バンライフ
事故を起こさない!!長距離の旅で気をつけている5つのこととは?!

クルマを長距離走らせたら、当然クルマも人も疲れる。
疲れは事故の元。
しかし、高速のSAのトイレとかにも長距離ドライブに関する注意書きが貼ってあったりするので、この場で今更そんな一般的な話をしてもあまり意味がない。
この記事ではなるべく当たり前過ぎる話を省き、私が実際に事故防止のために長距離ドライブの前や旅の最中に気をつけていることや工夫、実施している点検などで、もしかしたら気づいていない人もいるのではといったことや、そんな方法や考え方もあったのかといった話を集めてみた。
安全な長距離旅のために少しでも参考になることがあれば幸いだ。
長距離ドライブの前に体調を整える
安全運転には体調管理が重要。
長距離運転をするなら、前日の晩はしっかりと睡眠をとり、体調を万全に整えておくことが大切だ。
そして、何かの予約を入れているなど、しっかり予定が組まれているのであれば、時間にも余裕を持って出発すべきと思う。
などと書くと、まるで私が常にそれを実践しているかのようだ。
そして、これはこれで正論なのだが、これでは序文に書いたことと正反対、当たり前過ぎる常識的な話になってしまう。

私の考える車中泊旅の大きな利点は、休みたくなったら快適に寝られて、宿の予約など不要(キャンプ場やRVパークなどを利用するなら予約が必要なことも多く、時間も守らなければならないが)で、時間に縛られずに気ままに旅に出られることだ。
少なくとも私はそう思っている。
ボロボロに疲れ切った状態でクルマの運転をしてはいけないが、この特徴を活かせば、運転に問題のない程度だったら初日はとにかく出発してしまい、無理のないところまで進んで車内でゆっくり寝たほうが、日常から離れてリフレッシュできるといった考え方もできる。
これも、その後の長距離ドライブに備えて体調を整えるための一つの方法だ。
さすがに酷い寝不足状態で車を運転したりすることはない(と言うよりしたくないからそんなことはしない)が、私はあまり綿密に計画を立てることがなく、大抵出発時間もその時の状況次第だ。
万全に整えて出発するより、どちらかと言えばこんな方法でリフレッシュを図りながら旅をスタートさせることが多い。
だが、この「無理のないところまで進んで」が重要で、その最初の寝場所を決めて計画を立ててしまったら本末転倒。
ここを間違えてはいけない。
距離や時間に捉われず、体調に応じて休んでしまう(それができるクルマなのだから)ところが重要なポイントで、それも車中泊仕様車の上手な活用方法だと思う。
性格的に何事もきっちり予定が決まっていないとダメな人には難しいことかもしれないので、誰にでもお薦めできる方法ではないが、こういった発想もあることを参考にしていただけたらと思う。
そして、物事を決まった順路から考えるだけでなく、発想の転換をできる柔軟さは安全運転に繋がることの一つなのではないかとも思っている。
次のページ➾運転席周りの工夫一つで環境が大きく変わる
運転席周りの環境を整える
若い頃はどんな運転席に座っても、自分の体の方を運転席に合わせるようなことができた。
しかし、シートや運転姿勢に私は強い拘りがない方だと思うのだが、段々とそんなことも厳しくなってきて、不快に感じたり辛くなる機会も増えてきた。
自分のクルマのシートや着座位置など、運転する環境が自分にしっくりくるなら幸運だが、もう一つな場合もある。
幸いにも現在乗っているE25キャラバンはシートの形状が自分の体型に合っているのか、座り心地が良く、足元の広さや着座位置や視界などほぼ全てに於いて快適で、長時間座っていても(運転していても)何処か痛くなるようなことなどない。
特に何も手を加えてはいないが、長距離運転も大変楽にこなせる。それは大変ラッキーなのだと思う。

しかし、残念ながらバモスはそうでもない。軽自動車だから仕方がないのかもしれないが、シートのサイズ感がネアンデルタール系の骨格には今ひとつ合っていないような感じがする。
そして、座り心地がどうにもしっくりこない。
素の状態のシートでは、長時間運転していると左尻に不快感を感じ始め、痛いような痺れるような感覚が表れてしまう。
また、このタイプの車(足元に前輪のホイールハウスがある)の宿命で、ペダルは中央寄りに少しオフセット気味の配置となっているが、これはどうしようもない。
しかしそれだけではなく、フットレストがないため、左足は家にも職場にも居場所のないお父さんのような状態になってしまい、余計に体全体が不自然な体勢になってしまうような感じがする。
もしかしたら左尻に不快感を感じるのは、シートのせいだけではなく、ペダルの配置やフットレストがないことも関わっている可能性があるのかもしれない。
シートに敷く座布団類や背当ての類は、他の車で使っていた物も新たに購入してみた物も含め、いくつかを試してみた。

それでも決定打はなかなか見つからなかったのだが、最終的にこの二つの組み合わせに落ち着いた。

この立体的な座布団は普通に敷いただけではもう一つだったのだが、背当てを入れて少し前にずらして敷いたら良くなった。
それがポイントだ。
そして、座布団はシートカバーの下に入れてあるので、座る度にずれてしまうようなこともない。

そして、居場所のなかったお父さんではなくて、脚を伸ばしても膝を立て気味してもしっくりこなかった左足には、2×4の端材でフットレストを作り、定位置を提供した。

この組み合わせを編み出すまでに試行錯誤を繰り返し、納得行くまで時間もかかったが、これでかなりしっくりくるようになり、バモスの運転環境は格段に改善された。
面倒でも多少の出費があっても、色々試して自分に合ったものを見つけると快適になり、快適であることは事故防止にも繋がると思う。
他にも細かな工夫はいくつかある。音響や匂い、装飾なども大切だ。納得が行くまで運転席周りの環境を改善して行くことは、安全運転のために重要なことだと思う。
運転中の健康管理
少し大袈裟な見出しだが、運転中の健康管理も大変重要。
事故防止に大きく影響する要因の一つだ。
これまた今更な感じがするが、休憩をしっかりとること、眠くなったら寝る(当たり前だけど安全なところに車を停めて)のが基本だ。

ところで、血行障害について日頃から気にしている人は多くないと思う。
自分が病気になるまでは私もそうだった。
しかし、クルマの運転は長時間座り続けることになる。
明らかに血行に良いことではない。
同じ姿勢で固まったままでいると酷い場合は血栓ができて、所謂エコノミー症候群というやつを発症してしまう。
これは非常に危険な病気だ。
個人的なことだが、私は左脚の血管に持病を抱えるようになってから人一倍血行には気を遣うようになった。
では血行障害に対してどんな対策をとれば良いのか。
長時間同じ体勢でいないことが一番だが、それが前提である場合はまずは水分を多く摂ること。
水分補給が必要な理由は、簡単に言えば水分が少ないと血液がドロドロして血流が悪くなり、血液が固まって血栓もできやすくなってしまうからだ。
お茶やコーヒーは利尿作用があるから水分補給にならないなどと、まことしやかに言う人がたまにいる。
しかし、利尿作用があることは間違いではないが、入るより出ていく方が勝るほどのことではない。
「お茶を飲んでも水分補給にならない」は都市伝説的なまやかし情報と考えて良いと思う。
そして、カフェインはご存知の通り眠気覚ましにも効果があり、利尿作用があればトイレに行きたくなり、自ずと休憩する回数を増やすことに繋がる効果もある。
そういった意味でもお茶はドライブのお供に大変良いものだと思う。

また、何かに没頭(車の運転もその一つ)していると他のことを忘れてしまいがちだが、「何時頃までにこのボトルを1本飲む」のような目安を立てておくと、水分補給不足になりにくい。
こんなこともちょっとした工夫の一つだ。
また、体を動かすことは最も重要だが、休憩するまであまり体を大きく動かすことはできないし、運転中にやたらなことをするのも危ない。
右足はできないけど、私は運転中たまに(ずっとではない)左足は貧乏ゆすりをしてみたり、音楽に合わせて軽くビートを刻んでみたりしている。
これだけでも何もせずにいるよりはマシだと思う。
それから、信号で長く止まりそうな場合はサイドブレーキをかけて、首・手首・肩・足首などを回すのも良い。
もう一つ運転中(特に寒い時期に)気を付けていることがある。
頭を熱くしないことと、酸素濃度(少し大袈裟な言い方だが)だ。
頭が寒ければ帽子を被って保温するのは良いとしても、頭を温めるのは良くない。
頭寒足熱が基本だ。
窓が曇ってデフロスターを使わなければならない場合を除き、私は基本足元にしか暖気を出さないようにしている。
暖かい空気は上に行くし、頭が暖かくなるとボーッとしてくるからだ。
また、酸素が薄いのもダメだ。
私はトンネル内や前に排気ガスの酷いクルマがいる時でもなければ、基本空気は循環にはせず外気取り入れ状態にしている。

今時のクルマはこんなふうになっていないと思うけど、案外こういったアナログ感はわかりやすく使いやすい。
そして眠くなったら休憩するのが一番だが、なんとなく少しボーッとしてきたようなときは、冬でも窓を少し開けて(足元の暖房は入れたまま)新鮮な空気を入れるようにしている。
など、血行のためにも眠気覚ましのためにも運転中にできることもいくつかあるが、やはり一番良いのは基本に忠実に2時間に一回は休憩し、軽いストレッチなどをすることだ。
しかし、例えば高速で渋滞にはまってしまい、いい加減休みたいのにと思っている時に、ナビに「そろそろ2時間になります。休憩しませんか?」なんて言われると、「そりゃオレだって休憩したいのは山々だけど、したくてもできないんだよね!」と独り言を言ってしまうことがある。
案外独り言も眠気覚ましには効果があるかもしれない。
イライラ対策
車を運転していると他車の動向(他人の運転)やに苛立つことや腹が立つことがある。
そんなことなど一切ないといった立派な人もいるかもしれないが、人間のできていない私は人並み程度には苛立つことも腹が立つこともある。

もちろん渋滞や信号の多いところも苦手だ。
しかしイライラしたりカッとなるのは事故の元。
禁物だ。
人間のできていない私でも、さすがに前を走行しているクルマの速度が遅いだけなら仕方がないと諦めることができるようにはなった。
遅いクルマの後ろについてしまっただけなら、気持ちにゆとりのある人間なのだと自分に言い聞かせ、世の中運転の上手い人ばかりじゃないのよと、気持ちを大きく持てばなんとかなる。
急いでいる時にはそうはいかないかもしれないが、そもそも急がなければならないような行動をとる自分が悪いのだと最近は考えられるようにもなった。
無礼で危険な割り込みや対向車の車線のはみ出しなどには依然腹が立つ。
しかし、この類は一瞬の出来事だ。
長時間続くことではない。
カッとなりそうになった時は深呼吸すると効果がある。そして、深呼吸をした後は一瞬の出来事なのだから他のことを考えて忘れてしまえば良いだけだ。
しかし、こういった気持ちのセルフコントロールでは解決できないこともまだ残っている。
例えば片側一車線の一本道で前を走るクルマの速度が異様に不安定だったり、不要な減速を繰り返されたりすると非常に運転がしにくい。苛立つだけでなく、疲れてしまう。
さらにこちらが一定の速度で走っていると、そのせいで車間が縮まってしまうときもある。そうなると、こちらが安定した運転なのにこっちが煽っていると勘違いされるようなことになりやしないかと少し気になってしまうこともあるが、それでは甚だ心外だ。
また、対向車の車線のはみ出しに腹が立つのは一瞬だが、前を走行するクルマがはみ出しを繰り返すと危険でもあるし非常に気持ちが悪い。
他人事だけど車線はみ出しとかが結構許せない性質だから仕方がない。
その他、トンネル内での無灯火とか、何故かトンネルの出入り口で無意味にブレーキを踏むとか、これも何故か上り坂の手前で減速してしまうとか、苛立つ運転は色々あって、そんなクルマの後ろについてしまうことはどうしてもある。
このようなクルマの後ろに長時間ついてしまうことになったら、遅いだけのクルマのように気持ちを大きく持つだけでは、どうしても解決できなくなってしまう。
少なくとも私には無理だ。
ではどうしたら良いのか。
それはもう原因を取り除くしかない。
「後からミサイルを打ち込む」のではなくて、どうしようもないときは諦めて一旦休憩を入れるなどして、そんなクルマからはこっちから離れしまうしかない。
また、苛立ちの問題だけでなく、動きの怪しいクルマや異常な程に運転の下手なクルマがいたら、安全のため私は極力離れるようにしている。
「君子危うきに近寄らず」多分これが一番の解決方法だ。
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クルマの点検
クルマの状態は普段から気をつけなければいないことだが、実際に毎日始業点検をしている人は多くないと思う。

そして、技術が進歩することで、良くも悪くもクルマを自分で修理できる部分は激減し、自分でメインテナンスしたり点検できる項目も減る一方だ。
しかし、エンジンオイル・冷却水・タイヤの点検は自分でできることで、最も重要な基本事項でもある。
最低限この三つの点検程度はしてから長距離の旅に出るべきだ。
もしこの三つができないと言うなら、少し厳しい言い方に聞こえるかもしれないが、車中泊の旅などしない方が良いと思う。特別なことや難しいことではないのだから。

エンジンオイルに関しては、長距離の旅に出る前だからということではなく、私は日頃から割と頻繁にチェックし、交換も怠らないように心掛けている。
冷却水は、オイル程頻繁にチェックしないが、長距離の旅に出る前には一応確認するようにしている。

最低月に一度程度はタイヤの空気圧のチェックはしておいた方が良いと思うが、空気圧が低いのは燃費にも悪影響するし、低過ぎたら高速走行では特に危険(高過ぎるのも良くないが)だ。
高速道路を長距離走行するような場合は、空気圧の点検はしておいた方が良い。

空気入れ(コンプレッサー)は安い物でもないし、タイヤに空気を入れるのはガソリンスタンドでできる(当然空気圧のチェックもできる)ので、空気入れは購入するほどではないが、エアゲージは高いものではないので、備えておくのも良いと思う。

また、バルブのキャップの代わりにセンサーを取り付け、車内に置いたモニターで常時各タイヤの空気圧と温度が確認できる装置なんてのもある。

キャラバンにはこれを取り付けてみたのだが、おかげで旅に出る前のチェックの必須項目が一つ減った。
作業の手間が減るだけでなく、常時把握できることで安心感も高まるが、例えばタイヤ自体は傷んでいなくてもバルブが傷んで何処か一本だけ空気圧が下がっているなんてこともあり得る。
そんなことの防止と言うか、異常を早期発見できるといった意味でも安心で、これは便利だ。
それだけでなく、走行前と走行して温度が高まった後とでは空気圧も結構変化することなどがわかって面白かったりもする。
しかし、センサーに盗難防止用の逆回しのナットが付いているため、普通のキャップのように工具なしで付け外しができず、空気を入れるときに少し付け外しが面倒なことが難点と言えば難点。
とは言え、外付けセンサーのこのタイプならコスト的にも比較的安価(私の買ったのは確か¥3000ちょっとだった)でもあり、利点の方が多いと思う。
空気圧だけでなく、タイヤは減り具合やひび割れなど目視できる傷みがないか確認しておくことも重要だ。
しかし、それだけではない。
ゴムという物質の性質上、使用頻度や使用状況に関わらず、経年で劣化してしまうのはタイヤの宿命だ。
減ったり傷んだりしていなくてもタイヤは加齢で寿命が訪れる。
走行距離が多ければ、加齢で寿命が訪れる前にタイヤを交換することになるから製造年のことはあまり気にしなくても通常あまり問題となることはない。
しかし、走行距離が短ければ減りも少ないから、減りや痛みで交換する前に加齢で寿命が訪れる可能性もある。
特にスタッドレスはノーマルタイヤより寿命は短いし、減っていなくても硬くなったスタッドレスは効能がなくなってしまうからより注意が必要だ。
走行距離の少ない人は、タイヤの製造年のことも気に掛けておいた方が良いと思う。
もう一つタイヤ周りで気に掛けておくことは、ホイールナットの点検だ。
ホイールナットが自然に緩んでくることは十分あり得る。たまに締まり具合を点検しておく必要がある。
そして、ホイールナットは規定のトルクで締め付けられていることが重要で、強く締めれば良いというものではない。締め過ぎた箇所あると、かえって緩む原因になってしまう場合もある。
素人が適当に締めると結構危険だ。自信のない人はプロに任せた方が安全だ。

私はトルクレンチでたまに点検するように心掛けてはいるが、つい忘れがち。なので、トルクレンチでの確認は、長距離の旅に出る前の必須項目の一つにしている。
最後に
快適で安全な車旅のために心掛けていることや、備えている物はまだまだある。

しかし、思いついた代表的なものを挙げてみたのだが、こうしてまとめてみると、結局のところ一番大切なのは普段からの心構えや心掛けなのではないかと思った。
これからも、過信せず気持ちにも時間にもゆとりを持って、安全な車旅を楽しみ続けたい。