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【体験談】雪道歴30年でもヒヤッとした、軽自動車の雪道走行で怖かった瞬間

軽自動車の雪道走行で怖かった瞬間

雪国・能登地方で生まれ育ち、雪道の運転歴は約30年。

先日まで19カ月連続で車中泊生活もしていました。

現在は自宅に戻っていますが、仕事で帰りが遅くなった日などは、今でも車中泊できる車に乗っています。

そんな雪道経験豊富な筆者ですが、先日、大雪警報が発令されている中で自動車専用道路を走行中にスリップし、あわや大事故になりかけました。

今回は、雪に慣れた地元民でも陥りやすい、「雪道走行の事故のきっかけ」を、実体験を元に紹介します。

あわせて、これまでの経験からわかった雪道運転時の注意点や、実際に使ってよかったおすすめ雪対策もお伝えします。

今回の雪道の様子


雪に突っ込む事故

まず、今回の状況についてお話しします。

車はダイハツムーヴ(2016年製)で、FF(前輪駆動)です。

タイヤはスタッドレスタイヤで、使用は2シーズン目に入ったところでした。

事故が起こったのは、深夜23時ごろの吹雪の日。

能越自動車道を石川県から富山方面へ走行していました。

富山県氷見市から高岡市に入ったあたりで雪が激しく降り、道路には轍(わだち)が目立つ状態に。

さらに風も強く、気を抜くとハンドルを取られかねない状況でした。

速度規制が入り、電光掲示板には「50km/h」の表示が光ります。

周囲を見ても車はほとんど走っていません。

そして、降りるインターが残り500mほどになったところで、事件が起きました。

前方は吹雪で視界が悪く、ホワイトアウトのような状況。

強風にあおられて車体が流れ、轍を乗り越えたその瞬間にハンドルが取られました。

雪の壁に近づいていくのが見え、思わずブレーキを踏んでしまいます。

――これが決定打でした。

車はそのまま90度回転し、ガードレール…の手前にできていた雪の壁へ突っ込む形で停止しました。

私が考えた事故の要因


今回の原因として、私が大きいと感じたポイントは以下の3つです。

・軽自動車特有の雪道での弱点
・Dレンジでの走行
・アクセルとブレーキの操作のミス

主に、これらが要因と考えています。

幸い、ケガなど命に別状はありませんでした。

本来ならガードレールに突っ込んで、命を落としてもおかしくない状況でしたが、その手前の新雪の雪壁(柔らかい)があり、衝撃もほとんどなく止まれたのです。

ただし、車は雪に埋まってしまい、自力で脱出することはできませんでした。

最終的にはレスキューを呼び、助けていただきました。

軽自動車が普通車よりも雪に弱い点


軽自動車が苦手とする轍

軽自動車が苦手とする轍



軽自動車が雪道に弱い要因の一つは、車幅の狭さにあります。

上の画像を見てください。

タイヤが通った部分は跡になっていますが、通らない部分には雪がどんどん積もり、高くなります。

このような状況では、軽自動車は轍の幅が合わず、車体が揺れガタガタと不安定な走行になりやすいのです。

当日は除雪が追いつかず、轍の連続だった


轍ができている道路

事故当日は積雪が多く、除雪車の作業が追いついていない状況でした。

道路には轍ができていましたが、その幅はトラックや普通車が通る前提の轍です。

そのため軽自動車では、走行中に何度も轍を乗り越える必要があり、不安定な状態が続いていました。

轍を乗りこえる時は、タイヤが4本地面に接している状態から、一時的に3本に減り、グリップ力が低下するようです。

実際、私もそのタイミングで車が滑りました。

もうひとつの弱点は「タイヤの小ささ」


軽自動車が普通車よりも雪に弱い理由は、タイヤの小ささにあります。

今回の事故の直接的な原因ではありませんが、大雪の際はかなり深刻な問題になります。

軽自動車は、地面から車の底までの距離が普通車より短いことが多く、雪が深いと…

・車の底に雪が挟まる
・タイヤが浮いて地面に接しなくなる
・結果として動けなくなる

という状態に陥りやすいのです。

特に積雪が増えて轍が高くなると、起きやすくなります。

この状態の解消方法はシンプルで、車の下の雪を掘って取り除くこと。

そのため、雪道を走るならスコップはかなりの必需品だと感じています。

こうした理由から雪国では、ジムニーやハスラーのような軽自動車の中でもタイヤの径が大きい車の需要が高いのです。

スリップ事故を回避するテクニック


轍ができている道路

今回の事故では、軽自動車ならではの雪道の弱点だけでなく、私自身の運転のミスも重なってしまいました。

ここからは、雪道に慣れていない方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、少しでも参考になればと思い、スリップ事故を回避するためのテクニックを紹介します。

走行はDレンジよりもSレンジ・Bレンジを多用する


この方法は、個人的にかなり効果があると感じています。

私のムーヴの特性もあるのかもしれませんが、Dレンジだとエンジンブレーキがあまり効かず、下り坂ではアクセルを踏まなくても加速しそうになることがあります。

今回も、ややスピードが出てしまい(もしかすると強い追い風の影響もあったかもしれません)、思わずブレーキを踏んでしまいました。

こんな時は、エンジンブレーキが効きやすいSレンジに入れて走行するのがおすすめです。

さらに、しっかり減速したい時はBレンジを使うと安心です。

ハンドルは両手でしっかりと持っておく


最近の車はパワステのおかげでハンドルが軽いですが、これが逆に雪道では油断につながることがあります。

今回も轍にタイヤが取られた瞬間、ハンドルが想像以上に簡単に持っていかれました。

轍がある雪道では特に、両手でハンドルを「しっかり」握って運転しましょう。

急ハンドル・急ブレーキは絶対に避ける


急ハンドルと急ブレーキは、雪道では絶対に避けたい操作です。

基本中の基本ですね。

特に急ブレーキは、タイヤがロックしてしまい、逆に滑りやすくなります。(このリスクを減らす仕組みがABSです)

また「4WDだから安心」と思いがちですが、滑るときは4WDでも簡単に滑ります。

むしろ重量が重い分、止まりにくくなるケースもあります。

滑ったら、ハンドルは真っ直ぐに戻す


轍ができている道路

これは人によって意見が分かれるかもしれませんが、私が何度かスピンを経験する中で「助かった」と感じた対応です。

スピンしそうになったら、まずはハンドルをまっすぐに戻すことを意識します。

そうするとタイヤが雪(特に新雪)に当たり、抵抗が生まれて回転が止まりやすくなることがあります。

実際、長野県の安房峠でスピンしたときも、この対応で谷側へ落ちずに済みました。

周りの車よりも遅くても気にしない


雪の壁

ここはテクニックというより、メンタル面の話です。

雪道でも、周りの車がスピードを出していると「自分も流れに乗らないと」と思ってしまうことはないでしょうか?

でも、この考えは思い切って捨てて、安全第一でスピードを落としましょう。

今回の場合は周りの車がほとんどいなかったのですが、家の近くだったことで気が緩み、スピードが上がってしまったのもあるかと思います。

トンネル出口付近は減速しアクセルを踏まない


トンネルを走行中

今回の事故とは直接関係ありませんが、トンネルの出口付近は要注意です。

トンネル内は走りやすくスピードが出やすい一方で、出口は雪や凍結で一気に滑りやすくなることがあります。

私はトンネルを出る前にスピードを落とし、アクセルを踏まずに惰性で抜けるようにしています。

ちょっとしたことですが、リスク軽減になります。

高速道路・自動車専用道路でトラブったら「#9910」へ


今回の事故では、結局レスキュー隊の方に助けていただきました。

ただ、レスキューを呼ぶ方法にたどり着くまでに、かなり時間がかかってしまったのが正直なところです。

というのも、最初は「こういう時って、どこに連絡すればいいの?」ということから始まったからです。

私はまず、ネットで検索して「(高速道路名) レスキュー」で調べました。

その結果、「#9910(道路緊急ダイヤル)」に連絡すればよいことがわかりました。

トラブルに遭ったときのために、「#9910」は是非とも覚えておきましょう。

#9910に電話したら、状況を伝えて指示を待つ


#9910に連絡すると、次のような情報を伝えることになります。

・今いる場所
・車の種類
・事故の状況

その後、オペレーターの方から様々な指示を受け取り、レスキューの到着を待ちます。

最初は自力で脱出できるかと思ったのですが、実際はバンパーの下に硬い雪が入り込んでしまい、車がまったく動けない状態でした

そのため、レスキュー車に牽引してもらうことに。

牽引作業の前に「破損しても文句は言いません。」という内容の誓約書にサインをしました。

どうやらよくあるケースらしく、私の車も雪の壁にバンパーが引っかかり結果的に破損してしまいました。

修理代は6,600円で済み、そこは不幸中の幸いでした。

雪道トラブルであって良かったもの・あったら良かったもの


雪かき用スコップ

今回実際に使った道具



今回の事故で「持っていて助かったもの」、そして「持っていれば良かったもの」をまとめます。

今回は最終的にレスキューに頼りましたが、もし一人で脱出する、あるいは仲間内で救助する状況だったら、牽引ロープは持っておきたいところです。

また、雪用スコップは大きくてかさばりますが、雪国では必需品なので、すでに車に積んでいる方も多いと思います。

発煙筒




今回の事故で、人生で初めて発煙筒を使いました。

レスキューに連絡した際に「発煙筒を炊いてください」と指示され、その通りに使用。

当日は視界がかなり悪かったので、自分の存在を周囲に知らせる意味でも本当に役立ったと感じています。

もし車に積んでいない場合は、補充しておきましょう。

それほど高いものではありませんし、現在ではLEDタイプのものもあります。

牽引ロープ




今回はレスキュー隊を呼んだため、無くても大丈夫でした。

ただ、雪国では牽引ロープを常備している方が多い印象です。

実際、レスキュー隊が到着するまでの間、何人かの方から「ロープでひっぱろうか?」と声をかけていただきました。

いざという時に助け合えるよう、備えておくと安心です。

雪用スコップ




雪の壁に突っ込んだ場合、状況によっては掘り起こす必要が出てきます。

そのため、雪用スコップは「持っていた方がいい道具」です。

今回は自動車専用道路で周囲の状況も危険だったため、無理に掘り起こすのはやめました。

ただ、一般道路でスタックした場合など、スコップが必要となります。

防寒具・帽子




レスキュー隊に連絡した際に、「安全な場所に避難して!」と指示されました。

ところが、その日は大雪。

そして「安全な場所」とは、必ずしも車内ではありません。

今回は車が若干車道にはみ出していたため、車の外に出て路肩に避難するように言われました。

防寒具はありましたが帽子がなく、頭に雪が積もったまま待つことに。

冬はフード付きの防寒具や帽子など頭まで守れる防寒対策が必需品だと痛感しました。

まとめ/30年雪道運転してきて、あらためて注意したいこと


雪道運転30年の中で、これまでにスリップは3回経験しました。

それでも大きな事故にならずに済んだのは、本当に運がよかったと思っています。

以前、4WDの車で滑ったときは、車の性能をどこかで過信していました。

しかし結局、滑ってしまえばFFでも4WDでも一気に厳しくなることを痛感。

その経験から、今では「4WDじゃないとだめ」とは考えていません。

もちろん雪道では4WDが心強いのも事実ですが、過信は禁物です。

雪道運転の鉄則は、スピードを出さない、急ブレーキを踏まない、急ハンドルを切らない、ことです。

しかし、とっさの場面では思わず操作をしてしまいます。

だからこそ、せめてスピードは出さないようにしましょう。

私のムーヴは比較的車高が低い車ですが、軽バンやキャンピングカーのように車高が高い車の場合は横転のリスクもありえます。

轍や風で横転しやすくなるので、危険を感じたら無理をせず、走行を中止するのも良いかと思います。

安全な車中泊旅行を楽しみましょう。

能登の車中泊サラリーマン

能登地方を拠点として活動している50代男性。 普段はサラリーマンとしてとある能登地方の企業に籍を置いています。 自宅はあるものの、6カ月以上車中泊で生活していております。 私が車中泊を続ける目的は、度重なる災害で車中泊を余儀なくされた場合に備え、出来るだけ快適に過ごせるノウハウを蓄積することです。