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バンコンに家庭用エアコンは実際にどう?



日本の夏は暑い。それも、全国的に・年々暑くなっている気がする。

近頃は「避暑を目的に北海道にキャンプに出掛けたら、東京よりも暑かった!」なんていう笑えない話も聞く。

私も「キャンピングカーはどこへでも自由に行けるのだから、暑かったら涼しい場所に行けばいい」などと講演会で話していたのだが、もはや涼しいのは高所だけと言ってもいい昨今である。

しかし、せっかくのキャンピングカーである。暑いからといって行き先が限られるというのも何だか癪な話だ。

そこで今回は、キャブコンではもはや常識的となった家庭用エアコンをバンコンにつけたらどうだろうか、という話をしてみたい。

バンコンにこそ必要?


バンコン

日本RV協会発行の「キャンピングカー白書2021」によれば、家庭用エアコンは『ユーザーが関心を持っている装備』の4位になっている。昨年は7位だったから、ユーザーの関心度も上昇中だということだ。

エアコンが「要るか」「要らないか」と言われれば、今や「要る」一択だろう。四季を通して遊びたいなら必須といっても過言ではない。

むしろ、断熱面などで不利なバンコンにこそ欲しい装備ともいえる。

実際、各ビルダーから最近発表されるバンコンには、標準装備もしくはオプションで用意されていることが多く、この傾向は継続していくことだろう。

メリット・デメリットを考えよう


室内エアコンのメリットは何と言っても「四季を通してどこでもキャンプができる」ことだろう。

ペット連れでも、安心して車に留守番させて、外食などを楽しめるだろう。小さなお子さんやお年寄りが同伴していても、エアコンがあれば何かと安心である。

一方、デメリットは何だろうか。これまた圧倒的に「スペース」と「重量」だ。

特にバンコンの場合は、室内機・室外機ともに設置スペースの確保が大変だ。室内機は収納庫や窓をつぶしてスペースを用意する。室外機はこれまた収納庫をつぶす、あるいは室外機を改造して床下に吊る、といった方法をとらなければならない。

さらには、エアコンを駆動させるために追加バッテリーやDC/ACインバーターなどの周辺機器も必要になる。これらの設置場所も考えねばならない。スペースに限りがあるバンコンにはなかなか頭の痛い問題だ。

スペースだけでなく、それら機材の重量増も気になるところである。

どんなエアコンがある?


家庭用エアコン

これまで、停泊時に使えるエアコンとしては、一般家庭用のエアコンを装着するものが多かった。

日本製の家庭用エアコンは、省エネ性能に優れている上に、室内外機の運転音も静かなので、キャンピングカーにはうってつけなのだ。

とはいえ、普通のエアコンは建物内に定置して使うのが前提。持ち歩くことなど考えられていない。

その分、サイズがやや大きく設置場所が限られるのが難点である。また、電源としてAC100Vが必要なので、車で使うにはDC/ACインバーターは必須だ。

車載用エアコン

そこで最近注目されているのが、DC12V駆動の車載専用エアコンだ。

最初から車載目的に作られているためコンパクトで、特に室外機は無理なくバンコンの床下に収められるようにできている。

AC100Vがある場所での給電をどうするかといった問題はあるが(※)、これから様々な商品が登場することが考えられる要注目のジャンルだ。

※通常、AC100Vの電源があるキャンプ場などでは、DC12Vのサブバッテリーが充電される。が、充電のみの電力はごく弱く、エアコンを駆動するほどのパワーにはならない。
車載用エアコンをAC100V接続で動かすには、充電用に搭載されているAC/DCコンバーター(AC電源からDC電力に変換するもの)を大出力タイプに変更する必要がある。

これからも、日本の夏が暑いことには変わりはないだろう。

リセールバリューも含めて考えれば、バンコンでも停泊時に使えるエアコン装着が当たり前になっていくだろう。