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【現地ルポ】能登地震後の道の駅7カ所に行ってみた!輪島~羽咋の現状

能登地震後の道の駅7カ所に行ってみた!

能登半島地震から1年半が経ちました。

能登半島への車中泊を計画しても「本当に行けるのか?大丈夫なのか?」と旅をためらっている方も多いのではないでしょうか。

私は現在、石川県七尾市で働いていて、仕事の都合、富山県高岡市から七尾市までの通勤を、車中泊生活をしながら14カ月続けています。

前回の記事では、能登半島東側(七尾市〜珠洲市)にある道の駅の状況について、お伝えしました。

観光客も徐々に増え、地域全体に復興の兆しを感じました。

まだ十分ではありませんが、とくに珠洲市では活気が戻りつつあり、各道の駅にも人が集まり始めていました。

そして今回は、能登半島西側(輪島〜羽咋)にある道の駅の状況について、車中泊が可能なのか?旅行のために必要なものはないか?

実際に7カ所行ってみてわかった現状をお伝えします。

関連記事はこちら▷【現地ルポ】能登半島地震であの道の駅はどうなった?能登の道の駅の現状6選【東能登編】

地震被害、そして豪雨被害について




2025年5月、「道の駅すず塩田村」から「道の駅 のと千里浜」まで、能登半島の西側を走行しました。

珠洲市内でも地震の影響は確かに大きかったのですが、輪島市に入った途端、その被害の大きさが一目で分かりました。

私自身、七尾市で働いているものの、輪島市の状況を肌で感じることはこれまでありませんでした。

能登半島地震で崩壊した輪島市内の様子

中でも深刻な被害は、海岸線沿いの道路が土砂崩れで完全に走行不能となっていたことです。

干からびが用水路の様子

この様子は、ニュースでも報じられており、ご存知の方も多いと思います。

現在は、隆起した海岸線に新たな道路を建設され、通行可能になっていますが、被害の爪痕は至るところに残っています。

災害後の街の様子

輪島市の地形は、海と崖に挟まれたわずかな平地があるだけの場所が多いです。

その土地に、2024年6月の豪雨が追い討ちをかけました。

大谷川が氾濫し、死者が出るほどの大災害に。

現地の様子を見ると、地震よりも豪雨の被害のほうがはるかに深刻でした。

地震が地盤を緩め、豪雨によって被害を拡大させたように感じています。

倒壊した建物の様子

実際に現地を見て、「この状況では、どこにも避難できなかっただろう」と胸が詰まる思いでした。

道の駅 すず塩田村


道の駅 すず塩田村の看板

「道の駅 すず塩田村」は、揚浜式塩田を実際にみて、体験できる貴重な施設です。

塩田作業体験ができる

塩田作業の体験コーナーがあるほか、資料館も併設されており、能登の伝統的な塩づくりの工程だけでなく、世界各国の塩について学ぶことができる場所です。

また、周辺には、「ゴジラ岩」と呼ばれる、まるでゴジラの姿に見える岩もあり、観光として訪れる価値のあるエリアです。

さらに、海岸の隆起など、自然災害によって変化した地形も間近で見ることができます。

実際に行ってみて、利用してみての感想


道の駅 すず塩田村の駐車場

「道の駅 すず塩田村」は、能登半島地震および豪雨被害がとくにひどかった場所の中心に位置しています。

現在でも道路の一部が20時から翌朝5時まで通行止めになる場合があり、アクセスに不安が残ります。

道の駅 すず塩田村のEV充電機

また、再度地震や豪雨が発生した場合には、土砂崩れにより珠洲市や輪島市街地へ向かう道が遮断される可能性が否めません。

そして、トイレも営業時間内でしか使えず、また周囲に食料を調達する場所がありません。

そのため、安全面や利便性の観点からみても、車中泊をするには適していない場所だと感じました。

塩作りの道具

一方で、観光目的での立ち寄りは、塩づくり文化を学べることはもちろん、自然の力を感じられる、貴重な場所であるのは確かです。

道の駅 すず塩田村
所在地:石川県珠洲市清水町1-58-1
TEL:0768-87-2040
営業時間:9:00〜16:00
休業日:土曜日、日曜日
アクセス:能登里山空港から車で40分
現状の車中泊可否:不可
詳細はこちら道の駅 すず塩田村



道の駅 千枚田ポケットパーク


道の駅 千枚田ポケットパークの外観

道の駅 千枚田ポケットパークは、世界農業遺産にも登録されている白米千枚田のすぐそばに位置しています。

世界農業遺産にも登録されている白米千枚田

現在では、震災の影響を受けながらも、棚田の一部が復旧し、田植えも再開されています。

能登を代表する、景色が素晴らしい場所です。

実際行ってみて、利用してみての感想


道の駅 千枚田ポケットパーク駐車場の様子

道の駅 千枚田ポケットパークは、地震発生当時に、中継映像でも取り上げられた場所です。

周辺道路が寸断され、取り残された様子は大きな話題となりました。

実際に走行してみると、道の駅周辺は比較的安全ですが、その前後の道路は崖沿いで、今でも土砂崩れのリスクが残っています。

景色

トイレは24時間利用可能です。

販売店や飲食店は週末(金、土、日、祝日)のみ営業を再開していますが、閉店時間は早めです。

また近くに、コンビニやスーパーなどもなく、入浴施設もありません。

さらに、20時から翌朝5時までは通行止めになる可能性があります。

万一の事態に備えるために、必要なものは揃えてから向かうことをおすすめします。

道の駅 千枚田ポケットパーク
所在地:石川県輪島市白米町ハ部99番地5
TEL:0768-34-1004
営業時間:売店10:00〜15:00、レストラン11:00〜14:00
アクセス:能登里山空港から車で30分
現状の車中泊可否:可能だがおすすめしない
詳細はこちら▷道の駅 千枚田ポケットパーク



道の駅 輪島


道の駅 輪島の外観

廃線となった、「のと鉄道」の駅舎を活用した道の駅です。

現在では復旧しており、通常営業をしています。

また、市街地の中心にあるため、周辺には飲食店や土産店も充実。

ショッピングや食事は困りません。

道の駅 輪島にある遮断機

道の駅の裏手には、線路や信号も残っており、鉄道が走っていた当時の面影を感じることができます。

実際行ってみて、利用してみての感想


道の駅 輪島の飲食店

トイレは24時間利用可能です。

ただし、2025年5月時点では、道の駅の駐車場の一部が仮設住宅として使用されており、駐車可能なスペースが限られています。

そのため、現地の方の生活を妨げないよう配慮が必要であり、車中泊には適しません。

一方で市街地は徐々に復旧が進んでおり、観光目的での訪問には問題ありません。

私が訪れたとき(2025年5月)も、多くの観光客がいてにぎわっていました。

道の駅 輪島
所在地:石川県輪島市河井町20-1-131
TEL:0768-23-1503
営業時間:8:00~17:00
休業日:年中無休
アクセス:のと里山自動車道のと三井ICから車で15分
現状の車中泊可否:可能だがおすすめしない
詳細はこちら▷道の駅 輪島



道の駅 赤神


道の駅 赤神の外観

道の駅 赤神は、石川県輪島市門前町に位置し、比較的静かな環境にある道の駅です。

車中泊客が少なく、落ち着いて過ごせるため、静かに眠りたい方にぴったりの場所です。

近くには有名な「トトロ岩」があり、観光とセットで立ち寄るのもおすすめ。

道の駅 赤神はライダーに優しい道の駅

また、「バイク歓迎の都市」としても知られ、ツーリング途中の立ち寄りにも適しています。

道の駅 赤神のラーメン屋の看板

併設されているラーメン屋さんは、冒険家の風間深志氏と縁が深い場所らしいです。

道の駅 赤神の水道

敷地内には水道があり、水の補給にも困りません。

実際行ってみて、利用してみての感想


道の駅 赤神の駐車場

飲食店は時短営業中ではありますが、利用可能です。

近隣にはドラッグストアが2軒あり、スーパー並みに鮮魚や野菜、肉なども販売されているため、食料の調達に困ることはありません。

今回実際にここで車中泊を行いましたが、不自由なく、利用客も少ないので落ち着いて眠る事ができました。

なお、入浴施設については周辺に見当たらないため、事前に他の場所で入浴しておくことをおすすめします。

また、輪島市の中でもこのエリアは地震による大きな被害が少なかった印象で、施設の損傷などもとくに見られませんでした。

道の駅 赤神
所在地:石川県輪島市門前町赤神壱110
TEL:0768-45-1001
営業時間:9:00~17:00(時短営業)
休業日:毎週火曜日、年末年始
アクセス:能越自動車道七尾ICから車で60分
現状の車中泊可否:可
詳細はこちら道の駅 赤神



道の駅 とぎ海街道


道の駅 とぎ海街道の外観

道の駅 とぎ海街道は、市街地にも近く比較的にぎわいのある道の駅です。

道の駅 とぎ海街道のコンテナ店舗

駐車場は広く、観光や休憩にゆったりと利用でます。

駐車場の一部は仮設住宅の場所になっています。

また、販売店が施設内にあるほか、被災された方々が営業していると思われるコンテナハウス形式の飲食店もあり、地域の再建を肌で感じられる場所でもあります。

道の駅の裏手には海が広がり、本来ではあれば海辺でのんびり過ごすのにも最適な環境です。

世界一長いベンチ

この海岸には「日本一長いベンチ」が設置されており、記念写真スポットとしても人気です。

実際行ってみて、利用してみての感想


駐車場の一部と建物裏の公園には仮設住宅が建っていますが、それ以外は通常通り営業しています。

道の駅 とぎ海街道近くのコンビニ

販売店や飲食店も営業を再開しており、周辺にはコンビニやスーパーも多数あります。

徒歩圏内にあるファミリーマートは、現在6:00〜23:00の時短営業です。

道の駅 とぎ海街道の夜の駐車場

観光客の姿も戻ってきており、私が訪れた時も車中泊利用者が数名いました。

建物の裏は、すぐ海岸となっています。

景色

また、道の駅のすぐ横には、「シーサイドヴィラ渤海(ぼっかい)」という温泉&プール施設があり、渤海温泉は現在15:00〜21:00時まで営業

夜に到着しても入浴可能です。

詳細はこちら▷シーサイドヴィラ渤海

道の駅 とぎ海街道
所在地:石川県羽咋郡志賀町富来領家町甲3-5
TEL:0767-42-0975
営業時間:9:00〜17:00(冬季12月〜2月は9:00〜16:00)
アクセス:金沢市内から車で、1時間10分
休業日:無休(冬季12月〜2月は木曜日)
現状の車中泊可否:可
詳細はこちら道の駅 とぎ海街道



道の駅 ころ柿の里しか


道の駅 ころ柿の里しかの駐車場の様子

「道の駅 ころ柿の里しか」は、石川県羽咋郡志賀町にある道の駅で、市街地に位置しながらも海の近くという恵まれた立地が魅力です。

朝の散歩にとても良い場所です。

道の駅 ころ柿の里しかの看板

温泉施設「アクアパーク シ・オン」が併設されており、プールや温泉でゆったりと旅の疲れを癒すことができます。

実際行ってみて、利用してみての感想


現在(2025年5月)は、平常通り営業していて、トイレは清潔で24時間利用可能です。

施設内には「旬菜館」という直売所があり、地元農家による野菜や海鮮、加工食品が並びます。

とくに人気なのは、名物「ころ柿ソフトクリーム」。

観光客にも好評の一品です。

駐車場は広く、混雑も少ないため、静かに落ち着いてストレスなく車中泊できます。

また、スーパーやコンビニも近くにあるため、急な買い物にも便利です。

アクアパークシ・オンの看板

併設の「アクアパーク シ・オン」では、21時まで営業しており、大人550円で入浴可能です。

アクアパークシ・オンの営業時間案内

旅の途中にゆっくりと湯に浸かれるのは大きな魅力です。

道の駅 ころ柿の里しか
所在地:石川県羽咋郡志賀町末吉新保向10-2
TEL:0767-32-4831
営業時間:平日9:00〜17:30、土日祝9:00〜18:30
定休日:毎週火曜日、年末年始
アクセス:金沢市街地から車で50分
現状の車中泊可否:可
詳細はこちら▷道の駅 ころ柿の里しか



道の駅 のと千里浜


道の駅 のと千里浜の駐車場の様子

「道の駅 のと千里浜」は、日本で唯一、車で走行できる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」にほど近い場所にあり、アクセス抜群の立地です。

道の駅 のと千里浜に飾られている砂の像

新しく清潔感のある建物は、道の駅とは思えないほどおしゃれで、観光スポットとなっています。

道の駅 のと千里浜の足湯

館内にはユニークな名前の足湯「だいこん足の湯」があり、無料で利用可能。

旅の途中のリフレッシュにはぴったりです。

さらに、施設内には予約制のRVパークも完備(4台分)。

1日2,000円とリーズナブルで、電源設備付き。

チェックインは営業時間内に行う必要があります。

実際行ってみて、利用してみての感想


2025年5月時点では、能登半島地震の影響はほとんど感じられませんでした。

24時間利用可能な清潔なトイレ、駐車場が広いので快適に過ごせるかと思います。

道の駅 のと千里浜の駐車場の様子

飲食面でも充実しており、館内のレストランはもちろん、屋外ではキッチンカーや焼き牡蠣などの屋台販売も盛んで、活気があります。

早朝に食事を取りたい方には、近くにある「YAHATAすしべん」が便利。

朝6:30から営業しており、人気です。

また、筆者が訪れた際は、全国のバイク愛好家が集うイベント「SSTR(サンセット・サンライズ・ツーリング・ツアー)」の開催時期で、多くのライダーがここを訪れていました。

道の駅 のと千里浜
所在地:石川県羽咋市千里浜町タ1番地62
TEL:0767-22-3891
営業時間:9:00〜17:00
アクセス:のと里山海道千里浜ICから車で3分
現状の車中泊可否:可
詳細はこちら道の駅 のと千里浜



能登半島・輪島方面に行く際の注意事項


2025年5月現在、能登半島の珠洲市・狼煙から羽咋市までを実際に走行した中で、地域によって地震被害の差が大きいことを実感しました。

とくに輪島市方面を訪れる際には、スーパーが少ない点や、仮設住宅が道の駅の駐車場に設置されていること、駐車場が狭いことなど注意点があります。

とくに車のトラブルについては、他の地区のようにサポート体制が十分とは言えません。

また、場所によっては食料の調達は難しいかも知れません。

飲料については道の駅に自動販売機がありますので、困ることは少ない印象です。

道路状況は、場所によっては舗装の損傷や凸凹が残っている箇所があるため、走行速度は控えめに、慎重な運転を心がけましょう。

能登の夜は、街灯が少なく暗い場所が多いので、夜間走行に不安がある場合、日没前に目的地に到着するような旅行プランがおすすめです。

能登の車中泊サラリーマン

能登地方を拠点として活動している50代男性。 普段はサラリーマンとしてとある能登地方の企業に籍を置いています。 自宅はあるものの、6カ月以上車中泊で生活していております。 私が車中泊を続ける目的は、度重なる災害で車中泊を余儀なくされた場合に備え、出来るだけ快適に過ごせるノウハウを蓄積することです。