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【体験談】ガイドブックにほぼ載らない国。北マケドニアをキャンピングカー旅して受けた衝撃

ガイドブックにほぼ載らない国

ガイドブックにもほとんど載っていない、情報の少ない国を旅するのは少しドキドキしますよね。

私たちは、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅すること3年。

これまで32カ国を巡ってきましたが、その中でも北マケドニアは「何が待ち受けているのか想像もできない」場所でした。

観光地としてはまだ発展途上で、キャンピングカー専用の設備も少なく、旅の実例も多くありません。

まさに未知の世界へ飛び込むような、衝撃的な体験でした。

今回は、日本でもまだあまり馴染みがない北マケドニアでの車中泊旅の様子をお届けします。

実際に走ってみて感じたことや、気になる治安、車中泊事情など、リアルな体験談をご紹介します。

ヨーロッパ各地を旅して3年×32カ国の私たち夫婦


北マケドニアの景色

私たちはキャンピングカーでヨーロッパを旅している夫婦です。

気づけば、この旅も3年が経ちました。

北欧フィンランドから、東はギリシャ、西はポルトガルまで。ヨーロッパ各国を巡りながら、これまでに訪れた国は32カ国にのぼります。

有名観光地だけでなく、あまり知られていない穴場スポットや小さな田舎町、秘境スポットなどを巡り、まるで「その土地に暮らすように旅をする」のが、私たちのスタイルです。

これまでは、キャンピングカー文化が比較的浸透している西ヨーロッパや北欧を中心に旅してきました。

しかし、車中泊暮らしにも旅にも慣れてきた3年目。

「思い切ってさらに冒険しよう!」と決意します。

西ヨーロッパを離れ、バルカン半島や東欧など、まだ観光やキャンピングカー事情があまり知られていないエリアへ足を延ばすことにしました。

ルーマニア、ブルガリア、ギリシャと旅を続け、28カ国目に訪れたのが、「北マケドニア」です。

実はそれまで、この国の名前をほとんど聞いたことがありませんでした。

どんな国なのか。安全なのか。キャンピングカーの施設はあるのか。

情報はほとんどなく、私たちにとってはまさに未知の世界へ飛び込むようでした。

北マケドニアってどんな国?


北マケドニア(北マケドニア共和国)は、バルカン半島の内陸に位置する小さな国です。

ギリシャ、ブルガリア、アルバニア、セルビアと国境を接しており、ヨーロッパの中でもあまり知られていない存在です。



実はこの「北マケドニア」という国名は比較的新しく、2019年に正式に改称されたばかり

この地域はもともと、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一部で、1991年に独立しました。

隣国ギリシャにも「マケドニア」という名前の地域があることから、国名をめぐる問題が長年続いてきました。

その結果、ようやく近年になって「北マケドニア」という正式名が決まったのです。

こうした背景からも、この国には歴史や政治の複雑さが色濃く残っていることがわかります。

現在、北マケドニアは、EU(欧州連合)には加盟しておらず、通貨はユーロではなく「デナル」が使われています。

言語は主にマケドニア語ですが、観光地では英語が通じる場面も多く、最低限のコミュニケーションにはそれほど困りません。

首都は北部にあるスコピエ。

北マケドニアの景色

さまざまな民族や文化が交差してきた土地で、街を歩くと東欧らしさと中東のような雰囲気が混ざり合う、独特の景色が広がっています。

宗教は主にキリスト教ですが、オスマン帝国時代の影響によりモスクも多く見られます。

ヨーロッパにいながら、どこか異国の空気を感じられるのも魅力です。

日本ではまだあまり馴染みがなく、観光地として訪れる人も多くはありません。

ツアーなどで訪れる機会も少なく、情報も限られているため、個人で訪れるには少しハードルが高い国とも言えます。

実は入国するか迷っていた…


北マケドニアの景色

これまでヨーロッパ各国を巡り、ほとんどの国を旅してきた私たちですが、実は北マケドニアに関しては、入国するかどうか少し迷っていました。

理由はシンプルで、「とにかく情報が少なかったから」です。

西ヨーロッパのようにキャンピングカー向けの設備が整っているわけでもなく、車中泊に関する情報や実体験のブログもほとんど見つかりません。

さらに、EU非加盟国であることや、バルカン半島というエリアに対する漠然とした不安もありました。

「治安は大丈夫なのか?」「安心して車中泊できるのか?」

これまで32カ国を旅してきた私たちでも、正直少し慎重にならざるを得ませんでした。

実際、周辺のルーマニアやブルガリア、セルビアなどを旅する中でも、「少し治安が気になる」と感じる場面があり、車中泊場所も慎重に選ぶようになっていました。

さらに、情報が少ない北マケドニアは、まさに未知の世界。

スキップするという選択肢も、頭をよぎります。

それでも最終的に出した答えは、「行ってみよう」でした。

分からないからこそ、自分たちの目で確かめたい!

これまでの旅でも、不安だった場所ほど、実際に訪れてみると印象が大きく変わることが何度もありました。

そして何より、「まだ知られていない場所だからこそ行ってみたい!」という気持ちが大きかったのです。

とはいえ、治安やキャンピングカー設備への不安があったため、今回は3日間の短期滞在に。

また、国全体を巡るのではなく、西部エリアに絞って旅することにしました。

北マケドニアの車中泊事情は?


北マケドニアの景色

私たちは新しい国や知らないエリアを訪れる前に、必ずその土地のキャンピングカー向けの施設や車中泊スポット、治安などを事前に調べてから向かうようにしています。

今回の北マケドニアでも同様にリサーチを行いましたが、まず感じたのは「キャンピングカー向けの設備がほとんど整っていない」ということでした。

西ヨーロッパでは一般的なRVパークのような専用施設はほぼなく、あるのはオートキャンプ場が中心。

しかもそれらは国中に点在しているわけではなく、オフリドなどの有名観光地周辺に限られている印象です。

さらに設備面も十分とはいえず、水場はあっても排水設備やトイレ処理場がない場所が多く、長期滞在にはやや不便さを感じます。

そのため私たちは、入国前にギリシャで排水や給水などをすべて済ませ、北マケドニアではそうした作業が不要な状態で入るようにしました。

一方で、車中泊スポット自体はゼロではなく、自然の中や湖畔の公共駐車場など、いくつか候補は見つかります。

北マケドニアの景色

ただし、廃墟や荒れている場所も多く、個人的には少し不安を感じるロケーションもありました。

実際、車中泊アプリ「park4night」のレビューを見ると、「車上荒らしにあった」「夜中に不審者が車の周りをうろついていた」といったコメントも見られます。

そのため今回は無理をせず、安全第一の選択をし、カメラやゲートが設置されている有料のキャンプ場を利用するようにしました。

また、現地では同じようにキャンピングカーで旅している人をほとんど見かけず、その点でも少し心細さを感じました。

とはいえ、事前にしっかり情報収集を行い、安全そうな場所を選べば、大きなトラブルなく旅をすることは可能です。

北マケドニアは「どこでも自由に車中泊」というよりも、「場所選びがとても重要になる国」だと感じました。

車中泊スポットを探すアプリの紹介記事はこちら▷【日本でも使える】3年間のヨーロッパ車中泊旅で大活躍中のアプリ「Park4night」を紹介

何が待ち受ける?北マケドニアへ入国!


北マケドニアの地図

今回は、3日という短い日程で北マケドニアを旅することにしました。

ルートは、ギリシャ北部から国境を越え、まずはBitola(ビトラ)へ。

そこから世界遺産にも登録されているOhrid Lake(オフリド湖)を訪れ、西部エリアを北上しながら、最終的にアルバニアへ抜ける計画です。

ギリシャから北へ向かって車を走らせていると、まず目に入ってきたのは、少し意外な光景でした。

北マケドニアの熊注意看板

道路のあちこちに設置された「熊注意!」の看板が。

この地域では野生の熊が出没するようで、のどかな風景の中に、どこか緊張感が漂います。

さらに進むと、いよいよ北マケドニアの国境検問所に到着。

ここから一気に空気が変わります。

北マケドニアはEU非加盟国であり、そしてシェンゲン協定にも含まれていないため、しっかりとした入国審査があります。

北マケドニアの入国審査

審査官に車の書類やパスポートを提出し、いくつかの質問に答えていきました。

「トルコには行ったか?」
「アルバニアは通ったか?」
「違法なものは持ち込んでいないか?」

何も問題はないと分かっていても、独特の威圧感に少しドキドキしてしまいます。

その後、問題なく入国許可が下り、ホッとひと安心。

こうして「キャンピングカー旅28カ国目」となる北マケドニアへ足を踏み入れました。

国境越えの注意点と安全に通るためのコツをまとめた記事はこちら▷【ヨーロッパ・車旅前に必読!】キャンピングカー旅3年・32カ国の国境越え夫婦が教える、国境越えの注意点と安全に通るためのコツ

実際に旅してみたら、衝撃だった!


北マケドニアの景色

今回は都市部には行かず、あえて小さな町や自然の多いエリアを中心に巡るルートを選びました。

走り出してすぐに感じたのは、これまで旅してきた西ヨーロッパとはまったく違う景色。

オスマン帝国時代の影響が色濃く残り、各地にモスクが点在しています。

どこか中東のような雰囲気もあり、同じヨーロッパとは思えないほど。

石造りの街並みや素朴な住宅、ゆったりとした空気感。

まるで別の地域を旅しているような感覚でした。

そんな中で、強く印象に残った衝撃的な光景が「ゴミの多さ」です。

道路脇や住宅の周辺、川沿いや草地など、さまざまな場所に無造作に捨てられたゴミが目に入ります。

北マケドニアの景色

走っている間、視界に入らないことのほうが少ないほどで、正直かなり驚きました。

さらに驚いたのは、すぐ近くにゴミ箱があるにもかかわらず、その周囲にゴミが散乱している光景です。

北マケドニアの景色

背景には、ゴミ処理インフラや収集体制が十分に整っていないこと、旧ユーゴスラビア時代からの社会の変化、経済的な事情など、さまざまな要因があるとも言われています。

もちろん、国全体がそうというわけではありません。

ただ、いくつかの地域ではゴミの量がかなり目立ち、旅の中でも特に印象に残る出来事となりました。

世界遺産のOhrid Lake(オフリド湖)


オフリド湖の景色

こうした現実的な一面に触れながら旅を続ける中で、その印象をいい意味で覆してくれたのが、世界遺産・オフリド湖の存在でした。



北マケドニア南西部に位置するこの湖は、隣国アルバニアとの国境にまたがるバルカン半島屈指の美しい湖です。

ヨーロッパでも最も古い湖のひとつとされ、その歴史は数百万年前にさかのぼるとも言われています。

透明度の高い水と、山々に囲まれた穏やかな風景。

どこか時間が止まったような、静けさに包まれた場所です。

湖畔には、石畳の旧市街が美しいオフリドの町があり、教会や修道院が点在。

落ち着いた雰囲気の中で、町を散策することができます。

観光地でありながらも、過度に観光地化されていない素朴な空気感も、この場所の大きな魅力です。

オフリド湖の景色

私たちは町の中心ではなく、少し離れた湖畔にあるキャンプ場に滞在しました。

シャワーやトイレ、キッチン、洗濯機、外部電源などの設備が整っており、想像以上に快適な環境。

オフリド湖のキャンプ場

さらに、小さなプライベートビーチのようなスペースもあり、目の前に広がる静かな湖を眺めながら、ゆったりと過ごすことができます。

オフリド湖のキャンプ場の景色

朝は、水面に反射するやわらかい光で目を覚まし、夜は、波の音だけが静かに響く。

そんな贅沢な時間を過ごせる場所でした。

北マケドニアを訪れるなら、間違いなく外せないスポットです。

【まとめ】北マケドニアはキャンピングカー旅に向いているのか?


今回、3日間という短い滞在ではありましたが、実際に北マケドニアを旅してみて感じたのは、ややハードルがあり、決して“誰にでもおすすめできる国”ではないということでした。

キャンピングカー向けのインフラはまだ十分とは言えず、RVパークのような専用設備はほとんどありません。

車中泊スポットや設備の情報も限られており、事前のリサーチは欠かせません。

また、治安についても場所によって差があり、「どこでも安心して泊まれる」という環境ではないため、慎重な判断が必要になります。

そのため、これからキャンピングカー旅を始めたい初心者の方にとっては、少しハードルが高い国だと感じました。

一方で、実際に走ってみて出会えた景色や空気感は、これまで旅してきた西ヨーロッパとはまったく異なるもの。

素朴な町並みや文化の違い、そしてオフリド湖のような美しい自然。

「まだあまり知られていないヨーロッパ」を体感できる、そんな魅力がありました。

快適さや安心感を重視する旅というよりも、少しの緊張感と未知の体験を楽しみたい人にとっては、とても面白い国だと感じました。

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!