キャンピングカー 選ぶべきは2駆か?4駆か?
国産キャンピングカーを選ぼう(買おうか?)とするとき、誰もがはたと悩むのが、「2駆にするか、4駆を選ぶべきか?」という問題だろう。
国産キャンピングカーは、軽自動車ベースからバスコンに至るまで、どちらも用意されている。
バスコンについては、三菱・ローザにあるだけだが、キャブコンやバンコンであれば、メーカー、サイズを問わず、どちらかの駆動方式が選べるのだ。
こればかりは買った後から変更することはできないので、購入前にじっくり考えておきたいところだ。
それぞれのメリット・デメリット
それぞの駆動方式のメリット・デメリットは、ほぼ相反関係にあるといっていい。
ちょっと整理してみよう。
まず4WD(四輪駆動)のメリットとデメリットを見てみよう。
△メリット
・優れた走破力
雪道、未舗装路などでの走破力が高い。ウィンタースポーツに向かう雪道はもちろん、雨天時のキャンプ場などでも頼りになるのが4WDだ
・優れた安定性
フルタイム4WDであれば走行安定性が高い。常に四輪に駆動力がかかるフルタイム4WD車は、舗装路でも雨天、横風などの外乱に強い。
▼デメリット
・価格が高い
4WDの価格はどうしても高くなる。四輪すべてに駆動メカニズムを組み込むことになるのだから、それだけ部品も多くなる。車両にもよるが、二輪駆動に比べて数万〜数十万円ほど高くなる。
・燃費が悪い
2WDに比較すると4WDは燃費が悪い。まずメカニズムが増える分だけ、重量も増える。動く部品が多い分だけ、走行抵抗や所要パワーも増える。それはそのまま、燃費にも反映してしまう。
これらのメリット・デメリットを反転させたのが、2駆(FFまたはFR)だと思えばいい。
つまり、二輪駆動は、『△ 価格が安くて・燃費がいい』かわりに、『▼ 走破力と安定性は四駆よりも劣る』ということである。
自分の車はどちらにするのが正解か?
2WDか4WDか。それを考える時、まず検討するべきは自分の遊び方だ。
結論から言ってしまえば、私は4WD推しである。が、それでは話が終わってしまうので、その理由を説明しよう。
スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しむ人なら、雪道を走る機会は多いだろう。そんな人にとって4WDは必須といってもいい。
ウインタースポーツはしないという人でも、非舗装のキャンプ場などによく行くならば、雨天時の草地や土むきだしの不整地で、4WDは威力を発揮する。
ただでさえ重量のあるキャンピングカーは、スタックすると、脱出作業はなかなかに大変である。
私自身、ハイシーズンのスキー場や雨上がりのキャンプ場で、何度スタックからのレスキューを手伝ったか知れない(もちろん手伝ってもらったこともある!)。
2WDよりも価格が高いという点はネックにも思えるが、リセールバリューまで含めて考えれば、そう悪くはないとも思う。
4WDを選ぶにあたって問題になるのは、エンジンとの組み合わせを考慮せねばならいことだろう。
例えば、トヨタ・カムロードの場合。ガソリン車には4WDが用意されていない。カムロードベースで4WDを選ぶなら、自動的にディーゼルになる。しかも4WD車にはリア・シングルタイヤしか用意されていないのだ。
どうしても4WDでガソリン車がいい、と思うなら、現状、国産のキャブコンにもバスコンにも選択肢はゼロ!なのである。が、バンコンならば可能性はある(ハイエースのガソリン車で4WD設定を選ぶなど)。
ただ、車種を変えてでもガソリン車にこだわる、4WDにこだわる必要があるかといえば、個々人で熟考するべき問題だとしかいえない。
では、2WDを選ぶべき人、というのはいるのだろうか?
それは、上記のような遊び方をあまりしない人、である。
たとえば、キャンピングカーで行きたい先が、全国の温泉地だったり、酒蔵巡りをしたい、だったりする人たち。走る場所はほぼ、舗装道路のみ。積雪時期にはあまり走らない。山道や不整地を走る可能性も低い。
むしろ都市型の旅をする人にとって、4WDという選択は、安心材料ではあっても、オーバースペックともいえるかもしれない。
それよりは、初期費用が安価で燃費が良いほうがメリットは大きいだろう。
2WDだって大丈夫!ウラ技?LSDがある
冒頭で書いたように、後から駆動方式を変更することはできない。が、2WDの走破性を高めることができるパーツはある。
それが、LSD=Limited Slip Differentialだ。
詳細な説明は長くなるので省くが、このパーツを取り付けることで、走破性は向上する。
ハイエース用やNV350キャラバン用などが市販されているので検討してみるのもいいだろう。
2WD車で走破性に悩んでいる人なら要チェックだ。
一方で、カムロードには専用品がない。以前はトヨタのオプションとしてLSDがあったのだが、現行モデルには設定が無い。
一部、ハイエース用の社外品を取り付けている人もいるが、残念ながら保障はない。あくまで自己責任で、というのが現状なのである。