とってもワイルドなオーストラリアの車中泊スポット!
こんにちは、西オーストラリア・パース在住のbemntyです。
日本の車中泊スポットというと、RVパークや道の駅など、食事やトイレに困らない、しかも温泉まであったりで至れり尽くせりなところが多いですが、筆者が住んでいる西オーストラリアの車中泊スポットは、何もない自然だけのところが多いです。
今回は日本の車中泊とはひと味違った、オーストラリアのワイルドな無料車中泊スポットで車中泊をした時の様子をご紹介したいと思います。
アウトバック入口の車中泊スポット
上の写真は、西オーストラリアの州都パースから北東に550kmほどの場所にある、マウント マグネットという街の少し手前の無料キャンプスポットです。
この辺りから土壌は鉄分を多く含む赤土に変わり、「アウトバックへようこそ」の看板が出ています。そう、ここはアウトバック(オーストラリア中心部の砂漠地帯)の入り口となる場所です。
こちらは筆者がマウント オーガスタスという、世界で1番大きな1枚岩(エアーズロックよりも大きな1枚岩です)に行く途中で宿泊した車中泊スポット。
主要道路沿いにありますが、基本的にどこにでも駐車して良いので、ある程度奥であれば車の音は気になりません。
道中には、無惨にも車に轢かれたカンガルーの死体がゴロゴロしていました。オーストラリアでは日本の皆さんが思っている以上に野生のカンガルーは沢山いて、郊外での夜間の運転はカンガルーが飛び出してきて危険なので、日が暮れたら運転はしないというのが、暗黙の了解となっています。
こちらでは焚き火をする事も許可されていますので、焚き火をした跡があった場所に駐車して車中泊しました。
オーストラリアは夏場はかなり乾燥するため、森林火災が起こりやすく、焚き火が許可されている場所でも焚き火ができるのは冬場のみとなります。
乾いた枯れ木を拾ってきて、焚き火をしながら簡単な夕食をとりました。周りには高い建物も山などもなく、空が広範囲で見えるので星空が美しく、天の川もはっきり見えましたよ。
この日は筆者以外のキャンパーはいなく、貸し切り状態で贅沢ではあったのですが、このような静かな自然の中ですと、ディンゴ(犬のようですが、オオカミに近い肉食の動物)に襲われないかと心配でもありました。
ただ、筆者はルーフテントキャンパーですので、高い場所にある寝床は、そういった野生動物に襲われるかもという恐れが軽減されることも利点です。
車中泊ではルーフテントの窓から見える、朝の景色が楽しみとなっています。
この日は荒々しい朝焼けが美しく、赤土の大地の色と朝焼けの色がマッチして、より一層ワイルドなアウトバックの景色を楽しめました。
このように赤土と低い木しかない場所で、シャワーもトイレの施設もない無料の車中泊スポットでしたが、遠い目的地に行くための中継点として寝るだけの車中泊でしたから問題なしです。
むしろ旅の気分を盛り上げてくれる車中泊スポットでした。
丘の上の贅沢な無料車中泊スポット
こちらは、西オーストラリアのカリジニ国立公園から東に80kmほどの、国道1号線沿いの丘の上にある無料の車中泊スポットです。
本当はカリジニ国立公園内のキャンプ場に宿泊したかったのですが、どこも満員でキャンプ場難民になってしまいました。
そこで、少し遠かったのですが、キャンプ場スポットのアプリでクチコミが良かったこちらのスポットに行くことに。
この選択が大正解で、丘の上を進んで行くと自由にキャンプできる場所があり、その中から開放感のあるこちらに車を停めました。
遠くから見ると、離れた場所にぽつんぽつんとキャンパーの車が停まっており、プライベート感がありながらも、寂しくないといった好条件です。
このような丘の上の開放感がある、景色の良い車中泊スポットが無料とは!オーストラリアはなんてキャンパーに優しいのだろうと思います。
どうですか、この贅沢な立地!
こちらでは1泊のみでしたが、可能であれば何日間か連泊したかったくらいです。
シャワー、トイレはありませんでしたが、オーストラリアでは観光地の観光案内所には有料のシャワーが併設されている所が多く、この日もカリジニ国立公園内の観光案内所のシャワーを使ってからこちらに入りました。
トイレの方は、キャンパー生活を数日していると、青空トイレにも慣れてきます。
こちらも焚き火可能なスポットでしたので、夕食はスキレット(鋳鉄製の厚手のフライパン)を使って、焚き火でオージービーフのTボーンステーキを焼きました。
こんな贅沢なスポットでの夕食は、より一層美味しく感じられますね。
もちろん星空もきれいに見られました。西オーストラリアでは5月から11月くらいの晴れた夜空には、南十字星をはっきり見ることができます。
主要道路沿いの休憩所的な車中泊スポット
オーストラリア郊外の主要道路には、旅行者や長距離トラックドライバーのための休憩エリアが定期的な間隔で設けられています。
そのほとんどは、ロードトレインと呼ばれる長いトラックが停まれるような細長い休憩エリアなのですが、写真のような広い無料休憩エリアもあります。
日陰になるカバーエリアやコンクリートの常設焚き火場などもあり、シャワーこそないですがトイレはありました。
ピクニックテーブルが常設されていましたので、こちらの隣に停車して車中泊です。テーブルとイスを出す手間が省けました。
このように何にもない殺風景な道路沿いのスポットですが、この時は2週間のロードトリップ(数百キロ、数千キロの長距離を車で移動する旅)の終盤で、1200km離れた我が家に2日かけて帰る途中の中継点でしたので、殺風景でも問題なし。無料で泊まれるだけでありがたかったです。
殺風景ながらも朝焼けはきれいでした。
西オーストラリア州では徹底した対策により在住者の新型コロナ感染者は0で、感染者は海外からの帰国者のみという現状が続いています(2020年11月現在)。
そのため西オーストラリア州は、オーストラリア国内の他州よりも平和です。それでもコロナ規制中なので海外には旅行に行けず、州内での旅行が大ブーム。
観光地では宿泊所がフルブッキング状態になっていて、キャンプ場も空きがないほどです。
でも、ここのような周りに何もない長距離ドライバーの為の休憩所としての車中泊スポットには、数組のキャンパーがいるだけでとても静かに過ごせました。
先述した通り、オーストラリアではカンガルーなどの野生動物を車で轢いてしまわないために夜間の運転は控えますので、主要道路沿いでも夜は静かで快適です。
まとめ
オーストラリアの無料車中泊スポット、いかがでしたか?
日本の高速道路にはたくさんのサービスエリアがあると思いますが、西オーストラリアのサービスエリアはというと、州都のパース近くに数カ所あるのみ。
パースから郊外に出たら日本のサービスエリアらしきものはなく、ガソリンスタンドを兼ねたロードハウスというものがあるだけで必要最低限の施設しかありません。
このような環境ですので、オーストラリアの車中泊スポットは、日本の車中泊スポットとはイメージが違ったかと思います。
今回ご紹介したような車中泊・キャンプスポットは郊外には多々あり、トイレがないなどの不便さはありますが、隣が近い窮屈なキャンプ場よりも、開放感のある車中泊スポットはかなり良いと感じます。無料と言うのもうれしい限りです。
このような無料車中泊スポットは、車旅での長い移動の中継点にある場合が多く、観光地では有料のキャンプ場のみで無料のスポットはあまりありません。
また、広い広いオーストラリアでも、どこでも自由に車中泊できるわけではなく、許可されている場所以外での車中泊・キャンプは、罰金を科せられることになります。
今の時代は簡単にキャンプサイトを探せるアプリがありますので、そちらを使うと便利です。クチコミや投稿された写真などを参考に、希望に合う車中泊スポットを見つけることができますよ。
次の車旅では、どんな車中泊スポットに出会えるのか楽しみで仕方ありません。
日本の読者の皆さんにオーストラリアのワイルドな車中泊の雰囲気が伝わり、自然の中の車中泊の楽しさをシェアできたなら幸いです。