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【体験談】九州~四国へ車中泊旅するなら夜間フェリーがおすすめ!

ハッピーワンプラスという軽キャンピングカーで車中泊旅を楽しんで2年。
今回、筆者は実際にフェリーを利用して大分県別府市から愛媛県八幡浜市へ夜間に移動する体験をしてきました。
その体験をもとに、フェリーを利用する際の事前準備のポイントや、キャンピングカー旅でフェリーを利用するメリットとデメリットについて解説します。
フェリー移動を検討される人の参考になれば幸いです。
筆者が乗った宇和島運輸フェリーとは

宇和島運輸フェリーは、四国(八幡浜)と九州(別府・臼杵)を結ぶフェリー会社です。
公式サイトによると、「八幡浜〜別府」ルートと「八幡浜〜臼杵」ルートの2航路があります。
別府ルートは、宮崎県以外の九州北部エリア(熊本県より北)と四国を行き来したいときに便利な航路。
臼杵ルートは、大分南部や宮崎と四国を行き来したいときに便利な航路とのことです。
夜間フェリーの魅力

筆者が利用したのは、「別府23:50発 八幡浜2:35着(5:30まで船内休憩可能)」という便です。
この便は、約3時間の航海を終えたあと、早朝まで船内で休憩できる唯一の便。
夜間に移動することで宿泊費を節約でき、翌朝からの行動にもゆとりが生まれます。
朝から観光地を巡ることができたり、子ども連れの場合でも混雑前に遊園地やテーマパークに入れたりと、時間を有効に活用できるのが大きなメリットです。
移動と宿泊を兼ねているため、スケジュールに余裕が生まれ、渋滞によるストレスも回避できます。
予約方法は3種類
予約は、電話、窓口で直接、公式サイトからのインターネット予約が可能です。
なお、船室の等級変更や船内休憩を希望する場合は、電話での手続きが必要となります。
料金について
筆者の場合、大人1名+車両代で13,000円でした。
これは筆者の軽キャブコン・JP STAR HAPPY1+で、別府~八幡浜ルートの場合。
航路によって、また車両サイズによって料金は変わってきます。
詳細は公式HPの運賃表を確認してください。
割引サービスを使うには
宇和島運輸フェリーには、インターネット予約割引や往復割引、くるま旅クラブ会員割引など各種割引サービスがあります。
インターネット予約割引は、インターネットで予約し、乗船する港の窓口で現金払いすることで、5%の割引が受けられるというもの。
クレジットカード払いの場合はこの割引が適用されないので注意が必要です。
筆者は電話で予約を行い、当日窓口にて片道切符をクレジットカードで購入しましたが、それぞれの都合に合う割引があれば、うまく使って旅費を節約するといいでしょう。
※割引サービスについてはこちら
乗船手続きは早めに
乗船手続きは出航の40分前までに完了しておく必要がありますので、余裕を持ったスケジュールで行動することが大切です。
筆者は出航の1時間前に現地へ到着し、ゆとりをもって手続きを済ませることができました。
筆者のフェリー乗船中の過ごし方と気づいた注意点

今回実際に宇和島運輸フェリーを利用した際、筆者がどのように船内で過ごしたか、また乗船してみて気づいた注意点について紹介します。
出航後は車に戻れない
筆者は、キャンピングカーに乗っているため、乗船後もプライバシーが保たれて休みやすいキャンピングカー車内で過ごしたいと思っていました。
しかし、フェリー出航後は火災や事故のリスクを避けるため、法令により車両甲板への立ち入りは禁止。つまり車に戻れません。
そのため、必要最小限の荷物(貴重品、いつも飲んでいる薬など)は必ず車外に持ち出しておく必要があります。
筆者は、出航後に記事執筆の仕事がしたかったのでiPadと、貴重品、いつも軽キャンピングカーの車内で使っている枕を持ち出しました。
ソファ席は早い者勝ち

乗船後に空いていたソファ席を確保。
ただ、ソファ席は予約制ではなく、座席数もたくさんはないので、早めに乗船して席を確保する必要があります。

ソファ席はコンセント付きでiPadでの執筆作業に最適です。
また、もう一つ客室についての注意点があります。
2等客室は出航後消灯されるため、筆者のように船内で執筆などする人にはおすすめしません。
自販機や売店、その他設備について

船内にはジュースやコーヒー、天然水、お湯入りカップラーメンの自動販売機、ゲームコーナーなどがありました。

昼間の便ではお土産やお弁当を売っている売店もありますが、夜間は利用できません。
食事をするなら乗船前に調達しておくといいでしょう。

筆者が乗船した「あかつき丸」は2014年6月就航。
トイレも含めて船内はとてもきれいに保たれていました。

ベッドで眠りたい人は追加料金を支払い、特等や1等客室を利用するといいと思います。
到着後の船内休憩はおすすめ
船は八幡浜に深夜2時35分に到着します。
その後、船員が船内を巡回し、休憩場所や下船についての案内をしてくれます。
このとき、すぐに下船したい人は船を降りることができますが、なにせ真夜中。
そのため、そのまま船内で休憩できるようになっています。
下船の本格的な案内が始まるのは朝5時15分ごろなので、それまでの約2時間は自由に船内で休憩できます。
ただし、船のエンジンが稼働しているため、常に音が鳴っています。
筆者がスマホのアプリで計測したところ、音の大きさはおよそ50dBほどでした。
音が気になる人は、耳栓を持っていくことをおすすめします。
筆者はというと、眠気に勝てずソファに横になって少し休みました。
そして5時15分の案内で車に乗り込み、指示に従って下船しました。
実際に筆者は別府23:50発、八幡浜2:35着で5時15分まで船内で休憩。

早朝に八幡浜から出発して、午前10時ごろには松山市内へ入りました。
松山では松山城を見学したり、道後温泉に入ったりしました。
夕方には、しまなみ海道経由で広島県に向けて移動でき、有効に時間を使うことができました。
フェリーの船内で最長約5時間眠れて、早朝から四国内を移動できるので、船内待機はおすすめです。
筆者が感じた夜間フェリーのメリットとデメリット
あらためて今回、九州・別府~四国・八幡浜間の宇和島運輸フェリーの夜間便を利用して実感したメリットとデメリットをまとめます。
メリット
効率的な移動と睡眠の両立
移動時間+船内待機(休憩)を睡眠や作業時間として有効活用できます。
快適な作業環境
ソファ席やミニテーブルなどの設備が整っており、ノートパソコンやiPadでの作業も快適。
早朝から行動できる
前述しましたが、朝5時過ぎまで船内でゆっくり睡眠・休憩してリフレッシュした状態で、朝から運転できます。
デメリット
Wi‑Fi回線の不安定さ
海上なので仕方ないのかもしれませんが、作業中ネット回線が途切れる場面があり。
オフラインでも作業できる原稿執筆などはおすすめですが、動画視聴には向いていないかもしれません。
船酔い対策の必要性
航海速力約20.2ノット。
筆者の場合、波の影響か揺れを感じました。酔いやすい方は事前の酔い止め対策を!
出航後は車両への再入場ができない
出航後は車両への再入場ができないため、必要な荷物は客室内に持っていく必要あり。
2等船室の寝心地はやや難あり
大部屋形式の2等船室は床での雑魚寝となるので、人によっては十分に休めないかも。
筆者は、2等船室内で雑魚寝では十分睡眠は取れないと考え、あえて利用しませんでした。
場所が変わってもすぐ眠れる人は枕だけは持参した方がいいでしょう。
利用当日の船内の温度は寒く感じることはありませんでしたが、船内で有料(100円)の毛布を借りることもできます。
あとがき

キャンピングカーでの長距離運転は体力的負担が大きくなりますが、途中フェリーを利用すれば移動しながら就寝や休息ができます。
九州・四国間の移動の場合、陸路のみだと約8時間かかるところ、フェリーだと2時間45分。大幅な時間短縮にもなります。
今回筆者は九州・別府から四国・八幡浜に渡りましたが、宇和島運輸フェリーには逆ルートの八幡浜発、別府行きの夜間便(0時22分発、3時10分着)もあります。
フェリーを利用する車中泊旅。四国と九州に行くなら次の旅の計画にぜひ取り入れてみてください。