バンライフ
【体験記】あえて観光地を外して正解。ギリシャ16日間キャンピングカー旅で見た神秘の風景
キャンピングカーでヨーロッパ各地を旅している私たち夫婦が、27カ国目に訪れたのがギリシャです。
ギリシャと聞いて思い浮かぶのは、透き通るような青い海や、白い建物が並ぶ島々の風景かもしれません。
アテネやミコノス島、サントリーニ島、どれも一度は訪れてみたい場所です。
けれど今回、私たちはその「王道のギリシャ」にはあえて行かず、キャンピングカーで本土を巡る旅を選びました。
目的地は、巨大な岩山の上に修道院が建つメテオラ、そしてギリシャ神話の舞台として知られるオリンポス山。
実際に走ってみると、そこに広がっていたのは想像以上に神秘的で静かで、どこか特別な空気をまとった風景ばかりでした。
今回は、16日間にわたるギリシャでのキャンピングカー旅の実体験をもとに、旅してみてどうだったのか、車中泊事情、そして実際に訪れたスポットをご紹介します。
ヨーロッパ各地で旅すること3年×32カ国の私たち夫婦

私たちは、キャンピングカーでヨーロッパを旅しながら暮らしている夫婦です。
旅を始めてから約3年。
イタリアからスタートし、これまでに訪れた国は32カ国にのぼります。
スイスやオーストリアのアルプス山脈を超え、ドイツなどの中央ヨーロッパを巡りながら北上。
ノルウェーやフィンランドの北極圏まで足を延ばし、オーロラが揺れる夜空の下でキャンピングカー泊をしたこともありました。
その後は一転して南西へ向かい、ヨーロッパ最西端のポルトガルへ。
地図の端から端まで、文字どおり大陸を横断する旅を続けてきました。
私たちの旅のスタイルは、車内でリモートワークをしながら、まるで「暮らすように旅をする」こと。
時間やルートに縛られず、その土地の日常に触れながら、ゆっくりと各地を巡っています。
そんなキャンピングカー生活の3年目は、「思い切って、さらに冒険しよう!」と決意。
キャンピングカー文化が根付いた西ヨーロッパを離れ、バルカン半島や東欧など、情報が少なく未知の多いエリアへ向かうことを決めました。
ルーマニア、セルビア、ブルガリアと走り抜け、27カ国目に訪れたのが、「ギリシャ」です。
美しいビーチやリゾートのイメージが強いギリシャですが、私たちはそんな有名観光地から少し距離を置き、キャンピングカーだからこそ出会える“リアルなギリシャ”を求めて入国しました。
ギリシャってどんな国?
ギリシャは、ヨーロッパ南東部に位置し、バルカン半島の先端にある国です。
アルバニア、北マケドニア、ブルガリア、トルコの4カ国と隣国し、エーゲ海やイオニア海、地中海に囲まれています。
島の数はなんと6,000以上とも言われ、サントリーニ島やミコノス島など、世界的に有名な島々を多く抱える国です。

通貨はユーロ。
言語はギリシャ語ですが、観光地を中心に英語はよく通じ、レストランやスーパー、ガソリンスタンドなどでも困る場面はほとんどありませんでした。
ギリシャはオリンピックの発祥地であり、ヨーロッパ文明の原点とも言われています。

アテネをはじめとする街には、パルテノン神殿や古代劇場などの遺跡が今も残り、街を歩いているだけで「歴史の中にいる」ような感覚になります。
また、ギリシャ神話の舞台としても知られ、ゼウスやアテナ、アポロンといった神々が登場する物語が、古代から語り継がれてきました。
神話には、人間の愛や争い、冒険、試練といったテーマが描かれ、山や海、森や星にまで神々の存在が宿ると信じられていたといいます。
現在でも、神話の物語の舞台とされる神殿や洞窟、森や海、山を実際に訪れることができ、歴史と神話が重なり合うギリシャなられはの世界を感じることができます。
ギリシャの車中泊事情は?かつては車中泊天国だったが今は…?
かつては車中泊天国だったギリシャ

かつてのギリシャは、ヨーロッパのキャンピングカー旅人たちの間で「車中泊天国」とも呼ばれていました。
とくにビーチ沿いでは、自由に車を停めて一夜を過ごせる場所が多く、海を目の前にした車中泊が当たり前のように楽しまれていました。
SNS上には、夕焼けの海を背景にしたキャンピングカーや、朝日とともに目覚めるバンライフの写真が数多く投稿されてきました。
「いつかギリシャで車中泊をしてみたい」と憧れる旅人も少なくありませんでした。
しかしその一方で、車中泊利用者の増加に伴い、マナー違反や過度な野営が問題になるケースも出てきました。
たとえば、ごみの放置や生活エリアでの長期滞在、深夜の騒音など、地域によっては地元の人とのトラブルにつながることもあったようです。
こうした背景から、ギリシャでの車中泊に関するルールが見直され、次第に規制が強化されていきました。
2025年に始まった新たな規制

2025年から、ギリシャでは新しい規制が導入され、指定された場所以外での車中泊が禁止となりました。
ビーチや考古遺跡、森、公園、一般公道などの公共の場、駐車場でのワイルドキャンプや車中泊は原則禁止とされています。
違反した場合、約300ユーロ(約55,000円)の罰金が科される可能性もあります。
実際に私たちが旅をしていて感じた変化としては、観光名所やビーチ沿いの人気スポットを中心に、「車中泊禁止」のサインを多く見かけるようになったこと。
取り締まりも厳しくなっている印象です。
一方で、小さな田舎町や都心部から離れた自然の中など、場所によっては黙認されているように見えるスポットもあり、問題なく車中泊できたケースもありました。
ただし、「ここなら大丈夫だろう」と思える場所でも油断は禁物。
最新の情報を確認し、常にルールを意識しながら動く必要があります。
私たちが実際に利用した滞在場所

私たちは普段、有料のキャンプ場はあまり利用せず、できるだけ低コストで旅を続けています。
そのためギリシャでも、規制を踏まえながら計画的に車中泊スポットを選ぶ必要がありました。
そんなときに役立ったのが、「Park4night」という車中泊アプリです。
最新の車中泊スポット情報や、実際に利用したユーザーのレビューが見ることができるので、私たちはいつもこのアプリを使って、地図上から無料の「RVパーク」や「許可された駐車場」などを探しています。
【Park4nightアプリの使い方の記事はこちら】
数は多くありませんが、ギリシャにも無料のキャンプ場がいくつかあり、給水、排水、トイレまで完備されている場所もありました。
それらをうまく活用することで、規制がある中でも私たちは安全で快適なキャンピングカー旅を続けることができました。
規制によって自由度は下がったものの、事前に情報を集めて行動すれば、今でもギリシャでの車中泊旅は十分に可能だと感じています。
ギリシャで実際に訪れたスポット
メテオラ
メテオラは、ギリシャ本土中部に位置する世界的にも有名な観光スポットです。
巨大な岩山が林立する独特の地形の上に、まるで宙に浮かぶように修道院がいくつも建てられており、その光景はまさに幻想的。

1988年にはユネスコ世界遺産にも登録され、「天空の修道院」とも呼ばれています。
この岩山は、長い年月をかけた浸食によって形づくられたもの。
その頂に建つ修道院は、中世に修道士たちの手によって築かれました。

かつては約24の修道院が存在していたとされますが、現在一般公開されているのは6つのみです。
周辺にはいくつもの見晴台や展望スポットがあり、車で巡りながら異なる角度からメテオラの全景を楽しむことができます。
岩山と修道院が織りなす圧倒的な景色は、本当に神秘的でした。

また、有料で修道院の内部を見学できる場所もあり、宗教建築や歴史に興味がある方にはとくにおすすめです。
キャンピングカーで訪れる場合、展望台や観光用の駐車スペースに停めることはできますが、利用できるのは日中のみ。
メテオラ周辺では車中泊が禁止されており、周囲には有料のキャンプ場もいくつかあります。
ただし世界的な観光地ということもあり、料金はやや高め。
私たちはその点も踏まえ、メテオラでは日中の観光に集中し、夕方には別の場所へ移動するという旅程を選びました。
オリンポス山
オリンポス山は、ギリシャ北部に位置する標高2,917mのギリシャで一番高い山です。
古代ギリシャ神話では、ゼウスをはじめとする神々が住む場所とされ、「神々の山」とも呼ばれています。

そのため、オリンポス山は単なる山というよりも、歴史や神話の世界と結びついた、特別な存在感を放つ場所です。
周囲にはハイキングやトレッキングのルートが多く整備されており、初心者向けの短時間コースから、本格的な登頂コースまで幅広く楽しむことができます。

最も標高の高いミティカス・ピークは、専用装備の装着が推奨される本格的な登山ルートのため、経験者向け。
私たちは初心者でも比較的挑戦しやすい、スカラ・ピークまで登りました。
日帰りでの登山も可能ですが、約10時間のロングコース。
途中にある山小屋で一泊し、ゆっくりと頂上を目指すプランもおすすめです。

山頂付近からは、ギリシャの広大な風景や、晴れた日にはエーゲ海まで見渡すことができます。
神話の舞台を実際に歩いているような感覚で、自然と歴史の両方を味わえるのが、オリンポス山の魅力です。
【まとめ】キャンピングカー旅で一味違ったギリシャを発見
有名観光地をあえて外して巡った、今回のギリシャキャンピングカー旅。
王道の島々やビーチも美しいですが、観光地化されすぎていない場所に身を置くことで、静かで神秘的なギリシャの魅力を、じっくり感じることができました。
修道院や神話の舞台となる雄大な自然は、ガイドブックだけでは味わえない感動があります。
それは、これまでのギリシャのイメージとはまた違った一面でした。
キャンピングカーならではの自由な旅程で、時間を気にせず訪れた場所を巡る。
そんな旅だからこそ出会えた、「自分だけのギリシャの風景」が、ここにはありました。