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「ユーザー車検」で見かけたトホホなケース

そんな事もしていないの?と思える「ユーザー車検」で見かけたトホホなケース



ディーラーや整備工場を介さない「ユーザー車検」。安く車検整備ができる一方で、車体に大がかりな改造をしていなかったとしても、車検に通過できない…というケースもあるようです。

どうしてでしょうか?

無事に車検を通過するため、どのようなポイントに注意するとよいのかも含めて解説します。

「当たり前」と思っていることが出来ていなくて車検に通らないケースがある

点検

@tatsushi/stock.adobe.com

民間の整備工場で整備士を務める関係者から、ユーザー車検に通過しなかった事例や原因など、詳しく話を伺いました。

「ユーザー車検でよくありがちなのは、”タイヤの摩耗”や”ヘッドライトの光量”など、基準に満たなくて、検査に不合格となるケースです。ユーザー車検を受けて合格しなかったから、お客様が私たち(整備工場)のところまでやってきて整備点検を受けることが多くあります。

原因として、”できていて当然”などとお客様が勝手な先入観をもってしまうのが挙げられると思います。

私たちが勤めている整備工場やディーラーに依頼して車検を受けるケースでは、事前に整備費用の見積りを出す関係でひと通り車体のチェックをするので、問題となる箇所はお客様にお伝えして点検整備で直すように提案しています。初歩的なミスで車検に落ちるケースを予防できるのが強みですね。

しかしユーザー車検では、本来は法律で点検整備を受けなければならないにもかかわらず、事前に何もチェックしない状態で陸運支局の検査場まで車を持って行ってしまうケースも多いようです。

その場合、車検に落ちてしまうとお客様ご自身で問題箇所を直していただくか、整備工場やディーラーなど点検整備ができるお店に頼らざるを得なくなります。

よく考えずにユーザー車検で大丈夫だろうと思っていると、このような”二度手間”となってしまいがちです。私たちのような専門知識を持っている人に相談していただいたほうが無駄なく車検に合格できると思います。」

車に対する知識が少なく、車体の状態をチェックしないままユーザー車検を受けた結果、不合格となるケースがあると指摘をしていました。

指差し

@ponta1414/stock.adobe.com

では、特にどのような箇所に気をつけるべきか、ポイントを教えてもらいました。

「車検に通過できないケースでは、タイヤの溝が少ない、ブレーキランプが点かないといった事例が多いです。

タイヤの溝の深さは1.6mm以上と保安基準で決められていますが、車のメンテナンスに無頓着となりがちな方はタイヤの状態をチェックしないので、パンクさえしなければ何年も平気で同じタイヤを使い続けているのも原因だと思います。

溝の深さが僅か0.1mm足りなかったからユーザー車検で不合格になってしまったという事例も耳にしたことがありますね。

ブレーキランプが点かないだけで車検に落ちてしまうのは、勿体ない話だと感じています。教習所でも運転前にブレーキランプのチェックをするよう教えてもらえると思いますが、日ごろのチェックをおろそかにしてしまう場面も多いようです。

検査場に行ってユーザー車検を受ける時にようやく気づくケースもあれば、私たちがチェックするまで気がつかなかったというのもあります。

その他にも、エンジンルームからオイルが漏れている、ブレーキの利きが悪い、クラクションが鳴りにくいなども車検で不合格となりがちなポイントです。

いずれも、お客様自身で修理交換するのが簡単ではないため、ユーザー車検に行くよりも最初からお店で整備点検を受けられるのがよいかと思います。」

外観を派手にしたり、爆音を鳴らすような改造をしたりしていないから、車検は無事に通るだろうと思っていると大きな落とし穴にハマるでしょう。

普段から車を使っているなら、タイヤやブレーキ、エンジンオイルなどは消耗しやすい箇所ですから、日常点検を大切にすることが、車検を問題なく通過できる重要なポイントとなります。

車のことでお困りなら、日常点検に加えて、車を購入したディーラー・販売店や近所にある整備工場、カー用品店で相談に乗ってもらうとよいでしょう。

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ライター:長谷川 優人