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【体験談】キャンピングカー旅で3度目のフランス。南部の田舎町と絶景スポットを紹介

キャンピングカーに暮らしながら、ヨーロッパを周遊している私たち夫婦。
各国を自由気ままにのんびり巡る旅の途中、アンドラからイタリアへ向かう際にフランス南部を通過しました。
今回は少し急ぎ足の移動でしたが、それでも自然の美しさや歴史を感じられるスポットを訪れたり、小さな田舎町でのんびりとした時間を過ごすことができました。
この記事では、フランス南部での車中泊体験を中心に、その田舎ならではの魅力やキャンピングカーでの車中泊事情をご紹介します。
実際に訪れた「Gorges du Tarn(タルン渓谷)」や「Parc National des Ecrins(エクラン国立公園)」といった絶景スポットも合わせてお届けします。
ヨーロッパキャンピングカー旅、3度目のフランスへ

私たちは、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅している夫婦です。
2023年にイタリアから旅をスタートし、これまでに約2年半かけて19カ国を巡ってきました。
リモートワークをしつつ、まるで「暮らすように旅する」スタイルで、時間やルートに縛られないゆったりペースの旅が私たちの特徴です。
訪れるのは有名観光地よりも、のどかな田舎町や穴場の絶景スポットなど、キャンピングカー旅だからこそ行ける場所が中心です。
今回は、スペインとフランスの間にある小さな山国「アンドラ」を訪れたあと、イタリアを目指してフランス南部を横断するルートを選びました。
冬は温暖なポルトガルやスペインで過ごし、夏はスイスやオーストリアなどヨーロッパアルプスの涼しい地域を目指す予定。
そのため、夏本番を迎える前にイタリアに到着したかったのですが、スローペースは健在で、気づけば、20日間かけてのんびりフランス南部を横断し、ようやくイタリアへと入国していました。
フランス南部とは?

フランス南部といえば、地中海に面した陽光あふれるリゾート地、美しいビーチ、歴史ある街並みが魅力のエリアです。
とくに有名なのが「コートダジュール」。
青い海と高級リゾートが連なり、ニースやカンヌはその象徴的存在で、旅好きなら一度は憧れる場所でもあります。
さらに内陸部に入ると、「プロヴァンス地方」が広がり、夏には一面のラベンダー畑が咲き誇ります。
紫色のじゅうたんのような風景と香りに包まれながらのドライブは、南仏旅のハイライトともいえる体験でしょう。
また、地中海最大の港町マルセイユは、断崖絶壁の先に広がる広大な海と、多様な文化が混ざり合う独特の雰囲気が魅力。
どの街並みも映画のワンシーンのようで、訪れる人を惹きつけます。
キャンピングカー旅での注意点
一方で、キャンピングカー旅では注意が必要な点もあります。
例えば、マルセイユは車上荒らしが多いことで有名で、バンライフ仲間からも「ちょっと危ないかも」とアドバイスを受けました。
また、ニースなどの人気観光地もキャンピングカーを停められる場所がほとんどなく、専用施設が少ないため、実際には旅の難易度が高いエリアでもあります。
このため、今回は安全を優先し、観光地中心のルートは断念しました。
これらのエリアは、次回キャンピングカーなしのもっと身軽な旅で訪れてみたいと考えています。
穴場を巡る旅へ

とはいえ、南フランスにはまだ知られていない、びっくりするほど素敵な場所がたくさんあります。
今回の旅では、有名観光地から少し外れた田舎町や、自然豊かなスポットを中心に巡るルートを選びました。
キャンピングカーならではの自由さを活かし、隠された手つかずの自然や“フランスらしさ”を深く体験できたのは、このスタイルならではの魅力でした。
【今回たどったルートマップ】
【フランス南部の車中泊事情】フランスの田舎町を巡る旅

フランスを旅するのはこれで3回目ですが、改めて「キャンピングカー向けの施設が非常に充実している国」だと感じました。
私たちはできるだけ予算を抑えた“節約旅”を心がけていますが、南フランスでも無料の施設を上手に活用しながら、快適に旅を続けることができました。
海沿いと内陸部の違い
一方で、海沿いのエリアではキャンピングカー向けの設備が少なく、たとえ有料でも設備が不十分な場合もあります。
しかし、少し内陸部に入るだけで状況は一変。
多くのRVパークが点在し、不自由なく旅をすることが可能です。
田舎町ならではの魅力
観光地や大都市だけでなく、小さな田舎町にまでRVパークが整備されている点も魅力。
静かで落ち着いた環境で、現地の暮らしに溶け込むような滞在ができます。
有料・無料どちらも充実しており、水の補給や排水、トイレ処理、外部電源の利用が可能な場所も多く、車中泊旅にはとても助かりました。
教会の鐘の音で目覚め、歩いて近くのパン屋さんに行き、焼きたてのクロワッサンを頬張る――そんな日常がキャンピングカー旅なら自然に体験できるのです。
どの町ものどかで可愛らしい、まるで絵本の世界。
観光地では味わえない「フランスの日常」に触れられるのは、田舎町での車中泊ならではの魅力でした。
南フランスの絶景スポット①壮大な渓谷地帯の「Gorges du Tarn」
Gorges du Tarn(ゴルジュ・デュ・タルン)は、セヴェンヌ国立公園内にある、タルン川が長い年月をかけて削り出した壮大な渓谷です。

川沿いには約50kmにわたるセニックロードが続き、キャンピングカーで走り抜けるドライブはまさに冒険そのもの。
エメラルドグリーンに輝く川の横を走り抜ける爽快感、断崖絶壁すれすれのスリル、天然の岩トンネルなど、見逃せない景色の連続です。

道中では、中世の雰囲気を残す小さな村々を通り抜け、アウトドアアクティビティも楽しめる、まさに秘境の観光スポットです。
おすすめルート
私たちはMillauの街からスタートし、Sainte-Enimieまでの約50kmのドライブ。
道中には駐車スポットが多数あり、展望台からのパノラマビューや川沿い散策が楽しめます。
Pas de Soucy展望台

とくにおすすめなのが、Pas de Soucyです。
小さな売店と展望台があり、2ユーロで絶景を一望することができます。
La Maléne
もうひとつ見逃せないのが、La Maléneの小さな町です。
ここはキャンピングカー専用の駐車スペースがあり、アクセスしやすい小さな町。

中世の街並みが残り、狭い路地を散策すると、お城や可愛い建物が自然と見事に調和した風景に癒されます。
ドライブの注意点

このような可愛いらしい小さな村を転々としながら、渓谷を縫うように走る絶景ルートで、ドライブ好きにはたまらないスポットです。
ところどころ狭い道や岩のせり出しがあるため、スピードを控えて慎重に運転すれば、全長6.7mのキャンピングカーでも問題なく走行できました。
ドライブ、ハイキング、川遊び、そして中世の村散策と、アウトドア派にも写真好きにも理想的な旅先です。
南フランスの絶景スポット②アルプス山脈の穴場「Parc National des Ecrins」

フランス・アルプスといえば、モンブランのあるシャモニーが有名ですが、観光地化が進んでおり、賑やかさもあります。
そんな中、Parc National des Écrins(エクラン国立公園)は、フランス南東部のアルプス山脈に位置する、静かで手つかずの自然が広がる本格的な山岳エリア。
大規模な観光地化はされておらず、静けさと雄大な自然がそのまま残されている、まさに“穴場”と言える場所です。
Col du Lautaret(コル・デュ・ローテレ)

私たちが滞在したのは標高2,058mにあるCol du Lautaret(コル・デュ・ローテレ)付近。
キャンピングカーでも簡単にアクセスでき、広々とした駐車スペースが整備されており、車中泊にもぴったりの環境でした。
圧巻のアルプス大パノラマ
そして何よりの魅力が、目の前に広がるアルプスの大パノラマです!
標高3,000〜4,000m級の雄大な山々に囲まれ、言葉にならないほどの絶景。
朝、カーテンを開けた瞬間に目に飛び込んでくるのは、雪をかぶった山々と高原の風景は、まさに非日常の極みでした。
ハイキングと満天の星空

周囲には初心者向けから上級者向けまで多彩なハイキングコースが整備されています。
日中はハイキングで絶景を堪能し、夜は空気が澄み、街の明かりが届かないため、満天の星空を楽しめます。
夜の時間も特別なものになりました。

フランス・アルプスの静かな自然の中でゆっくりと満喫したい方におすすめの場所です。
まとめ
今回のフランス南部の旅では、有名観光地から少し離れた田舎町や、ガイドブックにはあまり載っていないような“隠れた名所”を訪れてみました。
結果的に、それがとても豊かな体験となりました。
華やかな観光地とは違い、素朴で静かな風景や地元の人々の暮らしに触れることで、これまで知らなかったフランスの魅力を感じられたように思います。
にぎやかな観光地もいいけれど、もっと静かに、もっと深くフランスを味わいたい」という方に、ぜひおすすめしたいルートです。
一味違った南フランスの旅、いかがですか?