの魅力をお伝えできたらな、と思っています。
みなさまもぜひ、ご自分に合った1台で、ハッピーなキャンピングカーライフをお過ごしください。