バンライフ
【体験記】ヨーロッパ3年の車中泊旅で一番のクリスマスマーケットは意外にも「イタリア・ミラノ」だった。その魅力とは？
11月下旬から12月にかけて、ヨーロッパの街々は一気に表情を変えます。
そう、待ちに待ったクリスマスシーズンの到来です。
街の広場には木製の小屋が立ち並び、スパイスの効いた甘い香りが漂い、どこからかクリスマスソングが流れ、夕暮れとともに灯るイルミネーションが街を包み込みます。
国ごと、街ごとにまったく違う雰囲気を楽しめるのも、ヨーロッパのクリスマスの魅力です。
私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを3年間旅し、いろんな国のクリスマスを見てきたけれど、一番印象に残ったのは意外にもイタリア・ミラノ。
今回は、本場ヨーロッパのクリスマスマーケットの魅力と、私たちが最も心を奪われたミラノのクリスマスの様子をお届けします。
ヨーロッパをキャンピングカーで巡る夫婦の旅【冬はクリスマスマーケットも満喫！】
私たち夫婦は、ずっと夢だった「ヨーロッパでのバンライフ」を実現するために日本を飛び出し、ヨーロッパ周遊の旅をスタート！
イタリアで中古のキャンピングカーを購入し、リモートワークをこなしながら”暮らすように旅する”日々を送って、3年が経ちました。
これまでに訪れた国は、フランスやドイツ、デンマーク、スウェーデン、スペイン、ギリシャなど、なんと32カ国！
最西端のポルトガルから北極圏のノルウェーまで。
陸路だけでなくフェリーも使いながら、ゆっくりと時間をかけて自分たちの目で各国を知りながら巡ってきました。
そんなヨーロッパ車中泊旅の中で、毎年私たちを一番ワクワクさせてくれるのが、冬のクリスマスシーズンです。
今年で4度目のヨーロッパで過ごすクリスマスですが、訪れる国や街が変わるたびに新しい発見があり、まるで子どもに戻ったような気持ちで街歩きを楽しんでいます。
キャンピングカー旅の魅力は、自由に各地のクリスマスマーケットを巡れること。
大都市の華やかなマーケットももちろん魅力的ですが、私たちは小さな町で開催される、地元の人たちだけが集うマーケットを訪れるのも楽しみのひとつ。
観光客で溢れることのない広場で、地元の人たちの温かい笑顔や手作りのオーナメントに出会える瞬間は格別です。
また、日程やルートに縛られず、「今日はどこの街に立ち寄ろうか」と気の向くままに決められるのも、キャンピングカー旅ならでは。
毎年、違う街・違う国でクリスマスを迎えるたびに、新しい発見とワクワクでいっぱいです。
私たちにとってキャンピングカーは、ただの移動手段ではなく、ヨーロッパの冬を丸ごと楽しむための“自由な家”となっています。
ヨーロッパをクリスマスの季節に旅する魅力
ヨーロッパでクリスマスを祝うのは、ただの季節イベントではなく、キリスト教の伝統に根付いた大切な行事です。
イエス・キリストの誕生を祝い、家族や親しい人たちが集まって食事を囲み、贈り物を囲むのが一般的です。
多くの国では、この時期を「家族と過ごすこと」が何よりも重視され、街の雰囲気やクリスマスマーケットにも温かさや親密さが感じられます。
広場や通り、そして各家庭もイルミネーションやクリスマスのオーナメントで華やかに飾られ、国全体がクリスマスムード一色に。
もはや「生活の一部」として根付いています。
そんな冬のヨーロッパで欠かせない存在が、街の広場に立ち並ぶクリスマスマーケット。
国や地域によって飾り付けや伝統行事、料理、音楽が異なり、それぞれの街が独自のクリスマス文化が根付いています。
クリスマスマーケットの開催は11月下旬〜12月末が一般的ですが、街の飾り付けは1月6日の「公現祭（エピファニー）」まで残されることが多く、年明けでも冬の美しい街並みを楽しめます。
日本でもクリスマスイベントは行われますが、ヨーロッパの街を彩るイルミネーションや、人々のあたたかな笑顔が作り出す空気感は格別。
規模も大きく、街全体がクリスマスに染まる様子を見るたびに、「これが本場のクリスマスか！来てよかった！」と心の底から感じます。
ヨーロッパで3年暮らして、一番心に残ったクリスマスマーケットはイタリア・ミラノだった！
これまでの旅で、ヨーロッパ各地のクリスマスマーケットを巡ってきましたが、3年間の旅を振り返ったとき「一番印象に残っている場所は？」と聞かれたら、迷わず思い浮かべるのが、意外にもイタリア・ミラノです。
というのも、私たちの旅のスタート地点がミラノ。
そして、人生で初めて経験した「本場ヨーロッパのクリスマス」の街でもあります。
イタリア・ミラノのクリスマスの魅力とは？
ミラノのクリスマスマーケットは、いわゆる“木製屋台が立ち並ぶ王道スタイル”とは少し違います。
街のシンボルでもある、ドゥオーモ大聖堂前のドゥオーモ広場には、巨大なクリスマスツリーがそびえ立ち、夜になると豪快にライトアップ。
白い大理石で作られたドゥオーモと、キラキラのイルミネーションは幻想的。
さらに、歴史ある建造物に映し出されるプロジェクションマッピングが、クラシックな美しさに近未来感を融合させ、独特の魅力を生み出しています。
そして何より、ファッションの都・ミラノらしく、飾り付けにも華やかさだけでなく、静けさと品の良さがあり、ここでしか味わえない、「大人のクリスマス」が楽しめると感じました。
2025年ミラノのクリスマスを実況レポート
ヨーロッパ各地をキャンピングカーで旅している私たちですが、2025年の冬はもう一度ミラノのクリスマスを訪れることにしました。
久しぶりに足を踏み入れたドゥオーモ広場は、記憶の中の光景と変わらず、やはり圧倒的な存在感。
白い大理石のドゥオーモを背景にそびえる巨大なクリスマスツリー、そして日が暮れるほどに輝きを増すイルミネーション。
まさに「ザ・ヨーロッパのクリスマス」と呼ぶにふさわしい景色が広がっています。
さらに今年は、2026年開催の「ミラノ・コルティナ冬季オリンピック」へ向けて、街全体が盛り上がっていました。
ドゥオーモ広場には、高さ約29メートルの“オリンピック＆パラリンピック特別クリスマスツリー”が登場。
10万個以上のLEDと大会エンブレムで彩られクリスマスとスポーツの祭典が見事に融合した、ここだけの特別な空間が広がっていました。
広場には、冬季オリンピック／パラリンピックをテーマにした公式ブースや展示パネル、フォトスポットも点在していて、観るだけでなく「参加・体験できるクリスマス」といった雰囲気。
子どもから大人まで、幅広い世代が楽しめる空間で歩いているだけでワクワクが止まりませんでした。
ミラノのクリスマスマーケットは？
ミラノのクリスマスマーケットは、ドイツやオーストリアなどと比べると、規模はそこまで大きくなく、派手さも控えめ。
全体的にシンプルで洗練されていて、まさにミラノらしい大人のクリスマスといった雰囲気。
ドゥオーモ大聖堂の横には、木製の屋台がいくつも並び、広場全体が落ち着いたクリスマスムードに包まれます。
屋台には、ホットワインや軽食といった定番メニューに加え、イタリアらしいフードや工芸品、雑貨がずらり。
中でもぜひ味わってほしいのが、イタリアのクリスマスに欠かせない伝統菓子、パネトーネやトローネ（ヌガー）です。
ひと口食べるだけでふわっと広がる甘い香りに、一気にクリスマス気分に包まれます。
派手さはないものの、イタリアならではの食やデザインがぎゅっと詰まったミラノのクリスマスマーケット。
シンプルだからこそ、その土地らしさをじっくり堪能できる、そんな魅力に満ちたマーケットだと感じました。
ミラノの街歩きで出会う冬の光とクリスマスの魔法
ミラノのクリスマスがとくに魅力的なのは、街の中心部を歩くだけで、さまざまなイルミネーションを楽しめることです。
ドゥオーモ広場の横に広がる「ガレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ」は、高級ブランドショップやおしゃれなカフェが立ち並ぶ歴史あるアーケード。
クリスマスシーズンになると、スワロフスキーやグッチ、ディオールなどの有名ブランドがスポンサーとなり、毎年異なるテーマで華やかな装飾が施されます。
街の各エリアにも大小さまざまなイルミネーションやクリスマスツリーが30本以上設置され、歩くだけで光に包まれていくような気分に。
中でも、私たちのお気に入りは、Netflixの大人気ドラマ「Stranger Things（ストレンジャー・シングス）」のラストシーズンを記念した特別なライトアップです。
ドラマの世界観をモチーフにしたライトアップが施されていて、ファンなら思わず立ち止まって見入ってしまう、そんな楽しい仕掛けもありました。
ミラノのクリスマスは、広場やマーケットだけで完結しません。
街全体が光の道となり、一歩歩くごとに新しい表情を見せてくれる──そんな“歩いて体感するクリスマス”が最大の魅力です。
伝統的なイルミネーションと現代カルチャーが融合する、ミラノならではの特別な冬を楽しめます。
光と笑顔に包まれる、ヨーロッパのクリスマスへ出かけよう
寒さも忘れる、ヨーロッパのクリスマスを体験してみてください！
ヨーロッパの冬は確かに厳しい寒さですが、クリスマスマーケットを訪れると街全体が放つ温かい光と人々の笑顔に包まれて、心までほっとあたたかくなります。
今回はイタリア・ミラノのクリスマスをご紹介しましたが、国や地域が変われば雰囲気も楽しみ方はまったく違うのが、ヨーロッパのクリスマスの面白さ。
だからこそ、いくつかのマーケットを巡って、その土地ならではのクリスマスを体験するのも旅の醍醐味です。
クリスマスシーズンだからこそ感じられる一体感があるので、ぜひ一度は体験してほしい冬のヨーロッパ旅です。
