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【富山・石川】雪国での車中泊19カ月経験者が教える雪対策&おすすめ車中泊スポット

経験者が教える雪対策&おすすめ車中泊スポット

私はこれまで、雪国の富山・石川で19カ月連続の車中泊生活を経験してきました。

車中泊を始めたのは冬。

いきなりハードモードのスタートだったと、今振り返っても思います。

そんな私ですが、今では夏より冬の車中泊のほうが好きになりました。

それは、冬ならではのトラブルに対処できるようになり、安心して楽しめるようになったからです。

今回は、私が実際に経験して学んだ吹雪・凍結・圧雪への対処法をまとめました。

雪のシーズンのドライブ旅行や車中泊をする人にとって、役立つ内容です。

能登地方の冬の特徴


雪の日の車中泊

まず北陸といえば、「大雪」を思い浮かべる人が多いと思います。

実際、能登地方でも年に2〜3回は、積雪15cm超えの大雪になります。

首都圏の人が想像する雪の量とは、やはりスケールが違いますね。

最近では大雪予報の精度がとても高く、昨年は“予報どおり”に、雪がみるみる積もっていく様子を目の当たりにしました。

最初は、あられが降り、その上にふわふわとした雪が重なっていきます。

やがて周囲は音が無い静けさに。

そして翌朝には、ボンネットの上にこんもり雪が積もっている——そんな光景が珍しくありません。

ただし、気温は意外と−10℃を下回ることはほとんどなく、凍結はあまり発生しません。

少なくとも私が活動する氷見〜七尾エリアでは、その傾向が強いです。

そして意外かもしれませんが、「道路は雪だらけ」というイメージとは違い、実際には道路に雪がない日のほうが多いです。

吹雪とドカ雪の対処法


能登の雪景色

富山の冬は、吹雪の前触れとしてまず雷が発生し、続いて激しいあられが降り始めます。

その後、強い風と雪が押し寄せ、視界が奪われて運転が危険な状態になります。

また、ドカ雪も起こります。

さらに富山では、「ブリ起こし」と呼ばれる冬の嵐が発生することがあります。

雷・あられ・暴風が一度に起こり、「いよいよ本格的に冬が来た」と肌で感じる瞬間です。

能登方面では、北海道のように前が全く見えない吹雪は少ないものの、それでも前方が見えにくくなり、運転はかなり難しくなります。

吹雪のときの避難場所


私は吹雪に遭ったとき、まず広めの駐車場へ避難するようにしています。

理由はシンプルで、駐車場のラインが見えにくく、スペースに余裕があるほうが安全だから。

コンビニやコインランドリーの駐車場も、短時間の休息や退避には良いでしょう。

ドカ雪(短時間での大量の積雪)のときの休憩スポットの選び方


ドカ雪が予想される場合は、融雪装置のある場所や車中泊利用者が一定数いる場所を選びます。

その理由は、天候が荒れると車のトラブルが発生しやすくなるため。

万が一のとき、周囲に人がいなかったり救助が届きにくいスポットは避けるべきです。

吹雪・ドカ雪それぞれの車中泊での対処法を書きます。

凍結・圧雪しやすい場所について


雪の日の車中泊

先ほど「能登方面はあまり凍結しない」と書きましたが、例外もあります。

私の経験上、能越自動車道の高岡市と氷見市の境にある海老坂峠は凍結しやすいポイントです。

日陰になりやすく、雪解け水が残り夜間に凍りやすくなっています。

また、橋の上は凍結しやすいようです。

実際に、橋からトレーラーが落ちかけている場面を見たことがあり、強く注意するべきだと実感しました。

さらに能登方面に限らず雪の多い地域では、新雪が踏み固められて圧雪(いわゆるアイスバーン)になることがよくあります。

北陸ではむしろ、この圧雪の方が怖いと感じるほどです。

凍結・圧雪への対処法


凍結も圧雪も、基本的な対応は一緒です。

・状態の良いスタッドレスタイヤを履くこと
・スピードを出しすぎないこと
・急ハンドルを切らないこと

とくにスピードが出過ぎてしまった場合は、無理にエンジンブレーキで減速するようにしています。

「滑るかも」と思ったら、まずアクセルを戻し、できるだけ圧雪されていない柔らかい雪の部分を走るようにしています。

トラブル回避しやすい車中泊スポット


雪の日の車中泊

吹雪やドカ雪が予想されるときは、場所選びが安全性を大きく左右します。

特に冬の悪天候では、車中泊スポット選びを慎重に行うことで、トラブルを事前に防ぐことができます。

私が冬におすすめする車中泊スポットは、次のような場所です。

・利用者が多い場所
・コンビニや自動販売機が近くにある場所
・除雪がしっかり行われている場所(除雪車が入ってくる場所)

これらのスポットは人の出入りがあり、万が一トラブルが起きても助けを求めやすい環境が整っています。

さらに、除雪作業が行われるため、吹雪や積雪が続いても 車が雪に埋もれにくく、脱出しやすいというメリットがあります。

では実際に、私が冬の車中泊で「ここなら大丈夫」と感じたスポット を、次の章で詳しく紹介していきます。

道の駅 万葉の里高岡


道の駅 万葉の里高岡の外観

道の駅 万葉の里高岡は年間を通して利用者が多く、徒歩圏内にコンビニもあるため、冬の車中泊でも安心感があります。

融雪装置の有無は不明ですが、高速道路インターの脇に位置しているため、除雪車が入りやすい環境にあると考えられます。

また、市街地にあるので、JAFなどのロードサービスを呼びやすいのも大きなメリットです。

高速道路が雪で閉鎖されたときの緊急避難場所としても覚えておきたいスポットでしょう。

道の駅 万葉の里高岡
所在地:富山県高岡市蜂ヶ島131‐1
駐車場の台数:普通車220台
詳細はこちら▷:道の駅 万葉の里高岡



道の駅氷見 ひみ番屋街


道の駅氷見 ひみ番屋街の外観

ひみ番屋街は、富山県内でもトップクラスの人気を誇る道の駅で、大雪の日でも営業している頼もしさのあるスポットです。

融雪装置こそありませんが、朝6時頃に除雪車が動き出し、駐車場を丁寧に除雪してくれます。

私が実際に大雪の時に泊まった際、除雪作業の邪魔にならないよう、駐車位置は端のほうに停めるのがベストだと感じました。

コンビニはやや距離がありますが、敷地内に自動販売機が多く設置されており、温かい飲み物をすぐ買えるのは大きなメリットです。

道の駅 氷見(ひみ番屋街)
所在地:富山県氷見市北大町25-5
駐車場の台数:普通車214台
詳細はこちら▷道の駅 氷見



避けたほうがよいスポット


逆に、悪天候時に避けるべき車中泊スポットは、こちらです。

・利用者が少ないこと
・コンビニや自動販売機が近くにない
・除雪装置がない、または除雪車が入ってこない

こうした場所は、吹雪やドカ雪でトラブルが起きたときに 助けを呼びにくい ため、冬の車中泊では選ばないほうが賢明です。

実際に私が“ここは避けたほうがいい”と感じたスポット を、次の章で具体的に紹介します。

比美乃江公園


比美乃江公園の雪景色

昨年、大雪警報が出ている日に実際に比美乃江公園で車中泊をしましたが、翌朝は30cmほどの積雪があり、駐車場からまったく脱出ができない状況でした。

もともと雪の日の利用を想定していない場所で、除雪車も来ません。

そこで役に立ったのが、車に常備している折り畳み式のアウトドア用スコップです。

折りたたみスコップ

このタイプは本格的な雪かきには向きませんが、省スペースで持ち運びやすく、緊急時には非常に役立ちます。

私の軽自動車はFFなので、雪をかき分けて進むタイプではなく、一度スタックすると前にも後ろにも動けなくなりがちです。

そこで
1、進めるところまでゆっくり進む
2、動けなくなったら、車の前や下の雪をスコップでかき出す
3、また進めるところまで進む

という作業を繰り返し、ようやく駐車場を脱出できました。

このように、比美乃江公園は大雪警報が出ている日に車中泊に適していません。

冬の悪天候時に利用するのは避けたほうが良いでしょう。

比美乃江公園
所在地:富山県氷見市栄町7
駐車場の台数:普通車約100台
詳細はこちら▷氷見市HP



まとめ


吹雪やドカ雪、凍結といった冬特有のトラブルに備えておけば、夏より快適に過ごせる場面も少なくありません。

今回紹介した「万葉の里高岡」や「ひみ番屋街」は、冬でも利用しやすく、除雪も入りやすい安心できるスポットです。

一方で、比美乃江公園のように、良い場所でも 大雪のときは選ばないほうが良い場合がある ことも、経験者として強く伝えておきたいポイントです。

あなたの冬のドライブや車中泊が、安全で楽しいものになりますように。

これから冬旅に挑戦する方の参考になれば嬉しいです。

能登の車中泊サラリーマン

能登地方を拠点として活動している50代男性。 普段はサラリーマンとしてとある能登地方の企業に籍を置いています。 自宅はあるものの、6カ月以上車中泊で生活していております。 私が車中泊を続ける目的は、度重なる災害で車中泊を余儀なくされた場合に備え、出来るだけ快適に過ごせるノウハウを蓄積することです。