車中泊
道の駅やSA・PA、RVパークだけじゃない!車中泊に適した場所と避けるべき注意点

大人気の道の駅ができてから日本の車中泊が始まったわけではない
道の駅での車中泊の是非については様々な意見が飛び交うが、実際のところ、車中泊用の駐車場として最もポピュラーになっていて、道の駅がなかったら現在の車中泊ブームのような状況が訪れることもなかったのではないかとも思う。
一方、私もそのうちの一人だが、現在より人数は少ないながらも道の駅が誕生するずっと以前から、クルマの中で寝泊まりして旅をしてきた人はいた。
本稿では、そんな頃の話なども交え、話題に挙がることも少ない道の駅や高速道路のSA・PA、RVパークなどではない「それ以外の場所での車中泊」を話題にしてみようと思う。
ただし、現在では様々な理由によってほぼ無理だろうと思われるような例も挙げているし、場所も特定せず、文中の写真も実際に車中泊をした場所より最近撮ったイメージ写真のようなものが殆どだ。
「ここで車中泊をした」とか「ここならタダで車中泊ができる」などのような趣旨の記事ではないので、想像力を広げる上での参考程度に読んでいただけたらと思う。
道の駅や高速のSA・PA、RVパークなど以外で車中泊をしてきた理由
私が車中泊をする場所は、そこが目的地ということではなくて、何かをするために便利な場所であるとか、遠出をする際の道中の宿泊地、周遊中の宿泊のいずれかだ。
それが前提なので、この記事は車中泊自体を楽しむための場所について、語っているのではないことを念頭に置いて読んでいただきたい。
道の駅や高速のSA・PA

遠隔地へ向かう際に高速道路を夜間に走行し、疲れて眠くなったらSAやPAに入って駐車場で寝るのはよくあることで、これは私が昔からやってきたことだ。
一般道であれば、現在はこれと同じように道の駅を利用させてもらうことが多い。
そして、私が道の駅ではないところで車中泊をしてきた経験がある理由は全く単純で、こんなスタイルで旅をするようになった頃はまだ道の駅がなかったからだ。
また、道の駅がなかった頃は現在のように高速道路網も発達していなくて、向かう方向によっては一般道を延々と走行しなければならないことも多々あり、SAやPAの駐車場を利用する機会も現在より少なかったように思う。

最初の頃は、道の駅や高速道路のSA・PAを選ばなかったというより、選ぶことができなかっただけなのだが、逆にそのおかげで色々と面白い体験もできたようにも思う。
RVパーク
私は日本でRVパークをまだ利用したことがない。
しかし、北米ではかなり昔からRVパークが普及していて、日本で道の駅が誕生するずっと以前にRVパークを転々としながら旅をしたことがある。
北米のRVパークは規模が大きく、何か特別な日でもなければ予約などせずに夕方到着しても大丈夫なことが多く、それが大きな魅力だった。
そして、何の変哲もない小さな町の端辺りにRVパークがあるのもごく普通のよくある光景で、遊びに行く場所というより、これが重要な点だが「旅をするために手軽に利用できる実用的な施設」として機能している。
オーストラリアも概ね北米と状況は変わりなく(オーストラリアではキャラバンパークと呼ばれている)、北米もそうだが、キャラバンパークがない町でもモーテルが何件かあるのが普通なので、クルマで旅していて宿泊場所に困るようなことはなかった。
時間が遅くなってからでもVacancyのサインの出ているモーテルを見つければ良いだけなので、一月くらいの間、ホテルの予約など全くせずにキャラバンパークとモーテルを渡り歩きながら、行き当たりばったり的に気楽に旅をすることができた。
近頃日本でもRVパークが増えてきたが、道の駅がなかった頃はオートキャンプ場はあっても、RVパークは多分まだなかったと思う。
そして、大きければ良いということではないが、日本のRVパークは規模が非常に小さいところが多く、北米やオーストラリアのRVパーク(キャラバンパーク)とは違う種類の施設といった感じのするところが多い。
また、増えてきたといってもまだまだ数は少なく、自分の行きたいところの近くや道中の都合の良いところで手軽に見つけられるといったようなイメージからは遠く、事前予約が必須なところも多いようで手軽さに欠ける。
綿密な計画などを立てず、時間に囚われずに自由に動きたくて、予約などの煩わしさからも解放されたいことが、クルマで寝泊まりして旅をする最も大きな理由となっている私のような者にとっては、これでは残念ながらあまり魅力が感じられない。
また、有料が嫌だということではないのだが、一人で利用すると安いホテルと駐車場の料金を足した金額より高くなってしまうような料金設定になっているところも多いようなので、一人旅には魅力が乏しい。
といったことが、私が日本でRVパークをまだ利用したことがない理由だ。
しかし、これはあくまで私の要望には適っていないだけなので、日本のRVパークがダメだという意味ではないので、誤解のないように。
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道の駅、SA・PA以外の車中泊場所の例

前置きが長くなったが、道の駅ができる以前は私がどんなところで車中泊をしてきたのか、いくつかの例を挙げ、その理由なども説明しておこう。
山でよく利用してきた場所

季節を問わず「山をやる人」(山に登ったり、縦走したり、自然の岩壁を登ったり、スキー場ではないところでスキーをするような人のこと)は朝早くから行動を開始したいため、前夜のうちに登山口やスキー場の駐車場などに到着しておき、そこで前泊する(車中で寝る)人も多い。
「車中泊をする」などと意識してやっていたことではなく、自然にそんなことをやってきたものだが、こんなことが「車中泊の原点」なのだと思う
学生の頃は夏山に登り、20代半ば頃からアラフォー辺りまではバックカントリースキーに夢中になっていた私も多分に漏れずその口だ。
また、地方の鉄道の駅は、駅前に何もないようなところでも、バス停やタクシー乗り場以外にしっかりと駐車スペースが確保されているようなところが案外多いが、特に山中の駅は里から離れているようなところにあることも多く、そんな駅は最終列車が行ってしまった後(その前から?)は全く人気(ひとけ)もなくなってしまう。

ということで、最終列車後から始発到着前までの間の駅前駐車場を利用させてもらうことも多かった。
戸締まりもしない無人駅などでは、車内に戻って寝るまでの間は駅舎の待合室も利用させてもらうことがあったが、学生の頃(クルマを所有できるようになる前)はそんな駅舎は格好の宿泊場所の一つで、歩いていてちょっとした雨風を凌げる小屋のようなものがあるバス停を見つけると歓喜したものだ。

こういった経験があったため、移動の道中でも全く人気(ひとけ)などない無人駅などを見つけると、その駅前で車中泊をさせてもらったこともあったが、当然ながら鉄道の駅前の駐車スペースも駅舎も鉄道の利用者のためのものなので、これは法令違反になってしまう可能性もあることだ。

現在とは法令遵守に関する考え方も少々違っていて、何かと世間も大らかだったように思える時期にやっていたことなので、現在も同じようなことを薦めることなど全くできないので、これは昔話程度に留めておいていただきたい。
また、こんなことを思い出していたら、鉄道の駅前が道の駅にもなっている場所もあり、そんな道の駅の駐車場をいくつか利用させてもらったことがあったことも思い出した。

寂しくなってしまった駅の活気も蘇るので、今後もそんな道の駅が増える可能性はありそうだ。
河原や河川敷

現在のようなキャンプブームが訪れるずっと以前は、車で入れる河原も人が少なく、旅の途中で車中泊やキャンプをする適地の一つだった。
また、詳しくは知らないが、現在は河原や河川敷を無料で利用できるキャンプ場として、公式に開放(?)しているところもあるようだ。
しかし、私の場合はカヤックやSUPで川下りをしている途中の車で侵入することのできない(=人があまり来ない)河原でキャンプをすることは現在もあるが、アクセスのしやすい河原は人が多くなってしまったところが多いので、殆ど利用することはなくなってしまった。
またこれとは別に、大きな川の河川敷には大きな公園やスポーツグラウンドなどがあることも多く、大抵そういった場所には広い駐車場も確保されている。

夜になれば人気(ひとけ)が少なくなるので、寝るだけなら問題ないと思い、やはり道中の車中泊場所として利用させてもらうことがある。
ただし、そういった場所でいわゆるバーベキューと呼ばれるような行為はしないし、週末の朝などは早くからグラウンドの利用者が集まってくる可能性も高いので、迷惑にならないように早めに撤収できるように心掛けている。
観光地の駐車場や空き地
観光地の無料駐車場も昔からよく利用させてもらってきた。

無料の駐車場は山の観光地にもある(どこにでもあるわけではないが)が、砂浜のあるような海岸近くと、景勝地のある海岸近くには、昔から全国どこへ行っても無料の駐車場が多いので、海沿いの道路では比較的容易に見つかる。

そして、現在は有料となってしまったところでも、20世紀は夏以外無料になるところの方が多かった(湘南でさえだ)。
若い頃は、サーフィンをするのは家の近所の海岸が多かったが、波はいつでもあるわけではなく、仕事が休みの日に近場に波があるとも限らない。
30過ぎた頃から、休みの日に近場のコンディションが良くなければ、日帰りは厳しいような波のありそうなところへ出向き、車中泊をしてサーフィンを楽しむことも増えた(挙句、現在住んでいる房総半島南部に引っ越してしまった)。

そんなときは、無料の海岸の駐車場を利用させてもらうこともあったが、その頃は海岸近くに海岸の延長なのか所有者のいる土地なのかわからないような曖昧な空き地のあるようなところも結構多かったので、そんな空き地にテントを張って寝る(空いていても駐車場にテントを張るようなことはしなかった)こともあった。
現在はそんな場所自体が激減したが、これは状況を知っている場所でやっていたことなので、初めて訪れる状況もわからないような場所でこんなことをすると、トラブルになってしまう可能性も十分ある。
楽しい経験だったが、現在は何かと世間の目も厳しくなっているし、ちゃんとしたキャンプ場も増えたので、無闇にこんなことをするのはやめておいたほうが良いと思う。
商業施設の駐車場
アメリカでは24時間営業の、ウォールマートスーパーセンターの巨大な駐車場を、RVパークの代わりのようにして旅をする人達もいるらしい。
買い物ができてガードマンもいて安全だからだということが理由らしいが、かなりグレーな利用法ではある。
しかし、探しても他に休めるようなところが見つからなかった時に、私も地方の24時間営業のかなり大きなスーパーの駐車場の端の方で数時間寝させてもらった経験がある。
夜遅くに着いて夜食も朝食もそのスーパーで購入したのは当然だが、最初からそこを車中泊場所として目指すようなことはすべきでないと思う。
コインパーキング
地方都市などで宿泊する場合は酒も飲みたいので、基本的には安いホテルなどに宿泊するようにしているが、コインパーキングに駐車して車中泊をしたことも何度かある。

また、私の家は歩ける範囲内に鉄道の駅も高速バスのバス停もないが、家からクルマで1時間以内のところにある大きなバスターミナルまでなら、結構遅い時間になっても都内から高速バスで1時間で帰ってくることができる。
なので、都内で飲んで高速バスで帰ってきて、バスターミナル近くのコインパーキング(バスターミナル近辺にはコインパーキングがたくさんあって料金も安い)に停めた車中で1泊し、翌朝家に帰ることがある。
しかし、いずれの場合も車中泊を楽しむことが目的ではないので、愛車のベッドへ帰ったらすぐに寝るだけだ。
ただし、「車内で寝てはいけない」ことなっているパーキングもあるかもしれないので、トラブルのないように事前に注意書きなどを読んで確認しておいた方が良いと思う。
それと、すぐに寝てしまうといっても、飲んだ後だからお店やバスターミナルなどトイレのあるところから離れた後に、尿意を催す可能性も十分ある。
トイレとまでは言わなくとも、車内に空のペットボトルなどそれ用の容器を準備しておくことも必須だ。
全体的な注意点
これらが私がこれまでに利用させてもらってきた「それ以外の車中泊場所」の代表例だが、あまり公表したくないようなところ(法に触れるなどの意味ではない)もあるし、これが全てでもない。
また、各々に関しての注意点も少し挙げたが、全体に共通するような注意すべきことなども挙げておこう。
駐車場に長居はしない

第一に、どこであれ基本的に長居はしないことだ。
日中に適地を発見したとしても、なるべくならずっとその場に留まるのではなく、一旦他の場所にも行ってみるとか、買い物に行くなどした方が良いと思うし、朝は早く出発することが基本だ。
RVパークやキャンプ場ではないところでの連泊、道の駅の駐車場にトレーラーを残置して出かけるなどはNGだ。
周囲の状況を確認する
2番目は、人気(ひとけ)の少ない場所というのは、物騒な場所である可能性も高いということだ。
怪しいか否かを判断するには主に勘に頼るしかないが、簡単に判断がつく例もある。
例えば、空いていて景色も良く、日中は静かで良い駐車場であっても、縦横無尽にタイヤ痕があったとしたら、夜になるとそういったヤンチャなクルマ遊びをしにくる連中がいる証だということで、車中泊の適地でないことはわかる。

同様に派手な落書きが多いような場所もやめておいた方が無難だ。
また、こういった「いかにも」でなくても避けた方が良い場所がある。
以前、シーカヤックでワンウェイのツーリング(仕事)に出る際に、上陸地点の近くに私のクルマを回送用に置いて行くことになったことがあったのだが、現地の知人に私の動く部屋兼倉庫を置いて行く場所として案内された場所は、公園か何かの駐車場で、朝だったせいもあるが他に一台も駐車されていない場所だった。
派手な落書きなどもなく小綺麗な駐車場だったが、即答で私はそこに駐車して行くことを拒み、付近に有料の駐車場もなかったので、駐禁を取られることも覚悟の上で、人目が多く、交通の妨げにはならない漁港近くの道路に路駐(駐車禁止区間でなくとも長時間の路上駐車は違反になる)することにした。

その駐車場を利用しなかった理由は、高い生垣に囲われて完全に外部から遮断されているようなところだったからだ。
人目につかないのは良いことのようにも思えるが、車上荒らしにとっても大変好都合な環境ということだ。
日中は良い環境のように思えるこういった場所も、特に女性は車中泊に利用しない方が良いと思う。
注意書きは必ず確認する
3番目は禁止されている場所や施錠される場所もあることだ。
登山口や観光地の駐車場には前泊などを禁止しているところもあるし、夜は施錠される駐車場もある。
また、公共の公園やグラウンドの駐車場も条例などで夜間の駐車を禁止しているような場所もあると思う。

こういったことは、注意書きなどの看板で必ず確認しておく必要があるが、他にも場所に応じた注意書きは色々あるので、そういったものを確認しておくのは必須だ。
その場所は私有地ではない?または待避所ではない?
4番目はどういった類の土地かということだ。

例えば、付近に人家のないような山道や林道の途中などに開けた場所があって、車中泊に利用できそうなこともあるが、こういった場所は私有地の可能性もあるし、車両のすれ違いのためや、先が行き止まりになっていてUターン用に確保されていることもある(実際にそういった場所に駐車してトラブルが発生している例もある)し、バスの転換所などの場合もある。
無闇には利用しないことだ。
積雪期は特に注意
5番目は積雪期に関して。

積雪期は除雪作業があり、夜中や早朝にこの作業が行われることも多い。
場合によっては作業の邪魔になって迷惑をかけてしまうようなこともあるし、雪に車両が埋もれているような状態になっている場合は事故に遭う危険性もある。
また、寒いからとエンジンをかけたまま駐車していると、雪で排気口が塞がれ、室内に排気ガスが入ってしまい、一酸化炭素中毒を引き起こしてしまう可能性もあるので、積雪期は何かと注意しなければならないことも多い。
時代に合わせて楽しく安全に
昔の方が何かと堅苦しくないことが多くて、楽しかった思い出も多々あるが、現在の方が良くなっていることもたくさんある。

しかし、昔はできていたことだからと、無理に現在も同じことをし続けようとするのではなく、社会の変化には合わせるべきだ。
車中泊に限ったことではないが、公共の場を利用するのであれば謙虚な気持ちが大切で、権利や正当性を主張するだけではなく、他人から見て不快に映らない行動を心掛けることも大切だと思う。

車中泊は楽しく安全に。