自宅を引き払った57歳車上生活者が教える!車中泊場所選びのコツ
目次
快適な車中泊を!経験者が教える「失敗しない場所選び」のコツ
車中泊のメリットは、その時の気分や翌日の予定に合わせて、眠る場所を臨機応変に変えられるところ。
しかし快適な車中泊には、場所選びが一番重要です。
そもそもそこは車中泊していい場所なのか?安全な場所なのか?トイレはあるか?など、いろいろな基準で総合的に考えて選ぶ必要があります。
この記事では自宅を引き払って毎日のように車中泊している筆者が、経験をもとに快適な車中泊場所を選ぶ基準やコツを紹介します。
失敗しない車中泊場所選びの参考になればと思います。
車中泊場所を選ぶ基準
前提として、車中泊を禁止している駐車場(有料・無料問わず)で車中泊をすることは避けましょう。
多くの人が車中泊する駐車場は、24時間利用可能で、駐車場内や隣接する施設にトイレがあるところ。
それらは自治体や企業などの設置者が利用者への利用ルールを示しています。
利用ルールは駐車場内に掲示されていたり、設置者のHPなどに記載されていたりするので、事前に確認しておくことをおすすめします。
その中で「車中泊禁止」や「宿泊行為禁止」などと明示されている場所での車中泊は絶対にやめておきましょう。
最重要ポイントはトイレの有無
車中泊をする時に、筆者が一番重要視しているのが「トイレ」です。
必ず駐車場内か隣接する場所にトイレがあるところを選んでいます。
また、和式トイレではなく洋式トイレ(可能であればウォシュレット付き)がベスト。
「一晩くらい大丈夫」と高を括ってトイレのない駐車場での車中泊はおすすめしません。
結果、ガマンできなくなることは想像に難くありません。
そこで気にかけているのは、次の2つです。
「車中泊が禁止されていない」「トイレがある(隣接している)」駐車場は、車中泊可能と言えます。
しかし、どうせ車中泊をするのであれば、より快適な場所を求めたくなります。
より快適な車中泊場所を選ぶためのコツ
そこでポイントとなるのは次の2つです。
まずは、携帯電波が入る(FreeWi-Fiがある)場所を選びましょう。
郊外では電波の届かない場所も多くあります。
山間部や人里から離れた沿岸部(特に岬など)は、事前にチェックしておきましょう。
Googleマップのレビューなどに書いてあることもあります。
都市部でも、キャリアによっては臨海部の工場地帯で電波の弱いところがあるので要チェック。
静かに本を読みたいから携帯電波はいらないという方は気にならないかもしれませんが、ネットで動画を観たり、マンガを読んだり、PC作業をしている筆者にはとても重要なチェックポイントです。
また緊急時(急な体調不良や車の故障時)に連絡手段がないのも不安ですよね。
安全面や防犯面も考慮
安全面については、あまりにも他に利用者がいない、周辺に人がいないエリアは避けた方が良いかもしれません。
もしそのような駐車場を利用する場合は、何かあった時に直ぐに助けを呼べない状況だと意識しておきましょう。
また、逆に都市部の繁華街の中の駐車場は、酔客にからまれる可能性も考えておいた方が良さそうです。
駐車場内に「車上荒らし注意」と真新しい掲示がされていたり、警察の巡回パトロールが頻繁に行われていたりするところは、トラブルに巻き込まれる可能性が高そうなので筆者は避けています。
都市部で車中泊場所を探すときの留意点
住宅や商業施設、オフィスビルなどが多くある都市部では、有料駐車場で車中泊をすることになります。
都市部は公園駐車場なども有料化され、コインパーキングが導入されていることが多くなりました。
筆者は住宅が隣接している駐車場は避けるようにしています。
これまで不審者通報などをされたことはありませんが念の為。
逆にビルの狭間や、鉄道の高架下、大きな施設、河川や海岸に面している駐車場は隣接する住宅が少ないのでおすすめです。
また、臨海部で海に面している公園は釣り客のために24時間開放されていて、トイレも整備されていることが多いのでよく利用します。
それなりに利用客もいるので安心して過ごせますよ。
さらに、繁華街で車中泊をする時は、なるべく飲み屋から少し離れた場所で、商業ビルなどが隣接するところを選んでいます。
近くにトイレのある公園か24時間営業のコンビニがあるところがベスト。
繁華街のコンビニは深夜のトイレ利用お断りのところもあるので、事前にチェックしておくことをおすすめします。
郊外で車中泊場所を探すときの留意点
都市部から離れた山間部や沿岸部、河川や湖など、自然が身近なところでの車中泊は、空気も良く開放感があり、とてもリラックスできます。
また、夜中にトイレで起きた時にふっと見上げる星空はとても素敵です。
郊外では自然公園や海岸・湖畔に24時間開放されている無料駐車場が多く、車中泊しやすい環境です。
トイレも併設されていることが多く助かります。
ただし、どの駐車場も車中泊のために開放されているのではありません。
沿岸部、河川、湖畔などは釣り客や早朝からアウトドア・スポーツをする方たちのため、山間部では登山客のために開放されています。
そのことは念頭においておきましょう。
車中泊が禁止されていなくても、設置者の目的とは少しズレていることもあります。
筆者はせっかくなので、車中泊ついでに釣りをしたり、トレッキングで景色を楽しみながら汗をかいたりするようにしています。
また駐車場内でのキャップ行為は多くが禁止されているので、車外にイスやテーブルを出して過ごすのはNG。
隣接する公園の緑地や広場を使わせてもらうようにしています。
郊外の車中泊スポット(道の駅以外)
山間部:登山道入口 夜景を展望できる公園 ダム湖や河川の緑地公園
沿岸部:漁港(漁港の場合は深夜早朝から漁業関係専用になる場合あり) オフシーズンの海水浴場 釣りスポット周辺の公園
その他:河川、湖や湿地に隣接する緑地公園 観光駐車場
天候や気温、季節によって変わる快適な車中泊場所
天候や気温によって、車中泊の快適度は大きく変わります。
そこで、天気が悪い時、寒い時、暑い時、それぞれの車中泊場所の選び方を紹介します。
雨の日や台風時の車中泊場所の選び方
春秋の気候の良い時は、雨の日の車中泊も風流があるので筆者は好きです。
雨音を聴きながら車内で本を読んだり、動画を観たりして過ごし、トイレのたびに傘をさしたり、時にはカッパを着たりして車外に出るのも悪くないです。
でも、やはり濡れたくない時もありますよね。
まして寒い冬場などは絶対濡れたくないものです。
そんな時は屋根のある駐車場を選びます。しかし、屋根のある駐車場は希少。
見つからない場合は、少しでも車からトイレへの移動が短く済むところを選ぶようにします。
例えば神奈川県の丹沢エリアにある「道の駅 清川」は駐車場も広く車中泊をしている人も多いのですが、夜間開放されている第二駐車場はトイレから少し離れていています。
同じ丹沢エリアの「道の駅 山北」は小さめの道の駅ですが、トイレのすぐ近くに車を停められるので、雨の日も比較的濡れずに移動ができます。
また、台風や集中豪雨などの悪天候の際は、必要がなければ車中泊はやめておきましょう。
不要不急の外出は避けるべき。
特に河川敷や臨海部、山間部の駐車場は、ダムの放水や強風による越波、土砂崩れなど命に関わる危険があります。
【屋根のある駐車場】
海ほたる:東京湾中程に浮かぶ人工島「海ほたる」は東京湾アクアラインのPAであり、多くの方が車中泊レポートをしています。
立体駐車となっており、雨の日も屋根のあるところに停められて、濡れずにトイレなどに行くことが可能。
24時間営業のコンビニもありとても便利です。
高速代はかかりますが、ETC割引なら都内のコインパーキングを利用するのと同じくらいの負担で済みます。
山下公園駐車場(横浜):横浜の有名な観光スポット「山下公園」。その一角にある有料駐車場は24時間営業でトイレが併設されており、雨の日の車中泊には最適なスポットです。
ただし、場所が良いこともあり駐車場代は少しお高め(1日最大2,080円なので、車中泊をすると2日カウントで4.160円)ですが、雨の山下公園で過ごすのは雰囲気があります。
その他:ここでは場所を特定しませんが、繁華街にあるビル型24時間営業のコインパーキングや、24時間営業の商業施設の駐車場などの屋内駐車場は、台風などの非常事態での危険回避として選択肢に入れておきましょう。
もし緊急避難する場合は、店舗や施設のスタッフに一言伝え、非常時の一時避難である旨を説明しましょう。
施設のルールに従い、迷惑にならないように注意を払って利用することが大切です。
暑い季節の車中泊場所の選び方
最近の夏は暑く長いですね。
正直、普通に車に乗るのも避けたい日々…。
そこで少しでも暑い日に健康を害さずに過ごす工夫をしみました。
まずは日中の過ごし方が夜に響きます。
日中も出来るだけ日陰を選んで駐車して、車体自体が高温になることを避けましょう。
また車内にいない時も、フロントガラスに日除けの目隠しをして車内の温度上昇を少しでも防いでください(正直、焼け石に水ではありますが)。
肝心の暑い日の車中泊場所ですが、大きく2つのポイントがあります。
まず「少しでも標高の高いところor海辺」です。
首都圏で過ごす筆者は、夜だけ丹沢湖周辺や奥多摩、秩父など少しでも標高の高いところの湖畔の駐車場などを利用しました。
また、海辺(東京湾などの内海ではなく、伊豆、房総半島など外海)も、夜は少しだけ風が涼しく感じられます。
2つ目のポイントは、車の窓やハッチバックを開け放して過ごせるところです。
昼間に車体自体が熱くなっているので、少しでも気温の下がった夜の空気で車の温度を下げないと、とても眠れません。
しかし、道の駅やコインパーキングでは窓やハッチバックを開け放して過ごすのは気が引けるので、やはり河川敷の無料キャンプ場や山間部の湖畔の駐車場になります。
海辺の駐車場も良いのですが、海水浴シーズンは有料化され夜間閉鎖が多いため、下調べが必要。
房総半島や伊豆半島の一部の海辺の駐車場は無料で開放されていて、かつ海客用の無料シャワーが設置されているので、身体を冷やすのに助かります。
都市部でも場所を選べば夏場も車中泊可能ですが、ヒートアイランド現象のせいで夜間も屋外気温が高く、繁華街のコインパーキングなどはビルのエアコン室外機からの排熱もあり灼熱!
とても車中泊ができる状況ではありませんでした。
夏一番のおすすめは「東北地方を涼しさを求めて北上する車中泊旅」でしょう。
筆者も夏の一番暑い時期に10日間程、青森の大間まで避暑旅をしていました。
寒い季節の車中泊場所の選び方
冬場はこのところの暖冬もあり、とても過ごしやすく感じています。
冬場の車中泊は気温が下がりすぎることと、急な降雪が怖いので山間部は避けています。
関東地方では南房総や南伊豆などの海辺の駐車場がとても過ごしやすいのでおすすめ。
夏場の海水浴シーズンは有料で夜間閉鎖されているところも、冬場のオフシーズンは無料で24時間開放されているところが多くあります。
また、やはり冬は焚火で暖をとるのが楽しい季節。焚火OKな海辺、河川敷の公園等に隣接した駐車場での車中泊も楽しみです。
暖冬とはいっても、やはり冬場は寒いので、低体温症などを避けるためにも防寒対策は忘れずに!
車内は屋外と同様に冷え込むので冬用寝袋と毛布は必須です。
また電気を使わずに温まることができる湯たんぽはかなり有効です。
湯たんぽで暖めた寝袋は朝までぬくぬく。
また冬場は、都市部の繁華街のコインパーキングでの車中泊もおすすめです。
繁華街は郊外よりも多少気温が高く過ごせます。
暖かい飲み屋でまったりして、銭湯でぬくぬく。
近くのコインパーキングで寝袋にくるまって眠るのもなかなか快適ですよ。
まとめ
日本列島は季節ごとの気候の変化が大きく、夏と冬の寒暖差があったり、雨降りの日が多かったり、その時々の過ごし方が求められます。
車中泊暮らしでは、いろいろ調べて、試して、考えることが楽しみでもありますが、同時に悩ましいことでもあります。
その悩ましさを軽減するためにも「雨の日はここ」「暑い時期はここ」「寒い時期はここ」と自分なりの定番を決めておくことが大切ですね。
また、楽しく暮らすことがバンライフの目的なので、こだわりすぎて無理することなく、暑すぎたり、寒すぎたりする時はビジネスホテルに逃げ込むのもあり!
そのためにお安いホテルマイリストを作っておくのも車中泊暮らしには必要なことだったりします。