車中泊
【体験談】10人乗りハイエースで6人車中泊。DIYした車中泊装備を公開

ハイエースで車中泊してみたいと考える人は多いと思います。
筆者は、3ナンバー乗用車登録のハイエースワゴンを購入。
約2年間にわたって6人家族で車中泊を行っています。車内をDIYで工夫することで、家族全員が就寝できる環境を整えることができています。
本記事では、そうした実体験をもとに、ハイエースワゴンで快適に車中泊をするために必要なDIY装備や工夫について紹介します。
ハイエースでの車中泊に興味がある人の参考になればうれしいです。
どんな車旅をしているのか
我が家は6人家族で、車中泊を活用した旅行を日常的に行っています。主な行き先は、夏は海、冬は雪山といった季節に応じたアウトドアスポットです。
夏には、日中に海でのレジャーを楽しんだあと、夕方には家族でバーベキューを行い、夜はそのまま近隣の道の駅や海沿いのスポットで車中泊を行います。
冬はスノーボードを目的に、前日に出発してゲレンデ付近の道の駅などで前泊し、朝起きてすぐに滑走できるようにしています。
車中泊は宿泊施設の事前予約が不要であるため、旅程を柔軟に調整できるのが大きな利点。
特に小さな子どもを連れての旅行では、体調の変化や予定外の出来事が起こることもありますが、車中泊であればそのときの状況に応じて休憩を増やしたり、目的地を変更したりすることも。
おかげで、無理のないスケジュールで家族全員が安心して旅行を楽しめています。
わが家のハイエースはFlex Dreamのカスタムモデル

旅費を節約するため車中泊を検討し、夫婦で話し合った結果、10人乗りのハイエースワゴンを令和2年に購入しました。
排気量2.69Lのガソリンエンジン、2WD。
10人乗りで3ナンバー、乗用車登録です。
車両サイズは、全長484cm、全幅188cm、全高210.5cm。新車購入価格は約500万円。
ランドクルーザーやハイエース、キャランバンのカスタムコンプリートモデルを製作・販売しているFlex Dream(フレックスドリーム)の店舗に見に行った日に購入を決めました。
私たちが買ったのは、フレックスドリームがカスタムしたFDBOX W03というハイエースのコンプリートカー。
主に車内のシートレイアウトが純正のハイエースとは違っています。
↑が純正のハイエースワゴン ミドルルーフの室内レイアウト。

上がFDBOX W03の室内。
10人乗りなのは変わりませんが、FDBOX W03はセカンド、サード、4thシートをフルフラットにできて、車内全面がベッド状態になります。
家族で車中泊するのに向いていると考えて、これにしました。
最大10人乗れるので、6人家族だとスペースに余裕があります。
子どもが大きくなっても狭さを感じにくいと考えました。
3列目と4列目シートを跳ね上げて、前にスライドさせれば、後部に大きな荷物を積めるのも魅力。
他にアルファードなどのミニバンも候補でしたが、内装をアレンジしやすいのと室内の広さでFDBOX W03に決めました。
ボディカラーを白にした理由は、どんな風景にも溶け込み、旅先の自然や街並みを引き立ててくれるからです。
清潔感があり、明るくてやわらかな印象の白は、家族との旅をやさしく包み込んでくれる色だと思いました。
さらに、夏の暑さを少しでもやわらげてくれる実用性や、汚れが目立ちにくく手入れがしやすいという利点もあります。
車中泊仕様にするために行ったDIYは
室内全面がベッドになる乗車用タイプのハイエースFDBOX W03ですが、さらに自分好みにDIY。
快適な車中泊仕様へと仕上げた過程をアイテムごとに紹介します。
上段ベッドをDIY

まず家族6人(夫婦2人と子どもは13歳、11歳、9歳、7歳)で寝るために、上段ベッドをDIYで作って設置しました。

上段ベッドには横向きに2人が寝られるスペースを確保。
下段には4人が縦向きに寝られるように配置しています。
これにより、大人も子どももそれぞれ快適に眠れる空間ができて、家族全員がぐっすり眠れます。
上段ベッドは2人用なので、子どもたち3人の間で「今日は誰が上段で寝る?」といったやり取りも車中泊旅の楽しみの一つとなっています。
上段ベッドの製作は、車内のスペースにぴったり合うようにサイズをしっかり測り、ホームセンターで木材や工具を選ぶところから始めました。
木材は厚さ18mmのラワン材を使用。
クッション性を高めるためにチップウレタンを貼り、さらにその上から人工レザーシートを貼っています。
見た目も座り心地もバッチリのベッドが完成しました。
完成した上段ベッドはシンプルながら高級感があり、車内の雰囲気をおしゃれに演出しています。
使い心地も抜群で、家族全員が大満足。
ただし、ベッドの表面はレザー素材のため、そのまま寝ると蒸れやすく、汗をかいてしまいます。
快適に過ごすには、通気性の高いベッドパッドを敷くことが欠かせません。
上段ベッドは取り外せるため、使わないときは外して空間を広く使うことができます。
カーテンをDIY

車中泊には、カーテンは欠かせません。
夜は周囲の視線を遮ってプライバシーを守ってくれるし、朝にはやわらかな光が差し込んで、心地よく目覚めることができます。
サイドとリアウインドウにはハイエース専用のカーテンを購入して取り付けましたが、フロントウインドウ用カーテンはDIYで作りました。
カーテンレールはネットで購入し、カーテンを留めるクリップは100円ショップで手に入れました。
生地はニトリのテーブルクロスを選んで、窓のサイズに合わせカットし、ミシンで形を整えました。
実際にDIYしてみると予想以上に手軽でコストも抑えられ、材料費は3,000円ほど。
仕上がりにも満足しています。
しかし使ってみると、反省点も。
運転席でフロントのカーテンを開閉するときに、助手席側まで手が届きません。
今後使いやすいように改良したいと思っています。
センターコンソールボックスをDIY

長時間の運転では、どうしても腕や肘を休めたくなることがあります。
そんなときにアームレストや肘が置ける台があると、とても便利。
ハイエースワゴンに標準装備のセンターコンソールボックスにはアームレスト(肘置き)がありません。
そこでアフターパーツの肘置きを購入しようかと考えました。
でもどうせならセンターコンソールボックスを自作して、肘置きだけでなく机としても使えるようにしたいと考えました。
机タイプのコンソールボックスにしてからは、タブレットを置いて映画を見たりできていてとても便利です。
作り方は、まずイレクターパイプで枠を作成。
その上に家具や住宅によく使われるMDF材に耐熱のキッチンボードを貼り付けて作った天板を載せています。
イレクターパイプで土台を作ることにより、純正のコンソールボックスを傷めたり、取り外したりすることなく設置できます。
また、イレクターパイプは、ジョイントのパーツなども種類が豊富なため、製作した天板を可動式にでき、元々のコンソールボックス内の収納スペースにも簡単にアクセスが可能です。

天板を上げると、元々のコンソールボックスがあります。
室内灯をDIYで追加

ハイエースワゴンには標準で車内中央部に1つ、運転席上部に2つの室内灯が付いています。
ですが、車中泊の際は標準のライトだけだと夜は暗すぎるので追加で埋込型ダウンライトを6つ追加しました。
車内装飾用の調光式ダウンライトをAmazonで購入。
車内天井の内張りを剥がさずに設置できています。
内張りに6カ所穴を開け、そこからハンガーのワイヤーを使って、ダウンライト用の配線を通しました。
内張りはカッターで切り込みを入れられるくらい柔らかいため、作業は容易だと思います。
追加した調光式ダウンライトの電源は、車内助手席の下部にあるヒューズボックスの空いているヒューズから取っています。
電源取り出し用のヒューズは、エーモン社製の商品がホームセンターなどでも販売されているため、実物を確認しながら購入できるため苦労しませんでした。
ダウンライトの追加設置にかかった材料費は全部で1万円ほどでした。
天井にライトを追加というと、大変な作業に感じられるかもしれませんが、最近はYoutubeやネットの記事でも取り付け方が詳しく説明されているため参考にしながらDIYしました。
作業の難易度は中級程度だと感じました。

↑調光スイッチはクルクル回して明るさ調節できます。
ポータブル電源を購入

車中泊で携帯やパソコンの充電や、電気ケトル、IHコンロを使うためにポータブル電源を購入しました。

OSCAL Power Max 700というポータブル電源で、バッテリー容量は666Wh、AC出力700W(瞬間最大1200W)。
購入価格は約4万円でした。
電子レンジも一度だけ使ってみましたが、かなり電力を消費するので現在は使用していません。
6人家族がハイエースで車中泊してみて
ハイエースは車体が大きいため、運転に慣れるまでは取り回しに苦労する場面もあります。特に狭い道路に入るときや、コンビニなどの小規模な駐車場に停める際には、ハンドルを切るタイミングや車幅に注意が必要です。
燃費が良いとは言えないし、盗難されやすい車両なので心配もします。
一方で、ハイエースワゴンでの車中泊は非常に快適で魅力的。
筆者が乗っているFD-BOX W-03は室内全面を就寝スペースにできて、快適に寝られます。
荷物をたくさん積めて、用途に合わせて室内レイアウトが変更可能なため、普段の買い物や長距離移動、週末の小旅行などに幅広く対応してくれます。
これからも車内をより快適にするための工夫を続けながら、ハイエースワゴンで車旅を続けていきたいと考えています。