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知識

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よく眠れない?RVパークなど「駐車場」タイプの場所で寝るための安眠対策

車中泊の旅をしていると、駐車場で眠る夜がたびたびあります。

といっても、近年「迷惑行為」として話題になる道の駅やサービスエリアで眠るという意味ではありません。

公認の車中泊地として人気のRVパークも、基本的には「駐車場」です。

なかには芝生サイトだったり立派なウッドデッキがあったりと、オートキャンプ場も顔負けのところもありますが、原則として車外での活動は制限されています。

テーブルの展開程度は許可されているものの、野外調理や花火やペットを遊ばせるなどの行為はNG。

「あくまで駐車場である」というのが基本的なスタンスです。

「湯YOUパーク」や「ぐるめパーク」では、よりその傾向が強くなります。

ホテルや入浴施設や飲食店の来客用駐車場が、そのまま車中泊スペースとなっていることがほとんど。

普通車サイズの駐車マスであることも多く、ドアを開ければすぐに隣の車、という状況もしばしばです。

そんな場所で車中泊をすると、どんなことが起こるか、またどんな対策をしているかご紹介します。

過去にはこんなアクシデントが!


ハンドル

とあるRVパークでのこと。

予約した施設に向かっていたところ、管理者から連絡が入りました。どうも想定よりも多くの予約が入ってしまった模様。

「縦列駐車になってもよいですか?」「後列の方は車を移動しないと話していますので、前列に停めてください」といいます。

一度は承諾したのですが、その後も「やはり後列で」などと現場での混乱が伝わる連絡が続き、利用を断念。

たしかにRVパークに車を駐車したまま徒歩や公共交通機関で出かけることはよくあるので、日中は可能かもしれません。

けれど夜になれば、食事や入浴など一時的に車を動かしたい場面はたくさんありますし、出発時間や帰着時間も人によって異なります。

後列になった車は、そのたびに前列の車に移動をお願いしなければならず、また前列の車内に人がいない場合もあるでしょう。

前列になれば、いつでも車を動かせる自由がある一方で、後列の方からいつ「動かしてください」と声をかけられるかわかりません。

数年前の話なので、さすがに今は縦列駐車を想定しているRVパークはないと思いますが、隣の車との距離が近い施設はままあります。

RVパークの登録条件のひとつに「4m×7m程度の駐車スペース」がありますが、現場では混雑状況に応じて台数を加減したり、駐車スペースを変えたりするなど、臨機応変の対応がしばしば見受けられます。

また、車から至近距離を歩行者が通るケースもたくさんあります。

このような環境でも安心して寝られる工夫には、どんなものがあるでしょうか。

安眠を妨げる要素


駐車場

眠れない夜になる原因には、物理的要素心理的要素があると思います。

前者は温度、明るさ、静かさ、通行人の視線、シートの形状、地面の傾斜といった環境の要素

後者は不安や緊張などの心理的な要素です。

具体的に見ていきましょう。
次のページ▷ 安眠を妨げる様々な要素が!安心して眠れる工夫をご紹介します!


通行人の視線


リクライニング
たとえばサービスエリアなどで、ちょっとシートを倒して横になるというのは誰しも経験があるでしょう。

「誰もこちらに興味なんてない」とは思いながらも、通行人の視線は気になるもの。

逆に通行人の立場になると、無人だと思った車内に人が寝ていてびっくりする、という経験もありますね。

これらを回避するには目隠しが必須。

キャンピングカーであっても普通車であっても状況は同じです。

とくに太陽光を通さない遮光カーテンは、しっかりとした目隠しになるだけでなく室温上昇を防ぎ、車内の明かりを外にもらすことも防げるという一石三鳥です。

道路を走る車のヘッドライトなどが車内に入りにくくなりますし、市街地のRVパークでは商業施設の照明や街灯が一晩中ついている場所もあるので、余計な光をシャットアウトできます。

車内の様子を把握しにくくなり、車上狙いを予防する防犯上の利点もあるでしょう。

普通車であっても、車種別に作られたジャストサイズのマルチシェードを用意するだけで、格段に車中泊がしやすくなると思います。

たとえばカー用品メーカーのAizu社では、車ごとに専用設計されたマルチシェードやバグネットを多数展開しています。

公式HPはこちらAizu

温度と湿度


電気毛布

暑さや寒さに耐えていると、どうしても眠りが浅くなります。

とくに寒さは「これくらいなら我慢できるかな?」と無理せずに、しっかり対処するのが安眠のコツだと思います。

車同士が密着した駐車場では、燃焼音の出るFFヒーターの使用は気が引けます。

また、喉がガサガサに乾燥して、風邪をひきやすくなってしまうのも困りもの。

私は耳鼻咽喉が弱いので、数日間も影響が続きます。

そんなときには電気毛布が大活躍。

無音なのに温かく、空気の乾燥も招かず、肌寒い時期には必須アイテムです。

騒音


スマートフォン

車外を通る車の音や、人の声が気になる場合。

防音性能としては耳栓が最適かもしれませんが、私はひとり旅のことも多いので、周囲の音がまったく聞こえなくなるのも不安があります。

そんなとき、私はイヤホンでオーディオブックを聞きながら眠っています。

耳栓ほどしっかり遮音するわけではなく、それでいて車外の雑音が遠くなりますし、スリープタイマーをかけておけば自然に再生終了します。

ただし、ワイヤレスイヤホンの誤飲事故や、長時間イヤホンを装着することによる健康被害の指摘もありますので、試される場合は慎重にご検討ください。

トイレ対策や傾斜対策


トイレ

夜中に起きて公衆トイレに行くと、その往復だけで目がさえてしまいがち。

また、車外に出たくないばかりに、ついついトイレを我慢して眠りが浅くなってしまうこともありました。

尿意で目覚める回数を減らすためにも「車内トイレは必須」と考えています。

暑さや寒さのなか身支度して車外に出なくてよいので、再び眠りに落ちることも簡単です。

私の車はもともと車内トイレを置くほどのスペースはないのですが、「無理してでも搭載してよかった装備」ナンバーワンです。

その他、シートの凸凹を軽減するためのマットや、車の傾きを調整するための水準器&レベラーを愛用する方もいますね。

私は最近、キャンプ用のインフレーターマットを導入しました。

空気の力でふくらみ、エアーマットのように使えるものです。


心理的要因


カーテン

すぐ外に他車や他人の気配がするという環境は、安心な面もあれば、不安な面もあります。

よく「枕が変わると眠れない」という人がいますが、生物としては自然な反応です。

自分の慣れ親しんだテリトリーではない、いわば安全かどうかわからない場所で、無防備に眠ることにはリスクがあります。

ある程度の緊張状態が続くことは、身体に備わった防衛メカニズムとも呼べるでしょう。

ただし、ここには「慣れ」の要素がありそうです。

私も車中泊旅を始めた当初は眠りが浅く、一時間おきにスマートフォンの時刻表示を確認するような状態でしたが、何度も繰り返していくうちに眠れるようになりました。

ここは眠っても大丈夫な場所である、と自分の頭に上書き保存していくような感覚です。

上述した目隠しカーテンも安心感にもつながりますね。

あまりに慣れすぎると、今後は危険を察知する感覚が鈍ってしまうのが難点なので、気を引き締めるよう心がけています。

他車への配慮も忘れずに


設備

ここまでは「自分がよく眠るために」という話でしたが、周囲に迷惑をかけない滞在の仕方も大事です。

とくに音への気配りは欠かせません。

アイドリングはもちろん、もし発電機を使用するなら時間にも配慮。

前述したとおり、夜にはFFヒーターの音も気になります。

もっとも響くのはドアの開閉音。

とくにベッドメイキングや荷造りのときなど、無意識に開けたり閉めたりを繰り返すことも多いでしょう。

運転席や助手席のドアに比べると、イージークローザーのついたスライドドアの方が静かなので、私はそちらを出入りのメインにしています。

ドアを開けた途端、お隣さんとばっちり目が合うというのもちょっと気まずいので、キャブコンでしたらエントランスの位置を調整するのもありですね。

私は四方にドアのあるバンコンなので出入口は動かせないのですが、「人がいない方向から降りる」というのは基本です。

オートキャンプ場では用途によって区画が区切られていたり、サイレントタイムが設けられていたりと、「お互いに配慮して快適に寝ること」に関する長年のノウハウが積み重なっていると思います。

一方RVパークなどの「駐車場で車中泊をする」というスタイルには、まだまだ発展途上の側面があると思います。

これからも工夫をしながら快適なスタイルを模索していきたいと考えています。

SAYA

キャンピングカー乗りのフリーライターです。ときに家族と一緒に、ときにソロで日本中を巡っています。テントキャンプは初心者ですが、便利で快適なRVパークを探して西へ東へ。女性1人旅のコツや、車中泊、RVパークの情報をお届けします。