バンライフ
白夜のノルウェーで車中泊!バンライファーが教える2カ月のルートと旅の楽しみ方

ヨーロッパ周遊中バンライファーが約2カ月ノルウェーで車中泊旅してみた
ノルウェーは、北半分が北極圏に位置し、雄大な自然に囲まれた国です。
美しいフィヨルドや幻想的なオーロラなど、魅力あふれる風景が広がっています。
そんな自然に溢れるノルウェーが車中泊の楽園とご存知でしょうか?
いくつかのルールを守れば、どこでも自由に車を停めて車中泊ができるため、絶景スポットで寝ることが可能なのです。
今回は、キャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊している私たち夫婦が、約2カ月ノルウェーを旅してわかった、車中泊の魅力や現地の車中泊事情、おすすめのルートなどを紹介します。
アウトドア好きにはたまらない!ノルウェーってどんな国?

ノルウェーは、北ヨーロッパのスカンディナビア半島の西岸に位置し、スウェーデンやフィンランド、ロシアに隣接している国です。
面積は38.6万平方キロメートルで、日本とほぼ同じ大きさ。
山や湖、森など豊かな自然に囲まれているので、ハイキングやキャンプなどのアウトドアアクティビティに最適な環境です!
国土の北半分が北極圏に位置しているため、夏は比較的涼しく、冬は厳しい寒さで氷点下になります。
言語はノルウェー語が使われていますが、英語でも十分に通じるため、旅中に困ることはほとんどありません。
通貨はノルウェー・クローネ(NOK)が使われていますが、キャッシュレス化が進んでいるので、ほとんどの場所でカード払いが可能です。
私たちも約2ヶ月の車中泊旅の間、一度も現金を使うことなく、すべてカードで支払いができ、とても便利でした。
次のページ▷▷▷【ノルウェーは車中泊旅に最適だった!絶景の景色とともにご紹介します!】
【キャンピングカーでヨーロッパ周遊中】10カ国目のノルウェーへ到着

私たち夫婦は、キャンピングカーでヨーロッパを周遊しながら生活をしています。
現在旅を始めてから1年9カ月が経過しました。
イタリアをスタート地点として、その後フランス、スイス、ドイツなど、10カ国以上を訪問し、今年の夏はノルウェーで過ごすために北欧に向かって北上を始めました。

私たちはデンマークから3時間のフェリーでキャンピングカーを乗せてノルウェーに入国。
南部にあるクリスティアンサンから旅を始め、まずはノルウェー中部にある絶景のヨトゥンヘイム国立公園とドブレフエル国立公園を訪れ、思う存分トレッキングを楽しみました。
その後、さらに北上し、北極圏を超え、世界で最も美しい場所の一つとも呼ばれる、北部の島の「ロフォーテン諸島」へ辿り着きました。
南からスタートし、北部までノルウェー全体を縦断したその総距離は約1700km!
1カ月半かけて車中泊しながらゆっくり縦断し、各地で言葉を失うほどの美しい絶景を楽しみ、素晴らしい体験となりました。
これまでヨーロッパで訪れたどこの国よりも豊かな自然に溢れていて、自由で、車中泊旅には最高すぎる場所だと発見したので、そんなノルウェーの魅力をお伝えしていきたいと思います。
走行したルートはこちら
24時間太陽が沈まない?白夜のサマーシーズンがおすすめ

ノルウェーは緯度の高いため、6月〜8月の夏の間に「白夜」と呼ばれる、太陽が1日中沈まない現象が起こります。
北に行けば行くほど日照時間が長く、夜遅くまで明るいため、観光やアクティビティを思いっきり楽しむことができます。
夏の気温は15〜20℃と爽やかで過ごしやすく、この時期が観光するのに最適です。
ただし、「真夜中の太陽」を見に訪れる観光客で混雑することもあるので注意。
混雑を避けたい場合は、8月下旬〜9月の秋前がおすすめ。
少し冷えますが、気候は穏やかで過ごしやすく、観光客も少ないのでゆっくり楽しめます。
11月〜3月にかけての冬の時期は、日照時間が短く雪に覆われ、氷点下になることも多いので、車中泊旅には厳しい季節です。
私たちは夏と紅葉を堪能したかったので、7月下旬から9月下旬までノルウェーに滞在しました。
どこでも車中泊OK?!自然を探索する権利の「アレマンスレッテン」とは

北欧には「Allemansrätten(アレマンスレッテン)」というスウェーデンの言葉があり、「誰もが自由に自然を散策して楽しむ権利がある」という意味の、自然享受権(しぜんきょうじゅけん)が存在します。
これにより、人が住む家から150m以上離れていれば、山や森、湖など自然の中で車中泊や野営キャンプができます。
ただし、いくつかのルールがあります。
植物や動物に配慮し、ゴミを捨てないこと。
自然保護区や所有地、キャンプ禁止エリアでの宿泊はNG。
また、同じ場所での宿泊は2泊まで。
4月15日〜9月15日までは焚き火は禁止などありますが、一定のルールを守ることで、自由に自然を楽しむことができます。
絶景の大自然の中で、最高の車中泊ができるのはノルウェーだけ!
給水・排水のできるダンプステーションも豊富!快適な車中泊旅が実現

キャンピングカーの旅で欠かせない給水、排水作業について不安もありましたが、ノルウェーはサマーシーズンになると、ヨーロッパ各地から何百台ものキャンピングカーが集まる人気の車中泊・観光エリアなので、キャンピングカー専用の設備はバッチリ。
ノルウェーのガソリンスタンドには「ダンプステーション」と呼ばれる、キャンピングカー専用の給水、排水処理、カセットトイレの処理・洗浄ができる施設がいくつかあります。
そのほとんどが無料で利用でき、一部では50NOK(約600円)ほどで作業が可能です。
また、ガソリンスタンド以外にもダンプステーションがある施設がいくつかあり、そこに立ち寄って水作業が完了できるため、とても便利で車中泊を楽しむ人にとってはありがたい存在です。
ノルウェー車中泊で欠かせないアクティビティ5選
大自然を気持ち良くドライブ

ノルウェーは広大な土地が広がっており、ロードトリップするには最高です!
道も広く、道路の舗装もしっかりしているため、大型キャンピングカーでも楽に運転できます。
オスロなどの都市部は密集したエリアで運転がしにくくおすすめしませんが、一歩郊外に出ると田舎の風景が広がり、色とりどりのノルウェーの可愛い民家や、山や湖とのどかな風景が楽しめます。
絶景の場所で車中泊!アウトドアライフを満喫

上記で説明したアレマンスレッテンの自然享受権によって、日本では考えられないような絶景スポットでの車中泊が可能なのです。
もちろん、自然の中でのトイレや水場といった設備はありませんが、場所によっては自由に使える焚き火台などが設置されているスポットもあり、アウトドアライフを満喫できます。
自然の音を聞きながら美しい景色に癒され、夜には満天の星空の下で眠ることができる、まさに贅沢すぎる車中泊体験ができるのです。

車中泊スポットは「Park4night」のアプリで見つけるのがおすすめです。
写真やレビュー付きでそのスポットを事前に調べられるのでとても便利で私たちも大活用しているアプリです。
Park4nightアプリの記事はこちらから読めます。
世界遺産にもなっている「フィヨルド」を鑑賞

フィヨルドとは、約100万年前に北欧を覆っていた氷河が溶け、氷河の侵食作用で形成されたU字谷に、海水が入り込んでできた地形のことです。
ノルウェーには1700以上のフィヨルドがあり、その美しさからガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドは世界遺産にも登録され、人気の観光スポットとなっています。
標高1500mの山々に挟まれたフィヨルドでは、展望台に登って上からの絶景を鑑賞したり、船に乗ってフィヨルドクルージングを楽しんだりと、様々な角度からその雄大な景色を楽しめます。
雄大な自然の中を気ままにハイキング

ノルウェーは手付かずの雄大な自然が広がっており、ハイカーの楽園でもあります。
初心者から上級者まで楽しめる、数多くのハイキングやトレッキングコースがあり、車でのアクセスも抜群。
車中泊スポットからそのままハイキングを始められることも魅力のひとつです。
特におすすめなのが、「巨人の住処」とも呼ばれるヨトゥンヘイメン国立公園です。
ノルウェーで最も高い山が集まる山岳地帯で、面積1,151平方キロメートルもの広大な土地には、いくつものハイキングコースが存在します。

ノルウェーでしか見ることのできない大自然を堪能しながら、この地域にしか生息しないトナカイやムース(ヘラジカ)などの野生動物に出会うこともできます。
野生動物に遭遇した場合は、餌を与えたり、驚かせたりせず、距離を保ちながら遠くから観察するようにしましょう。
運が良ければ幻想的な「オーロラ」を見れちゃうかも!

ノルウェーの北部は北極圏に位置しているため、運がよければオーロラを観ることができます。
オーロラ観測のベストスポットは、北極圏最大の都市「トロムソ」や「ロフォーテン諸島」などで、毎年8月下旬から4月上旬頃まで観測可能です。
ベストシーズンは11月〜3月の真冬ですが、私たちはラッキーなことに、9月上旬にロフォーテン諸島に滞在中、オーロラを見ることができました。
車中泊しながら、真上には感動的なオーロラがユラユラと現れ、一生の思い出に残る体験となります。
ノルウェーで手付かずの自然を味わおう!

2カ月間ノルウェーでの車中泊旅で感じた魅力を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
ノルウェーはアウトドアアクティビティをたっぷり楽しみ、大自然を満喫できる最高の国で、車中泊にはとてもおすすめです。
これからも北欧でのキャンピングカー旅を続けながら、素敵なスポットや車中泊事情をこちらで紹介していきますので、お楽しみに!