軽トラは「走りが楽しい」って本当?海外からも熱視線!“農道のスーパーカー”と呼ばれるそのワケ
日本の産業を支える小さな力持ち「軽トラ」
軽自動車規格の小型トラック、通称「軽トラ」は、軽自動車ならではの取り回しの良さや維持費の安さから、農業や漁業などさまざまな産業の輸送を支えている日本にとって重要な製品のひとつです。
収穫した農作物や水揚げした海産物の運搬はもちろん、小口や道幅が狭い地域での輸送などにも活用され、地方や都心を問わずさまざまな地域で軽トラックを見ることができます。
ほかにも、移動販売車や、キャンピングカーやバイクのトランスポーターなど個人の趣味にも活用されるなど、用途にあわせたカスタマイズによってその活躍は多岐にわたっていることから、日本人の生活と密接に関わっている車と言えるでしょう。
日本独自の規格である軽自動車として製造されているため、基本的には日本国内で使用されることが想定されている車ですが、近年では海外でも人気が高まっており、軽トラックの中古車は海外で高値がつくことも珍しくないようです。
小さくて軽い車体を活かして日本の産業を支える縁の下の力持ちのような存在の軽トラックですが、車好きの間では「軽トラックは走りが楽しい」という評判も聞こえてきます。
その姿からはなかなか想像しにくい評判ですが、はたして本当なのでしょうか。
軽トラックは「農道のスーパーカー」?
軽トラックをはじめとした荷台に多くの荷物を積載することを目的にしている車の多くは、前輪よりも後輪に重心が寄った状態でもしっかりと駆動できるよう、後輪駆動または全輪駆動が採用されています。
そして、軽自動車の規格の中で荷台のスペースを広く確保するため、ボンネットが前に伸びるいわゆるピックアップ型ではなく、乗車スペースの真下にエンジンを置くキャブオーバー型であるため、必然的にエンジンの搭載位置はスポーツカーさながらのミッドシップレイアウトとなります。
ミッドシップレイアウトはスーパーカーなどにも多く採用されており、その代表例は後輪駆動であればフェラーリのモデル、全輪駆動であればランボルギーニのモデルが有名です。
また、かつては車体後方にエンジンを搭載する、いわゆる「RR」の軽トラックもかつて製造されていて、RRレイアウトを採用する車の代表としてはポルシェ 911が挙げられます。
エンジン搭載位置と駆動輪がスポーツカーにふさわしいレイアウトを採用しているという特徴が共通することから、軽トラックを「農道のフェラーリ」、「農道のランボルギーニ」、「農道のポルシェ」といった異名で呼ぶ人も少なくありません。
かつてはマニュアル・トランスミッションの設定しかなかったことや、多くのモデルが二人乗りであるという点なども一致するため、車としての要素だけを見れば確かに軽トラックは一般的な車よりもスーパーカーに近い車だと言えるのかもしれません。
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