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【体験記】知られざる自然王国・スロベニアをキャンピングカーで旅してみた!絶景スポット3選も紹介

ヨーロッパ18カ国をキャンピングカーで旅してきた中で、とくに心に残っている国があります。
それが、自然が手つかずのまま残り、観光客も少なく静かな時間を楽しめるスロベニアです。
日本ではまだあまり知られていないこの小さな国には、深い森や清流、そして山々に囲まれた絶景スポットが広がっています。
私たちが実際にキャンピングカーで訪れたのは「ブレッド湖」「トリグラウ国立公園」「トールミン峡谷」などの美しい自然スポット。
この記事では、スロベニアでの車中泊事情、泊まった場所やその快適さ、注意点などをリアルな視点で紹介します。
「人混みを避けて、自然の中でゆっくり過ごしたい」そんな旅がしたい人に、スロベニアはきっとぴったりの場所です。
キャンピングカーでヨーロッパを旅する夫婦!
私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを周遊中で、旅を始めてから、すでに2年半が経ちました。
イタリアで中古のキャンピングカーを購入し、フランス、スイス、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、ポルトガルなど、18カ国を巡ってきました。
車内ではリモートワークをしながら、まるでその土地に「暮らす」かのように、ゆったりとしたペースで旅を続けています。
有名観光地だけでなく、観光客の少ない穴場スポットや自然あふれる場所にも積極的に足を運び、キャンピングカーならではの自由な旅を満喫しています。
そんな中、私たちが訪れたのはスロベニア。
あまり聞いたことのない国でしたが、実際に訪れてみると、想像を超える自然の美しさと、のどかで落ち着いた雰囲気の国が広がっていました。
スロベニアってどんな国?
スロベニアは中央ヨーロッパに位置する、人口約200万人の小さな国です。
イタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーと隣接し、南西部はアドリア海にも面しており、美しい海岸線も楽しめます。
かつては旧ユーゴスラビアの一部でしたが、1991年に独立。
その後は政治と経済も安定しており、落ち着いた雰囲気が魅力の国です。

公用語はスロベニア語ですが、観光地では英語も比較的通じます。
通貨はユーロ、そしてEU加盟国でもあるため、旅のしやすさは抜群です。
西ヨーロッパに比べると物価がやや抑えめで、外食やアクティビティも気軽に楽しめるのが嬉しいポイント。
そして何よりの魅力は、国土の半分以上を森林が占めていること。
そのため「ヨーロッパの緑の宝石」とも呼ばれています。
のんびりとした時間が流れ、治安も良く、初めてのヨーロッパ旅行の行き先としてもぴったりの国です。
スロベニアの車中泊事情

スロベニアは、山・湖・川など国立公園や自然保護区が多く、アウトドア旅にぴったりな国です。
オートキャンプ場やRVパークも充実しており、自然の中で快適に車中泊が楽しめます。
ただし、実際に旅して感じたのは、「自由な車中泊は意外と難しい」ということ。
公認のキャンプ場やRVパーク以外での車中泊(自由な野営・公共駐車場での宿泊)は法律で禁止されているためです。
観光地では「車中泊禁止」や「キャンピングカー禁止」といった看板を見かけることもしばしば。
そのため、事前のリサーチがとても重要です。
有料キャンプ場やRVパークをあらかじめ調べ、必要に応じて利用するのが安心。
とくに観光地周辺では駐車スペースが限られており、長期の車中泊旅よりも、短期間の旅で、計画的にまわるスタイルの方が向いていると感じました。
私たちは普段、無料のRVパークや駐車場を利用し、2カ月以上かけて1つの国をまわるスタイル。
しかしスロベニアでは、そうした場所が限られていたため、今回は5日間という短期集中型でまわることにしました。
それでも、スロベニアは道路状況も良く、移動距離もコンパクト。
短期間でも十分にスロベニアの美しさを堪能することができました。
キャンピングカー旅で訪れて良かったスロベニアの絶景スポット3選
ブレッド湖(Lake Bled)
「ブレッド湖」は、スロベニア北西部の街「ブレッド」にある、まさに「スロベニアのポストカード」ともいえる風景が広がる場所です。
エメラルドグリーンに輝く湖の中央には小さな島が浮かび、その上には可愛らしい教会の尖塔がそびえ立ち、まるでおとぎ話のような世界。

国内外から多くの観光客が訪れるこの地は、スロベニアの中でも絶対に外せない定番スポットです。
四季ごとに異なる表情を見せ、どの季節に訪れても感動できます。
さまざまな観光アクティビティも体験できます。
ブレッド湖で体験したこと&おすすめアクティビティ
ボートで小島へ渡る
湖の中心に浮かぶ島には「聖マリア教会」があり、鐘を鳴らすと願いが叶うという伝説も。
湖を一周ハイキング

遊歩道は整備されていて歩きやすく、約2時間ののんびり散策が可能です。
道中にはベンチやカフェもあり、写真スポットも満載!
また、レンタル自転車もあるので、サイクリングを楽しむこともできます。
ブレッド城からの絶景
湖を見下ろす崖の上に建つ中世の城。
城からの眺めは、まさに絶景です!
城内には博物館、鍛冶屋の展示もあり、歴史と共に最高のパノラマを楽しめます。
地元名物「ブレッドクリームケーキ」

軽いパイ生地をベースに、ふんわりしたクリームとカスタードの層を挟んだもので、観光客にも人気の一品です。
感動するほどの絶景ポイント「オイストリツァ・トレイル(Ojstrica Trail)」

約30分で到達する短めの登山ルートですが、頂上からはブレッド湖とアルプスの山々を一望でき、最高のパノラマビューを満喫できます。
オイストリツァ・トレイルの展望台までの登りは30分ほどで、急な坂道が少し大変ですが、頂上からはブレッド湖とアルプスの山々を一望でき、最高のパノラマビューを満喫できます。
ブレッド湖のおすすめキャンピングカー施設
ブレッド湖周辺の観光拠点として、私たちが実際に滞在したのがブレッド湖から徒歩15分ほどのRVパークです。
立地も非常に便利で、周囲にはスーパーやレストランも豊富で日常的な買い物や外食にも困りません。

RVパークには35台分のキャンピングカースペースがあり、給水、排水場、外部電源もあり、快適な滞在が可能です。
料金1泊:ハイシーズン40ユーロ(約6,500円)、ミドルシーズン25ユーロ(約4,000円)、オフシーズン20ユーロ(約3,200円)
トールミン峡谷(Tolmin Gorges)
スロベニア西部、ソチャ渓谷の奥深くに位置するトールミン峡谷は、スロベニアで最も迫力のある渓谷のひとつです。

断崖絶壁とエメラルドグリーンに輝く深い水流が織りなすダイナミックな自然は訪れる人を魅了します。
峡谷内のトレイルでは、吊り橋を渡ったり、崖の細道を歩いたりと、冒険心をくすぐられる体験が楽しめます。
自然と一体感になれるような感覚を味わいながら進むコースは約2kmで、所要時間は1時間半〜2時間ほど。
遊歩道にはしっかり柵が設置されており、安全面にも配慮されているため、ファミリーでも安心して散策できます。

ただし、一部には階段や急坂、滝の水しぶきで滑りやすくなっている場所もあるため、歩きやすい靴で行くのがおすすめです。
進むごとに、渓谷の景色が刻々と変化していき、その壮大さに思わず言葉を失うほど。
澄んだ川の流れ、苔むした岩壁、そして静寂の中でのハイキングは、心身ともにリフレッシュできるスロベニアの穴場スポットです。
入場料金とキャンピングカー駐車場
トールミン峡谷の最寄りの街「トールミン」には無料駐車場が完備されています。
キャンピングカー専用のスペースも用意されていますが、車中泊は禁止されており、日中のみの利用となります。
開園期間と営業時間
毎年4月中旬から10月中旬まで開園し、冬季は閉鎖されています。
営業時間は、通常9:00〜17:00、夏季は19:00まで。
入場料
大人:10ユーロ(約1,600円)
子供:5ユーロ(約800円)
5歳以下:1ユーロ(約160円)
トリグラウ国立公園(Triglav National Park)
スロベニアの北西部に位置するトリグラウ国立公園は、アルプス山脈の一部で、登山愛好家や自然好きにとってはまさに”聖地”とも呼べる場所です。

スロベニア最高峰「トリグラウ山(2,864m)」を中心に、標高2,000mを超える山々が連なり、その壮大な風景は、まるでスイス思わせるほど美しく、訪れる者を魅了しています。
この公園には、初心者から上級者まで楽しめるさまざまなハイキングコースや登山ルートが整備されており、アクティブ派には理想的な環境。
また、登山をしない方でも、各所に点在する展望台やビュースポットから絶景を楽しむことができ、誰もが手つかずの大自然を満喫できます。
モイストロフカ山

私たちが今回挑戦したのは、標高2,366mの「Mojstrovka(モイストロフカ)山」への登山です。
このルートの特徴は、ヴィア・フェラータと呼ばれるワイヤーロープやステップが設置された登山道を使うこと。
ヘルメットやハーネス、ヴィア・フェラータキットを装着し、安全を確保しながら岩場をよじ登っていきます。
体力だけでなく、少しの勇気も試されるスリル満点のコースです。
しかし、その分頂上にたどり着いたときの達成感と爽快感は、言葉では言い表せないほど。
山頂からは360度のアルプスの絶景が広がり、開放感と高揚感に包まれました。

このように、トリグラウ国立公園は、さまざまなスタイルのアクティビティが楽しめ、雄大な自然美と多彩なアウトドア体験ができるのが大きな魅力です。
まとめ
スロベニアは、豊かな緑と澄んだ水に囲まれた、まさに“自然の宝石箱”のような国。私たちもその美しさと静けさにすっかり魅了されました。
ワイルドキャンプや自由な車中泊はやや制限がありますが、あらかじめスポットをリサーチしておけば、快適で安全な車中泊旅を楽しむことができます。
国土はコンパクトながら見どころはぎっしり詰まっており、短い滞在でも効率よく周遊できるのが大きな魅力。
観光地の喧騒から離れ、アルプスの山々や透明な湖に癒やされながら、のんびりと自然と向き合う時間を過ごしたい方には、ぴったりの旅先です。
次の旅先を探している方、いつもとは違うヨーロッパを味わってみたい方に、おすすめしたい国。
それがスロベニアです。