キャンピングカーは酔いやすい?車酔い対策をしてドライブを楽しもう!
読者の皆さんは車酔いをした経験はありますか?
筆者自身は小学生時代に、景観のいい山やキャンプ場までの道のりにある「くねくね道」などで酔ってしまった経験が何回かあります。
実際、人は脳の一部(前庭小脳)が発達し始める4歳から12歳くらいの年齢が最も酔いやすいと言われているので、お子さんがいる家庭は特に注意が必要です。
また、大人の場合も体調や車内・道路の環境、精神面の状態などの要素が合わされば突然車酔いを引き起こしてしまうかもしれません。
せっかく楽しみにしていた旅行で車に酔ってしまったら、その時点で気分は下がりますよね。
特に「キャンピングカーは酔いやすい」とも噂されているので、これからキャンピングカーをレンタルして車中泊や旅行を楽しみたい方にとっても心配要素の一つだと思います。
そこで今回はキャンピングカーにおける「車酔い」にスポットあててご紹介!
キャンピングカーが酔いやすいと言われている原因から、車酔いの対策と酔ってしまった時の対処法について看護師キャンピングカーオーナの筆者がご紹介していきたいと思います。
車で旅行を計画している方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね!
キャンピングカーは酔いやすいの?
普段乗る普通乗用車であれば酔わないけれど、キャンピングカーに乗ったら酔ってしまった…という経験があれば以下の原因が考えられます。
キャンピングカーの居室部分の構造が原因
人が車酔いを起こす原因の一つが「視覚から得られる情報と身体への刺激(揺れ方や重力の受け方、平衡感覚など)に対するズレがある」ことがあげられます。
人間の内耳には回転運動を感じる三半規管と傾きや揺れ、直線運動の加速度を感じとる耳石器があります。
これらが刺激されると同時に視覚情報が脳に伝達されることで、平衡感覚は保たれます。
そのため車の走行中に本を読んだり携帯を見続けたりすると酔ってしまったり、テレビや映画、アトラクションなどでの映像酔いやゲーム酔いというのも、視覚と内耳の情報のズレによって生じる現象です。
キャンピングカーの居室部分は座席の位置によっては横向きや後ろ向きのものもあり、その場合前方の視界が見えにくくなります。
このようなキャンピングカー特有の構造が視覚と体感のズレを生じさせ、酔いを引き起こす原因のひとつとされています。
ベース車両や重心の高さによる乗り心地や揺れの影響
キャンピングカーの種類はさまざまありますが、特にキャブコンやバンコンなどに使われるベース車両は、通常であれば荷物などを主に運ぶ「商用車」が多く使用されています。
商用車は荷室の広さや耐荷重性、耐久性を重視して作られているので、一般の乗用車に比べると乗り心地がよいとは言えません。
また、キャブコンの場合は運転席の上部にバンクベッドを設けていることで重心が高くなり、走行中に揺れを生じやすく、小さな揺れが続いたと思えばいきなり大きく揺れるなど、車酔いを誘発しやすいのも原因といわれています。
長時間運転や車内飯、トイレなどの生活臭が原因になることも
遠出旅行や車中泊をするのもキャンピングカーの楽しみ方のひとつ。
しかし、長時間走行を続けることは運転手だけではなく同乗者にとっても疲れやストレスの原因となり、車酔いを起こしやすくなります。
また、キャンピングカーでの寝泊りや車内飯を食べる機会も多い場合は、車内にニオイが沁みついた生活臭なども酔いの原因に。
人は自分の苦手とするニオイを感じ取ると本能的に危険と感じて吐き気を生じるため、自分は気にならないニオイでも同乗者や嗅覚に敏感な子供が酔いを誘発する場合があるので注意が必要ですよ。
キャンピングカーに酔わないためにはどうしたらいい?
平衡感覚を鍛えてみよう
平衡感覚を鍛えることで三半規管の機能強化に繋がります。
特に幼い子供の場合は揺れやスピードに対する経験が少なく、体の使い方も不十分。
そこで滑り台やブランコなどのスピード感のある遊びや、前転や鉄棒などバランス力が必要な遊びを取り入れながら、楽しく鍛えるのがオススメです。
大人の場合はバランスボールやダンス、体操、後ろ向きに歩くなどさまざまな方法があるので、継続して実践してみてください。
キャンピングカーに慣れよう
酔いやすい人がいきなりキャンピングカーで長期旅行に行くのは酔いのリスクが高くなり危険です。
キャンピングカーをレンタルする場合は、事前に試乗して自分にあったベース車両を選び、キャンピングカーを購入した場合は少しずつ距離を伸ばし揺れや乗り心地、車内のニオイなどに慣れていくことが大切です。
乗り心地の改善を図ってみる
キャンピングカーの乗り心地を改善する方法としては足回りが重要となります。
タイヤの交換やサスペンションのチューニングやショックアブソーバーの強化などが挙げられます。
費用こそかかるものの、車酔いの予防だけでなく運転のしやすさや安全性の向上にも繋がるので、乗り心地が気になる方は検討してみるのもオススメ。
また、キャンプ道具などの重たい荷物を乗せる際は、荷室の下部に積載し、できるだけ車両の重心が低くなるよう意識することが大切です。
急発進・急ブレーキ・急ハンドルは厳禁!
普通乗用車の2倍以上あるキャンピングカーで急発進・急ブレーキ・急ハンドルをかければ車体が前後左右に大きく揺られ、酔いを誘発したり積荷の落下や車体が横転してしまったりするなどの危険なことが多くなります。
キャンピングカーを運転する際は「心」と「時間」に余裕を持ち、必ずゆっくり安全に走行するようにしましょう。
睡眠不足や前日のお酒の飲み過ぎは大敵!
人は睡眠不足に陥ると疲労感の蓄積とともに自律神経も乱れやすく、車に酔いやすくなります。
さらに前日のお酒の飲みすぎも車酔いの原因になりやすいので、キャンピングカーで車中泊をする際は体調管理には十分注意し、質の良い睡眠を作れる環境作りを図るとともに、お酒は飲みすぎないようにしましょう。
走行中は進行方向を見よう!
車酔いは三半規管のリンパ液の乱れによって引き起こるため、走行中は進行方向である前を向く方が酔いにくいとされています。
車酔いしやすい人は後ろ向きや横向きの座席ではなく、前が見える座席位置や助手席に座り、サイドガラスではなく、フロントガラスから遠くの景色を眺めることがオススメです。
もし座席の位置からフロントガラスにうつる景色が見えない場合は、目をつぶるのも酔いにくくする方法のひとつ。
読書や携帯、ゲームなどは視覚と平衡感覚とのズレを起こしやすいので避けるのが無難です。
リラックスできる服装を選ぶ
からだを締め付けるような服装はお腹を圧迫したり、血管を収縮させるなど自律神経を興奮させたりする影響があり、車酔いも助長させます。
車酔いしやすい方はぜひとも最初から体にとってストレスの少ない、ゆったりとした下着や洋服を選ぶようにしましょう。
酔い止めの薬を飲んでおく
車酔いを予防してくれる「酔い止め薬」にも種類はさまざま。
特に乗り物に乗った時に目眩や吐き気の症状が出て酔いやすいという方は、酔ってしまった時でも効果が期待できる抗ヒスタミン系のものがオススメ。
普段から吐き気がひどい酔い方をする場合は、副交感神経の興奮を抑制する「スコポラミン臭化水素酸塩水和物」の成分が入ったものや胃粘膜への麻酔作用のある「アミノ安息香酸エチル」配合の酔い薬があると安心です。
車酔いによってめまいや頭痛を起こしやすい方は「無水カフェイン」や「ジプロフィリン」が配合されたものも効果があると言われていますので、車酔いが心配な方は症状に合わせた薬を鞄に入れて備えておきましょう。
普段から車内のニオイ対策と定期的な換気と休憩を!
車内で飲食や寝泊まりするキャンピングカーは食べ物や汗の匂いなどが座席シートやカーテン、マルチカバーなどの布製品について、生活臭を放つ原因になります。
そのため日頃から車内のニオイ対策を行い、走行中は締め切ったままにせずに、定期的に換気をして新鮮な空気を車内に取り込むようにしましょう。
また長時間の走行は運転手だけでなく同乗者にとっても負担になるので、こまめな休息も必要です。
「酔わない」と思い込み、楽しくリラックスできる空間作りを
「酔うかもしれない」「酔ったらどうしよう」という思いや不安は、自律神経の乱れに直結して酔いを助長させます。
リラックスできるような雰囲気に車内を変化させたり、走行中は音楽をかけて歌を歌ったりおしゃべりをして気を紛らわせてしまうなど、車酔いのことを忘れたり「酔わない!大丈夫!」と思い込むことも大切です。