市販薬

【薬剤師がすすめる!】車中泊先であると助かる市販薬と衛生用品




車中泊先であると助かる市販薬と衛生用品の例


衛生用品 市販薬

ここからは車中泊先で常備していると助かる市販薬と衛生用品の例について紹介していきます。

乗り物酔いの薬


車中泊旅では、めまい・頭痛や吐き気など、乗り物酔いに悩まされる方もいるのではないでしょうか?

乗り物酔いによる不快な症状を緩和・予防するための薬が「乗り物酔いの薬」です。

主に「スコポラミン」と「抗ヒスタミン薬」が使われますが、服用後に運転はできません。

一般的に運転している方は、乗り物酔いしにくいと言われています。

あくまでも同乗者の方を対象として、以下薬の作用による使い分けについて簡単にまとめてみました。

・予防薬として飲みたい場合は、「スコポラミン」が含まれている商品

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・酔ってしまった場合は、「ジフェンヒドラミン」などの「抗ヒスタミン薬」が含まれている商品

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・予防・治療どちらにも対応したい場合は、「スコポラミン」、「抗ヒスタミン薬」の両方が入った商品

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移動時間を寝て過ごしたい場合は、「抗ヒスタミン薬」の副作用である眠気を利用する方法もあります。

また、商品によって服用できる年齢にばらつきがあるので、お子様に使用する場合は、何歳から服用可能か商品のパッケージを必ず確認するようにしましょう。

胃薬


車中泊先でついつい食べ過ぎてしまい、急に胃が痛くなった経験をされた方も多いのではないでしょうか?

一般的に「胃薬」は、胃痛や胸焼け、胃もたれ、消化不良といった胃の不快感を抑える目的で使用します。

「胃薬」と言っても、胃酸を抑える薬や胃粘膜を守る薬、消化を助ける薬など、その作用や効果はさまざまなので、目的に合わせて選ぶことが大切です。

以下薬の作用による使い分けについて簡単にまとめてみました

・胃酸の出過ぎには「H2ブロッカー」や「胃粘膜保護薬」が配合されている商品

・胸焼けには「H2ブロッカー」や「制酸薬」が配合されている商品

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・胃もたれ・消化不良には「消化酵素」が配合されている商品

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・漫然とした胃の不調にはいろいろな成分を配合した「総合胃腸薬」

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旅先では、地域の名物を食べたりお酒を飲んだりすることも少なくありません。

胸焼けの症状を悪化させる要因として、「タバコ」や「アルコール」、「チョコレート」、「油の多い食べもの」があげられます。

(参考2)数日服用しても症状が改善しない場合は医療機関に受診する必要がありますが、一時的な症状緩和目的のために備えて、市販の胃薬を常備しておくと安心ではないでしょうか。

下痢止め


長時間車を運転しているときに、急な下痢症状に悩まされた経験はないでしょうか?

日常生活や仕事に支障がなければ下痢を無理に止める必要はありませんが、運転中は急を要します。

また下痢は脱水症状の原因にもなるため、万が一のためにも常備しておくと安心です。

ただし微熱や吐き気を伴っている場合は「感染症」が疑われるため、「整腸剤」での対応が基本です。

以下薬の作用による使い分けについて簡単にまとめてみました。

・脱水防止のために経口補水液や「整腸剤」

・微熱や吐き気など感染症が疑われる場合は、「整腸剤」

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・急な下痢や腹痛で症状を抑えたい場合は、「ロペラミド」や「ロートエキス」・「木クレオソート」など

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ただし、光が眩しく感じる可能性がある「ロートエキス」や眠気が出やすい「ロペラミド」は服用後の運転はお勧めできません

(参考3、4)運転中に急な下痢症状に見舞われた場合は、確実にトイレがあるコンビニや商業施設に一旦車を止めて、症状がおさまるまで休憩されることをおすすめします。

うがい薬


うがい薬には、炎症を抑え、口内炎や咽頭炎による痛みの軽減を目的としたものと、口や喉の殺菌・消毒などを目的としたものがあるため、状況に応じて使い分ける必要があります。

以下成分別にまとめてみました。

・炎症をおさえる成分→「アズレン」

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※セチルピリジニウムも配合

・殺菌・消毒成分→「セチルピリジニウム」、「ポビドンヨード」

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キャンピングカー車内でうがいをすることで爽快感は得られるかもしれませんが、「アズレン」は暗青色、「ポビドンヨード」は茶色の物質なので、シンクや汚水タンクをこまめに清掃する必要があります

風邪やインフルエンザの予防には水道水でのうがいで十分である(参考:5)と言われていることから、1日1回程度の使用で十分かもしれません。

保湿剤


皮膚が乾燥すると、ひび・あかぎれの原因になるほか、刺激に対して敏感になるためかゆみや炎症を起こしやすくなります。

そのため、保湿剤を使って皮膚のケアを行うことが大切です。保湿剤の成分は大きく分けて「ヘパリン類似物質」、「ワセリン」、「尿素」の3種類があります。

以下成分別にまとめてみました。

・値段は高いがよく使用される成分→「ヘパリン類似物質」

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・値段は安く皮膚に刺激の少ない成分→「ワセリン」

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・手足やひざ・かかとのガサガサに使う→「尿素」

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乾燥肌でお悩みの方は、車中泊先で入浴後、車内で「ワセリン」を塗布するのが値段も安く済むのではないのでしょうか。

衛生用品


衛生用品 市販薬

市販薬以外にも、我が家ではキャンピングカー車内ですぐ取り出せるように、以下のものを常備しています。

・絆創膏、ガーゼ、包帯など
旅先での軽い擦り傷に対して応急処置ができるように、絆創膏やガーゼなどを常備していると安心です。

・マスク
風邪をひいてしまい急遽病院に行くことになった時、マスクの着用を求められることもあるかと思います。いくつか車内に常備しておくと便利です。

・耳栓
車中泊先が幹線道路沿いで車の騒音が気になる方は、耳栓をすると騒音の影響が軽減できるかもしれません。

・携帯用のアルコールジェル
水道がない場所でも簡単に手指の消毒ができて便利です。
筆者も清水タンクの水を切らしてしまい、キャンピングカー車内で手を洗えない時に重宝しています。

・簡易トイレ
車中泊先で夜道が暗くトイレに行くのが怖い場合には重宝します。
また、災害時の備蓄品としても役立つと思います。

私はアルコールが苦手なので携帯していませんが、アルコールチェッカーがあると便利です。

車中泊先でアルコールを飲まれる方も多いと思います。

翌朝出発前に必ずチェックしておくことをおすすめします。

まとめ


あくまでも市販薬は、症状が軽度であったり、すぐに医療機関を受診できない場合などに使用するようにしましょう。

また、持病をお持ちの方や妊娠授乳中の方などは、市販薬を購入される前に薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。

症状がひどかったり、市販薬で症状が改善されない場合は、我慢せず早めに近くの医療機関を受診するようにしましょう。

その際には、ぜひこちらの記事も参考にしていただけると幸いです。(参照記事:【薬剤師が解説】車中泊先で慌てないお薬手帳とオンライン診療の活用方法)また、キャンピングカーで旅をされる方は、長時間車を運転される方がほとんどかと思います。薬を購入するときは、運転に差し支えないものを選んでいただくようお願いします。

参考
1.https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0025.html
2.Kaltenbach T, Crockett S, Gerson LB. Are lifestyle measures effective in patients with gastroesophageal reflux disease? An evidence-based approach. Arch Intern Med. 2006 May 8;166(9):965-71. doi: 10.1001/archinte.166.9.965. PMID: 16682569.
3.ロートエキス散「ホエイ」インタビューフォーム
4.ロペミンカプセル インタビューフォーム
5.Satomura K, Kitamura T, Kawamura T, Shimbo T, Watanabe M, Kamei M, Takano Y, Tamakoshi A; Great Cold Investigators-I. Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial. Am J Prev Med. 2005 Nov;29(4):302-7. doi: 10.1016/j.amepre.2005.06.013. PMID: 16242593.