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1カ月ポルトガルをキャンピングカー旅して感じた意外な苦労とおすすめ車中泊スポット

1カ月ポルトガルをキャンピングカー旅して感じた意外な苦労とおすすめ車中泊スポット

年間を通して晴天率が高く、冬でも比較的温暖な国として知られるポルトガル。

ヨーロッパ各地から”冬の避寒地”として多くの人が訪れる、人気の観光地でもあります。

キャンピングカーで旅をしている私たち夫婦も、そんな「冬の太陽の楽園」を求めてポルトガルを訪れることにしました。

歴史あふれる美しい街並みや、キラキラと輝く海沿いの風景には心から感動しましたが、実際に旅してみると、想像とは少し違う“意外な困難”にもいくつか直面しました。

今回は、約1カ月にわたりポルトガルを北から南までキャンピングカーで巡って感じたリアルな旅の現実をシェアします。

キャンピングカーに関する規制や車中泊事情、そして訪れて本当におすすめしたいスポットまで、実体験をもとにお届けします。

【キャンピングカーでヨーロッパを旅する夫婦】17カ国目のポルトガルに入国!


私たち夫婦は、”一生の大冒険”を叶えるため、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅しています。

旅をスタートしてから、気づけばもう2年以上が経ちました。

イタリアから始まり、フランスやノルウェーなどヨーロッパ各地を巡って、ついに17カ国目となるポルトガルへと入国!

リモートワークをしながら旅を続ける中で、美しい街並みや息をのむような自然の絶景など、普通の観光ではなかなか味わえない、濃くて深い体験を重ねてきました。

そして次なる目的地・ポルトガル。

この国では、どんな出会いや冒険が待っているのか・・・高まる期待とともに、私たちはその地へ足を踏み入れました。

ポルトガルってどんな国?


ポルトガルのGoogleMAP

ポルトガルはヨーロッパ大陸の最西端に位置し、スペインと国境を接しながらも、大西洋に面した長い海岸線を持つ国です。

面積は、約92,000km²で、日本の約4分の3ほど。

ポルトガルの観光スポット

公用語はポルトガル語ですが、観光都市であるリスボンやポルト、南部のアルガルヴェ地方では、英語もよく通じ、外国人旅行者にとってとても観光しやすい国でもあります。

通貨はユーロで、ほとんどの店舗でカード決済が可能。

生活するうえでの利便性も高いです。

また、年間を通して温暖な気候が特徴で、特に冬でも晴天の日が多く、ヨーロッパ中の旅人たちが「冬の避寒地」として集まってくる場所でもあります。

ポルトガルのビーチ

実際に私たちも、バンライフ仲間から、こんな声をよく聞いていました。

「ポルトガルは居心地がよく過ごしやすい」、「冬でもTシャツで過ごせるくらい暖かい日もある」、「ビーチ沿いで車中泊できる最高のスポットがたくさんある」

SNSやブログでも、ポルトガルは “自由で快適なバンライフができる国”として紹介されることが多く、自然と私たちの期待も高まっていきました。

さらに、ヨーロッパの中でも比較的物価が安いという点も、長期滞在を見据えるうえで大きな魅力でした。

そんな希望を胸に、ワクワクしながらポルトガルへ入国したのですが、そこには思いもよらぬちょっとした落とし穴も待っていたのです。

ポルトガルはキャンピングカーの規制が厳しい!


ポルトガルのRVパーク

私たちはこれまで、無料のRVパークやキャンピングカー専用の駐車場、車中泊OKの公共駐車場、さらには自然の中でのワイルドキャンプなど、さまざまなスポットで寝泊まりしながら旅を続けてきました。

できるだけ費用を抑えつつ、自由気ままに暮らせるのがバンライフの醍醐味です。

しかし、国によってはその自由が制限されることも。

ポルトガルもそのひとつで、キャンピングカーに対する規制が意外と厳しい国でした。

ポルトガルでは、基本的に「指定されたキャンピングカー施設」以外での車中泊が禁止されています。

特に自然保護エリアや海岸沿いでは、車の侵入や駐車自体が禁止されている場所も増えてきています。

私たちは「Park4Night」というアプリを使って、車中泊スポットを探しているのですが、ポルトガルでは「ここで寝ていたら罰金を取られた」、「夜中に警察に起こされて移動させられた」というレビューを多く目にしました。

田舎町など、都心部や観光地から離れたエリアでは比較的規制が緩い場所もあり、場合によっては黙認されていることもあります。

しかし、国立公園やリゾートエリア、特にアルガルヴェ地方では、規制が年々強化され、車中泊禁止エリアが着実に広がっています。

車中泊禁止の看板

実際、私たちも「絶対行きたい!」と思っていた絶景の海沿いスポットで、「キャンピングカー駐車禁止」の看板を目にし、泣く泣く諦めた場所が何カ所もありました。

自由な旅を楽しむには、これまで以上に場所選びに気をつければならないと感じたのが、ポルトガルでのリアルな体験でした。

こうした規制強化の背景には、海外からのキャンピングカー利用者の急増があります。

ポルトガルの美しい自然や地域住民への影響を考慮し、やむを得ず規制を強めているという側面もあるようです。

規制が厳しい中で見つけた、快適な車中泊スポット


快適なRVパークの様子

ポルトガルでは、キャンピングカーでの車中泊に一定の規制があるものの、ルールを守れば安心して滞在できる場所もたくさんあります。

特に、有料・無料のRVパークやオートキャンプ場は非常に充実していて、場所によってはとても快適に過ごすことができました。

中でもおすすめなのが、海沿いの街や観光都市から少し離れた、内陸部の「Serra(セーラ)」と呼ばれる山岳地帯や、小さな田舎町の周辺。

こうしたエリアには、のどかな自然に囲まれた無料のRVパークが豊富にあり、静かで落ち着いた環境の中で、ゆったりとした時間を楽しめました。

ここからは、私たちが実際に訪れた中で特に良かったエリア3つをご紹介します。

ポルトガル本土で最も標高が高い山地の「セラ・ダ・エストレーラ」エリア


セラ・ダ・エストレーラ自然公園のマップ

「セラ・ダ・エストレーラ」は、ポルトガル本土でも標高が高い山岳地帯。

夏はハイキングや自然散策を楽しむ人々で賑わう、人気のエリアです。

セラ・ダ・エストレーラの景色

公園内は自然保護区域に指定されているため、車中泊は禁止されていますが、周辺にはRVパークやキャンプ場が多く点在しており、滞在先には困りません

セラ・ダ・エストレーラの近くのRVパーク

中には、給水、外部電源、トイレ、温水シャワーまで完備された無料のRVパークもあり、「ここ、ほんとに無料でいいの?」と声が出たほどです。

標高が高く、澄んだ空気の中で眺める夜空は圧巻で、満天の星を見ながら静かに過ごす時間はまさに贅沢でした。

おすすめの無料RVパークArea Autocararananasのマップ

おすすめの無料RVパーク


アルガルヴェ地方の内陸部の山間地域「セラ・デ・モンシケ」エリア


アルガルヴェ地方といえば、美しいビーチが有名なポルトガル屈指のリゾート地。

しかし、海沿いエリアはキャンピングカーに対する規制が厳しく、自由に旅するには少し複雑です。

そこでおすすめなのが、少し内陸部に入った「セラ・デ・モンシケ」周辺。

緑豊かな自然が広がるこの地域には、小さな村には無料のRVパークが点在していて、キャンピングカー旅にぴったりな環境が整っています。

バランコ・ド・デモの遊歩道のマップ

中でも印象的だったのが、アルフェルス村近くにある、Passadiços Barranco do Demo(バランコ・ド・デモの遊歩道)。

木製の遊歩道を進むと、渓谷の絶景を楽しめます

セラ・デ・モンシケの景色

展望デッキや吊り橋もあり、絶景とスリルの両方を同時に堪能できます。

周辺にはキャンピングカー専用のRVパークもあり、自然の中で快適に滞在することができました。

おすすめの無料車中泊スポット

キャンピングカーでビーチを楽しむなら「コンソラサン・ビーチ」


コンソラサン・ビーチの景色

ポルトガルでは、海沿いエリアでの車中泊に制限が多いものの、中部西海岸には例外的にキャンピングカーで快適に滞在できる場所も点在しています。

中でもおすすめなのが、世界的なサーフスポットとして知られるペニシェ周辺。

ここでは毎年「ワールドサーフリーグ(WSL)」の大会も開催され、多くのサーファーが集まります。

コンソラサン・ビーチのマップ

そんなエリアの中で特に良かったのが、Praia da Consolação(コンソラサン・ビーチ)。

小さな海沿いの町で、ビーチから徒歩5分ほどの場所に、水道も完備された広めのキャンピングカー専用駐車場があります。

コンソラサン・ビーチの近くのRVパーク

訪れたときは、数台のキャンピングカーが停まっていて、ビーチカルチャーの雰囲気を間近で感じることができました。

ポルトガルの観光スポット

おすすめの無料車中泊スポット


ポルトガルでキャンピングカー旅をする人へのアドバイス


ポルトガルは全体的にキャンピングカー向けの設備が整っており、快適に旅ができる国です。

しかし、車中泊が禁止されているエリアも多く存在するため、事前の下調べがとても重要になります。

ポルトガルの規制が厳しい場所

特に気をつけたほうがいいエリア
・ポルトからリスボン間の海沿い
・リスボンからコスタ・ヴィセンティーナ(Costa Vicentina)
・アルガルヴェ地方の海岸沿い


これらの地域は車中泊が禁止されているスポットが非常に多く、また無料のRVパークも少ないため、有料のRVパークやキャンプ場を利用する前提で計画を立てておくと安心です。

また、「予定していたRVパークが満車」や「以前は車中泊OKだった場所が、今回は車中泊禁止になっていた」など、思わぬ変更が起きることも。

そんな緊急時に備えて、代わりの候補地をいくつかリストアップしておくことをおすすめします。

さらに、車をレンタルするならキャンピングカーではなく、バンタイプのキャンピングカーを選ぶのがおすすめです。

というのも、多くの規制は「キャンピングカー(モーターホーム)」に対して適用されており、バンタイプの車両は規制対象外となるケースが多いからです。

また、コンパクトの車両なら、狭い道や小さな村にもスムーズに走行でき、駐車スペースも見つけやすいです。

特にポルトガルは、砂利道の先にあるビーチや、キャンピングカーでは入れない場所も多いため、取り回しの良いバンタイプが旅にはぴったりです。

まとめ


ポルトガルでは、海沿いを中心にキャンピングカーでの車中泊が規制されている場所も多く、「ここに泊まろう」と思いつきで自由に停まるような、「海辺の自由なバンライフ」は想像していた以上に難しい場面もありました。

それでも、訪れた風景、出会った人々、過ごした時間は、どれも忘れられない貴重な経験です。

キャンピングカー旅は自由で魅力的ですが、実際に体験してみたいと分からない現実や苦労もたくさんあります。

だからこそ、一つひとつの出来事が旅の深みとなり、自分たちだけの特別な物語を形づくっていくのだと、改めて実感しました。

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!